年末年始の映画・・・2016年01月03日 08時30分

寒中お見舞い申し上げます・・・

年末年始を挟んで観た映画について・・・

2015年12月31日@センチュリーシネマ
創造と神秘のサグラダ・ファミリア

 1882年3月の着工から未だに竣工していないサグラダ・ファミリアのドキュメンタリー映画。サグラダ・ファミリアについてのワタシの知識と言えば、漫画「ゼロ THE MAN OF THE CREATION」「ギャラリー・フェイク」くらいで読んだくらい・・・つまり「殆ど知らない」ゼロの状態でこの映画を観たワケで・・・

 ガウディとその弟子が遺していた資料は戦争で焼失、戦後は市民の建設継続反対運動(なんと、予定地を先に買収して住宅まで建っているという・・・)・・・そんな逆境でも、観光収入を頼りに建設が継続されているそうな・・・

 2016年現在、このサグラダ・ファミリアの建設継続にどのような意味があるのか・・・という疑問を呑み込みつつも建設が継続されているのが興味深い・・・

 それでも、「旧ソ連チェルノブイリ原発」の事故処理完了と「東電福島第一原発」の原子力緊急事態宣言解除以前に建設は終わるであろう・・・ガウディ曰く「神は急いでおられない」そうだから・・・

 BGMにバッハ「ロ短調ミサ」というのは、なかなか面白い組み合わせだったねえ・・・

2016年1月2日@名古屋シネマテーク
美術館を手玉に取った男

 「贋作」とは、美術界システム(権威と欲望)が生み出した「模写」の別称・・・なんて感慨を抱いてしまった・・・

 結局、人は「絵」そのものに「感動」するのではなく、「権威」(世間の評価)に「感動」するんですなあ・・・

 「贋作」は絵に限らず、クラシック音楽の「演奏」や「録音」にも結構ありますなあ・・・フルトウェングラーやリパッティの「贋作」録音は結構有名な話ですが、「原典主義」「オリジナル楽器主義」というのも、そのような「贋作」の亜流かも・・・なんて、不埒な事を考えてしまいました・・・

 観る人が楽しめれば、それが「オリジナル」でも「模写」でも「贋作」でも何でもいいのでは?

 そういえば、「映画」の「贋作」ってあるのかなあ・・・?

2016年1月2日@名古屋シネマテーク
氷の炎 山口小夜子

 今回観た三本の中で一番印象に残ったドキュメンタリー。東京都現代美術館にて 2015年4月11日(土)~6月28日(日) に開催された、「山口小夜子 未来を着る人」がこの映画製作のきっかけになったそうな。

 大須「大同町人際」でお馴染み、金粉ショーを披露してくれている大駱駝艦彼女が競演(というか、団員として?)している映像を観てタマゲテしまった。

 彼女が資生堂のCMに登場したのは1972年(昭和47年)・・・手元にある資生堂宣伝史(1979年、昭和54年)を見ると、「おはようの朝」(1972年)や「おめざめ いかが?」(1973年)など、小さく収録されてはいるが印象深い。

 化粧品といえば、1950年程から黒皮症を始めとする化粧品被害が多発し、1952年には裁判に迄発展した歴史がある・・・化粧品の光と影・・・彼女はその当時の「光」の部分を象徴しているとも言える・・・

 ワタシも子供のころ、TVや婦人雑誌でそれとは知らず「リアルタイム」でそれを見ていたワケで、色々な意味で感慨深い映像であった・・・

次は、もっと気楽な娯楽映画でも観ようか・・・んでは。

映画「愛と哀しみのボレロ」 @今池 名古屋シネマテーク2015年11月24日 06時00分

 映画「愛と哀しみのボレロ」を今池名古屋シネマテークで観た。1981年公開のディジタル・リマスター版再上映・・・34年ぶりですな・・・

 公開当時、田舎の実家の古ぼけたテレビで、結構目立つCMだったのは記憶しているが・・・レンタル・ビデオの棚にも並んでいたが・・・映画の存在とジョルジュ・ドンの踊りのシーンは記憶にあったが、内容は、今回観るまでさっぱり知らなかった。

 「・・・ヌレエフ、カラヤン、グレン・ミラー、エディット・ピアフといったアーティストたちをモデルに、第二次世界大戦に翻弄された人々の人生を、クロード・ルルーシュ監督が描いた壮大な作品・・・」

・・・という文句にそそられて、今回久しぶりに名古屋シネマテークに足を運んだワケですが・・・

 2時間くらいだろうと高をくくってみてたら、なんと185分という長編であった。道理で腰や尻が痛くなったわけだ。久しぶりに長編映画を堪能した気分になった・・・

 歴史に翻弄された「指揮者」はカラヤンがモデルとのことだが、指揮者の風貌とスタイルは「ストコフスキ」であった。踊りは現役のプロで全く違和感が無かったが、「指揮者」の指揮ぶりは・・・まあ、映画でまともな「指揮者」演技は無理かなあ・・・と思った次第。こちらも「本物の」指揮者を使うべきだったのかなあ・・・と、製作34年後に、一視聴者として感じた次第。

 んでは。

映画 FOUJITA2015年11月22日 07時15分

映画 FOUJITA を観た。

藤田嗣治の生涯のうち、フランスで成功した時期と日本に帰国した戦争中時代の一部を取上げている。

最近の映画はやたらと「重低音」(数Hz~100Hzくらい)をブーストして響かせる手法を乱用しているけど、この映画はそれが少ない(皆無ではないけど)のが新鮮だった。

藤田嗣治の絵を見たくなったなあ・・・んでは。

mishima - Music by Philip Glass2013年02月02日 10時30分

長岡鉄男著「続々 長岡鉄男のレコード漫談」(音楽之友社 1987年)-「テロと暗殺の時代」 (115ページ)・・・ この漫談で取り上げられていたサウンド・トラック盤(アナログ盤 Nonsuch 979113-1F (P)1985)がまさにコレ・・・先月国内盤CDとして発売されたので購入して聴いた次第。(そう言えば2008年10月に緒形拳が無くなったときにもこの映画の事を書いたっけ・・・

Werner Music Japan_Nonsuch WPCS16019 mishima - Music composed by Philip Glass
Werner Music Japan/Nonsuch WPCS16019(Tower)

出演者は、緒形拳坂東八十助佐藤浩市沢田研二永島敏行 ・・・ Philp Glassの音楽 、石岡瑛子のデザインによる小説シーンのセット・・・一見の価値はある。

この1984年日米合作映画は未だ日本では公開されていない。その事情についてはこのCD解説(前島秀国氏)に詳述されているので興味のある方はご覧頂きたい。

ちなみに、長岡氏曰く「映画はぜんぜん見たこと無い。誰か知ってるか?」。VA人間・映画好きの長岡氏でもこんな状況だったのだから、色々あったのだろう・・・

たまたま学生時代に住んでいたアパート近くのレンタルビデオ屋にこのビデオ(輸入VHS版)があり、観ることが出来た。もう20年以上前の話だ。 コピーしようと思いさんざん苦労したが、コピープロテクトがかかっており、上手くコピー出来なかったのも今となっては懐かしい想い出である。

日本非公開のこの映画、残念ながら日本ではビデオテープ(VHS)とDVDも発売されていないが、日本のアマゾンでビデオの中古が、アメリカのアマゾンではDVD(2種類、本家WB版(2001年8月)Criterion Collection(2008年7月))が入手可能。本の付録(三島由紀夫と一九七〇年 鹿砦社 2010年11月)なので興味のある方は如何?

んでは。

映画「恋の罪」 名古屋シネマテーク 平成23年11月14日(月)2011年11月16日 19時53分

映画「恋の罪」を名古屋シネマテークで観てきました・・・

映画「恋と罪」 名古屋シネマテーク ロビーにて・・・
映画「恋の罪」 関連 名古屋シネマテーク ロビーにて

映画「恋と罪」 名古屋シネマテーク ロビーにて・・・

映画「恋と罪」 名古屋シネマテーク ロビーにて・・・

映画「恋と罪」 名古屋シネマテーク ロビーにて・・・

興味のある方は「おきをつけあそばせ!」なのだ・・・んでは。

映画「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」 2011年11月9日(水) 名古屋シネマテークにて2011年11月10日 07時40分

昨日名古屋シネマテークで観ました。下記はシネマテークのサイトからの引用(というかそのまんま・・・ネットで調べたリンクを分かる限り貼り付けた程度ですが・・・ま、自身の備忘録ですな・・・)

アンナ・マグダレーナ・バッハの日記
Chronik der Anna Magdalena Bach (Wikipedia)

 映画史に鮮烈な軌跡をひくジャン=マリー・ストローブダニエル・ユイレ(故)。アルジェリア戦争に反対し、仏から独へ移住し、ニュー・シネマ運動を牽引。今もゴダールペドロ・コスタが絶賛してやまないその作風は商業映画と一線を画し、芸術、哲学、政治などの主題を厳格に追求した。長編第一作の本作は、J・S・バッハの2番目の妻アンナ・マグダレーナから見たバッハの生涯を描く。オリジナルの古楽器演奏(グスタフ・レオンハルト他)の同録やバッハの自筆の楽譜や手紙のインサート、当時の教会音楽や日常生活を捉えた印象的なショットなど、彼らだけにしか創れない至高のバッハを体験する傑作中の傑作。(35mm版)94分。

監督 ジャン=マリー・ストローブダニエル・ユイレ
脚本 ジャン=マリー・ストローブダニエル・ユイレ
撮影 ウーゴ・ピッコーネ、サヴェリオ・ディアマンテ、ジョヴァンニ・カンファレッリ
音楽 レオ・レオニウス
出演 グスタフ・レオンハルト、クリスチアーネ・ラング・ドレヴァンツ、パオロ・カルリーニ 他
1967年 94分

DVD(HMV)も出てるんですな・・・

恐らく、音楽好きには堪えられないが、ふつーの映画好きにはちょっと・・・という感じ。殆どが演奏シーンで伝記についてはさらっと触れる程度。当時の服装や演奏に関する時代考証についてはかなりしっかり成されていると思うがどうだろうか?

それにしても、フィルム最初の演奏(バッハのどの曲か名は忘れたが)のチェンバロ(ハープシコード?)のなが~い独奏からオケと合奏するシーンはなかなかのもの。

DVDで見るのもいいけど、1秒24コマの35mmフィルムで映画を見るのは独特の風情があっていい。

最近、映画は「わざわざ足を運んで観に行くことに意義がある」と思っている。映画を見る前後に飯を食ったり古本屋に寄ったり一杯やったり・・・そういうことも含めて楽しむのが映画だと想う今日この頃であった・・・なんちゃって。

園子温「恋の罪」ポスター

次は、園子温監督の「恋と罪」・・・何時見に行こうかな・・・んでは。

ムーランルージュの青春 2011年11月3日(木) 名古屋シネマテークにて2011年11月05日 16時05分

11月3日(木)、名古屋シネマテークにて、ムーランルージュの青春を観た。(名古屋シネマテーク の上映は昨日4日(金)で終了)
ムーランルージュの青春 パンフレット表紙
ムーランルージュの青春 パンフレット表紙

日本のバラエティアイドルのルーツはムーランルージュ新宿座にあるそうな・・・本家のムーランルージュは当然ながらおフランスにあるのだが・・・

ムーランルージュ新宿座の映像(フィルムとか)は残念ながら残っていないようで、このドキュメンタリーは当時の写真や関係者の証言を中心に構成されている。NHKや民放製作のドキュメンタリーみたいな雰囲気だ。フィルムではなくディジタル・ビデオによる制作(と思うけど)だからそう見えるのかもしれない。

名古屋シネマテークがある今池スタービル
名古屋シネマテークのある今池スタービル

編集・構成のテンポに今ひとつの感有り・・・というところか。まあ、力作というところかな・・・でも、貴重なドキュメンタリーなので興味のある人は如何?

千種のパスタ・ピッコラ

映画を見終えた後、以前から気になってたパスタ屋さんで昼飯。その後、久しぶりにピーカン・ファッジに行きました。その後大須ハイファイ堂に寄ってから、名フィル市民会館名曲シリーズを聴きに行きました・・・

Genius Within - The Inner Life of Glenn Gould 2011年10月31日(月) 名古屋シネマテークにて2011年11月05日 09時20分


グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独 パンフ
今池スタービル2階の様子・・・
奥が名古屋シネマテーク、左側は中国食材のお店、右は(株)人間社の書店「書物の森」である。

水口憲哉「海と魚と原子力発電所-漁民の海・科学者の海-」1989年3月 農文協)&VHSビデオテープ(公開討論 中電VS中電包囲ネットワーク 1989年6月24日 於 中電健康保険組合体育館)
映画が始まる前に、右の本屋さんに立ち寄って、古本1冊(水口憲哉「海と魚と原子力発電所-漁民の海・科学者の海-」1989年3月 農文協)とVHSビデオテープ(公開討論 中電VS中電包囲ネットワーク 1989年6月24日 於/中電健康保険組合体育館)を購入・・・

どちらもチェルノブイリ原発事故 の後に出たものだ・・・この時脱原発の機運が高まったが、原子力村&マスコミの安全プロパガンダで脱原発の機運は潰され、その結果、東電福島第一原子力発電所の破局的な事故に到ったワケだが・・・

ま、それはさておき、今回はグールド映画なので・・・1955年録音の衝撃的デビュー盤。これはオリジナルのジャケットデザインではなく、後年の擬似ステレオ盤のデザイン。中古屋さんのエサ箱で300円で買ったのかな・・・

Bach Goldberg Variations - Gould CBS/SONY 20AC1522 LP Jacket
Bach Goldberg Variations - Gould CBS/SONY 20AC1522 LP Label
CBS/SONY 20AC1522 Gray Label

同録音のCD(オリジナル・モノラル)も持っているのだが、未開封のまま・・・それはさておき、今聴くと「バッハのゴルトベルク変奏曲って良い曲じゃん」くらいの感じだが、当時は衝撃的だったのだろう・・・お次は晩年のアルバム。

Bach Goldberg Variations - Gould CBS/SONY 28AC1608 LP Jacket
Bach Goldberg Variations - Glenn Gould
CBS/SONY 28AC1608 LP

人生にくたびれたオッサンという感じの写真。グールドじゃなければ不採用の写真だろう・・・これも中古屋さんで入手したLP。

グールドと言えば、彼の演奏を数多くプロデュースした米ColumbiaプロデューサーのAndrew Kazdin を思い浮かべるが、彼はこの映画には一切登場しない・・・きっと「大人の事情」があるのだろう。興味のある方は、Glenn Gould at Work - Creative Lying by Andrew Kazdin を読まれるとよろしいかと・・・ちなみに、グールドとフィラデルフィア管首席奏者による Hindemith : The Complete Sonatas for Brass and Piano.  もよろしかったらどうぞ。

そういえば、昨年11月にセントラル愛知第109回定期バッハ野平一郎編曲)のゴールドベルグ変奏曲を演奏したっけ・・・

それにしても、作曲&指揮者 Lukas FOSS の名をこの映画で聞くとは意外であった・・・ケージの作品集を振ったLP(米ノンサッチ盤)があったと記憶しているが手元に無い・・・

また、思わぬ女性も・・・

Petula Clark - Down Town Warner Bros. 1590 Jacket
Barbra Streisand Live Concert 1974 Columbia 31760 Jacket
Barbra Streisand

気になる方は名古屋シネマテークこの映画を観よう・・・今月11(金)まで上映中である・・・んでは。

Motion Pictures : Mikey & Nicky , 1976年2011年06月30日 06時18分

Mikey & Nicky 日本語パンフ

俳優の魅力で見せる映画なんだなあ・・・二人の絶妙なスラップスティックな会話がいいんだなあ・・・BGMもね。

んでは。

映画「マーラー 君に捧げるアダージョ」「サロネン コンダクツ アダージョ」を観ました2011年06月16日 08時07分

昨日、名古屋シネマテークで「マーラー 君に捧げる アダージョ」「サロネン コンダクツ マーラー」を観ました。

マーラー 君に捧げるアダージョ 関係のポスター類 名古屋シネマテークにて
名古屋シネマテーク のロビー 今回の映画関係のポスター等

マーラー10番はこれまで敬遠していたが、この映画を観て改めて聴く気になった。これはマーラー10番交響曲の啓蒙映画だったのだろうか・・・

それにしても、この10番交響曲、当時のマーラー家の「家庭(崩壊)交響曲」だった・・・のか?R.シュトラウスの「家庭交響曲」の、のほほんさとの違いがこうもあると・・・

ちなみにこの映画、本家の方がポスターが艶めかしくていい。本家のサイトもそうだ・・・なぜこのポスターを採用しなかったのかなあ・・・残念。

んでは。