TELARC's "1812" Overture with Canons ― 2009年07月08日 20時30分
日本フォノグラム/TELARC 20PC-2009( (P)1979, LP)
米TELARCの名を世界に知らしめた、猛烈録音&カッティングのLPである。
チャイコフスキー(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
1812年ロシア戦役(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/1812%E5%B9%B4%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E6%88%A6%E5%BD%B9
序曲1812年(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%8F%E6%9B%B21812%E5%B9%B4
ナポレオン・ボナパルト(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%8A%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%88
今はCDやSACDで手軽に聴けるが・・・
SACD盤
http://www.concordmusicgroup.com/albums/Tchaikovsky-1812-Overture-And-Gershwin-Rhapsody-In/
通常CD盤
http://www.concordmusicgroup.com/albums/Tchaikovsky-1812-Overture-Beethoven-Wellingtons-Vi/
新録音のSACD盤
http://www.concordmusicgroup.com/albums/Tchaikovsky-1812-Overture/
手軽にスピーカーを吹っ飛ばせるので気をつけるように・・・老婆心ながら・・・
昨日の写真は、チャイコフスキーの「1812年」大序曲のクライマックスで大砲を華々しくぶっ放す音がカッティングされている部分。ちなみに、左が米TELARC盤、右が日本フォノグラムによるプレスのLP。
昨日の写真
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/07/07/4417957
SPの溝をさらに凌駕する大振幅の溝である・・・こんなのトレースさせられるカートリッジが気の毒である・・・酷い・・・
大須のハイファイ堂レコード売り場で、運良く(運悪く?)この米TELARC盤を見かけてしまい、ついつい買ってしまったのが事の発端。
ハイファイ堂
http://www.hifido.co.jp/
20年以上前に発売された、日本フォノグラムのプレスによる2千円盤、その名も「テラーク2000」(って、価格がそのまんまシリーズタイトルなんだけど)は持っているが、オリジナル盤に出会ったのはこれが初めてである。
今は無きサウンドストリーム社のディジタル録音機による録音。カッティングはアメリカのJVCで行い、カッター針は特注のアダマント針(詳細は不明)を仕様。プレスについては記述が無いが、ドイツ製とあるので、テルデックでプレスしているのではないだろうか?
サウンドストリーム社について(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Soundstream
20年以上前、YAMAHA YP-511+SHURE M75BM でこのレコード再生にチャレンジしたのだが、ロシアの冬将軍の前に敗退を余儀なくする羽目に陥ったナポレオンの如く、こちらもキャノン砲の一撃でカートリッジが飛ばされて敗走する悲喜劇が繰り返されたのである。
YAMAHA YP-511+SHURE M75BM
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/07/04/4411816
ナポレオンが敗走した1812年から173年も後の1985年の出来事であったとさ・・・全く、音楽もバトルならレコード再生もバトルというとんでもない代物であった。
あまりの無茶苦茶なカットに、某カートリッジメーカーがテラークを相手取ってバトルするというオマケもあったらしいが・・・どうなったんだろ?
「敗走させれば右に出る者はおりません」と、D. Attemborough の如く開き直れるほど人生経験を積んでいなかった小生にとってはとてつもない挫折であった・・・いつかもっと良いプレーヤーでリベンジを果たしてやる・・・カートリッジのトレース・ミスでキズついてしまったレコードを抱いて復習・・・もとい、復讐を誓って幾星霜(もう一枚買っちゃったし)・・・今、時代はCDからiPod である。
そんなことはすっかり忘れていたが、米TELARC盤との運命的な出会いが復讐の機会を与えてくれることになった。後宮からの逃走ならぬ冬将軍から敗走したナポレオンの時から197年後、黙示の神話時代・・・現代である。
まずは復讐戦である。24年前に敗退した日本フォノグラム盤を攻略しなければなるまい。トレース・ミスでキズついた盤と20年以上前の新品が手元にある。相手にとって不足は無い。
んでもって、迎え撃つ?レコード・プレーヤーとカートリッジは下記の通り。
Technics SL-1200MK4 + Audio Technica AT150Ti
http://www.ne.jp/asahi/tron/music/DiscETCETRA2.htm
Technics SL-QX300P + SHURE M97xE
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/05/17/4309508
「戦略」のせの字もない日本政府を馬鹿にしていた我が身を恥じてしまうような、戦術が先行したバトルになりそうな予感もするが、一応、圧倒的とは言えないまでも大兵力(どこが?)を用意しての中央突破&背面展開という必勝の作戦(?)・・・と、言いたいところだが、たまたま手元にあったタマがコイツらだった・・・ということである。まあ、某国のミサイルと違って長閑なバトルではあるが・・・あ~ヤダヤダ。
さて、AT150Ti の針圧はmax 1.75g、SHURE M97xE はダイナミック・スタビライザー使用時でmax 2gなのだが、この針圧では歯が立たなかった。ということで、両方とも3gにしたら、苦戦を強いられたが何とか最後までトレース出来た。まあ、某国が口癖のように言う「圧力」というヤツはかければ良いってモンでも無いのだが、この場合は重たい心圧、もとい針圧が功を奏したということにしておこうかな・・・
でも、大砲の「ズドン」の後、カートリッジが左右に揺れる揺れる・・・お陰でスピーカーもユラユラという恐ろしい状態である。最近のアンプはサブソニック・フィルターなんかついてないからなあ・・・。
ということで、復讐戦は苦戦しつつも再生側の勝利と相成った。お次はオリジナル盤である・・・が、なんと、こちらのオリジナル盤は規定針圧で両方とも難なくトレース出来てしまった。しかも、カートリッジが左右に殆ど振れないのだ・・・ということは、日本フォノグラムプレスのLPの方が本家を凌ぐ猛烈カッティングだったということか・・・なんか拍子抜けしてしまった・・・
米テラークにはテスト用の OMNIDISC(DG-10073/74)というLPがあり、トラッカビリティのテスト用に、この大砲の音を+2dBづつレベルを上げながら5回カットしてあるという・・・そちらの方が凄いかどうかは確かめる術は無いが、まあそこまでする気もない。(でも中古屋で見つけたら買っちゃうだろうな・・・道楽もたいがいにせにゃアカンのだが・・・)
ちなみに、日本フォノグラムプレスのLPにはピンク紙の解説があり、これがまたオーディオ道楽者のチャレンジ心を刺激するのである。お陰でどれほどのカートリッジやスピーカーが犠牲になった事やら・・・
-----------------------ココカラ----------------------
チャイコフスキー:大序曲「1812年」
このレコードは、レコード再生技術の限界をテストするものです。
●レコードを演奏する前に、次の注意を必ずお読みください●
デジタル録音によるキャノン砲、鐘、オーケストラの音は、最もドラマチックで、素晴らしい音の景観をとらえることを可能にしました。
この巨大なサウンド体験をデジタルマスターからレコードへカットすることは、非常に困難な作業でした。そのために、録音、カッティング、メッキ、プレスの工程ににおける全ての機器は、その性能の能力限界まで使われました。
キャノン砲の“瞬間波形”のために、このレコードの再生は、ステレオ機器への挑戦になることでしょう。
-----カートリッジ、あるいはカートリッジ/トーンアームの組み合わせによっては、針トビを起こすことがあります。
-----インサイドフォース・キャンセラー、その他のレコード・プレーヤーの調整機構は、メーカーの指示に従って、厳密に調整して下さい。
-----多くの場合、カートリッジの針圧は、メーカ指定の最大値(例えば1.5g~3.0gとあれば3g)にする事が望まれます。
-----アンプによっては、大音量でクリップしてしまい、歪みが発生することがあります。
-----スピーカーによっては、キャノン砲の箇所を明瞭に再生することが不可能になり、バリバリ、ゴトゴトという異音を発する場合があります。
-----極端に大音量で再生した場合、スピーカーや他の機器を破損してしまいます。
正しく再生した場合、このレコードはあなたのステレオ装置の最大能力をデモすることが出来ます。
-----------------------ココマデ----------------------
とりあえず、24年前の借りは返した。お次はベートーヴェンの"Wellington's Victory" を聴こうかね、久しぶりに・・・なんかナポちゃんには気の毒な曲のオンパレードになりそうだ・・・
ウェリントンの勝利(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%8B%9D%E5%88%A9
んでは、ズババン!ズババン!
コメント
_ jgman ― 2020年12月27日 07時45分
_ りん ― 2022年01月09日 06時33分
ブログを1年以上放置していて、コメントを確認しておらず、失礼しました。
自分が書いたブログ記事ですが、10年以上前はこんな「おちゃらけた」事書いてたんですねえ。今ではこんなテンションで書けませんねえ。
それはさておき、テラーク「1812年」の日本プレス盤、まともに再生出来なかった大砲部分はともかく、いい音だったと記憶してます。
この国内盤に使用された「カッティング用マスター」がどう制作されたかは、今となっては確認する術もありませんが。
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アンチスケーティングは切る、レコード盤を浮かせるなど・・
ただ海外盤と日本盤は多少違いがあって、手持ちの日本製はトレースなどまったく出来ないが、海外盤なら出来た^^
昔の映画などもそーだが日本へは劣化したコピーの更にコピーが上映されてたように、レコード盤もマスターのコピーしか入手できなかったであろう(こんな島国に正真正銘のマスターなんか渡すハズがない)
その劣化したコピーマスターのせいで日本製のテラークはトレースが出来ないほどの劣悪なプレスだったと思う
日本人はキチガイのように帯付に大金を払うが・・結局ビートルズのUK盤じゃないが、本場の本物のレコードってのは日本製ではないってこったw