タワレコ Sony Classical スペシャル・セレクション第10期2016年10月22日 12時30分

 今年のタワレコの「オーマンディ降臨」は無いのかな・・・なんて思っていましたが、どうしてどうして、興味深い企画・音源を引っ張り出してきましたね。

 ここ毎年のタワレコ"Sony Classical" スペシャル・セレクションによる、オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団の名盤リイッシューに、フィラデルフィア管弦楽団側も称賛を惜しまず「自分たちの歴史を現在に蘇らせる重要なプロジェクト」と認識しているそうです。今後も期待しましょう。

タワー・レコード "Sony Classical"
スペシャル・セレクション第10期 第2回 10タイトル
2016年11月14日発売


●SICC-2127(SMSOタワレコ)※世界初CD化曲有(8曲)
HORA STACCATO
ホラ・スタッカート~超絶のフィラデルフィア・ストリングス
「・・・1969年発売の「ホラ・スタッカート」は1966年と67年に録音された(当時の)新録音を中心として構成された日本未発売の1枚。「オーマンディ・サウンド」の根幹を担った弦楽セクションの魅力に焦点を当てたアルバム・・・」

●SICC-2128(SMSOタワレコ)
The Strings of The Philadelphia Orchestra.
G線上のアリア~超絶のフィラデルフィア・ストリングスVOL.2
「・・・P初期の1959年に発売されたオリジナルの小品集「フィラデルフィア管弦楽団の弦」。コレッリやモーツァルトなど、オーマンディとしては比較的珍しいレパートリーを収録・・・」

●SICC-2129(SMSOタワレコ) ※世界初CD化曲有
The Age of Elegance
ジ・エイジ・オブ・エレガンス~バロック名曲集
「・・・1971年発売の「ジ・エイジ・オブ・エレガンス~エアと舞曲の名曲集」は、ヘンデルからベートーヴェンにいたるバロック~古典派の美しい舞曲を集めたアルバムで、大半が1968年に録音されたもの。オーマンディらしくバロックの演奏様式にはこだわらず、格調高く優雅に描き出された音楽の表情が魅力的です。ハーティ版の「王宮」、オーマンディ版の「水上」をカップリング・・・」

※王宮の花火の音楽(ハーティ編)が漸くCD化。嬉しいことに、水上の音楽(オーマンディ編)も収録され、LP当時のカップリングが実現しました。

●SICC-2130(SMSOタワレコ) 2CDs ※世界初CD化曲有
The Glorious Sound of Christmas & The Christmas Festivals
きよしこの夜~グローリアス・サウンド・オブ・クリスマス
「・・・1962年に発売された「グローリアス・サウンド・オブ・クリスマス」は、オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のコロンビア録音の中で最も売れたアルバムの一つ。楽団専属の編曲者アーサー・ハリスによって、フィラ管の豊麗なサウンドを最大限に生かした、豪華絢爛のクリスマス音楽を堪能することができます。この成功を受けて、2年後に珍しくニューヨークで録音された「クリスマス・フェスティヴァル」をカップリングし、さらにボーナス・トラックとして、極めて珍しいジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団のクリスマス曲2曲を追加・・・」

※長年CD化を待ち望んでいたクリスマス・アルバム(The Christmas Festivals)が、The Glorious Sound of Christma とのCD2枚組で登場とは嬉しいですねえ。こうなったら、RCA Red Sealのクリスマス・アルバム2枚もこういう形で是非CD化してもらいたいものです。

●SICC-2132(SMSOタワレコ) 2CDs
The Fantastic Philadelphians - 20 Stereo Spectaculars
ファンタスティック・フィラデルフィア・サウンド~史上最大の名曲集
「・・・「ファンタシティック・フィラデルフィアンズ」は、オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団がRCAに再移籍後、1970年代発売された3つの3枚組ボックス・セットの一つ。1970年代前半に録音された、19世紀後半から20世紀にかけてのショウピースを20曲集めたコンピレーションで、この3枚組の形では日本では未発売・・・」

※当時のシングルジャケットにLP3枚突っ込んだお得盤仕様のCD化。アメリカのバジェット盤はこういうのが多いんですなあ・・・

●SICC-2134(SMSOタワレコ) 2CDs
エルガー:エニグマ変奏曲
ヴォーン・ウィリアムス
タリス幻想曲/ディーリアス:夏の庭で、他
「・・・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のコロンビア録音の中で、極めて傑出した演奏でありながら、これまで日本で発売されなかったのが、エルガーとディーリアスのアルバムです(後者は作曲者生誕100年を記念して発売)。当2枚組は、その2人の作曲家のアルバムを軸に、フランチェスカッティとのウォルトンのヴァイオリン協奏曲、そして十八番だったヴォーン・ウィリアムズの2曲をカップリングしたもの・・・」

●SICC-2136(SMSOタワレコ)
A Johann Strauss Festival
J.シュトラウス2世:ウィンナ・ワルツ&ポルカ集
「・・・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のベストセラーの一つがJ.シュトラウスのワルツとポルカ集でした。当アルバムは、彼らがコロンビアに録音したウィンナ・ワルツとポルカのエッセンスを手軽に味わえる1枚・・・」

●SICC-2137(SMSOタワレコ)
Vivaldi:The Seasons & 4 Double Concertos
ヴィヴァルディ:四季&2つのヴァイオリンのための協奏曲
1959年と1960年に録音されたオーマンディのヴィヴァルディ録音2枚をカップリング。マリピエロの編曲によった「四季」は、バロック音楽のオーセンティシティよりも、フィラ管の充実したストリング・サウンドの魅力と凄さを伝えるアルバムで、名コンサートマスター、アンシェル・ブルシロウの非の打ちどころのないソロも聴きもの。オイストラフとスターンという名人2人を揃えた協奏曲4曲もまさに豪華そのもので、LP時代から名盤の誉れ高いアルバム

●SICC-2138(SMSOタワレコ)
TWO Favorite Guitar Concertos
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲/カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター協奏曲 ほか
「・・・20世紀最大のギタリスト、ジョン・ウィリアムスがオーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団とコラボレーションしたロドリーゴとカステルヌオーヴォ=テデスコは、ジョンにとってRCAからの3枚目のアルバムで、初の協奏曲録音。"フィラデルフィア管弦楽団のメンバー"とクジレットされている通り、通常よりは刈り込んだメンバーによっているが、オーケストラの巧さは驚くほど。・・・」

●SICC-2139(SMSOタワレコ)
Verdi:Requiem
ヴェルディ:レクイエム
ロッシーニ:スターバト・マーテル
「・・・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団によるヴェルディ「レクイエム」は、1965年に珍しくニューヨークのマンハッタン・センターで収録されました。アマーラ、フォレスター、タッカー、ロンドンなど、当時の北米を代表する名歌手を揃え、ニュージャージー州のプリンストンにあるライダー大学の学生で構成されるウェストミンスター合唱団を起用して、ヴェルディが作品に託した熱いドラマを見事に描き出しています。オーマンディ唯一の録音としても貴重です。
 1965年録音のロッシーニ「スターバト・マーテル」は、1977年に47歳で早世したアメリカの名指揮者トーマス・シッパーズがコロンビアに残した最大の録音遺産の一つ。大編成のオケと合唱団を起用したスケールの大きなアンサンブルを見事に統御する手腕が聴きものです。・・・」

ま、とりあえずこんなところで・・・

昨年の タワー・レコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第8期Ⅱ について・・・2015年11月07日 09時50分

昨年度のタワー・レコード "Sony Classical"スペシャル・セレクション第8期 第II回について・・・

今年のタワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第9期 第II回も好企画でしたが、昨年度のも、シューベルト「グレイト」・R.シュトラウス管弦楽曲集(ホルン協奏曲含む)という大物の初CD化及び久々再発売がありました。

さらに興味深いのは、Columbia Masterworks にてオーマンディ&フィラデルフィアのレコードの大半をプロデュースしたThomas Frost氏 による解説が付されるということ。

トーマス・フロスト
「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」
その1~その4迄(4枚に分割されて掲載)

ワタシは、BMGファンハウス(BMGジャパン)による「オーマンディ&フィラデルフィアの芸術」シリーズのような「最近」のインタビュー(RCA Red Sealのプロデューサー、C.O'connell氏, M.Willcox氏, J.D.Sax氏 等のような・・・)を期待していたのですが、蓋を開けてみたら、1969年にリリースされたLp「Thet Philadelphia Sound」(Columbia Masterworks M2X786)の解説でした。

そういう意味では期待外れでしたが、これはこれで貴重な読み物であり、当時、オーマンディ&フィラデルフィアの録音がどのようなプロセスを経て生み出されていたかを確認できる、実に奥深い内容でした。

当時のLp解説、CD化の際に採録されることはあまり無いのですが、今読み返すと貴重な資料やら、当時の風潮やらが読み取れて、実に面白いのです。

ご参考
bach cantatas website:Thomas Frost (Arranger)
youtube:Thomas Frost & David Dubal, 12/18/81

そういえば、クラリネット奏者でもあり、Columbia Masterworks でオーマンディ&フィラデルフィアの録音も担当していた David Oppenheim氏は2007年に逝去され、同じく数多くの録音を行ったJohn McClure氏も昨年6月に逝去されたようで・・・

ご参考
John McClure Dies at 84; Produced Classic Records
By WILLIAM YARDLEYJUNE 24, 2014


Interview with John McClure on making records, Bruno Walter, Stravinsky, Bernstein, and others....
From: Rich S. <schiebel*nospam@xxxxxxxxxxxxx>
Date: Fri, 16 Nov 2007

※インタビューの中に、オーマンディに関する記述もちょっとあります。

改めて、オーマンディ時代を担ったプロデューサーであるThomas Frost氏のインタビューも期待したいですなあ・・・

以下、発売された盤の簡単な確認・・・

SONY CLASSICAL/SICC-1736タワレコ
シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」(1966年)&第4番「悲劇的」(1962年)
※「ザ・グレイト」は初CD化
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その1掲載

SONY CLASSICAL/SICC-1737(2CDs)タワレコ
ベルリオーズ:幻想交響曲(1960年)&イタリアのハロルド(1965年)、イベール:寄港地他
※幻想交響曲はソニー初期CDと同じ「ローカット無し」を期待したが、残念ながら「低音カット」のエッセンシャル盤と同じリマスタリング音源のようで・・・残念ながら、まだまだ、ローカット無しの1985年のCD(52DC363/4  幻想交響曲、サンサーンス オルガン、死の舞踏)は手放せないなあ・・・

SONY CLASSICAL/SICC-1739タワレコ
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」(1966年LSO)&メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」(1963年)
※「新世界より」はマエストロ・ジーンには珍しくLSOを起用した録音。その理由についてはブックレットに詳述されているのでご覧下さいな・・・

SONY CLASSICAL/SICC-1740タワレコ
フランク:交響曲&交響的変奏曲(1961年)、ダンディ:フランス山人の歌による交響曲(1958年)
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その2掲載
※ダンディは Mason Jones(IHSの紹介文Philly.com追悼記事) の切れの良いホルン・ソロが聴きモノ。

SONY CLASSICAL/SICC-1741タワレコ
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」(1962年)&動物の謝肉祭他(1966年)
※「オルガン付き」はソニー初期CD((52DC363/4  幻想交響曲、サンサーンス オルガン、死の舞踏)よりエッセンシャル盤の音が良かったです。初期CDはテープのサーフェイスノイズカットでエッセンシャル盤よりも音に精細を欠いていました。今回の音源はエッセンシャル盤と同一のようで一安心。

SONY CLASSICAL/SICC-1742タワレコ
ビゼー:カルメン(1958年)&アルルの女(1963年)、ポンキエルリ:時の踊り(1964年)
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その3掲載
※カルメンは William Kincaid のフルート・ソロが聴きモノですな・・・

SONY CLASSICAL/SICC-1743(2CDs)タワレコ
R.シュトラウス:ツァラトストラはかく語りき、ドン・キホーテ&ドン・ファン他(「死と浄化」含む)
※「ドン・ファン」「ティル」「死と浄化」は1990年にCD化されて以来、久しぶりのCD再発売。

SONY CLASSICAL/SICC-1745(2CDs)タワレコ
R.シュトラウス:英雄の生涯、町人貴族&ばらの騎士組曲、ブルレスケ、ホルン協奏曲第1番
※「ホルン協奏曲第1番」は1980年代後半にCD化されて以来、久しぶりのCD再発売。Mason Jones(IHSの紹介文Philly.com追悼記事) のソロ。リヒャルトの2番の録音が無いのが悔やまれますなあ・・・ホント。

SONY CLASSICAL/SICC-1747タワレコ
はげ山の一夜~ロシア管弦楽曲名演集
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その4掲載
※R=コルサコフ「クリスマス・イヴ」組曲の「ポロネーズ」なんて、うっとり聴き惚れてしまう名演ですなあ・・・かつて、こんなアンサンブルが存在したんですなあ・・・

SONY CLASSICAL/SICC-1748タワレコ
オルフ:カルミナ・ブラーナ&カトゥーリ・カルミナ
※「カルミナ・ブラーナ」と「カトゥーリ・カルミナ」が纏めてCD化されたのは今回が初めて。「カトゥーリ・カルミナ」は「カルミナ・ブラーナ」程知名度が無いから出しづらいので、これは絶妙なカップリングですな。

んでは。

タワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第9期 第II回 その22015年10月31日 17時20分

 今年はオーマンディ没後30周年ということで、毎年の恒例?となった、タワレコの「オーマンディ降臨」企画です。

タワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第9期 第II回

 流石に初CD化音源は少なくなってきましたが、良く練られた企画かと思います。価格面では輸入盤とは勝負になりませんが、オリジナルLP収録曲目を再現したり、フィラデルフィア管弦楽団と音楽監督(ネゼ=セガン)の最近のエピソードを盛り込んだブックレットの内容は一読の価値があり、これは輸入盤には無い魅力かと・・・

SICC-1951 Rhapsodies
リスト:
 ハンガリー狂詩曲第2番ハ短調
 ハンガリー狂詩曲第1番ヘ短調
エネスコ:
 ルーマニア狂詩曲第1番イ長調作品11の1
 ルーマニア狂詩曲第2番ニ長調作品11の2
アルフェーン:スウェーデン狂詩曲第1番「真夏の徹夜祭」
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」

 「・・・グラスを手にヴァイオリンに耳を傾ける女性を配したジャケット・デザイン・・・」 LP・CD時代を含め、このオリジナル・ジャケットが日本で出たのは今回が初めてではないだろうか。初出当時、このデザインで日本盤を出したら、恐らく(真面目な)日本のクラシックファンから総スカンを喰らったであろうと思われる、いかにも当時のアメリカのジャケットデザインとも言える・・・かな?

 実は、リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」とエネスコの「ルーマニア狂詩曲第1番」は、ストコフスキのRCA Victor LIVING STEREO盤「Rhapsodies」(実際は、国内廉価盤Lpで聴いたのが最初ですが・・・) の強烈演奏が初体験なので、こればかりはオーマンディ&フィラデルフィアの演奏とも言えども、マイ・ベストにはならないのだ・・・最初聴いたときは、端整ではあるけど、ストコフスキのダイナミズム溢れる演奏には及ばないなあ・・・なんて思ったけど、今聴き直すと、これはこれでマエストロの音楽性が良く出ていて微笑ましくなる。

 ハンガリー出身とは言え、若くして祖国を離れて数十年・・・いくら出身地とは言えども、地元のロマに音楽を習ったわけでも無いだろうし、私達「外国人」が漠然とイメージする「本場モノ」を期待するのはどうかなあ・・・という気がする。(日本人なら、日本の民謡くらい歌えるだろう・・・なんて外国人に言われたら・・・と想像して頂ければ、ワタシの言っていることのイメージをご理解頂けるかと・・・)

 ま、そんなことはどうでもいいことで、素直に耳を傾けると、これはこれでなかなか良いんじゃないかな・・・と、最近は思えるようになってきた次第。

SICC-1952 Holiday for Orchestra! (オーケストラの休日)

 CD創世記の1980年代前半、同じタイトルのCDがCBS/SONYから発売されている。「CDによる初のベスト・クラシック100」とあり、当時のCDとしては\3,000(悪税無し)と価格を抑えての発売だったと記憶している。
 恐らく、国内盤LPのジャケットデザインとカップリング+αでCD化したものと思われるが、その国内盤LPが既に米オリジナル盤と異なるジャケットデザインとカップリングだったのだろう・・・米オリジナル盤の企画や意図は殆ど考慮されず、親しみやすいがちょっと変わった「オーケストラ名曲集」くらいのコンセプトで日本盤として再構成された・・・というところだろうか。

 ・・・今回のオリジナルジャケットデザインとカップリングによるCD化により、「フィラデルフィア管弦楽団の機能をデモ」するという当初のアルバムの意図が、日本のリスナーにも正しく?伝わることになったと言える。

 ベンジャミン「ジャマイカン・ルンバ」を聴くと「サロンパス」のCMソングを思い出してしまうのはワタシだけであろうか・・・

SICC-1953 The Romantic Philadelphia Strings

 ワタシ的には、今回のタワレコ「オーマンディ降臨」企画の目玉とも言えるアルバムなのです。漸く、Anshel Brusilowの見事なヴァイオリン・ソロとオーマンディ&フィラデルフィアの圧倒的な量感を誇る弦セクションの伴奏による「タイースの瞑想曲」(1966年録音)が、まともな音でCD化されたのですから・・・

 これまで、熱心なファンを「何時になったらCD化されるのだろうか・・・?」とヤキモキさせつつ、何故かCD化から零れ落ちていた不思議な経緯を辿っている「名演」でありました。

 2008年6月~7月にかけてSMEからリリースされた、"The Original Jacket Collection" で、今回と同じ "The Romantic Philadelphia Strings"がオリジナル・ジャケット・デザインで(ジャケット裏のライナー・ノーツ迄忠実に!)CD化されたにも関わらず、何故かこの「タイースの瞑想曲」1曲のみが抜け落ちていて、熱心なファンをガッカリさせたのは記憶に新しい・・・って、あれからもう6年以上経過しているのに気が付いて、今更ながら驚きました。

 2006年に Sony Music Direct からリリースされた "Love Story - Classical Music from Korean TV drams & Movies" という3枚組のコンピレーション・アルバムCDにこの音源が収録されたのですが、ノイズ除去をやりすぎたせいか、あの芳醇なBrusilowのヴァイオリン・ソロとオーマンディ&フィラデルフィアの弦セクションの音が、ぎすぎすした潤いの無い音に変わり果ててしまった・・・という苦い経験があったので、今回のCD化でもそれを一番心配していましたが・・・。有難い事に、それは杞憂に終わったようです。

 過度なノイズ除去は見送られたようで、テープ・ヒス・ノイズや録音会場であったのフィラデルフィア・タウン・ホール屋外の車の騒音もかすかに聴こえてきますが、ノイズ除去しすぎた潤いの無い音より、ノイズ込みでも芳醇な音で聴けるほうが良いと思いますよ。

 何はともあれ、オーマンディが苦心して維持していた「フィラデルフィアの弦セクションの音」を愉しむ好適なアルバムと言えますな。

 ちなみに、 Brusilow は最近 Shoot the Conductor: Too Close to Monteux, Szell, and Ormandy(2015年6月) という興味深い本を書いています。興味のある方は如何でしょうか?


SICC-1954 マーチの祭典

 このアルバムを見た時「う~ん、マーチ集か・・・」と、ガッカリしたのが正直なところ。スーザ「星条旗よ永遠なれ」(Columbiaステレオ録音)の初CD化が目玉なワケだけど、正直「それだけ?」と思ってました。

 しかし、アルバムを手にとって解説を読んでみて、これは実に良く練られた企画だ・・・と得心した次第。確かに、これまで Columbiaステレオ録音 のマーチ集は「星条旗よ永遠なれ」以外は全てCD化されていたのですが、他の演奏者とのコンピレーション盤とかマーチ以外の曲との組み合わせ等々が殆どで、今回のような「オリジナルLp2枚分をそのままのカップリングで纏めてCD化」というのは初めての試みでしょう。

 こうして、オリジナルLpのカップリングで纏めて聴いてみると、当時のアルバムの企画意図が明快に理解出来て、実に興味深いのです。まったく、タワレコさんとSony Musicの企画担当者には足を向けて寝られませんな。

SICC-1956
 ベートーヴェン:「ミサ・ソレムニス」「オリーヴ山上のキリスト」
 ブルックナー:テ・デウム(初CD化)

 このアルバムの目玉は初CD化となるブルックナー「テ・デウム」でしょう。一昨年のタワー・レコード “Sony Classical”スペシャル・セレクション第7期Ⅱ期にて、米オリジナルLpでは「ブル5」とカップリングされていた「テ・デウム」が見送られて、既出のブル4と組み合わせた2枚組みとして企画されたのをちと残念に思っていましたが・・・売り上げを考えると仕方ないのかな・・・と諦めてましたが、ベートーヴェンの合唱曲と組み合わせて出すというのは思いもよらぬ「変化球」で、こりゃ一本とられたなあ・・・と感心した次第。

 ファンとしては「未CD化」の音源を優先して出して欲しい・・・という願いがあるのですが、売り上げを考えると、こうした「戦略」が必要だと改めて考えさせられます。結局、売れなければ「オーマンディ降臨」企画も続かないのですから・・・

 また来年もタワレコさんに期待するところ大ですな・・・んでは。

タワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第9期 第II回 その12015年10月31日 06時30分

 なんと、1年近くもブログを放ほったらかし・・・ま、ぼちぼち再開しますか・・・・

 今年はオーマンディ没後30周年ということで、毎年の恒例?となった、タワレコの「オーマンディ降臨」企画です。

タワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第9期 第II回

 流石に初CD化音源は少なくなってきましたが、良く練られた企画かと思います。価格面では輸入盤とは勝負になりませんが、オリジナルLP収録曲目を再現したり、フィラデルフィア管弦楽団と音楽監督(ネゼ=セガン)の最近のエピソードを盛り込んだブックレットの内容は一読の価値があり、これは輸入盤には無い魅力かと・・・

SICC-1943
 ホルスト:組曲「惑星」作品32
 ヴォーン=ウィリアムズ
  トーマス・タリスの主題による幻想曲
  グリーンスリーヴスによる幻想曲

 RCA Red Seal 音源。国内盤LPジャケットデザイン採用というヒネリと「惑星」の音に驚き。LPマスター(初CD化もこのマスターと思われる)の音が収録されているのだ。1995年発売の「100周年記念盤」の音は(落ち着いた方向に)大幅に変わったが、その音に不満を示した人も少なからずいたと思う。今回採用された音源はその意向?を汲んでいるのかもしれませんね。

 ちなみに、オーマンディ&フィラデルフィアのRCA Red Seal録音の「惑星」は、私が確認したものでは下記4種類の音が存在します。

  1.LP(1976年)と(たぶん)初CD化(1995年)と本CD
  2.100周年記念盤Ⅰ(1999年)
  3.Dolby Surround Sound盤(1992年)
  4.Originals盤(2011年)

 私が聴いた限りでは、2.と4.がオリジナル音源(セッション・テープ)に最も近い音と思います。エコーも控えめで落ち着いたバランスの音です。しかし、1.で親しんだ方が2.を聴いたらその落差に驚くでしょう。

 1.は2.~4.と較べると、ハイ上がりでエコーが付加され、音の定位も編集で操作している感じがします。(「火星」冒頭のトランペットを聴けば一聴瞭然。)ヘッドホンではちと耳が痛くなりそうな「派手」な音です。広い部屋で、大型スピーカーを置いて距離を置いて聴くとバランスが取れる感じがします。個人的にはローブーストしたくなります。

 2.~4.は1.と実に対照的な音です。2.は落ち着いたバランスの音ですが、金管(特にホルン)はもう少しエコーが欲しいなあ・・・なんて思うことも。3.がその希望に沿う音作りで、4.は2.と3.の中間?という感じです。2.~4.はヘッドホンで聴いても違和感はありません。

 ちなみに、3.のDolby Surround SoundシリーズはVirgil Foxと競演した「オルガン交響曲」もあります。

 ヴォーン=ウィリアムズの2曲は、オーマンディが苦心して育て上げたフィラデルフィアの「弦」の魅力を楽しめる、おなじみの名演奏です。


SICC-1944(2CDs)
 ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調作品27[完全全曲版]
 スクリャービン:法悦の詩作品54(交響曲第4番)
 ラフマニノフ:
  合唱交響曲「鐘」作品35[英語歌唱]
  3つのロシアの歌作品41[英語歌唱]
 スクリャービン:プロメテウス~火の詩作品60(交響曲第5番)

 RCA Red Seal 音源。オーマンディ&フィラデルフィアのこの「ラフ2」を聴かずしてこの曲を語る無かれ・・・と言いたくなるくらいの名演。当時のエピソードから最近のトピックまで網羅したブックレットの内容に脱帽。その他、ラフマニノフの合唱曲やスクリャービンの作品も聴きモノ。

 1968年のHistrical Return、Columbia Masterworks専属からRCA Red Seal専属への「里帰り」を経て数年、「ラフ2」以外はColumbiaに録音していない意欲的な曲目であり、当時のレコード業界・RCA Red Seal のA&R方針・オーマンディ&フィラデルフィアの「思惑」等々、考えながら聴くのもまた一興。

SICC-1946(2CDs)
チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠りの森の美女」名場面集(通常盤)

 日本では”「くるみ割り人形」組曲”の形でしかCD化されていなかった全曲からの「抜粋版」が、ようやく理想的な形で企画されて嬉しいですな。組曲に入ってない魅力的な曲が満載の「くるみ割り人形」抜粋を聴かないのは実に惜しいですから。

 「くるみ割り人形」抜粋版、アメリカでは1990年に早々とCD化され、2003年にはExpandedシリーズとしてCD化(DSD→SBM)されて更に良い音になりました。ちなみに、このExpanded盤のブックレットには貴重な写真が掲載されていますので、興味のある方は如何でしょうか?


SICC-1948(2CDs) 華麗なるバレエ名演集
 オッフェンバック/ロザンタール編:バレエ「パリの喜び」(抜粋)
 ショパン/ダグラス編:バレエ音楽「レ・シルフィード」
 アダン:バレエ「ジゼル」組曲
 マイヤベーア:バレエ「スケートをする人々」組曲
 ロッシーニ/レスピーギ編:バレエ「風変わりな店」
 ドリーブ:バレエ組曲「シルヴィア」「コッペリア」
 ストラヴィンスキー
  バレエ組曲「ペトルーシュカ」(1911年全曲版より抜粋)

 バレエ「パリの喜び」、冒頭から G.ジョンソンの輝かしいソロ・トランペットが鳴り響き、あっという間に軽妙なオッフェンバックの世界に引き込まれます。唖然とするほど凄い演奏なんですが、十分余力を残した上でのオーケストラ演奏なので、あっという間に聴きとおしてしまい、改めて聴きなおすとその凄さを実感する・・・といった感じです。ちなみに、1954年録音のモノラル録音も素晴らしい演奏なので是非CD化して欲しいものですが・・・

 ストラヴィンスキーのバレエ組曲「ペトルーシュカ」、オーケストラを3管編成に縮小した1947年組曲版ではなく、1911年の4管編成全曲版からの抜粋というのがミソ


SICC-1950
 ドビュッシー
  交響詩「海」、牧神の午後への前奏曲
  舞曲(シチリア風タランテラ)[ラヴェル編]、夜想曲

 「牧神の午後への前奏曲」はウィリアム・キンケイドの見事なフルート・ソロが聴けます。牧神・・・はゆったりしたテンポが好みなのですが、オーマンディとキンケイドは早めのテンポで颯爽とした印象を残す好演。1959年当時にこれほどのアンサンブルが存在していたとは・・・一昨年発売された「ダフニスとクロエ」第2組曲昨年発売された、「カルメン」組曲でもキンケイドが見事なソロを聴かせてくれます。

続きはまた・・・んでは。

タワー・レコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第8期 第II回2014年09月19日 04時30分

タイミング遅れの残暑お見舞いに書いた、タワレコさんスペシャル・セレクション(オーマンディ&フィラデルフィア の Columbia Masterworks ステレオ録音)、第Ⅱ回分ということで、タワレコさんにも情報が出ましたね。

タワー・レコード "Sony Classical"
スペシャル・セレクション第8期 第II回


興味深いのは、Columbia Masterworks にてオーマンディ&フィラデルフィアのレコードの大半をプロデュースしたThomas Frost氏 による解説が付されるということ。

トーマス・フロスト
「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」
その1~その4迄

各CDブックレット解説に納まるようですが・・・

BMGファンハウス(BMGジャパン)による「オーマンディ&フィラデルフィアの芸術」シリーズでは、RCA Red Sealのプロデューサー(C.O'connell氏, M.Willcox氏, J.D.Sax氏)によるインタビューが掲載されており、これは大変興味深い読み物でした。

今回の隠れた「目玉」の一つとして期待したいところです。
オーマンディ&フィラデルフィアの録音で、Thomas Frost氏によるアレンジの曲があったり、アレンジャーとしても活躍していたようですが。

ご参考
bach cantatas website
http://www.bach-cantatas.com/Lib/Frost-Thomas.htm

そういえば、クラリネット奏者でもあり、Columbia Masterworks でオーマンディ&フィラデルフィアの録音も担当していた David Oppenheim氏は2007年に亡くなられているようで・・・

そういう意味でも、今回はギリギリのタイミング・・・かもしれませんね。では。

オーマンディ&フィラデルフィアCD化情報 タワー・レコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第8期2014年08月30日 08時15分

またまたタワレコ&Sony Classicalがやってくれました。オーマンディ掲示板にも書いた情報ですが・・・

タワー・レコード "Sony Classical"
 スペシャル・セレクション第8期
Sony Music Shop(ユージン・オーマンディ)の情報より
そのうちタワレコさんのサイトにも出てくるでしょう。11月中旬発売予定とのこと。

1950年代後半から1960年代前半のColumbia Masterworks ステレオ録音からのセレクション。オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団(ドヴォルザークの「新世界」のみLSO)

目玉は、世界初CD化のシューベルト「グレイト」と、R.シュトラウス管弦楽曲集(ホルン協奏曲含む)でしょうか。

SONY CLASSICAL/SICC-1736
シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」(1966年)&第4番「悲劇的」(1962年)
※「ザ・グレイト」は世界初CD化

SONY CLASSICAL/SICC-1737(2CDs)
ベルリオーズ:幻想交響曲(1960年)&イタリアのハロルド(1965年)、イベール:寄港地他
※幻想交響曲はソニー初期CDと同じ「ローカット無し」でお願いしたい。 エッセンシャル盤は低音がカットされていて、迫力不足だったから。

SONY CLASSICAL/SICC-1739
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」(1966年LSO)&メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」(1963年)

SONY CLASSICAL/SICC-1740
フランク:交響曲&交響的変奏曲(1961年)、ダンディ:フランス山人の歌による交響曲(1958年)

SONY CLASSICAL/SICC-1741
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」(1962年)&動物の謝肉祭他(1966年)
※「オルガン付き」はソニー初期CDではなく、エッセンシャル盤の音が良かったです。初期CDはテープのサーフェイスノイズカットでエッセンシャル盤よりも音に精細を欠いていた。

SONY CLASSICAL/SICC-1742
ビゼー:カルメン&アルルの女(1958年)、ポンキエルリ:時の踊り

SONY CLASSICAL/SICC-1743(2CDs)
R.シュトラウス:ツァラトストラはかく語りき、ドン・キホーテ&ドン・ファン他(「死と浄化」含む)
※「ドン・ファン」「ティル」「死と浄化」は1990年にCD化されて以来、久しぶりのCD再発売。

SONY CLASSICAL/SICC-1745(2CDs)
R.シュトラウス:英雄の生涯、町人貴族&ばらの騎士組曲他(ブルレスケとホルン協奏曲第1番含む))
※「ホルン協奏曲第1番」は1980年代後半にCD化されて以来、久しぶりのCD再発売。

SONY CLASSICAL/SICC-1747
はげ山の一夜~ロシア管弦楽曲名演集

SONY CLASSICAL/SICC-1748
オルフ:カルミナ・ブラーナ&カトゥーリ・カルミナ

なんにせよ、嬉しいニュースではあります。

2013年 私的 マストロ・ジーン トピックス2013年12月31日 09時00分

2009年2010年2011年2012年 に引き続き、今年も「私的 マエストロ・ジーン トピックス」を振り返る・・・

やはり、今年の大物はコレですな・・・

(1)タワレコ&ソニー企画の大量復刻
 「Sony Classical x TOWER RECORDS 共同企画」
 タワーレコード "Sony Classical"
 スペシャル・セレクション第7弾
 Ⅰ期ブログ)、Ⅱ期ブログ)、Ⅲ期ブログ

 初CD化の録音が目白押しの、今年最大のイベント?でしたね。1957年録音の「大峡谷」(最初は誤って既発売の1967年録音がリリースされましたが、1957年録音音源に差し替えられた盤がリリースされてホット一息ですな)、1967年録音「火の鳥」組曲、コダーイ「管弦楽のための協奏曲」(1967年録音)・「ハーリ・ヤーノシュ」組曲(1961年録音)等々・・・超絶名演の1959年録音「ダフニスとクロエ」第2組曲も目出度く再発売で陽の目をみたことだし・・・タワレコさんとソニーさんには感謝ですな。

(2)チャイコフスキー交響曲&管弦楽曲他集大成アルバム
 Eugene Ormandy Conducts Tchaikovsky
 CD/SONY CLASSICAL/8888373716-2
 Sony Classical Masters 12CD

 チャイコフスキーの初期交響曲集は、2003年に日本で初めて3曲まとまった形でリリース(LP・CD時代を通じて)されましたが、今回はその初期交響曲も含めた交響曲全集+管弦楽曲+三大バレエ抜粋+協奏曲という贅沢なCD12枚組BOXとしてリリースされました。こんな時代が来るとは思わなかったなあ・・・

(3)ソニー・オリジナルズ アルバム3枚

 SONY CLASSICAL/8876545300-2
 The Strings Of The Philadelphia Orchestra Play Eine Kleine Nachtmusik

 SONY CLASSICAL/8876545431-2
 ストラヴィンスキー 3大バレエ曲
  「春の祭典」1955年モノラル
  「ペトルーシュカ」組曲 1954年モノラル※
  「火の鳥」(1919年版) 1953年モノラル※
  ※モノラル録音の「ペトルーシュカ」「火の鳥」は初CD化。

 SONY CLASSICAL/8876545424-2
 ベートーヴェン(ピアノ:ルドルフ・ゼルキン)
  ピアノ協奏曲第1番(1954年モノラル)
  ピアノ協奏曲第3番(1953年モノラル)

 こちらも、当初1967年録音「火の鳥」が出るとのことでしたが、蓋を開けると1953年モノラル録音・・・これはこれでCD初出なので嬉しい誤算ではありました。その後タワレコ企画盤で1967年録音「火の鳥」が出たので、結果オーライの笑い話で済みましたが・・・そういえば、ゼルキンとのベートーヴェンも曲の表示が入れ替わっていたりと・・・色々ありました・・・

(4)レコード芸術2013年6月号 特集「黄金のアメリカン・サウンド」を読んで・・・

レコード芸術2013年6月号
特集「黄金のアメリカン・サウンド」
1950~1960年代のBIG5と巨匠指揮者たち


 見開き2ページの「巻頭言」の内、1/2ページだが、セオドア・リビーJr.氏による「レコード時代の幕開け-RCAとコロンビアの熾烈な録音競争」、そして 同じくセオドア・リビーJr.氏による「ユージン・オーマンディ(フィラデルフィア管弦楽団)」と相場ひろ氏「レオポルド・ストコフスキー」の記事は興味深いものでした。

 オーマンディ&フィラデルフィアの名録音を生み出した会場 フィラデルフィアのTown Hallについて(2012年1月7日)に も書きましたが、レコ芸で現在も連載中の 「欧米批評家によるレポート」アメリカ編 (Theodore W. Libbey Jr.氏)の中で、2011年6月号~2012年2月号の記事「高音質CDリイシュー盤の音質」①~⑨(10月号~1月号迄の⑤~⑧はオーマンディとフィ ラデルフィア管弦楽団に関する興味深い話)は、氏がリアルタイムに経験されたオーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団の演奏と、彼らのレコーディング事情 について、当時のアメリカ音楽事情と絡めて考察された実に具体性のある記事に引きつけられました。レコ芸6月号特集記事も同じく興味深い話に満ちてます。 興味のある方は是非お読み下さいな。

(5)ストコフスキフィラデルフィア管弦楽団復帰演奏会ライブ録音

 (4)の記事にて、Pristine ClassicalGuildから、ストコフスキフィラデルフィア管弦楽団復帰演奏会ライブ録音がリリースされていることを知りました。つい先日もGuildからアルバムが発売されたばかりですし・・・こんなお宝音源が出てくるとは思いませんでした・・・

Pristine Classicalブログ)>

STOKOWSKI in Philadelphia, 16 March 1962 - PASC372
 WEBERN Passacaglia, Op. 1
 SIBELIUS Symphony No. 4 in A minor, Op. 63
 DEBUSSY (arr. Stokowski) La Soirée dans Grenade
 MUSSORGSKY (arr. Stokowski) Pictures at an Exhibition

STOKOWSKI in Philadelphia, 17 December 1962 - PASC379
 WAGNER Prelude to Act 3 of Lohengrin
 BEETHOVEN Symphony No. 5 in C minor, Op. 67
 RAVEL (arr. Ravel) Alborada del Gracioso (from Miroirs)
 STRAVINSKY Petrushka Suite
<ENCORES>
 CLARKE (arr. Stokowski) Trumpet Prelude (Prince of Denmark's March) [notes/score]
 GOULD Guaracha
 RACHMANINOV (arr. Stokowski) Prelude in C sharp minor
 HAYDN Symphony No. 45 in F sharp minor, "Farewell": Finale from 4th mvt
<BONUS TRACK>
 REVUELTAS Sensemaya

Stokowski's Return to Philadelphia, 1960 - PASC264
 MOZART Marriage of Figaro - Overture
 DE FALLA El Amor Brujo
  Shirley Verrett-Carter, mezzo-soprano
 RESPIGHI The Pines of Rome
 SHOSTAKOVICH Symphony No. 5 in C minor, Op. 47

Guild

Stokowski - Mozart 1949-1969
Guild Historical GHCD 2405

※モーツァルト「フィガロの結婚序曲」1曲のみであり、他は別のオーケストラの演奏。(ブログ

Stokowski - Rimsky-Korsakov, Tchaikovsky 1962
Guild Historical GHCD 2403

 Rimsky-Korsakov: Scheherazade
 Tchaikovsky: Romeo and Juliet
Leopold Stokowski/The Philadelphia Orchestra
Academy of Music, Philadelphia, 6 Feburuary 1962(ブログ

Stokowski - Brahms, Wagner 1960
Guild GHCD 2402

 Brahms:Symphony No.1
 Wagner:Symphonic Synthesis from ‘Tristan und Isolde’ - Love Music from Acts II and III (arr. Leopold Stokowski)
Academy of Music, 23 Feburuary 1960(ブログ

 かつて、「フィラデルフィア管弦楽団という天下の銘器は、ストコフスキーによってつくられ、オーマンディによってかき鳴らされる」と言われたらしいが、こ のアルバムでは「ストコフスキーからオーマンディにバトンタッチされ維持されてきたフィラデルフィア管弦楽団をストコフスキーがかき鳴らす」のを鮮明なス テレオ録音で楽しむ事の出来る歴史的且つ面白いアルバムと言える。ファン必携の音源だろう。

さて、来年も埋もれている音源が出てくることを期待しましょうか・・・んでは、良いお年を。

情報解禁だと・・・タワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第7弾 第III期(10タイトル)2013年09月14日 05時30分

これで、第Ⅰ期第Ⅱ期も含めた全30タイトルが出揃ったわけですな。この中の1枚:

ガブリエーリの饗宴
SICC-1704

「・・・セル時代のクリーヴランド管、オーマンディ時代のフィラデルフィア管、そしてマルティノン時代のシカゴ響の有名金管奏者達が1968年に録音したこの盤は、現在においてもアメリカ黄金時代の響きが堪能できる名作として輝きを放っています。今年2013年に他界したA.ハーセスを偲ぶ盤として、この名作と1977年にレヴァイン指揮で実現した「ブランデルブルク協奏曲第2番」をカップリング。全盛期のハーセスの輝きを捉えた追悼盤として発売いたします。・・・」

このアルバムについては説明不要でしょう。1000円国内盤やマスター・ワークス・ヘリテージ盤で既に復刻されていますし・・・

Ormandy & Philadelphia CD化アルバムあれこれ その42013年08月31日 08時30分

既にオーマンディ掲示板に書き込んだ内容ですが、備忘録ということで・・・(2013年9月5日:タワレコ・オフィシャルサイトにて正式にアナウンスされたのでそれを受けて追記修正しました)

タワレコがまたまたやってくれましたね・・・

タワー・レコード “Sony Classical”
スペシャル・セレクション第7期

Ⅱ期:10/23(水)リリース予定 10タイトル(予定)

この内の8アルバムがオーマンディ&フィラデルフィア関係、2枚はバーンスタインのアルバムです。タワレコ及びソニー ミュージック ショップで購入可能のようです。


リムスキー=コルサコフ:シェエラザード
ストラヴィンスキー:火の鳥
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1681
タワレコ
火の鳥は初CD化ですな・・・嬉しいことです。

展覧会の絵&ボレロ~ラヴェル名演集
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1682
タワレコ
※超絶名演 1959年録音「ダフニスとクロエ」第2組曲がようやく復活ですな・・・

トッカータとフーガ&G線上のアリア
~バッハ・トランスクリプションズ
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1684
タワレコ

バルトーク:&コダーイ名演集
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1686
タワレコ
※コダーイ:管弦楽のための協奏曲、ハーリ・ヤーノシュは初CD化

ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー、
グローフェ:グランド・キャニオン&バーバーのアダージョ
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1688
タワレコ
※1957年録音「グランド・キャニオン」がCD化されるとは・・・

チャイコフスキー:後期三大交響曲
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1674
タワレコ

マーラー:大地の歌&交響曲第10番(クック版)
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1677
タワレコ

ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」&第5番
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1679
タワレコ


詳細は下記・・・

リムスキー=コルサコフ:シェエラザード
ストラヴィンスキー:火の鳥
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1681
タワレコ

リムスキー=コルサコフ
 1.交響組曲「シェエラザード」作品35
 アンシェル・ブルシロウ(ヴァイオリン)
ストラヴィンスキー
 2.バレエ「火の鳥」組曲[1919年版]
 ※1967年録音の「火の鳥」初CD化

[録音]
1962年2月11日(1)、1967年10月18日(2)、フィラデルフィア、タウン・ホー ル

以前、Columbiaモノラル録音のストラヴィンスキー三部作(火の鳥・ペトルーシュカ・春の祭典)がCD化される際、誤って1967年ステレオ録音がCD化されると誤って伝えられたのですが、今回は大丈夫そうですね^ ^;)


展覧会の絵&ボレロ~ラヴェル名演集
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1682
タワレコ
※超絶名演 1959年録音「ダフニスとクロエ」第2組曲がようやく復活ですな・・・

DISC1(全曲ラヴェル)
1.ボレロ、2.スペイン狂詩曲、3.道化師の朝の歌
4.クープランの墓、5.ラ・ヴァルス、6.亡き王女のためのパヴァーヌ

DISC 2
7. ピアノ協奏曲ト長調、8.「ダフニスとクロエ」第2組曲
9.ムソルグスキー~ラヴェル編曲 組曲「展覧会の絵」
10.ラヴェル 「ボレロ」

4.ジョン・デ・ランシー(オーボエ)、7.フィリプ・アントルモン(ピアノ)

[録音]
1960年3月19日(1)、1958年1月5日(3)、1958年11月16日(4)、1963年1月30 日(5)、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテル、1963年2月24日、フィラデルフィア、
1963年2月3日(6)、1960年12月14日(7)、1959年4月19日(8)、1966年4月21日&1 968年6月18日(9)、1968年2月24日(10)、フィラデルフィア、タウン・ホー ル

「ボレロ」は1960年・1968年録音の2種を収録とのこと。


トッカータとフーガ&G線上のアリア
~バッハ・トランスクリプションズ
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1684
タワレコ

DISC 1(全曲 J.S.バッハ)
 1. トッカータとフーガニ短調BWV565[オーマンディ編]
2.カンタータ第156番より アリオーソ[スミス編]
3.小組曲(アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳より)[フロスト編]
(1)メヌエット ト長調BWV Anh. 114
(2)ミュゼット ニ長調 BWV Anh. 126
(3)御身が共にいるならば BWV508
(4)行進曲ニ長調 BWV Anh. 122
4.われらが神は堅き砦[ハリス編]
5.カンタータ第147番より 主よ、人の望みの喜びよ[カイエ編]
6.小フーガ BWV578[スミス編]
7.パッサカリアとフーガ BWV582[オーマンディ編]
8.無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 BWV1006よりプレリュード
9.管弦楽組曲第3番より G線上のアリア
10.カンタータ第208番より 羊は安らかに草を食み[ウォルトン編]
11.甘き死よ来たれ[テイントン編]
12.カンタータ第14番より 目覚めよと呼ぶ声あり[オーマンディ編]

DISC 2
13. J.S.バッハトッカータ、アダージョとフーガ BWV564
14.J.C.バッハ 2つのオーケストラのためのシンフォニア 変ホ長調作品18-1
15.J.C.バッハ 2つのオーケストラのためのシンフォニア ニ長調作品18-3
16.W.F.バッハ 2つのフルートと弦楽合奏のためのシンフォニア F.65
17.C.P.E.バッハ 管弦楽のための協奏曲ニ長調

[録音]
1960年1月31日(1、13、14)、1960年4月10日(7)、1957年3月17日(15-17)、 フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテル
1968年2月27日(2)、1968年5月8日 (3)、
1968年3月6日(4)、1968年3月11日(5、6、10)、1968年5月19日(8)、フィラデルフィア、タウン・ホー ル
1959年3月30日(9)、1968年5月6日(11)、フィラデルフ ィア

「ソニークラシカルに録音にしたバッハのトランスクリプション作品を集成した2枚組」とのこと。 The Philadelphia Orchestra Plays BACH(Masterworks Heritage MH2K62345 2CDs 1996年)という、オーマンディとストコフスキがバッハを振ったステレオ録音2枚組CDが出ていたが、今回はオーマンディ指揮の集大成とのこと。これは興味深い。

<追記>
ジャケット写真を見てピンと来ました。これは、Lp時代のアルバム、MG30072 "The Bach Album"の復刻ですな。2008年6月~7月にかけてリリースされた The Original Jacket Collection(限定盤。10枚組のボックスセットで、ステレオ録音時代のLPオリジナルジャケットを再現したというのが売りのシリーズ)でも、そのままの構成でCD2枚組で復刻されています。


バルトーク:&コダーイ名演集
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1686
タワレコ
※コダーイ:管弦楽のための協奏曲、ハーリ・ヤーノシュは初CD化

DISC 1(全曲 バルトーク)
1.管弦楽のための協奏曲Sz. 116, BB 127
2.「中国の不思議な役人」組曲 Sz. 73a, BB 82 (作品 19)
3.管弦楽のための「2つの肖像」Sz. 46, BB 59(作品10)

DISC 2(全曲 コダーイ)
4.管弦楽のための協奏曲
5.組曲「ハーリ・ヤーノシュ」
6.ガランタ舞曲
7.マロシュセーク舞曲

[録音]
1963年10月13日(1)、1962年11月15日(2)、1967年2月8日(4)、1961年12月28日 (5)、
1962年12月9日(6)、1962年11月15日(7)、フィラデルフィア、タウン・ホール
1963年3月21日(3)、フィラデルフィア、アスレチック・クラブ

RCA Red Seal ステレオ録音の「ハーリ・ヤーノシュ」は既にCD化されているが、このColumbiaステレオ録音は一部曲を除いて「管弦楽のための協奏曲」と共に初CD化・・・やるねえ。


ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー、
グローフェ:グランド・キャニオン&バーバーのアダージョ
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1688
タワレコ
※1957年録音「グランド・キャニオン」がCD化されるとは・・・

1.ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー
2.ガーシュウィン パリのアメリカ人
3.グローフェ 組曲「グランド・キャニオン」
4.バーバー弦楽のためのアダージョ

フィリップ・アントルモン(1)

[録音]1967年1月4日(1)、1967年1月5日(2)、フィラデルフィア、フィラデルフィ ア・ホテル、
1957年12月23日、フィラデルフィア、タウン・ホール(3)、1957年4月14 日、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテル(4)

1967年録音の大峡谷(Columbia Master Works The Fabulous Philadelphia Sound Series M30446)は既にCD化されている雄大な名演だが、1957年録音(Columbia Master Works MS6003)がCD化されて陽の目を見るとは思わなかった・・・


チャイコフスキー:後期三大交響曲
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1674
タワレコ

DISC1
1.交響曲第4番ヘ短調作品36、2.序曲「1812年」作品49
3.イタリア奇想曲作品45
DISC2
4.交響曲第5番ホ短調作品64
5.弦楽セレナード ハ長調作品48
DISC 3
6.交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
7.スラヴ行進曲作品31、8.幻想序曲「ロメオとジュリエット」

[録音]
1963年11月13日(1)、1959年4月12日(2)、1966年2月22日(3)、1960年4月10日 (6)、1964年4月27日(7)、
1964年4月14日(8)、フィラデルフィア、タウン・ホール 1959年1月25日(4)、1960年4月10日(5)、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテル

全てCD化されている音源ではあるが、改めてこうして纏めてCD化されるのは有難いことですな。序曲「1812年」は2つの後の編集で少なくとも2つのバージョンがあるが、どちらが収録されているか(追記:合唱の入らないオーケストラのみによる演奏を収録(終結部には大砲入り)・・・だそうです。)・・・4番目のシンフォニーは、後のRCA Red Sealステレオ録音より好きな演奏である。



マーラー:大地の歌&交響曲第10番(クック版)
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1677
タワレコ

DISC 1 マーラー 交響曲「大地の歌」
 リリ・チューカシアン(メッゾ・ソプラノ)
 リチャード・ルイス(テノール)
DISC 2 マーラー 交響曲第10番
[デリック・クックによる演奏用ヴァージョン(ファースト・ヴァージョン)/世界初録音]

オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団による、マーラーの10番(First complete performing version (1960–1964; unpublished) of the Draft for the 10th Symphony, prepared by Deryck Cooke )のセッション録音&商用リリースとしての世界初録音。このバージョンのライヴ録音はテスタメントからCD化されている。

[録音]
1966年2月9日(1)、1965年11月17日(2)、フィラデルフィア、タウン・ホール



ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」&第5番
CD/SONY CLASSICAL/SICC-1679
タワレコ

DISC1
 1.交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(WAB104)
  [1878/80年稿(ノーヴァク 版)]
DISC 2
 2.交響曲第5番変ロ長調(WAB105)[原典版]

[録音]
1967年10月9日(1)、1965年4月13日(2)、フィラデルフィア、タウン・ホール

どちらも既にエッセンシャル盤にてCD化されているが、こうして1つのアルバムに纏めてリリースされるのは意義深い。

タワレコさん、ありがとう!

2012年 私的 マストロ・ジーン トピックス2012年12月30日 19時55分

2009年2010年2011年 に引き続き、今年も「私的 マエストロ・ジーン トピックス」を振り返る・・・
Sony Classical88725417202 Eugene Ormandy conducts 20th Century Classics
Sony Classical88725417202
2012年08月21日発売予定。
HMV(ニュースCD) タワー(Sony Classical MastersCD)

初 CD化は1955年モノラル録音の「春の祭典」のみ。その他はCD既発売のも。興味があるのは、このシリーズが 「ベルリンのb-sharpスタジオにて、24ビット/88.2KHzリマスタリングを行ない、よりマスターテープに忠実で伸びやかなサウンドを実現」 というのを売りの一つにしていること。特に、RCAステレオ録音の音質がどう変わっているかが気になるなあ・・・

実はゆっくり聴く時間が無くてまだ聴いていないのだ・・・ヤレヤレ・・・

お次はゼルキンとのベートーヴェンピアノ協奏曲集が含まれたボックスですかね・・・ソニー・クラシカルのMASTERS バジェット・シリーズ として、ゼルキンのベートーヴェン:協奏曲, ソナタ, ディアベリ変奏曲を集大成したアルバムです。
Sony Classical 88691988302
Sony Classical 88691988302

レコード会社のコメント:
・・・「協奏曲全集」は、オーマンディ&バーンスタインと共演した、高い芸術性と深い音楽をたたえた名演で、特にオーマンディとの共演になる3曲(1,2,4)は久々の発売・・・


最後はコレ・・・またまた、タワーとソニーがやってくれましたね。来年も期待したいところですが・・・

タワー・レコード “Sony Classical”スペシャル・セレクション第6期

今回の目玉?初CD化の1959年ブラ1(SONY CLASSICAL/SICC-1580) (タワー
SICC-1580 ブラ1 1959年
ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
1959年2月8日、フィラデルフィア,タウン・ホール

まさかこれがCD化されるとは・・・LPでは、Columbia Masterworks MS 6067 と CBSソニーが1968年から発売した2枚組廉価盤LPの「ダブル・シリーズ」のSONW 20011-12(ブラ1とベト7の2枚組)にこの1959年録音が収録されていたが・・・

2010年秋にCD化されたブラームス交響曲ステレオ全集の1968年録音よりもこちらの方が良いという方もいらっしゃるでしょう。録音はこちらの方がより自然ですし・・・

これは気が付きませんでした・・・
ブラームス:ピアノ協奏曲全集&シューマン:ピアノ協奏曲(SONY CLASSICAL/SICC-1595)タワー
SICC-1595 ブラームス ピアノ協奏曲 ゼルキン
DISC1
 (1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番二短調作品15
 (2)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調作品54
DISC2
 (3)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83
 (4)シューマン:ピアノ小協奏曲(序奏とアレグロ・アパッショナート)作品92
 (5)同:序奏と演奏会用アレグロ作品134

ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
1961年4月9日(1), 1964年3月17日,(2)(4), 1960年4月4日(3), 1964年3月16日(5) フィラデルフィア,タウン・ホール

(1)と(5)は Odyssey MBK46272(C)1990,(3)と(4)は Odyssey MBK46273(C)1990,(2)はEssential SBK46543 (C)1991 で出てましたが、現在入手困難ですから有難いリリース。
(3)は国内ソニーのクラシック復刻館紙ジャケットシリーズ SICC 536(2006年)でも出てましたが・・・


これは意外というか・・・「教会のステンドグラス」が出てくるとは・・・
レスピーギ:ローマ三部作、組曲「鳥」&「教会のステンドグラス」 (SONY CLASSICAL/SICC-1593)タワー
SICC-1593 レスピーギ
DISC1
 (1)交響詩「ローマの松」
 (2)交響詩「ローマの泉」
 (3)交響詩「ローマの祭り」
 (4)組曲「鳥」
DISC2
 (5)交響詩「ローマの松」
 (6)交響詩「ローマの泉」
 (7)交響的印象「教会のステンドグラス」

1958年3月23日(1), 1957年4月14日(2)  フィラデルフィア,ブロードウッド・ホテル
1960年1月20日, フィラデルフィア、アカデミー・オブ・ミュージック(3)
1968年3月6日(5) 1968年2月27日(6) 1966年1月26日(4) 1964年2月17日(7) フィラデルフィア,タウン・ホール

(1)~(3)はこれまでもCDで再発売を繰り返していますが、(5)と(6)はCBS Great Performances MYK38485 (C)1983 で1回CD化されたきりでしたから、これは朗報ですね。このCDはちょっと荒れた音質でしたので、そのあたりが改善されると嬉しいのですが・・・ (4)と(7)はEsential SBK60311 (C)1988 で出ましたが、最初にこの音源を知ったときは驚きましたね。


10番の2楽章は凄い演奏ですよね・・・
オーマンディ・コンダクツ・ショスタコーヴィチ SONY (CLASSICAL/SICC-1590) タワー
SICC-1590 ショスタコ
DISC1
 (1)交響曲第4番ハ短調作品43
DISC2
 (2)交響曲第1番へ短調作品10
 (3)交響曲第5番二短調作品47
 (4)組曲「黄金時代」作品22a~第3曲:ポルカ
DISC3
 (5)交響曲第10番ホ短調作品93
 (6)チェロ協奏曲第1番変ホ長調作品107

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)(6)
1963年2月17日(1), 1965年4月8日(3), 1968年4月10日~18日(5) フィラデルフィア,タウン・ホール
1959年11月8日 フィラデルフィア,ブロードウッド・ホテル(2)(6)
1966年4月13日 フィラデルフィア ホテル・フィラデルフィア(4)

(1)と(5)はEssential SB2K62409(C)1996 で出てましたけど、そう話題にならなかったような・・・私はショスタコは苦手なんですが、この10番の2楽章だけはたまに好んで聴きます(これは恐ろしい曲ですね)録音も素晴らしい。

(3)と(4)はEssential SBK53261 (C)1993 ,(2)はEssential SBK62642 (C)1996 で・・・(2)よりもカップリングのコステラネッツ指揮の小品集が好きですが・・・

(6)はカバレフスキーの協奏曲と一緒にカップリングされたLP,CD(再発を繰り返してますな)がありますね。

コレは渋い・・・しかも初CD化のシンフォニーが・・・
オーマンディ・コンダクツ・プロコフィエフ(SONY CLASSICAL/SICC-1587)タワー
SICC-1587 プロコフィエフ
DISC1
 (1)交響曲第1番ニ長調作品25「古典」
 (2)交響曲第5番変ロ長調作品100
DISC2
 (3)組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis
 (4)組曲「キージェ中尉」作品60
 (5)交響曲第4番ハ長調作品112[改訂版]
DISC3
 (6)交響曲第6番変ホ長調作品111
 (7)交響曲第7番嬰ハ短調作品131

【演奏】
シリル・リチャード(語り)(3)
1961年3月26日(1), 1957年3月14日(2), 1963年2月24日(3), 1962年12月9日(4), 1957年10月6日(5), 1961年11月2日(6), 1953年4月26日(7), フィラデルフィア,タウン・ホール

(1)と(2)はEssential SBK53260 (C)1993,(3)はEssential SBK89287 (C)2000 と Essential SBK53261 (C)1993で・・・

交 響曲の4,6,7番と組曲「キージェ中尉」は初CD化・・・とメーカー情報にはありますが、「キージェ中尉」は Odyssey MBK39783(古典交響曲と「3つのオレンジの恋」組曲とのカップリング)及びCBS Masterworks Greatest Hits16(番号は MLK39446 と推察?、
古典交響曲・「キージェ中尉」・「三つのオレンジへの恋」の行進曲)にてCD化されていました。(オーマンディ掲示板横田さんから情報を頂きました。)

スターンとのヴァイオリン協奏曲やゼルキンとのピアノ協奏曲はまたの機会ですな・・・

※当初収録予定の 交響的物語「ピーターと狼」作品67 は除外されました。収録時間の関係上無理と判断したのでしょう。これまでのリリース状況を勘案するとこの判断は妥当だと思います。
※交響曲第4番については、オリジナル・マスター(2chテープとセッション・テープ双方)に起因するドロップアウト(特に右チャンネル)・音揺れ・各種ノイズが数多く存在するとの記載あり。
※第7番については、ソニーマスターテープ・アーカイヴに現存する唯一のオリジナル・マスターに起因する音揺れ(冒頭40秒間、他)があるとの記載あり。(2011年11月7日追記・修正)

定番・・・ですな。
ラフマニノフ:交響曲全集&交響的舞曲(SONY CLASSICAL/SICC-1584)タワー
SICC-1584 ラフマニノフ
DISC1
 (1)交響曲第1番ニ短調作品13
 (2)パガニーニの主題による狂詩曲作品43
DISC2
 (3)交響曲第2番ホ短調作品27
 (4)ヴォカリーズ作品34-14
DISC3
 (5)交響曲第3番イ短調作品44
 (6)交響的舞曲作品45

フィリップ・アントルモン(ピアノ)(2)
1966年2月28日(1), 1958年2月1日(2), 1959年4月19日(3), 1967年10月18日(4), 1967年12月20日(5), 1960年3月19日(6) フィラデルフィア,タウン・ホール

(1) (3)(5)(4)はEssential SB2K63257(C)1997、(6)はEssentialSBK48279 (C)1992、 (2)はSBK46541(C)1991(ピアノ協奏曲1番と4番の組み合わせ)で出てましたが、既に入手困難になってますので、こういう形で纏めて出る のは良いことですな。それにしても、オーマンディとフィラデルフィアの「交響的舞曲」がCDで出た時はびっくりしました。今も「交響的舞曲」のマイ・ベス トでござる・・・


これも定番・・・ですな。
オーマンディ・コンダクツ・シベリウス(SONY CLASSICAL/SICC-1581)タワー
SICC-1581 シベリウス
DISC1
 (1)交響曲第1番ホ短調作品39
 (2)ヴァイオリン協奏曲二短調作品47
DISC2
 (3)交響曲第2番ニ長調作品43
 (4)交響曲第7番ハ長調作品105
DISC3
 (5)交響詩「フィンランディア」作品26
 (6)悲しきワルツ作品44-1
 (7)トゥオネラの白鳥作品22-3
 (8)カレリア組曲作品11
 (9)交響詩「伝説(エン・サガ)」作品9
 (10)交響詩「フィンランディア」作品26[合唱版]

アイザック・スターン(ヴァイオリン)(2),ルイス・ローゼンブラット(イングリッシュホルン)(7),モルモン・タバナクル合唱団(10)

1962年3月11日(1), 1968年2月3~4日(2), 1968年2月24日(5)(8) フィラデルフィア,タウン・ホール
1957年3月17日(3), 1960年5月1日(4), 1959年1月25日(6), 1969年1月31日(7), 1958年11月3日(10) フィラデルフィア,ブロードウッド・ホテル
1963年1月20日 フィラデルフィア・アスレチック・クラブ(9)

(1)はEssential SBK63060 (C)1997,(3)と(4)はEssential SBK53509 (C)1994,(5)~(9)はEssential SBK48271 (C)1992
(10)合唱入りのフィンランディア、以前にも輸入盤でCD化されているようですが、私の手元にはCDがありません・・・

RCAステレオ録音でも合唱有り(BMGジャパン/RCA Red Seal BVCC-38056 1999年)と無し(BMG Music/RCA Victor Basic100 09026-61856-2 (C)1994)があったりしますが・・・

さて、2013年はどのような音源が出てくるでしょうか・・・では。