Tchikovsky "Romeo and Juliet" "Francesca da Rimini"2009年08月09日 04時55分

日RVC/RCA Red Seal RVC-2171
日RVC/RCA Red Seal RVC-2171(ARL1-2490, (P)1978)
Tchikovsky "Romeo and Juliet" "Francesca da Rimini"
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

CD
・BMGファンハウス BVCC-38116(Francesca da Rimini)
・BMGファンハウス BVCC-38117(Romeo and Juliet)

これも、昨日寄った中古屋の訳あり傷物で見かけた1枚。

ジャケットの人物は、「ロメオとジュリエット」か、「フランチェスカとパオロ」のどちらかは・・・どっち?

それにしても、おねーさんの方は「いいとこのお嬢さん」というより「下町のねーさん」というイメージだが・・・ウェストサイド・ストーリーの登場人物と言った方がしっくりきたりして・・・

「ロメオとジュリエット」くらいは知ってるが、「フランチェスカ=ダ=リミニ」の方は全然知らんので wikipedia で探してみた。

フランチェスカ・ダ・リミニ (チャイコフスキー)(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%83%8B_%28%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%29

「神曲」中の絶唱とされる「地獄篇」第5歌《フランチェスカ・ダ・リミニ》が作曲の題材だそうだが、救いのない話である。

神曲(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%9B%B2

フランチェスカ・ダ・リミニ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%83%8B

望まぬ政略結婚の為好きでもない相手に嫁いで、その相手の弟に想いを寄せたことがばれて、結婚相手に弟共々殺され、挙げ句地獄で苦しむんだとさ・・・なんじゃ、そりゃ。

地獄で苦しむ様子を描写した最初と最後は聴かせるが、中間の横恋慕部分は退屈だ。

当の作曲家は後に「エピソードに刺激されて一時的なパトスで書かれた、迫力のないつまらない作品」と自嘲しているらしいが、地獄の描写の迫力はなかなかのものだと思うよ。

ピョートル・チャイコフスキー(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC

やっぱり、「ロミオとジュリエット」の方が曲としては良くできている。これは名曲だ。中間部の陶酔感はチャイコならではの世界だ・・・

ロミオとジュリエット(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%9F%E3%82%AA%E3%81%A8%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88

ロメオとジュリエット (チャイコフスキー)(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%81%A8%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88_%28%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%29

RCA Red Seal 後期のステレオ録音だけあって、演奏・録音ともなかなかのもの。このコンビの最後の黄金時代の演奏でもある。

A Magnificent Recording First - LOVE STORY2009年08月09日 07時10分

Love Story LP and Movie Love Songs CD
米RCA Red Seal LSC-3210 (No Dog Label Dynaflex LP (C)1971)
米BMG Classics/RCA VICTOR 09026-60965-2(CD, (C)1992 )
A Magnificent Recording First - LOVE STORY
The World Greatest Orchestra Plays Great Love Themes of Today and Yesterday

Love Story, Andante from Concerto no.21(Mozart), Yesterday
The Windmills of Your Mind, Romeo & Juliet
The Heart is a Lonely Hunter ,West Side Story,
Tristan und Isolde ,Romeo & Juliet(Tchaikovsky)

Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

愛憎?がテーマのLPをもう一枚。

Maestro が見たら激怒しそうなジャケット(特に米盤のCDの方)であろう。オルガン交響曲のジャケットもそうだけど、アレは「クラシック音楽のレコード」からかけ離れたぶっ飛びデザインだ。

戦犯?は、恐らく、コロムビアから引き抜かれて、1970~1974年の間 RCA Records A&R 責任者(だと思うけど)であった ピーター=マンヴィス氏であろう。氏はコロムビア在籍時に、ワルター=カーロスのスイッチト・オン・バッハをプロデュースしたそうな。

Wendy Carlos(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Wendy_Carlos
※この人、アルバム作ってから女性に変身?してしまったのだ。

スイッチト・オン・バッハ(LPアルバム)
http://en.wikipedia.org/wiki/Switched-On_Bach

RCAは、1968年にオーマンディ/フィラデルフィアをコロムビアから引き抜くに当たり、5年間のロイヤリティーとして220万ドルを先払いし、さらに100万ドルをオーケストラの基金として寄付するなど莫大な負担をしているため、マンヴィス氏は、とにかく「元を取る」必要があったのではないかな。

ということで、セールスが期待出来ないシリアスなクラシックではなく、売り上げが期待できるポップスをとにかく録音させようとして、マエストロから「私はポップス指揮者じゃないぞ!」と激怒・反発されてしまったが・・・それでも依頼仕事はきっちりこなすのがマエストロ・ジーンではあるが

この 「ラヴ・ソングズ」や、「マーチ集」「ファンタスティック・フィラデルフィアンズ」、そして2枚の 「クリスマス・アルバム」は全てマンヴィス氏の企画だそうな。

ということで、オーマンディ・ファンからは目の敵?されている気の毒?なマンヴィス氏ではあるが、氏は冨田勲の "Snowflakes are Dancing" を大ヒットさせた立役者でもあるのだ。

冨田勲(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Isao_Tomita

Snowflakes are Dancing(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Snowflakes_are_Dancing

この辺りの事情は、冨田氏の著書「音の雲」(NHK出版)に詳しい。冨田ファン必見の書である。

これによると、日本のレコード会社には全く見向きもされなかったこの"Snowflakes are Dancing"のアルバムを聴いたマンヴィス氏、にっこりと笑って冨田氏に手を差し出し、「さあ、トミタ、ビールを飲みに行こう」と言ったそうな。

ビールを飲みながら「これは非常にセールスポイントの高いアルバムだ。『スイッチト・オン・バッハ』以上に世界で売ってみせる」と息まいたそうな。

日本のレコード会社に「置き場所がない」と言われたのに対してマンヴィス氏は

「『スイッチト・オン・バッハ』は、まずクラシックのソリストの棚、次にポピュラーの棚、電子音楽の棚、次に効果音の入った棚に置かれている。このアルバムもそのようにして置くつもりだ。置き場所が多ければそれだけ客の目に触れる」

・・・と、日本側のネガティヴ・シンキングとは正反対のポジティヴ・シンキングで売りまくる姿勢だったと・・・

ご存じの通り、アメリカで爆発的に売れ始めてから、日本のレコード会社が扱わせて欲しい・・・と相次いで言ってきたそうだが、結局米RCAとつきあいがあったビクターRCA事業部(後にRVC→BMGビクター→BMGファンハウス→BMGジャパン→SMEと合併して、Sony BMG Music Entertainment )から販売ということになった。

冨田氏によれば、マンヴィス氏は「・・・きっぷがいいというか、神田の江戸っ子ふうというか、親分肌というか『おれに任せとけ』といった、気に入ったらとことんやるというか、アメリカ人としてはめずらしいタイプであった。・・・」という。

このアルバムのリリースには、RCA Red Seal の名プロデューサー、ジョン=ファイファー氏も一枚かんでいる。氏は電子音楽のLPも出しているくらいなので、このアルバム将来性をすぐに感じ取ったのだろう。

John Pfeiffer(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/John_Pfeiffer

しかし、マンヴィス氏も1974年のRCAの政変?でRCAを辞してしまう。同じRCAのプロデューサーであった Max Wilcox氏も この政変でRCAを辞しフリーのプロデューサーとして活躍することになる。んで、我らがマエスト・ジーンとフィラデルフィア管弦楽団の録音は後任の Jay David Saks が担当することになることもご存じの通りである。

1986年にRCAはGEに身売りし、レコード部門をBMGに売却・・・んでもって、現在は Sony BMG Music Entertainment となっているわけだが・・・

RCAに関することをwikipediaから拾うと・・・

Radio Corporation of America
http://en.wikipedia.org/wiki/Radio_Corporation_of_America
http://ja.wikipedia.org/wiki/RCA

RCA Records
http://en.wikipedia.org/wiki/RCA_Records
http://ja.wikipedia.org/wiki/RCA%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89

RCAが消滅する原因となったビデオディスク
Capacitance Electronic Disc (CED)
http://en.wikipedia.org/wiki/Capacitance_Electronic_Disc

ついでにビクターのVHDも
http://ja.wikipedia.org/wiki/VHD

ついでにビデオディスクについて
http://en.wikipedia.org/wiki/Videodisc

RCAというと、David Sernoff 、Artur Toscanini、その他当時アメリカを象徴していた人物がぞろぞろ出てくる。

David Sarnoff
http://en.wikipedia.org/wiki/David_Sarnoff

RMS Titanic
http://en.wikipedia.org/wiki/RMS_Titanic

Artur Toscanini
http://en.wikipedia.org/wiki/Arturo_Toscanini

テレビ局のNBCも元々はRCAの子会社だったわけだし・・・

National Broadcasting Company (NBC)
http://en.wikipedia.org/wiki/NBC

RCAの社史がアメリカの歴史の大きな一部であった時代があったわけだ。今では、レコード・ラベルの商標や、真空管アンプのデッドストックとして見かけるくらいかな・・・

そういえば、コンピューター関係も、事務処理用や自動車制御用の組み込みコンピューターとか手を出していたような・・・20年以上前に、RCAロゴのついたキーボードの写真を見た記憶があるのだが・・・

ま、脱線はここまでにしときましょうか・・・

マエストロは決して乗り気でなかったにせよ、依頼仕事はきっちりこなすというプロフェッショナルに徹した見事なできばえのアルバムだと思いますよ。演奏はね。

Super Stereo for the 70's, Dynaflex の文字が40年近い歳月を感じさせますが・・・

このLPは2枚手元にある。1枚は未開封品だが、とってもペラペラでソリが酷い上に恐らくカッティング上のミスであろう。右チャンネルの音が小さく、バランスが左に傾いている。もう一枚は中古だが、盤はしっかりしており、音のバランスも修正されている。これなら聴ける。

日本でも数年前にCD化されました。米盤のどぎついCDデザインでないのが救いですが、まだあるかなあ・・・

BMGファンハウス BVCC-37324
「イエスタデイ~オーケストラが奏でる愛のテーマ」(CD)
米LPオリジナルジャケット仕様

んでは。

AN HISTORICAL REUNION, PHILADELPHIA,1960.2009年08月09日 08時45分

Columbia Masterworks ML5479 & Columbia Odyssey Y32364
米Columbia Masterworks Regular mono ML5479
米Columbia Odyssey Y32364 Stereo (C)1973
AN HISTORICAL REUNION, PHILADELPHIA,1960.
THE PHILADELPHIA ORCHESTRA/LEOPOLD STOKOWSKI
CONDUCTIONG
DE FALLA : EL AMOR BRUJO
WAGNER : TRISTAN UND ISOLDE LOVE MUSIC FROM ACTS II & III

Shirley Verrett-Carter
http://en.wikipedia.org/wiki/Shirley_Verrett

Leopold Stokowski/The Philadelphia Orchestra
http://en.wikipedia.org/wiki/Leopold_Stokowski

also available on CDs
Falla
- 米SC Essential Classics SBK89291
- 米CBS Masterworks Portrait MPK46449
Wagner
- IMG Artists/EMI 7243 5 75480 2 1(2CDs)
Great Conductors of the 20th Century - Leopold Stokowski

愛憎といえば、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」ですかな。

Richard Wagner
http://en.wikipedia.org/wiki/Richard_Wagner

Tristan und Isolde
http://en.wikipedia.org/wiki/Tristan_und_Isolde

ファリャの「恋は魔術師」なんて、これに較べたら他愛のないモンである。シャーリー=ヴァーレットの声の健康的なこと。

ワーグナーは「他人のものは自分のもの」を生活で実践してしまったとんでもない男ではあるが、まあ後生で音楽を聴く私にゃ関係ないな。でも知り合いだったら困るなあ・・・こういう人。

自分を世話してくれた人の奥さんを寝取ったり、子分の指揮者の奥さんを略奪したり・・・そういえば、最近女性誌の電車吊り広告で「略奪婚」という言葉を目にするが、いいのかなあ・・・そういうことはオペラだけにしといた方がいいのでは?

そういえば、ストコフスキもゴシップに彩られた人であったワ。

トリスタンとイゾルデは、2幕と3幕からストコフスキが抜粋再構成しているようだ。最初のショッキングな弦の音から、ストコ節のワーグナー全開である。最後は終幕の死で終わる。悩殺するような弦とか艶やかなハープはストコフスキならではであろうか。

ファリャはきびきびした演奏で気持ちがいい。快速テンポにオーケストラはしっかりついて行っている。

1940年~1960年、20年間の絶縁を経てのフィラデルフィア再登場の歴史的名盤・・・ということになるのかな。

手元にあるのは、オリジナルのモノ盤とステレオ再発廉価のオデッセイ盤。オリジナルはステレオ・モノラル両方で出ていた筈だが、ステレオ盤は手元にないが、恐らく番号はMS6079だろう。MS盤とML盤の同録音は600番違いみたいだから・・・

2曲ともCD化されているが、もう入手は困難でしょう。ワーグナーの方は、出たときはこの演奏が収録されているとは知らず、気がついたときには市場から姿を消してましたが、数年間根気よく探していたある日、名駅タワーの店頭にひょっこりと・・・すぐゲットしたのは言うまでもありません。この日の気分は花の子ルンルン状態であったとさ・・・

花の子ルンルン(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B1%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%83%AB%E3%83%B3%E3%83%AB%E3%83%B3

んでは。

Landmarks and Legends of Those Fabulous Philadelphians2009年08月09日 09時25分

Columbia Masterworks MGP17
Columbia Masterworks MGP17(2LPs)
Landmarks and Legends of Those Fabulous Philadelphians
Celebrated Performances by the Philadelphia Orchestra
Conducted by Eugene Ormandy & Leopold Stokowski

selected and annotated by Herbert Kupferberg,
author of the best-selling book "Those Fabulous Philadelphians - The Life and Times of a Great Orchestra"

Side1
- Wagner Tristan und Isolde Love Music from ActII & III
Side2
- Bach Transcriptions by Stokowski 3 Chorale-Preludes
"Ich Ruf' zu dir, Herr Jesu Christ""Nun Komm' , der Heiden Heiland""Wir Glauben all' an einen Gott"
- Rachmaninoff Symphonic Dance no.1
Side3
-Stravinsky Danse Russe from "Petrushka"suite
-Kodaly Viennese Musical Clock from "Hary Janos"suite
-Siberius The Swan of Tuonela(solo English horn:Louis Rosnblatt)
-Sousa The Stars and Stripes forever
-Mussorgsky(Ravel) The Great Gate at kiev from "Pictures at an Exhibition"
Side4
-R.Strauss Der Rosenkavalier suite

also available on CDs
Bach
- 米SC Masterworks Heritage MH2K62345
Stokowski・Ormandy The Philadelphia Orchestra plays BACH
Wagner
- IMG Artists/EMI 7243 5 75480 2 1(2CDs)
Great Conductors of the 20th Century - Leopold Stokowski

音で聴く "Those Fabulous Philadelphians" かな。このLPはebayで入手した物だったと思うが・・・もう数年前の事だから記憶は定かではない。

レコードジャケットを開くと表裏の表紙がアカデミー・オヴ・ミュージックの大きなシャンデリアを眼前に、眼下にオーケストラを見下ろす形の写真になっていることが分かる。

1960年代のストコフスキとフィラデルフィアライブでも入っているかと思って期待したのだけど、セッション録音のセレクト集であった。ストコフスキが振っているのは1枚目のワーグナーとバッハのみ。後はオーマンディ指揮の演奏である。

ワーグナーとバッハはCD化されているが、現在は入手困難。バッハが収録されている Masterworks Heritage 盤には、ストコフスキによる ブランデンブルク協奏曲の5番も収録されている。

このMasterworks Heritage 盤 は、オーマンディ・ストコフスキとフィラデルフィアによるバッハのステレオ録音が2枚組のCDにまとめられており、手の込んだ作りが良かったのだけど、現在は企画が中断しており再開の見込みはなさそう。 こういう丁寧な作りの再発盤は最近殆ど見かけなくなってしまったのは残念である。

数年前まで、とにかく、ストコフスキやオーマンディが振ったフィラデルフィア管の録音を聴きたくて、オークションやら中古やらで集めまくったのもなんか遠い昔みたいだなあ・・・盤探しで聴く時間が無くなるという本末転倒なことも結構やってたし・・・数多くの演奏がCD化されて、ほぼ聴きたい物は集めることが出来た。あとは、こうしてゆっくり聴いて、気が向いたらブログに書く・・・というところですな。では。