Honegger's Jeanne d'Arc au bûcher ― 2012年11月23日 10時10分
Vera Zorina in Arthur Honegger's Dramatic Oratorio
Jeanne d'Arc au bûcher
Text by Paul Claudel
with Raymond Gerome
and Frances Yeend, Carolyn Long, Martha Lipton, David Lloyd, Kenneth Smith
Temple University Choir(dir. Elaine Brown)
St. Peter's Boy's Choir(dir. Harold Gilbert)
Narrators: Ann Carrere, Charles Mahieu, Jean Julliard
Boy soprano : John H. Brown
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
収録日:1952年11月16、12月21日(横田さんのオーマンディ・ディスコグラフィより)
オネゲルのオラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」は小澤征爾が採り上げているなあ・・・というくらいの印象しか無く、オネゲルは苦手というか、単なる食わず嫌いというか・・・ということで、このオーマンディ盤、アメリカの中古屋さん(だったと思うが・・・)から入手して10年近く眠っていたと思う。今回クリーニングにして漸く聴く気になった・・・
オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団の20世紀クラシック(Eugene Ormandy conducts 20th Century Classics)というCD12枚のボックス・セットがリリースされたが、残念ながらこのオネゲルのオラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」は収録されていない・・・
このオネゲルのオラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」、日本コロムビアより1955年11月にリリース(WL5152~3)されているそうな(マイクログルーブからデジタルへ 上巻 岡俊雄著 音楽之友社 1981年6月より)。この曲の国内盤リリースがあったとは驚きである。こんなの(酷い言い方だが・・・)売れたのだろうか・・・というくらい前衛的なレパートリーだろうから・・・
因みに「火刑台上のジャンヌ・ダルク」の初演について、Wikipediaによると、
It premiered on 12 May 1938 in Basel, with Rubinstein as Jeanne, and Jean Périer in the speaking role of Brother Dominic with the Basel Boys Choir singing the children's chorus part, and Paul Sacher conducting. The work was first performed in Canada at the Montreal Festivals in 1953 under conductor Wilfrid Pelletier.
だそうな。また、この演奏のジャンヌ役のVera ZorinaのWikipediaの記述には、
Starting in 1948, Zorina was associated with Arthur Honegger's Joan of Arc at the Stake, in which she played the title role in the first American performance with the New York Philharmonic under Charles Münch. She subsequently played the role many times, notably in the recorded performance from the Royal Festival Hall in June 1966 with the London Symphony Orchestra under Seiji Ozawa.(←この演奏、最近、タワーレコード “Sony Classical” スペシャル・セレクション第6期 にてCD化されました。)
とある。1938年の初演から14年後、1948年のMünchとNew York Philharmonicによるアメリカ初演から4年後にこの盤は収録されている。世界初録音では無いが(naxos music Library に1943年収録の演奏がある)、この曲の最初期の録音であることは間違いないだろう。
このLP、装丁はSP(78回転シェラック盤)の名残がある。もしかしたらSPでもリリースされていたのかもしれないが、John Huntのディスコ・グラフィにはLpリリースの記載しかなかったので、たぶんLpが最初のリリースなのだろう。
解説とLPスリーヴがボックス内の木軸に留められている・・・当時としても贅沢なボックス仕様だったのではないだろうか・・・
さて、この録音、アメリカ初演を行ったMünchとNew York Philharmonicではなく、何故OrmandyとPhiladelphia、そしてColumbia Masterworksが録音を行ったか・・・
ちなみに、この録音はエクトール(HECTOR)とPRISTINE AUDIOが市販LPの板起こしからCD化しているが、PRISTINE AUDIOの復刻盤に関するレビューとVera ZorinaのWikipediaの記述にその理由のひとつらしきものがあった。Wikipediaには、
She(Vera Zorina) was also married to Columbia Records president Goddard Lieberson from 1946 until his death on May 29, 1977, ...
とある。下記サイトにもその旨の記載があるので興味のある方は読んでみると良いだろう。まあ、それだけがこの録音を実現させた理由とも思えないが・・・彼女はそれまでにこの役を演じてきた実績があるのだから。
PRISTINE AUDIO
PACO073 - HONEGGER Jeanne d'Arc au Bûcher (Joan of Arc at the Stake)
Audiofile Audition
HONEGGER: Jeanne d’Arc au Bucher – Vera Zorina...
by Gary Lemco
Music Web International REVIEW
Arthur HONEGGER (1892-1955),Jeanne d’Arc au Bûcher (1935)
by John Quinn

(プレイバックの写真?)
Left to Right: Eugene Ormandy, Goddard Lieberson, Vera Zorina, Raymond Gerome
from "Concerto for Camera" by Adrian Siegel(POA 1972年)
この録音に関して、Those Fabulous Philadelphians(by Hebert Kupferburg)にそれらしい記載は見当たらない。フィラデルフィア管弦楽団100周年記念冊子には、セッション時の写真(上記とは異なるスナップ)は掲載されているが録音に関する記載は見当たらなかった。結構重要な録音だと思うのだが・・・
レーベルはColumbia Masterworks の Blue Label 。Lp初期のフラット盤。インナースリーヴは塩化ビニル製で、盤は多少ビニル焼けしていたが、音への影響はそれほど無さそうで一安心。塩化ビニル製インナースリーヴをナガオカ製の帯電防止ポリ製に交換。レイカのバランスウォッシャーでクリーニングして聴いてみた。
フラット盤の常でノイズは多めだが、まあこんなもんだろう。かなり鮮明な録音だ。この盤、オートチェンジャー仕様の面割り(ML4669 Side1,4,ML4670 Side2,3)になっているので再生は少々面倒なのだが仕方が無い。
さて、この演奏がCD化される日は来るだろうか・・・んでは。
Bartók Piano Concerto no.3, Sándor & Ormandy/Philadelphia 1946年 ― 2011年11月17日 05時45分
Bartók : Piano Concerto no.3
Miaskovsky : Symphony no.21
György Sándor (Piano)
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
recorded 1946/04/19(Bartók ), 1947/11/22(Miaskovsky)
※録音日データはYokotaさんのオーマンディ・ディスコグラフィより
バルトークのピアノ協奏曲第3番は彼の未完成作の一つ。(もう一つはヴィオラ協奏曲)最後の17小節はバルトークの友人Tibor Serly が完成させたとLPの解説に記されている。
Wikipediaによると、
Bartók died on September 26, 1945, with the concerto unfinished. The task of completing orchestration of the final 17 measures, drawing from Bartók's notes, was taken on by Tibor Serly, a friend and pupil of Bartók, Eugene Ormandy and a few others.
It premiered in Philadelphia on February 8, 1946 under Hungarian conductor Eugene Ormandy with György Sándor as piano soloist.恐らく、初演にあたりOrmandy は当事者としてスコアに手を加えたのではないかと思う。マエストロ自身バルトークが先生をやっていたハンガリーのロイヤル・アカデミー出身(教授もやってたし)だし・・・Sándorもスコアの手入れに加わったのかもしれないが・・・このLPの演奏は1946年2月の初演後、同年4月に同じ面子で録音されている。勿論、同曲の世界初録音である。初演時のライブ録音が遺っているかどうかは知らない。
収録場所は Academy of Music と思われる。デッドな音響だし。まだ磁気テープ録音が導入されていないので、ディスク録音(one-off 16-inch 33⅓ rpm lacquer discs - Wikipedia LP recordより)だろう。米コロムビアは1940年代初めより、直径40cmのブロードキャスト・トランスクリプション・マスターをセッションに使い始めていたそうで、これだと1楽章中断無しでディスク・マスターが作れるそうな。(「レコードの世界史」岡俊雄 1986年 音楽之友社 より)
平林直哉著 クラシック名曲 初演&初録音事典(大和書房 2008年3月) によると、78rpm盤はLX1271~3の3枚組で出ている。(CDはperl GEM0173)ちなみに、Sándor は後年 ギーレンとこの曲を再録音しており、一般的にはそちらの方が有名だそうな・・・


当時のフラット盤なので、盤のノイズが多いのは仕方が無いが、明晰な録音で鑑賞にそれ程支障は無い。バルトークのピアノ協奏曲第3番を聴くのはこれが初めてだけど、彼の曲としては聴きやすいと思う。長調?の明るい曲というのが第一印象・・・顰めっ面ばかりの曲を書いていたバルトークさん、どうしちゃったんですか?という感じ。(偏見です。スイマセン)
残念ながらこの演奏、CDはperl(GEM0173)しか無さそうだが、入手は難しそうだ。NML、Eugenist、Pristine Classical 等でも復刻していないようだし、となるとLPを探すしかない。初演者による貴重なドキュメントだと思うのでCD化を希望する次第。
ニコライ・ミャスコフスキーの交響曲第21番がなぜカップリングされているのかはよく判らない。マエストロ・ジーンが初演したわけでもなし。悪い曲ではないが・・・たまたま、フィラデルフィアの定期で取り上げた曲で、準備万端だから録っちゃえ・・・なんて・・・
LP解説によると、米国初演(というか初放送)は1942年8月、バーナード=ヘルマン指揮コロムビア放送交響楽団(たぶんCBSお抱えのオケか臨時編成オケか?CBS交響楽団とするべきか・・・)とのこと。
Ormandy & Philadelphia - Stravinsky's "Le Sacre du Printemps"(1955) & "Petrouchka" (1954) ― 2010年06月11日 07時20分

Stravinski : Le Sacre du Printemps, Petrouchka - suite
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
recorded 1955(Sacre), 1954(Petrouchka)
RCA Victor は既にステレオ録音に手を付け始めた頃だが、Columbia Masterworks はまだまだ・・・RCA Victor はLPでColumbia に先を越されたということもあって、ステレオへの取り組みは早かったそうな・・・
ジャケットの絵は DORIS LEE と右下に小さく表示されている。正直、あんまりいい絵とは思えないが・・・ジャケット上部の"THE WORLD'S GREATEST ORCHESTRA" がいかにも米Columbiaというかアメリカ的?なキャッチ・フレーズである。この当時の米ColumbiaのLPにはこういう文句が堂々と登場して微笑ましい。まあ、看板に偽りは無いけど・・・
ジャケット裏のデザインは"Lp"を強調した簡素なもの。ジャケット下側に
"PERMANENT" NEEDLES MAY CAUSE PERMANENT DAMAGE.
とある。この当時から「永久針」なるまがい物が横行していたのかな。その下には「永久針なんてありません」と重ねて注意を喚起している。針寿命の比較表がその右に記載されてますな・・・(そういえば、このことは以前ホームページにも書きましたワ・・・)
当時の針種類と特徴が解りやすい。
記載されているのはダイヤモンド・サファイア・オスミウムの3種類。オスミウム はwikipedia によると、
The stylus (needle) in early phonograph designs was also made of osmium, especially for 78-rpm records, until sapphire and synthetic diamond replaced the metal in later designs for 45-rpm and 33-rpm long-playing records.
だそうな。ちなみに、米Columbia はLP用のカートリッジとしてクリスタル型(圧電素子)の製品を最初に出している。今は電磁誘導タイプのMM、MCが普通だが、当時はまだまだ諸方式の評価が定まってなかったのだねえ・・・
ま、それはさておき、磁気テープによる録音もかなり安定した頃の録音である。各パートの音が結構クリアに聞こえるので、マルチマイクによる収録かな・・・結構残響が入っているので、会場もAcademy of Music ではないようだ。既に Town Hall へ移ったのかな?

手元の盤は6eyes のフラット盤。グルーヴ・ガード盤かと思ったけど、よく見るとフラット盤だった。初出は Blue Label だと思うけど、Blue Label は盤質の良くないものが多いので、6eyes の方が無難。この盤は結構傷だらけだけど、思ったよりノイズは少なく充分鑑賞に耐える。
会場の暗騒音(低域ノイズ)も良くキャッチされていて、それがしっかりと盤に刻まれている。ソロ・パートをピックアップしようしてボリューム操作をしたのか、所々超低域ノイズが増えてくる箇所がある。会場外の車のノイズも結構しっかり聞こえる。この当時は低域ノイズをカットしていなかったのかな?
肝心の演奏について、う~ん・・・流石にアンサンブルは後年のステレオ録音には及ばないけど、ぐいぐい引き込まれる推進力にはたまげた。特にペトルーシュカが録音・演奏ともにいいと思う。
ステレオ録音のペトルーシュカは1911年初版(4管編成)の抜粋版を売りにしていたが、この盤は 1947年版(3管編成) なのだろうか・・・解説にはその辺りの記載はないが、ステレオの時と同じ4管でやっているような気もする。
あと、春の祭典はどのエディションを使っているのか・・・というのが気になるところ。第2部の最後の方はエディションによってかなり印象が変わるというか・・・wikipedia によれば、
①自筆の初演版
②1921年の初版
③1929年の初版第2刷
④多くの改訂がされた1947年版
⑤さらに修正を加えて版を新たに起こした1967年版
があるそうで、この録音は1955年だから、1947年版・・・ということかな?
手元にはもう一枚、日本コロムビア盤がある。

WL5219 Blue Label LP
デザインは米Columbia盤をほとんどそのまんま・・・である。上部をちょっといじってるくらいかな。ペラペラの所謂ペラジャケで、米盤ジャケットの複写なのか文字がにじんで幾分精細を欠く。右下の絵描きさんの名前も消されているし・・・
後ろの解説は力が入っている。ディアギレフとストラヴィンスキー、そしてペトルーシュカの舞台写真もあるし、志鳥栄八郎氏による丁寧な解説が付されている。但し、演奏者については一切記載無し。米盤もそうだけど、当時はこんな感じなのかな・・・

レコードラベルは米Columbia と全く同じのBlue Label 。これは、日本コロムビアの川崎工場でプレスされているので、米コロムビア版と区別する意味で通称「川崎盤」と呼ばれているそうな・・・
この盤は米コロムビアから原盤を輸入してプレス・・・ではなく、テープから日本コロムビアでカットしてプレスしたもののようだ。米盤とは溝が異なるし音も違う。
盤そのものは米盤6eyesよりずっしりとして重い。しかし、見た目はそうキズがあるわけでもないのに、結構スクラッチ音は多いし、低域ノイズをカットしているようで、米盤の生々しさから後退した少々おとなしい音になっている。自動車のノイズも殆ど聞き取れない。たぶん、車のエンジン音も含めた低域ノイズは宜しくないという判断でノイズカットをしたのだろう。この辺りは日本と外国との感性の差なのかな。

久々のモノラル盤なので、Ortofon OM D25M を引っ張り出した。ヘッドシェルは Audio Technica AT-10G RD 付属のもの。 OM D25M は背が高くて、アームが前上がりになり具合が宜しくない。残念ながら、Technics SL-QX300P(オー ディオの足跡) はアームの高さを調整できないので、ヘッドシェルで対応するしかない。たまたま手元にあったAT-10G RD のヘッドシェルがちょうどいい具合で納まった。
このカートリッジは4gの針圧をかけるので、重めのシェルも幸いした。サブウェイトを使わずにゼロバランスもなんとかとれ、且つ4g加圧もO.K.。 インサイドフォースは2gマックスだけど実用上支障ないのでこれで良し。
んでは。
Ormandy & Philadelphia - Brahms : Symphony No.1, 1950 ― 2010年04月03日 12時00分

recorded on 5 November 1950
John Hunt のディスコグラフィ によれば、この録音の78回転盤は発売されていない。3番(M642,ML4088, 1946年)・4番(M567, ML4017, 1944年)の録音よりも高域が伸びておりデッドなAcademy of Musicのホールトーンも明瞭に捉えられている。テープヒスノイズと思われる「サー」という高域ノイズも聴こえるので、この時期はディス録音から磁気テープ録音への移行初期の録音だろうか・・・

1楽章冒頭、CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300 vol.18 SOCT-18 のLPと同じような堂々たる導入部が鳴り響き、「これぞオーマンディのブラームスだ!」と嬉しくなってしまった。マエストロの個性がしっかりと刻印されているではないか!
デッドなAcademy of Musicの収録のせいか、後年のステレオ録音よりも幾分テンポが早めだが、それでも所々テンポの揺らぎを感じるのは、磁気テープ録音に移行したことで自身の解釈を録音に反映しやすくなったからだろうか・・・。
Marcel Tabuteau のオーボエや William Kincaid のフルートの音色も美しい・・・
4楽章のクライマックスはトスカニーニのスコア改訂をそのまま踏襲した強烈演奏・・・これは後のステレオ盤も同じ。オヤッと思わせるのはクライマックス手前辺りで弦のポルタメントを結構効かせていること。やはりマエストロは19世紀生まれのマエストロであるのだなあ・・・後年のステレオ録音では聴けない、時代を感じさせる部分である。
これはモノラル録音だからと埋もれさすには惜しい演奏だ・・・
さあ、これから花見に行くぜ・・・んでは。
Ormandy & Philadelphia - Brahms : Symphony No.4, 1944 ― 2010年04月01日 23時59分

also released as M567(78rpm)
BRAHMS : Symphony No.4
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
赤い「墓石」ジャケットだが、後年違うデザインのLPジャケットでも出している。番号はそのままであるが・・・


この録音、John Hunt のディスコグラフィ によれば 録音会場は3 番 と同じく Town Hall となっているが、オーマンディ/フィラデルフィア のすべて (日本コロムビア 1967年3月) には1926年から1957年迄 Academy of Music で録音を続けたとあるから、これも誤りだろう。残響の少ないデッドな音からして、これは十中八九 Academy of Music だと思う・・・
後年の1967年の演奏に較べるとスケール感は及ばないが、早めのテンポで推進力のある演奏を展開しているし、弦セクションの量感はなかなかのものだ・・・
おっと、もうこんな時間か・・・ではまた。
Ormandy & Philadelphia - Brahms : Symphony No.3, 1946 ― 2010年03月31日 07時50分
さて、オーマンディ と フィラデルフィア管弦楽団 によるブラームスの交響曲にはステレオ録音の他にモノラル録音もある。
横田さんのオーマンディ・ディスコグラフィ によると・・・
Brahms
Sym. No.1 [M]50/11/05 (C)
Sym. No.1 [M] LIVE in Moscow 58/05/29
→ (Melodiya) LP M10-47161
Sym. No.1 [S]59/02/08 (C)
Sym. No.1 [S]68/05/19 (C) ● → available on CD
Sym. No.2 [M]40/02/26 (R)
Sym. No.2 [M]53/02/15 (C)
Sym. No.2 [S]66/04/06 (C) ● → available on CD
Sym. No.3 [M]46/04/19 (C) ←今回はコレ
Sym. No.3 [S]67/01/31 + 67/03/13 (C) ●
Sym. No.4 [M]44/11/19 (C)
Sym. No.4 [S]67/10/25 (C) ● → available on CD
[M]ono,[S]tereo, [Label]:(C)BS, (R)CA
1958年(昭和33年)のモスクワ・ライヴはソビエト連邦時代のメロディア から発売されていたこともあるが・・・(詳細は"Live in Moscow, 1958"をご覧あれ)
RCA Victor Red Seal には第2番を1940年に録音しているのみだが、Columbia Masterworks には 1番(ML4477, 1950年)・2番(ML4827, 1953年)・3番(M642,ML4088, 1946年)・4番(M567, ML4017, 1944年)と、モノラル時代に全曲を録音している。
78回転盤の番号はJohn Hunt のディスコグラフィ 記載のもの。なお、2番 は1976年・4番は1971年のAcademy of Music のライブがDisco Archiviaから出ていたようですが、ここは例の金融危機以後閉鎖されて入手不可能なようで・・・聴いた方によるとこの2番は素晴らしい演奏だったそうですが・・・おっと、また脱線してしまいました・・・
さて、この3番(M642,ML4088, 1946年)は、78回転盤でも発売されている。米コロムビアは1948年6月からLPを発売しているから、最初は78回転盤で出して、その後LPでも出したのだろう。この時期はまだ磁気テープ録音が商用ベースに乗っていないから、この録音のマスターは米Columbia が1940年代初めから独自に使っていた40cmのラッカーディスク(33・1/3回転、一面に15分連続録音可能)ということになるのかな・・・磁気テープ録音にしては高音の冴えが無いし、78回転盤のトランスファーにしては雑音が少なくクリアだから・・・このラッカーマスターから、78回転盤とLPにトランスファーしたのだろう。
おっとっと、話が最初っから逸れっぱなしだ・・・本題?に戻ろう。

also released as M642(78rpm)
BRAHMS : Symphony No.3
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
日本のコレクター?の間では通称「墓石ジャケット」として割と?知られたデザインだそうな。LP発売初期に共通して使われたデザインだそうで、色は赤・青・黄色のものを見たことはある。
この録音、John Hunt のディスコグラフィ によれば 録音会場は Town Hall となっているが、オーマンディ/フィラデルフィアのすべて (日本コロムビア 1967年3月) によれば、1926年から1957年迄Academy of Music で録音を続けたとあるからこれは誤りだろう。残響の少ないデッドな音からして、Town Hall とは思えないが・・・

このディスク、熱変成したのか、プレイするとカートリッジが回転周期より倍速い周期で左右に揺れ動く。オフセンターの揺れなら回転周期と同じ周期で揺れるのだが・・・盤はずっしりと重くしっかりしているのでソリは殆どない。この時期のLPとしてはノイズは少ない方かな・・・この Blue Label のLPで状態の良いものは殆どお目にかからない。材質も後年のLPに較べると硬めで、それがサーフェイス・ノイズを多くしているかもしれない・・・
演奏は、後年(1967年)のスケールの大きさには及ばない。整った演奏ではあるのだが、ちょっとサッパリしすぎかなあ・・・という気がする。ま、マエストロ も最初から マエストロ だったわけではないということですな。オーケストラと共に芸に深みを増していったマエストロ の40歳代の貴重な記録ということで・・・この盤の聴き所は、当時在籍していたオーケストラのプリマドンナ、 Marcel Tabuteau や William Kincaid の音色を聴ける・・・ということかな。お二人については以前ブログで書いたので、宜しかったらどうぞ・・・
Marcel Tabuteau & William Kincaid その1
Marcel Tabuteau & William Kincaid その2
Marcel Tabuteau & William Kincaid その3
Marcel Tabuteau & William Kincaid その4
Marcel Tabuteau - How Do You Expect to Play the Oboe If You Can't Peel a Mushroom?
Boston Records BR1058 CD - Legendary Flutist William Kincaid Vol.1
Boston Records - Legendary Flutist William Kincaid Vol.2
あとは、Leopold Stokowski がフィラデルフィア管弦楽団 を振った録音を聴くのも良いでしょうねえ・・・
それにしても、マスターが40cmのラッカーディスク(33・1/3回転、一面に15分連続録音可能)となると、各楽章は一発録りということで、ミスは許されないし(ラッカーディスクが一枚パーになる)編集も不可能だから、この当時の録音は緊張を強いられたのではないだろうか?まずは正確で整った演奏が最優先であり、あまり思い切った表情付けや冒険はしたくても出来なかったのでは?と想像する・・・そういう制約が演奏にも反映されているかもしれない。78回転のワックスマスターなら12インチ盤でも片面最長 4分半が精々だから、緊張の度合いが違うだろうしなあ・・・
Mozart & Haydn : Sinfonia Concertante ― 2009年09月20日 09時37分
Monophonic LP
Mozart : Sinfonia Concertante(recorded 1957)
-John de Lancie(Oboe), Anthony Gigliotti(Cl.), Bernard Garfield(fg.)
-Mason Jones(Hr.)
also available on CD
-米SME/Sony Classical SM3K 47215 (C)1991
-Sony Music Japan/Sony Classical SICC-962(3CDs)
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1863927&GOODS_SORT_CD=102
Haydn : Sinfonia Concertante(recorded 1958)
-Jacob Krachmalnick(Violin), Lorne Munroe(Cello)
-John de Lancie(Oboe), Bernard Garfield(fg.)
also available on CD
-米SME/Sony Classical SBK 62649 (C)1996
最近マーラーばっかしだったので、もっとお気楽なものを・・・モーツァルトとハイドンの協奏交響曲・・・まあシンフォニーといってもそう気張ったもんじゃあありません・・・
このLPは何処で買ったのか思い出せませんねえ・・・100円セールで買ったのかな?
米コロムビア盤のジャケットデザインとラベルデザインをほぼそのまま使った、日本コロムビア盤です。ペラジャケと、どっしりとしたブルーラベルのグルーヴ・ガード盤という組み合わせ。
日本コロムビアの川崎工場にプレス工場があったことから、通称「川崎盤」と呼ばれていると何かで読んだ記憶があるが・・・この盤は結構厚みがあってずっしりとしており、反りや歪みは殆ど無い・・・
音はあまり良くない。ステレオ録音にもかかわらずモノラル盤だし、悪い針でかけられたのか、それとも重い針圧の電蓄でプレイされたせいか、フォルテで耳障りなチリチリノイズが・・・BGMで聴く分にはそう気にもならないけど・・・
では。
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