Ormandy & Philadlephia - Saint-Saëns Symphony No.3 "ORGAN" 1973年2010年07月25日 09時50分

とてもクラシック音楽とは思えない・・・この・・・何か・・・考え違いをしているのではないか?と思えるジャケットデザインで世に出てしまったこの演奏・・・一体何を考えていたのだ、RCA Red Seal は・・・

RCA Red Seal ARL1-0484 Jacket
RCA Red Seal ARL1-0484(C)1974 Dynaflex LP

さて、このアルバムの煽り文句を順を追って(タイムボカン風に)解説?しよう

RCA Proudly Presents A SUPER SOUND SPECTACULAR!
THE GREATEST SOUND ON EARTH!

Paramount Pictures 映画の The Greatest Show on Earthが元ネタ?だろうか。Proudly Presents なんてやってるから余程力が入った企画・・・なのだろうか・・・そのベクトルの向きが・・・

105 MAGNIFICENT VIRTUOSOS
THE FANTASTIC PHILADELPHIA ORCHESTRA

看板に偽りは無いが、オーケストラ団員の苦笑を誘ったことは容易に想像できるであろう・・・

conducted by
THE GREAT MAESTRO EUGENE ORMANDY

なんかプロレスラーみたいでちょっと・・・ねえ・・・

plus THE FABULOUS VIRGIL FOX
THE ROGERS TOURING ORGAN 400lbs. 144 SPEAKERS 56 STOPS.

FOX を引っ張ってきたのがこのLPのウリの一つなんだろうけど・・・怪力男(誰だこれは?)が片手で持っているバーの右側の籠に不安そうな顔でマントを羽織っている御仁がFOX なのだろう・・・か

ちなみに、ピアノは Vladimir Sokoloff & William Smith の二人であるが、表のジャケットには記載が無い・・・

in THE GRAND SYMPHONY No.3 FOR ORGAN AND ORCHESTRA BY Camille Saint-Saëns

サン=サーンスはレスリング服?プリントされてしまっているし・・・しかし、このイメージはどう見ても 「オルガン交響曲」というより「動物の謝肉祭」だと思うが・・・既にこの時点で方向性が・・・誰も止める人間がいなかったのだろうか・・・

RCA Red Seal ARL1-0484 Jacket Liner Notes

ジャケット裏のライナーノーツは表と正反対の至極真っ当な仕上がり。流石にあのおちゃらけたジャケットに自身を登場させるのは勘弁してもらったのであろう・・・か。

プロディーサー Max Wilcox の解説によると、この1973年のセッションが、マエストロ・ジーンフォックスとのほぼ20年ぶりの共演になるそうな。

ROGERS TOURING ORGAN がこのセッションの数日前に Scottish Rite Cathedral の Ballroom に設置され、それに合わせてフォックスマエストロ を訪問(場所は Scottish Rite Cathedral)。

当初30分程度で考えていた打合せ(ダイナミクス・テンポ・フレージング等々)が2時間ほどの音楽談義(became musical reunion をどう訳すべきか・・・)になったそうな・・・

RCA Red Seal ARL1-0484 Label
LPはオイルショックを受けて材料を節約した dynaflex 盤である。盤のソリまで dynaflex してくれるから困るのだが・・・

キズが多くてスクラッチもそれなりだがまあまあ聴ける。ま、これはこのヘンテコ?なジャケットが欲しかったからそれでもいいのだが・・・

この盤、国内レギュラー盤は見たことないけど、恐らくあのデザインでは出していないだろう・・・なあ・・・

その代わり?に SUPER 45 R.P.M. Cutting 盤を・・・
RVC RCA Red Seal Super 45R.P.M. Cutting 45R-8
RVC/RCA Red Seal SUPER 45 R.P.M. Cutting
45-R8(P)1978

オーディオ・ブームで各社が競って出した45回転盤シリーズの1枚・・・かな。RCA Red Sealエラート原盤からそれぞれ10枚計20枚出していたようである。 オーマンディ/フィラデルフィア の演奏は7枚出ている。

RVC RCA Red Seal Super 45R.P.M. Cutting 45R-8 Jacket 裏
ジャケットはあっさり味。

RVC RCA Red Seal Super 45R.P.M. Cutting 45R-8 Label
レーベルもちょっと地味・・・もっと遊べばいいのにねえ・・・

この演奏、録音は流石に古さを感じさせるけど、爽快なブラス(ココまで吹いていいの?というくらいガンガン吹きまくっている)と、特徴のあるフォックスのオルガンの音が特徴。後年のTELARC 録音よりこっちの方がいいという人もいるだろう。

オーマンディ/フィラデルフィアのサン=サーンスオルガン交響曲RCA録音 CD三昧.jpg

ちなみに、この演奏はCD化されているが、不思議なことに3種類の音がある。なんでだろうねえ。

上右:BMG Victor/RCA 2 for 1 Series BVCC-8855-56
    2CDs 1995年
    The Fantastique Philadelphians
    華麗なるフィラデルフィア・サウンド
    バルトーク管弦楽の為の協奏曲
    ホルスト惑星」とのカップリング
上左:BMG Classics/RCA Victor 09026-61269-2
    Dolby Surround Sound Series (C)1992, (P)1994
下:BMGジャパン/RCA Red Seal BVCC-38051 (P)1999
    オーマンディ/フィラデルフィアの芸術Ⅰ Vol.4
    ムソルグスキー展覧会の絵」とのカップリング

一番派手な音がするのは 上右の BMG Victor/RCA 盤。これ以前に発売されたCDも同じ音のようだ。

そして、1999年のBMGジャパン/RCA Red Sealオーマンディ/フィラデルフィアの芸術Ⅰ」の盤。これは先の盤より残響を抑え気味にして高域も少し抑えているようだ・・・ミキシングも変えていると思う・・・楽器の定位も異なるしねえ・・・なんでミキシングを変えたのかは不明。ちなみに、ブックレットの裏はあの破廉恥ジャケットデザインがきちんと復刻されている。「展覧会の絵」のジャケットを表に持ってきたのはBMGジャパンの見識だろう・・・

最後は上左の Dolby Surround Sound盤 。音質上はこれが一番バランスが良いようだけど、ちょっとワウっている感じがする。再生に使ったテレコに問題有り?(ちなみにこのシリーズでは「惑星」も出ており、これはなかなかイケル。)

どれが良いかは好みとしか言いようがないが、問題は入手しにくいということだろう・・・見かけたら聴き較べてみるのも一興かと・・・んでは。

Debut! - Henry Mancini Conducting the Philadelphia Orchestra Pops2010年01月10日 09時50分

そもそもこのアルバムが音源捜索の発端でした・・・かれこれ10年前になるんですなあ・・・

BMG Records RCA Victor 74321 24283 2 Henry Mancini int the Pink The ultimate Collection CD Booklet
BMG Records/RCA Victor 74321 24283 2 (P)(C)1995 (2CDs)
Henry Mancini in the PINK, The Ultimate Collection

Mancini 好きだから・・・で、2枚組でお手軽に聴けるこのCDを買ったんですが・・・ぼ~と聴きながら、 "Speedy Gonzales" は面白い曲だなあ・・・なんて、聴きながらブックレットを見ると・・・
BMG Records RCA Victor 74321 24283 2 Henry Mancini int the Pink The ultimate Collection Booklet Inside
なんと、Henry Mancini & The Philadelphia Pops Orchestra とあるではないか!マンシーニフィラデルフィア管弦楽団を振った録音があるのか・・・?この時はホント驚きましたよ・・・

Columbia モノラル時代、フィラデルフィア管弦楽団ポップス という名称でリリースされたLPは数枚あります。(BMGファンハウス/RCA Red Seal Vintage Collection  BVCC-37324 CD,イエスタデイ~オーケストラが奏でる愛のテーマ 2002年 の解説が参考になります

また、サマー・シーズンにフィラデルフィア管弦楽団の団員が Robin Hood Dell Orchestra of Philadelphia を組織して郊外のフェアモント公園(今はその公園内のここですか?それともここかな?それともここ?)で演奏しますが、それと同じ名称でリリースされたRCA Victor(モノラル期)のLPも数枚ありますが・・・(ちなみに、フィラデルフィアの音楽シーンはここをみると分かりやすいでしょうか・・・)

それとはまた別に、 Philly Pops というポップス・オーケストラがあるので話がややこしいのですが・・・フィラデルフィア管弦楽団 と関係はあるようですが、一応別モノということで話をすすめましょう・・・

この、マンシーニフィラデルフィア管弦楽団を振った音源について、オーマンディ掲示板 で聞いたりして、色々な方に音源が存在することと、そして最終的にズバリそのもののLPアルバムも教えて頂きました。2000年2月頃ですから、現在オーマンディ掲示板でその頃の書き込みを見ることは出来ませんが、バックアップ用に取っておいたコピーを読み返して、あの頃はオーマンディ掲示板 も賑やかだったなあ・・・10年前のことを想い出しました。BMGファンハウス・BMGジャパン・・・今はソニー・ミュージックに統合されてしまいましたが、RCA Red Seal のオーマンディフィラデルフィア管弦楽団 の芸術第2弾(2001年)の発売前後の頃だった・・・かな。

オーマンディ掲示板 では、2007年に逝去された諏訪節生さんから回答を頂いたり・・・諏訪さんは「マンシーニはフィラデルフィアとは数枚のアルバムをつくっています」と仰っていましたが、結局色々探した結果、この1枚しかないだろう・・・と、私なりにそういう結論になりましたが、それを諏訪さんにお伝えして確認することも、もう出来ないのですね・・・お会いする機会はありませんでしたが、音楽現代の諏訪さんの記事は結構読んでいました。オーマンディのことも時折取りあげられていましたねえ・・・

2001年8月にホームページを開設した際、諏訪さんにメールでお知らせすると、

「ホ-ムペ-ジ開設おめでとうございます!
また一つオ-マンディのサイトが増えた!
快挙です。
無理をせずボチボチ続けてくださいね。
りんさんの個性溢れるホ-ムペ-ジを
期待しています。
オ-マンディ以外にも目を向けるのは
凄くいいことですね。」

と、暖かい励ましのメールを頂いたのも、なんだか昨日のことのように思えますなあ・・・飾らない人柄がにじみ出たメールでした。いまだにブログという形で続けているのも、諏訪さんの暖かい励ましがあったからかもしれませんね。

また、掲示板でマンシーニについて、

「あの人は音に厳しくて、サントラレコ-ドも
フィルムのサウンドトラックからの録音を
絶対に許さず、レコ-ド化の時は
必ず、自ら指揮して自分のバンドか、オケをつかって
録音していました。」

と、興味深い情報を書き込んでおられました。確かに、マンシーニ のRCA盤は、映画のサウンドトラックは多くなく、そのスコアで新たに録音した音源なのですね。映画で流れている音と微妙に違うのですよ・・・当時のLPアルバムをCDで聴くとそのクオリティの高さに感心します。

話をLPに戻しますが、LPは2001年の秋に入手出来ました。ebayのオークションでアメリカの出品者から入手したんですなあ・・・その後暫くして、近所の中古屋で500円で売っていたのを見つけた時はショックでした・・・悔しくて拿捕?しましたけど・・・結局、このLPは手元に3枚あります。 時折想い出したようにプレーヤーに乗せてます。

RCA Red Seal LSC-3106 Debut! Henry Mancini conducting The Philadelphia Orchestra Pops Jacket
Debut! - Henry Mancini conducting the first recording of The Philadelphia Orchestra Pops
RCA Red Seal LSC-3106 (C)1969 (LP, No Dog Label)

マンシーニ が Philadelphia Orchestra を指揮したこのアルバム、レコードジャケットは Debut! の文字が大きく銘打たれ、マンシーニAcademy of Musicで指揮している写真が使われているので、RCA Red Sealとしてかなり力を入れた企画だったのでしょう。

RCA Red Seal が Columbia から Philadelphia Orchestra を獲得した意図の一端が垣間見えますね。RCA の擁するソリストやアーティストが Philadelphia をバックに沢山レコードを作ってくれることを・・・・。しかし残念ながらこの続編は作られなかったようです。The Philadelphia Orchestra Pops という名称のアルバムはこれ以降見あたりませんし・・・

録音は1969年、Ormandy と Philadelphia OrchestraColumbia から RCA Red Seal に移籍した当初の録音で、 ジャケット写真の通り Academy of Music における収録です。 プロデューサーは John pfeiffer です。

デッドな Academy のサウンドの特徴が感じられますが、幾分エコーを付加しているのか、それほど乾いた音という印象はありません。

RCA Red Seal LSC-3106 Debut! Henry Mancini conducting The Philadelphia Orchestra Pops Liner Notes
Side 1
Beaver Valley-'37 suite
 The River (solo:M.Panitz, A.Giglliotti)
 Black Snow (solo:John de Lancie, L.Rosenblatt, G.Carlyss)
 The Sons of Italy (solo:John de Lancie, A.Giglliotti, D.Montanaro, B.Garfield, G.Johnson)
Side 2
 Dream of a lifetime (William Smith(p) , M.Farago(Harpsichord))
 Strings on fire
 Cameo for violin (Solo:Norman Carol)
 Drummer' Delight
 The Ballerina's Dream (M.Panitz (G Piccolo))
 Speedy Gonzales

ジャケット裏の解説は マンシーニ 自身の手によるものです。Beaver Valley-'37 組曲は、 マンシーニ の10歳代前半 を過ごした Aliquippa, Pennsylvania の印象・・・とのこと。 "Dream of a lifetime" 以下6曲は、世界に誇る "Philadelphia Sound" そして弦・木管・金管・打楽器各セクションをデモンストレーションする意図で作曲したそうです。各曲毎に Solist がクレジットされ、最後に、

 I am deeply grateful to Maestro Ormandy for the opportunity to write and conduct
 this first venture by The Philadelphia Orchestra Pops. My warmest thanks go out
 to all of the artists of the orchestra.

OrmandyPhiladelphia Orchestra への感謝が記されています。

RCA Red Seal LSC-3106 Debut! Henry Mancini conducting The Philadelphia Orchestra Pops Label
ラベルはRCA Red Seal 初期の No Dog Label です。

1番好きな曲は Speedy Gonzales です。1分半程度の短い曲であっと言う間に終わってしまいますが、philadelphia の機能の最も分かりやすいデモンストレーションになっています。その他の曲は、マンシーニ が気負いすぎてしまったのか、軽妙な洒落た感じの音楽とは違ってちょっとお堅いシリアス調の曲になってしまった感があります・・・と、最初聴いた時はそう思っていたのですが、今日改めて聴き直してみると、やはりマンシーニらしさがあちこちに顔を出していて、他のアルバムとは違う面白さがあります。フィラデルフィア管弦楽団 ソロも曲のあちこちで出てくるので、マンシーニフィラデルフィア管弦楽団のファンには興味深いアルバムだと思いますよ。

LPの音は、マスタリングか、或いはプレスが今ひとつのせいか、強音での雑音・音割れもあり、ベストの音質とは言えません。

LPを入手した当時はCD化されているかどうかも全く知りませんでしたが、色々探した結果、RCA Victor Dolby Surround Series でCD化されていました。これは2003年頃に見つけて入手しました。タイトルを見てもフィラデルフィア管弦楽団の演奏かどうか分からないので見つけるのに苦労しました・・・ ブックレットの写真を見ると解るんですな・・・どうして、フィラデルフィア管弦楽団関係の音源はこういう、探すのに一苦労するCDアルバムが多いのか・・・ま、マンシーニ のディスコグラフィの中でも特異?なアルバムであることは間違いないでしょうが・・・

BMG Music RCA Victor 09026-61478-2 Henry Mancini Theme from The Godfather & Other Movie Themes
RCA Victor 09026-61478-2 (C)1993 (P)1993,1976
Dolby Surround Sound Encorded CD
Music by Nino Rota, Symphonic Suite from the White Dawn, The Disaster Movie Suite
 The French Collection, The Great Waldo Pepper March
 Henry Mancini/London Symphony Orchestra(recorded 1976)

Dream of a lifetime, Strings on fire,Cameo for violin, Drummer' Delight, The Ballerina's Dream, Speedy Gonzales, Beaver Valley-'37 suite(The River,Black Snow, The Sons of Italy)
 Henry Mancini/The Philadelphia Orchestra Pops(recorded 1969)

これはLSOの録音も収録されたお買い得盤。・・・というか、どちらかというとLSOの方がメインの扱いなのですが、このphiladelphiaの音源は長い間カタログから消えていたこともあり、 Of special interest ・・・と、ブックレットの解説は逆にこちらの方が詳述されています。まあ、LSOの方は有名な曲ばかりですから曲目解説は不要かもしれませんが・・・

Of special interest in this re-issue is his Beaver Valley '37 Suite, which is the heart of the album Mr.Mancini recorded with the Philadelphia Orchestra Pops in June ( 9 & 10) of 1969, presented in its entirety as the second half of this release. Long unavailable int the RCA catalog, it is notable as the first extended suite of music he had written away from the film scoring stage. It is an impressionistic remembrance of his boyhood in West Aliquippa, Pennsylvania, and Musically it takes its cue from the following description in his autobiography : (以下略)

マンシーニ 自身による回想もちらっと記載されています。

"My very first pops concert with a major orchestra was in 1963 with the Cleveland Orchestra. Since then, in concert halls and recordings, it has given me great pleasure and satisfaction to be involved with many of the world's finest orchestras. In addition to my own studio orchestra, two of the best are are represented here: the Philadelphia Orchestra and the London Symphony Orchestra. To all of the Players I offer a warm thank you." - Henry Mancini

CDアルバムが1993年、マンシーニが亡くなったのが1994年ですから、これは晩年の回想でしょう。

フィラデルフィア管弦楽団 との第2弾が出なかったのは、市場の反応が今ひとつだった・・・ということでしょうか。ちょっと残念ですね。

CD化及びDolby Surround により、LPより 音はかなり改善され聴きやすくなっています。ただ、それでも強音で音割れがあり、これはもともと収録時に生じていたことも解りました。

LPは今でもebayのオークションやamazon.comのマーケット・プレイスで入手出来るようですし、CDもアメリカ・日本のアマゾンのマーケット/プレイスで入手出来るようです。日本のは高いので、送料込みでもアメリカから入手した方が安いかもしれませんが・・・

あと、アメリカのアマゾンはダウンロード販売もしていて試聴も出来ます。こちらのほうがお薦めかも・・・以下ご参考に。6曲目以降がフィラデルフィア管弦楽団の演奏です。

CD - amazon.co.jp , amazon.com
MP3 - amazon.com

このブログを書いていてネットで調べていたところ、 A Henry Mancini Discography というサイトにこのLPアルバムとCDアルバムについての記載がありました。7~8年前にこのアルバムについて書いたっきり でその後特に調べることもしなかったから、当時アクセス出来たサイトが無くなっていたり、当時無かった情報があったり・・・これも時代の流れですかねえ・・・

ちなみに、このアルバムを探している途中、ebayのオークションで面白いモノを見かけました。RCA Red Seal がこのLPを全米にプロモーションするキットを、アメリカのラジオ局に配布したものようです・・・

Henry Mancini Press Kit Box
Henry Mancini Press Kit

ボックスはマンシーニのMをあしらった簡素なデザイン。

Henry Mancini Press Kit Papers
Henry Mancini Press Kit Papers

マンシーニからのレター、RCA Red Seal によるアルバムのリリース案内、マンシーニ のバイオグラフィ、そしてラジオ局のDJ用にインタビューの台本まで用意されています。

RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature Booklet
RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature LP Booklet

このアルバム発売当時迄(1969年迄)のマンシーニの輝かしい軌跡を綴った、写真を多用したブックレットも付いてます。

RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature LP Jacket
RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature LP Jacket

マンシーニのインタビューが収録されたLPです。

RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature LP Jacket Liner Notes
RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature LP Liner Notes

このLPの使い方・注意事項が記されています。

RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature Label
RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature Label

プロモーション用なので、ラベルも白ですねえ・・・

このLPをかけて、全米のDJが台本を見ながらレコードのマンシーニの声と「対談」した模様を電波に乗せたんですなあ・・・電話インタビューとしてに使えるトラックも用意されています。

他のアーティストでもこういうDJ用のLPを見かけたことがありますので、ラジオ・インタビューでこういう手法を使うのは珍しくなかったんでしょうな・・・今はどうなんでしょうかねえ?

実は、このプレスキットには、マンシーニ Academy of Music で指揮をしている写真集も付いているモノがあったみたいで、それをebayのオークションで見かけたのですが惜しくも入手出来ず、悔しい思いをしたものです。

その後、Academy of Musicマンシーニ が指揮している写真が使われているCDを見かけました。残念ながら、このCDにはフィラデルフィア管弦楽団の演奏は入っておりませんが・・・

Mancini in Academy of Music, Philadlephia, BMG Entertainment RCA 07863 67979-2 Henry Mancini Greatest Hits
BMG Entertainment/RCA 07863 67997 2 (C)2000, Henry Mancini Greatest Hits
(amazon.com , amazon.co.jp )

Academy of Music での マンシーニ の指揮姿の写真が3枚使われています。未だに、逃がした魚は大きかったなあと後悔してますが・・・まあ、またどこかでお目にかかることができるかもしれませんな。

なんか簡単に書くつもりが、昔のことや新たに調べた情報を加えていくうちに段々ときりがなくなってきましたのでこの辺で・・・

Tcahikovsky - Excerpts from "The Nutcracker Ballet" その22009年11月21日 10時50分


RCA Red Seal ARL1-0027
RCA Red Seal ARL1-0027 Dynaflex LP (C)1974
Tchaikovsky - Excerpts from "The Nutcracker Ballet"
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

also available on CD BMGファンハウス/RCA Red Seal BVCC-38117 (2001年)

Columbia Masterworks の胡桃割り人形に引き続き・・・ってワケじゃあないけど、今回は RCA Red Sealステレオ録音の胡桃割り人形を・・・

レコードジャケットの写真は Rudolf Nureyev

旧録音よりオン気味で幾分残響は少なめだが、楽器の音そのものの豊かさはこちらの方がいいかな。ただ、旧録音の雰囲気とスピード感・キレといったものは少々後退しているような気もするが・・・

また、"The Old Woman Who Lived in Shoe; The Buffoons"も割愛されているのは残念なことではある・・・が、まあそれは些細なことである。

RCA Red Seal ARL1-0027 LP Label A
このLPはニッパー君無しのdynaflex盤なので、プレス時期は発売当初とほぼ同時期なのだろう。この後、ニッパー君を右横に配置した Sided Dog Label に移行しているから・・・ちなみに日本では最後まで この No Dogラベルだったが・・・

この胡桃割り人形の抜粋版、長らくCD化されず、2001年にようやくオリジナルの抜粋版CDが発売された。それまでは組曲版でCD化されたものがあるのみであった。

RCA Victor 09026-60878-2
ちなみにこれは、David Bowie がナレーションをした 「ピーターと狼」とのカップリングで出ていたCD。(RCA Victor 09026-60878-2 (C)1992)
RCA Victor 09026-60878-2 CD LABEL
CDラベルも凝ってますな・・・

10年前程はこの抜粋版の演奏はLPでしか聴けなかったので、このLPもどうしても聴きたくて入手した物なのだ。今は手軽にCDで聴けるので有り難い・・・と言いたいところだが、限定盤だからもう入手困難かな・・・

花のワルツでヴァイオリンをオクタ-ヴ上げたりという味付けもなかなかいいもんだ・・・これだけ豊麗な「胡桃割り人形」、他では聴けませんぜ。

んでは。

ヴァン=クライバーンとオーマンディ その32009年09月09日 21時50分

米RCA VICTOR Van Cliburn Collection 7834-2-RG
米RCA VICTOR VAN Cliburn Collection 7834-2-RG
(CD, (C)1988)
Grieg : Piano Concerto
Liszt : Piano Concerto Nos 1 & 2
Van Cliburn, Eugene Ormandy / The Philadelphia Orchestra

ヴァン=クライバーンとオーマンディのCDをもう一枚・・・

グリーグとリストの1番は1968年、リストの2番は1970年の録音。1968年の録音は恐らくアカデミーで、1970年はスコッティッシュ・ライト・カテドラルの録音と思います。1968年の方はごく僅かですがエコーの後のノイズがありますが、1970年の方はそのようなノイズはありません。

7945-2-RG と 7834-2-RG の2枚のCDは、1988年にCD化されていますが、恐らくこの当時はオリジナルセッションテープからあまり手を加えずミックスダウンしてCD用のディジタル・マスターを作成したのでしょう。

サブ・ソニックも殆どカットしておらず、会場外の自動車や飛行機のような音まで結構大きく入っています。(ヘッドホンで聴いていたら、外で飛行機が飛んでるのか?と思うような部分があります)その分、会場の雰囲気がよく聴き取れますし、音も生き生きとしています。

グリーグとリストの2曲、演奏は流石に見事なもんです。若いピアノに雄弁なオケ・・・こういう豪華な組み合わせはそうそうないでしょう。

リストの2番は馴染みがありませんが、じっくり聴くとなかなかいいです。こちらもCDで再発して欲しいですなあ・・・

ヴァン=クライバーンとオーマンディ その22009年09月09日 07時13分

米RCA VICTOR Van Cliburn Collection 7945-2-RG
米RCA VICTOR VAN Cliburn Collection 7945-2-RG
(CD, (C)1988)
Chopin : Piano Concerto no.1
Rachmaninoff : Rhapsody on a Theme of Paganini
Van Cliburn, Eugene Ormandy / The Philadelphia Orchestra

ヴァン=クライバーンとオーマンディ が組んだRCAステレオ録音というと・・・

Beethoven:Concerto No.3 71/03/10
Chopin:Concerto No.1 69/08/18
Grieg:Concerto 68/08/12
Liszt:Concerto No.1 68/08/12
Liszt:Concerto No.2 70/05/07
Rachmaninoff:Rhapsody on a Theme of Paganini 70/05/07
※横田さんのオーマンディ・ディスコグラフィより
http://www.geocities.jp/ormandy/ormandy_disk.html

LPの方は・・・

RCA Red Seal
LSC-3065 (C)1969 Grieg & Liszt No.1
LSC-3179 (C)1971 Rachmaninoff & Liszt No.2
LSC-3147 (C)1971? Chopin
LSC-3238 (C)1971 Beethoven
LSC-3318 (C)1972 Liszt no.1(Ormandy) & Rachmaninoff no.2(Reiner)

ショパンとラフマニノフの組み合わせのLPは手持ちの資料では見つかりませんでした。(追記:と思ったら、LSC-3318のLPに記載がありました。)LSC-3238 の "Other RCA recordings by Van Cliburn :"にも記載が無いので、その後に出たのでしょうが・・・。

横田さんのオーマンディ・ディスコグラフィによれば、この組み合わせの演奏は全てCD化されておりますが、ベートーヴェンのCDは残念ながら見たことが無く手元にもありません。LPはありますが・・・VAN Cliburn Collection でも出てないようですし・・・

オーマンディとクライバーンの録音は、ライナーやコンドラシンとの組み合わせの影に隠れがちでついつい見落としてしまいますが、この組み合わせでしか聴けないRCAステレオ録音ばかりなので無視するわけにはいきません。纏まってCD化されるといいのですがねえ・・・

A Magnificent Recording First - LOVE STORY2009年08月09日 07時10分

Love Story LP and Movie Love Songs CD
米RCA Red Seal LSC-3210 (No Dog Label Dynaflex LP (C)1971)
米BMG Classics/RCA VICTOR 09026-60965-2(CD, (C)1992 )
A Magnificent Recording First - LOVE STORY
The World Greatest Orchestra Plays Great Love Themes of Today and Yesterday

Love Story, Andante from Concerto no.21(Mozart), Yesterday
The Windmills of Your Mind, Romeo & Juliet
The Heart is a Lonely Hunter ,West Side Story,
Tristan und Isolde ,Romeo & Juliet(Tchaikovsky)

Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

愛憎?がテーマのLPをもう一枚。

Maestro が見たら激怒しそうなジャケット(特に米盤のCDの方)であろう。オルガン交響曲のジャケットもそうだけど、アレは「クラシック音楽のレコード」からかけ離れたぶっ飛びデザインだ。

戦犯?は、恐らく、コロムビアから引き抜かれて、1970~1974年の間 RCA Records A&R 責任者(だと思うけど)であった ピーター=マンヴィス氏であろう。氏はコロムビア在籍時に、ワルター=カーロスのスイッチト・オン・バッハをプロデュースしたそうな。

Wendy Carlos(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Wendy_Carlos
※この人、アルバム作ってから女性に変身?してしまったのだ。

スイッチト・オン・バッハ(LPアルバム)
http://en.wikipedia.org/wiki/Switched-On_Bach

RCAは、1968年にオーマンディ/フィラデルフィアをコロムビアから引き抜くに当たり、5年間のロイヤリティーとして220万ドルを先払いし、さらに100万ドルをオーケストラの基金として寄付するなど莫大な負担をしているため、マンヴィス氏は、とにかく「元を取る」必要があったのではないかな。

ということで、セールスが期待出来ないシリアスなクラシックではなく、売り上げが期待できるポップスをとにかく録音させようとして、マエストロから「私はポップス指揮者じゃないぞ!」と激怒・反発されてしまったが・・・それでも依頼仕事はきっちりこなすのがマエストロ・ジーンではあるが

この 「ラヴ・ソングズ」や、「マーチ集」「ファンタスティック・フィラデルフィアンズ」、そして2枚の 「クリスマス・アルバム」は全てマンヴィス氏の企画だそうな。

ということで、オーマンディ・ファンからは目の敵?されている気の毒?なマンヴィス氏ではあるが、氏は冨田勲の "Snowflakes are Dancing" を大ヒットさせた立役者でもあるのだ。

冨田勲(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Isao_Tomita

Snowflakes are Dancing(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Snowflakes_are_Dancing

この辺りの事情は、冨田氏の著書「音の雲」(NHK出版)に詳しい。冨田ファン必見の書である。

これによると、日本のレコード会社には全く見向きもされなかったこの"Snowflakes are Dancing"のアルバムを聴いたマンヴィス氏、にっこりと笑って冨田氏に手を差し出し、「さあ、トミタ、ビールを飲みに行こう」と言ったそうな。

ビールを飲みながら「これは非常にセールスポイントの高いアルバムだ。『スイッチト・オン・バッハ』以上に世界で売ってみせる」と息まいたそうな。

日本のレコード会社に「置き場所がない」と言われたのに対してマンヴィス氏は

「『スイッチト・オン・バッハ』は、まずクラシックのソリストの棚、次にポピュラーの棚、電子音楽の棚、次に効果音の入った棚に置かれている。このアルバムもそのようにして置くつもりだ。置き場所が多ければそれだけ客の目に触れる」

・・・と、日本側のネガティヴ・シンキングとは正反対のポジティヴ・シンキングで売りまくる姿勢だったと・・・

ご存じの通り、アメリカで爆発的に売れ始めてから、日本のレコード会社が扱わせて欲しい・・・と相次いで言ってきたそうだが、結局米RCAとつきあいがあったビクターRCA事業部(後にRVC→BMGビクター→BMGファンハウス→BMGジャパン→SMEと合併して、Sony BMG Music Entertainment )から販売ということになった。

冨田氏によれば、マンヴィス氏は「・・・きっぷがいいというか、神田の江戸っ子ふうというか、親分肌というか『おれに任せとけ』といった、気に入ったらとことんやるというか、アメリカ人としてはめずらしいタイプであった。・・・」という。

このアルバムのリリースには、RCA Red Seal の名プロデューサー、ジョン=ファイファー氏も一枚かんでいる。氏は電子音楽のLPも出しているくらいなので、このアルバム将来性をすぐに感じ取ったのだろう。

John Pfeiffer(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/John_Pfeiffer

しかし、マンヴィス氏も1974年のRCAの政変?でRCAを辞してしまう。同じRCAのプロデューサーであった Max Wilcox氏も この政変でRCAを辞しフリーのプロデューサーとして活躍することになる。んで、我らがマエスト・ジーンとフィラデルフィア管弦楽団の録音は後任の Jay David Saks が担当することになることもご存じの通りである。

1986年にRCAはGEに身売りし、レコード部門をBMGに売却・・・んでもって、現在は Sony BMG Music Entertainment となっているわけだが・・・

RCAに関することをwikipediaから拾うと・・・

Radio Corporation of America
http://en.wikipedia.org/wiki/Radio_Corporation_of_America
http://ja.wikipedia.org/wiki/RCA

RCA Records
http://en.wikipedia.org/wiki/RCA_Records
http://ja.wikipedia.org/wiki/RCA%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89

RCAが消滅する原因となったビデオディスク
Capacitance Electronic Disc (CED)
http://en.wikipedia.org/wiki/Capacitance_Electronic_Disc

ついでにビクターのVHDも
http://ja.wikipedia.org/wiki/VHD

ついでにビデオディスクについて
http://en.wikipedia.org/wiki/Videodisc

RCAというと、David Sernoff 、Artur Toscanini、その他当時アメリカを象徴していた人物がぞろぞろ出てくる。

David Sarnoff
http://en.wikipedia.org/wiki/David_Sarnoff

RMS Titanic
http://en.wikipedia.org/wiki/RMS_Titanic

Artur Toscanini
http://en.wikipedia.org/wiki/Arturo_Toscanini

テレビ局のNBCも元々はRCAの子会社だったわけだし・・・

National Broadcasting Company (NBC)
http://en.wikipedia.org/wiki/NBC

RCAの社史がアメリカの歴史の大きな一部であった時代があったわけだ。今では、レコード・ラベルの商標や、真空管アンプのデッドストックとして見かけるくらいかな・・・

そういえば、コンピューター関係も、事務処理用や自動車制御用の組み込みコンピューターとか手を出していたような・・・20年以上前に、RCAロゴのついたキーボードの写真を見た記憶があるのだが・・・

ま、脱線はここまでにしときましょうか・・・

マエストロは決して乗り気でなかったにせよ、依頼仕事はきっちりこなすというプロフェッショナルに徹した見事なできばえのアルバムだと思いますよ。演奏はね。

Super Stereo for the 70's, Dynaflex の文字が40年近い歳月を感じさせますが・・・

このLPは2枚手元にある。1枚は未開封品だが、とってもペラペラでソリが酷い上に恐らくカッティング上のミスであろう。右チャンネルの音が小さく、バランスが左に傾いている。もう一枚は中古だが、盤はしっかりしており、音のバランスも修正されている。これなら聴ける。

日本でも数年前にCD化されました。米盤のどぎついCDデザインでないのが救いですが、まだあるかなあ・・・

BMGファンハウス BVCC-37324
「イエスタデイ~オーケストラが奏でる愛のテーマ」(CD)
米LPオリジナルジャケット仕様

んでは。