2010年 私的 マストロ・ジーン トピックス ― 2010年12月30日 08時37分
最初はやはりコレですな・・・
●CD Reissue - Ormandy & Philadelphia - Brahms Four Symphonies 1966-68年

お次は・・・
●オーマンディとウィーンフィル、そしてゼルキンが共演した映像のDVD

これはマエストロ・ジーンとは直接関係ありませんが・・・
●Joseph Jongen - Symphonie Concertante その5 - A Grand Celebration - The Philadelphia Orchestra live with The Wanamaker Organ at Macy’s Center City , September 27, 2008.

これもマエストロ・ジーンとは直接関係ありませんが・・・
●Bridging the Silence - Live Performance by the members of The Philadelphia Orchestra conducted by Luis Biava, 1996年

「・・・EMIにレコーディング契約の解消を言い渡され、将来レコーディング収入やそれに伴うプレステージがなくなることに対する不満・不安などを原因 に、同オケが(1996年?)9月15日から11月18日まで、実に2ヶ月に渡ってストライキを決行していたことは、当レコ芸(レコ芸の広告をそのまま 持ってきたのかな?)'96年11月号、'97年1月号に詳しいが、オケ維持の資金稼ぎの目的で開いたライブ録音が発売される。・・・」
※()by りん
とある。この録音からほぼ15年経った現在、オケの状況は好転するどころか危機的状況にあるのは残念だが、なんとか持ち直してまた栄光のフィラデルフィア・サウンドを聴かせて欲しいものだが・・・大丈夫かなあ・・・
●2010年10月6日 日経新聞 文化欄 Philadelphia Orchestra首席ピッコロ奏者、時任和夫氏の手記
最後は・・・
●オーディオチェックレコードのすべて 誠文堂新光社 1976年

Ormandy/Wiener Philharmoniker & R. Serkin at Theater an der Wien, June 9th,1963 ― 2010年03月26日 01時25分

Beethoven : Symphony no.8
Eugene Ormandy/Vienna Philharmonic Orchestra
Rudolf Serkin(piano)
Video Recorded : Theater an der Wien, June 9th,1963、(C)ORF 1963
観て気になったのは、映像が音声よりほんの僅か遅れている感じがすることだ・・・他のDVD(オーマンディ以外の)でもそういうことがあったから、こういうのは困るなあ。ごく僅かな遅れなのだけど、一旦気になり出すとどうも・・・
・・・DVDは複雑なデコードをしているからプレーヤー(ちなみにワシは マランツ DV7001 を使ってます)によってはそういうことがあるのかもしれない。DVDプレーヤーに映像と音声のタイミングを手動で微調整できる機能を付けて欲しいものだ。プレスされたディスクの修正プレスは難しいだろうが、プレーヤー側で補正すれば良いのだから。
今の技術なら難しいことはあるまい。CDプレーヤーにピッチ調整を付けて欲しいのと同様、DVDプレーヤーにも「ピッチ調整」と「映像と音声のタイミングの微調整機能」を付けて欲しいものだ・・・
閑話休題
パッケージには山崎浩太郎氏による簡素な解説が封入されているが、なかなか興味深い内容だ。解説には、ウィーン・フィルのオットー=シュトラッサーの回想(「栄光のウィーン・フィル』オットー=シュトラッサー/ユリア=セヴェラン訳 音楽之友社刊、amazon.co.jp )が引用されており、それによれば、オーマンディは「・・・多くの場合指揮棒なしで指揮をした。・・・」とある。この本を読んでいないので詳細は知らないが、今度図書館で借りて読んでみるか・・・(そういえば、以前図書館でウィーン・フィルに関する本を2冊借りたが、それとはまた別の本だな、これは・・・)
ちなみにこの映像では、マエストロはバトンを使って指揮をしている。
マエストロのバトンについては、Herbert Kupferberg(2001年2月に83歳で亡くなられていたのですね・・・合掌・・・)著 "Those Fabulous Philadelphians" (Charles Scribner's Sons, New York 1969年, amazon,co,jp , amazon.com ) に、著者とマエストロとの対話(1968年10月フィラデルフィアにて)が載っているので、少し長いが引用すると・・・
I always used a baton when I conducted, until 1939, when I tore a ligament in my right shoulder and had to have an operation. The doctor recommended I stop using the baton then; the strain is much less without one. In 1950 when I was rehearsing "Fledermaus" at the Metropolitan Opera the singers on the stage told me they couldn't see my beat, so I borrowed a baton and the problem was solved. From then on I used the baton for operas, but not in concerts. In 1960, after talking it over with my doctor, I started to use the baton for concerts again and have been doing so ever since. It makes little difference to me, although I find that the member of the orchestras prefer to have me use the baton.
- Ⅳ The Ormandy Era - A talk with Ormandy より
簡単に言えば・・・「1939年まで指揮棒を使っていたが、右肩の靱帯を痛めて手術した際に医者から指揮棒を使わないよう言われて止めた。1950年にメトロポリタン歌劇場で「蝙蝠」を指揮した際、歌手から指揮が見えないと言われたので、指揮棒を借りて振った。それからオペラでは指揮棒を使うようにしたが、コンサートでは使わなかった。1960年になって、医者が大丈夫と要ったので、それ以来指揮棒を使っている・・・」(間違ってたらごめんなさい、英語全然駄目なので・・・) この会話は、1972年来日時のパンフレットにも引用されている。(オルマンディは語る-伊奈一男氏)
DVDの解説によれば、マエストロがウィーンの定期に招かれたのが1956/7シーズンとのことで、以後(定期?)には1958/9、1966/7、1968/9、1969/70と合わせて5回招かれているとのこと。「会話」によれば、1958/9はバトン無しで、1966/7以後はバトン有りで指揮していることになるが・・・1963年のこのDVDの映像ではバトン有りである。
ま、マエストロ曰く「そんなことは私にとっては大したことじゃないのだが・・・」というところだが、きちんと何年に・・・などと律儀に答えているのはいかにもマエストロらしい・・・
またDVDの解説によれば、この演奏会では、DVDに収録されている2曲の後にR.シュトラウスの曲が演奏されたらしいのだが、どうもその映像は現存しているかどうかよく分からないようである・・・残念ですなあ・・・
ありゃ、もうこんな時間か・・・では、良い夢を・・・
Ormandy conducts Rachmaninoff Symphony no.2 ― 2010年02月08日 01時27分

Ormandy conducts Stravinsky and Rachmaninov
Igor Stravinsky
The Firebird – Concert Suite for orchestra No. 2 (1919)
Sergei Rachmaninov: Symphony No.2 in E minor, op.27
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
昨日HMVから届きました。深夜になってしまったのでちょいと見るつもりが、結局、マエストロのインタビューとラフマニノフのシンフォニーをまるっと聴いてしまいました・・・
インタビューは期待通り収録されていてホット一息。しかし、残念ながら日本語字幕はありません。クラシカ・ジャパンの放送ではあったんですがねえ・・・(あたりまえか)
それはさておき、やはりこの演奏は素晴らしい。コレを観ずして、ラフマニノフの2番交響曲を語って欲しくない・・・なんて、ガラにもなく思ってしまったのであった・・・
オーマンディとウィーンフィル、そしてゼルキンが共演した映像のDVDが出るそうです ― 2010年01月16日 11時00分

ベートーヴェン:交響曲第8番、モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番
オーマンディ&ウィーン・フィ ル、ゼルキン(1963)
Dreamlife のサイトには情報はまだ無いようですが・・・レコード屋さんの方が情報を流すのが速いですな・・・
これは、1996年に東芝EMIより発売されたLD「ウィーンフィルと名指揮者達」(TOLW-3741/44 悪税込\19,570←結構する)の中に含まれていたもので、時折クラシカ・ジャパンでも放送されていたと思います。
オーマンディ の他、このセットに含まれている ベーム、セル&グルダ の映像もまとめてDVD化されるんですな・・・
「ウィーン・フィルと名指揮者達がついにDVDで登場!
ORF(オーストリア放送協会)秘蔵の映像より歴史的なコレクションを一挙発売。
セル、ベーム、オーマンディら巨匠たちと、豪華なソリスト陣との夢の競演がここにDVDとして復活します。」
・・・だそうで・・・14年ぶりか・・・他のLD3枚分がDVD2枚で出るようです。
HMVジャパン:R.シュトラウス:英雄の生涯、死と変容、モーツァルト:交響曲第40番、ベートーヴェン:交響曲第7番 ベーム&ウィーン・フィル(1964、64)
HMVジャパン:ブルックナー:交響曲第3番、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番『皇帝』、ウォルトン、モーツァルト セル&ウィーン・フィル、グルダ(1966、68)
さて、オーマンディ&ゼルキン の 曲目は下記の通り。
Mozart : Piano Concerto No.21 (R.Serkin)
Beethoven : Symphony no.8
手元のLDを見ると・・・
Video Recorded : Theater an der Wien, June 9th,1963
(C)ORF 1963
とあります。オーマンディは、ウィーン・フィルに客演したり、ベルリン・フィルともフェスティヴァルに呼ばれて振っていることもあるので、他にそういうライヴが出てくると嬉しいですね・・・没後25周年の今年は再発売に期待出来るかも・・・

ウィーン・フィル150周年記念 「ウィーンフィルと名指揮者達」
150th Vienna Philharmonic in Histrical Recordings
Mozart : Piano Concerto No.21 (R.Serkin)
Beethoven : Symphony no.8
Eugene Ormandy/Vienna Philharmonic Orchestra
Rudolf Serkin(piano)
Video Recorded : Theater an der Wien, June 9th,1963、(C)ORF 1963
4枚組のレーザーディスク・セットです。勿論、新品で買った訳じゃありません。昨年、ハイファイ堂レコード売り場 でみっけたものです。ここのお店とは相性が合うのか、何故か最近捜し物が良く見つかるのだ・・・
これは、ウィーン・フィル150周年を記念(1991年がそうなのかな?)して、オーストリア放送協会の秘蔵映像から未発表・未発売の映像をセレクトした物だそうな。ベーム、セル&グルダ、オーマンディ&ゼルキン による演奏が収録されている。

結構豪華なセットである・・・
カラフルなインナージャケット

マエストロ・ジーンのインナージャケットは青色。
音と絵が出る、虹色のレコードだったんだよなあ・・・久々にディスクを引っ張り出そうとすると、ディスクの淵とインナースリーヴがくっついている。レーザーディスクの接着剤成分が出てきたのかなあ・・・アクリル樹脂が吸湿して反るのを防止する為、レーザーディスク は裏表のディスクを接着剤で貼り合わせると聞いたことがあるから。
裏面はブランク。信号が刻まれていないので輝き具合が違う。
片面ディスクの裏面レーベル表示。ちょっと無愛想?

オープニング画面。画面上部に部屋の照明が写り込んでいるのはご勘弁。


ベートーヴェンの8番をパワフルに振るマエストロ。

裏面をプレイするとこういう画面が出る・・・

久々に稼働させた パイオニア CLD-R5 だが、もう生産中止になってしまった・・・
さて、オーマンディ の映像解説は 藤田由之氏によるもの。解説によると、1969年6月9日、アン・デア・ウィーン劇場における「ウィーン芸術週間」の特別演奏会を指揮した映像とのこと。モーツァルトでは標準的なオーケストラ編成が、ベートーヴェンでは2管編成を4管編成に増員して演奏していることに触れられており、短いが充実した解説である。
ゼルキンの伴奏では優雅なモーツァルトを奏でていたマエストロだが、ベートーヴェンでは一転、パワフル・スピード・ダイナミックな指揮ぶりでウィーン・フィルをグイグイ引っ張っていくが、そんな中でも ウィーン・フィル は マエストロ に敬意を払いつつも自分たちの領域は守る・・・そんな、打打発止というか 両者の駆け引きが見物とも言える演奏であり、実に興味深い。
ベートーヴェン の1楽章の始め、タクトが振り下ろされてから音が出るまでの間の長いこと・・・指揮者の拍とずれて音を出す ウィーン・フィル と、トスカニーニを神の如く尊敬している マエストロ では水と油・・・というとそうでもないのが面白いところ。 フルトヴェングラー程極端ではないにしろ、 マエストロ にも 「ダウンビートの不明瞭さ」 という側面がある。フィラデルフィア管弦楽団のブラス・セクション にはタイミングを取るのが難しく不評?だったそうだが、同じくトスカニーニ派を辞任していたショルティが、指揮者の拍とずれて音を出すウィーン・フィル とウマが合わなかったのとは対照的なことにも思える。
ま、その辺りのことは3月に発売されるこの映像のディスク を見てもらうのがいいと思う。今から発売が楽しみだ。解説もきちんとしてくれると有り難いなあ・・・
んでは。
ようやく初DVD化!オーマンディ&フィラデルフィア管によるライヴ映像、ストラヴィンスキーの『火の鳥』組曲、ラフマニノフの第2交響曲 ― 2009年12月12日 07時50分
Ormandy conducts Stravinsky and Rachmaninov
Igor Stravinsky
The Firebird – Concert Suite for orchestra No. 2 (1919)
Sergei Rachmaninov: Symphony No.2 in E minor, op.27
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
This DVD will be released in January 2010. Eugene Ormandy’s unbroken forty-two-year association with the Philadelphia Orchestra was unique in history. Famous for its rich and powerful “Philadelphia Sound”, the orchestra was described by Rachmaninov as “the greatest virtuoso orchestra in the world”. Ormandy was a close friend of the composer, and it was to celebrate the conductor’s eightieth birthday that they performed Rachmaninov’s magnificent and powerful Second Symphony, a performance whose authenticity would be difficult to beat.(以上、Medici Arts のサイトより転記)
HMVには既にインフォメーションが掲載され、DVDの予約 も出来るようになってますなあ・・・タワーでももう予約できるようです。アマゾンもそのうち出てくるでしょう・・・
「ようやく初DVD化
オーマンディ&フィラデルフィア管によるライヴ映像
ストラヴィンスキーの『火の鳥』組曲、ラフマニノフの第2交響曲
オーマンディが手兵フィラデルフィア管と残した映像作品のうち、未DVD化であった最後の大物、ラフマニノフの第2交響曲とストラヴィンスキーの『火の鳥』組曲がようやく登場します。演奏については、いずれもレーザーディスクでの初出リリース時より熱心なファンの間で語り継がれているとおり、折り紙つきの内容。メランコリックでセンチメンタルな作風が全開のラフマニノフは、作曲者の親友でもあったオーマンディの共感たっぷりの濃厚な味付けと、44年間にもおよぶ結びつきで巨匠の血肉と化したフィラデルフィアのゴージャスきわまりないひびきが、こたえられないものとなっています。(キングインターナショナル)
収録時期:1977年(ストラヴィンスキー)、1979年(ラフマニノフ)
収録場所:フィラデルフィア、アカデミー・オブ・ミュージック(ライヴ)」
(以上、HMVのサイトから転記)
キングインターナショナルが日本の発売元になるんですな。以前LDで出ていたらしいのですが・・・確かユニテルのサイトにその旨の記載があったように記憶してますが、その実物やネットのオークションでも現在に至るまでお目にかかったことはありません。
ユニテル 収録のこれら一連の映像は クラシカ・ジャパン で度々放映されていたので、VHSテープに録画してはあるのですが、やはり録画で映像も音声も劣化してしまうので、DVDリリースを待ち望んでいたのですが、晴れてリリースされることになり、没後25周年の初っぱなから嬉しいニュースではありませんか・・・
ボーナス・トラックとして「オーマンディによるラフマニノフ:交響曲第2番の前説(字幕:独、仏)」があります。これが無ければこのディスクの魅力が半減どころか激減です・・・な。ユーモアを交えたマエストロのラフマニノフについてのエピソードは必見です。
しかし、未DVD化の Kabalevsky : Overture to Colas Breugnon は入っていないようで、画竜点睛を欠いているのは残念なことです。入らない容量ではない筈ですが・・・これさえ入っていれば、Medici Arts の DVD4枚でユニテル収録映像はコンプリートとなるのですが・・・まあ、待望のラフマニノフとストラヴィンスキーがリリースされるのですから、些細なことですが・・・
オーマンディ・フィラデルフィア管弦楽団の映像についてはこちらに纏めた物があるので宜しかったらご覧下さい。久しぶりに内容を更新しました・・・
では。
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