CBS/SONY オーマンディ「音」の饗宴1300 全50巻一覧2010年06月05日 12時00分

このシリーズについては昨年7月に一度書いている(その1その2その3)が、もう一度お復習いしたくなったので、またここで書くことにしよう。

CBS/SONY 13AC135 キャップ付
CBS/SONY 「オーマンディ 音の饗宴1300」 Vol.35 13AC135

オーマンディ&フィラデルフィアの演奏をこのシリーズで聴き始めた方は少なくないと思う。田舎のレコード屋さんでも結構置いてあったから・・・かくいう私 もその一人である。

\1,300の廉価盤、統一デザインのレコードジャケット、そして上からかぶせた統一デザインのキャップが目をひく。

CBS/SONYオーマンディ「音」の饗宴1300のキャップ(13AC135)

当時、CBS/SONY のLPは皆、このキャップも含めてシュリンク・パック されていた。
シュリンクパックされていた「音」の饗宴LP

シリーズ監修者である志鳥栄八郎氏、そして評論家の若林駿介氏による、このシリーズの特徴についての簡単な紹介文がキャップの左半分に記載されている。

CBS/SONYオーマンディ「音」の饗宴1300のキャップ(13AC135)左半分

「このシリーズは一見華麗でありながら、底辺のしっかりした彼らの音を効果的にバランス良く収録したものがえらばれている。最新録音のものではないが、カッティングの方は、最も新しい技術が応用され、音質自体もフレッシュによみがえっている。」-若林駿介

「オーマンディとフィラデルフィアのコンビは、オーケストラのだいご味を満喫させてくれる最右翼といってよかろう。かてて加えてそのレパートリーの広さと作品をまとめあげる腕前の確かさは、このレコードの演奏からも充分うかがい知れる。」-監修:志島栄八郎

このシリーズのラインナップはキャップ後ろ側に記載されている。これは全35巻の時のもの。
CBS・SONYオーマンディ「音」の饗宴1300のキャップ(13AC135)後側

全50巻に到達した時の帯の記載は下記の通り。

「オーマンディ音の饗宴1300 全50巻●各30cmステレオLP特別価格=\1,300●演奏=ユージン・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団 ただし(9)はロンドン交響楽団
(1)~(25)=SOCT1~25
(26)~(35)=13AC126~135
(36)~(50)=13AC271~285
例:(26)=13AC126」

CBS・SONYオーマンディ「音」の饗宴1300のキャップ(13AC135)後側左

最初は全25巻だったこのシリーズ、後に10巻追加で全35巻、最後に15巻プラスされて全50巻にまで到達したのだ。CBS/SONY 「オーマンディ 音の饗宴1300」 にも歴史有り・・・である。

このLPのジャケットデザイン、廉価盤ということもあり、全50巻統一デザインである。上部のキャップを取るとこんな感じ。

CBS/SONY 13AC135 キャップ無

オーマンディとオーケストラの演奏中の写真(会場はAcademy of Music最近このLPで事実?が判明。)を上下金色でマスクし、額縁のような枠(色は黄色・緑・オレンジの3色があるが、区分は不明)をかぶせてある。

オーマンディ音の饗宴1300LP 4色

その枠の上部に、オーマンディの指揮姿を丸くトリミングした写真、そして左右にオケとオーマンディの名前を配置してある・・・

CBS/SONY 13AC135 ジャケット上部

売れ筋であるドヴォルザークの新世界交響曲は、CBSにフィラデルフィアとのステレオ録音が無いので、ロンドン交響楽団とのステレオ録音を採用。ジャケットもこれだけが "The London Symphony Orchestra" と書かれている。

唯一のロンドン響との「音」の饗宴LP

数あるオーマンディのセッション録音としては実に珍しい。しかし、ジャケット裏の解説は廉価盤の性質上そのあたりの事情には全く触れず、全50巻に共通して記載されているシリーズ監修者志鳥栄八郎氏によるこのコンビの解説「オーマンディと天下の銘記 フィラデルフィア管弦楽団」があり、その後に楽曲解説がついている。

CBS/SONY 13AC135 ライナーノーツ

以下、全50巻のリストである。1978年の来日公演パンフに、この「音の饗宴全50巻」の広告があるので、それも参考させてもらったが・・・

●第1期 (1)SOCT-1~(25)SOCT-25
(1)SOCT-1 ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
(2)SOCT-2 ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」・第4番
(3)SOCT-3 ベートーヴェン:交響曲第6番
(4)SOCT-4 ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
(5)SOCT-5 チャイコフスキー:交響曲第4番・大序曲「1812」
(6)SOCT-6 チャイコフスキー:交響曲第5番・イタリア奇想曲
(7)SOCT-7 チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
(8)SOCT-8 ベルリオーズ:幻想交響曲
(9)SOCT-9 ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」-ロンドン交響楽団
(10)SOCT-10 ショスタコーヴィッチ:交響曲第5番「革命」
(11)SOCT-11 R.シュトラウス:交響詩「ツァラツストラかく語りき」
(12)SOCT-12 チャイコフスキー:バレエ組曲「白鳥の湖」
(13)SOCT-13 ムソルグスキー(ラヴェル編):展覧会の絵・はげ山の一夜
(14)SOCT-14 グローフェ:組曲「グランド・キャニオン」
(15)SOCT-15 オーケスラによるバッハ名曲集:トッカータとフーガニ短調、主よ人の望みの喜びよ、パッサカリアとフーガ ハ短調、G線上のアリア、フーガト短調「小フーガ」、トッカータ、アダージョとフーガハ長調

(16)SOCT-16 シベリウス:交響曲第1番、トゥオネラの白鳥
(17)SOCT-17 シベリウス:交響曲第2番、フィンランディア
(18)SOCT-18 ブラームス:交響曲第1番
(19)SOCT-19 ブラームス:交響曲第4番
(20)SOCT-20 ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
(21)SOCT-21 サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン」、死の舞踏

(22)SOCT-22 チャイコフスキー:バレエ組曲「くるみ割り人形」「眠れる森の美女」

(23)SOCT-23 リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
(24)SOCT-24 ガーシュイン:パリのアメリカ人、ラプソディー・イン・ブルー

(25)SOCT-25 ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」「ペトルーシュカ」


●第2期 (26)13AC126~(35)13AC135
(26)13AC126 レスピーギ:交響詩 ローマ3部作
(27)13AC127 ドビュッシー:交響詩「海」、牧神の午後への前奏曲、夜想曲

(28)13AC128 ラヴェル:スペイン狂詩曲、ラ・ヴァルス、ダフニスとクーロエ第2組曲、なき女王のためのパヴァーヌ

(29)13AC129 ショパン:バレエ音楽「レ・シルフィード」、ドリーブ:バレエ音楽「シルヴィア」「コッペリア」

(30)13AC130 ワーグナー名演集 「マイスタージンガー」前奏曲、森のささやき、ワルキューレの騎行、「タンホイザー」序曲、「ローエングリン」第3幕への前奏曲、「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛と死

(31)13AC131 R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
(32)13AC132 コダーイ:ハーリ・ヤーノシュ、プロコフィエフ:キージェ中尉

(33)13AC133 ロシア名曲集、中央アジアの草原にて、だったん人の踊り、「ルスランとリュドミラ」序曲、スラヴ行進曲、スペイン奇想曲、熊蜂の飛行

(34)13AC134 プロコフィエフ:古典交響曲、「3つのオレンジへの恋い」の音楽、ショスタコーヴィッチ:交響曲第1番

(35)13AC135 メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」、「真夏の夜の夢」の音楽


●第3期 (36)13AC271~(50)13AC285
(36)13AC271 ハイドン:交響曲96番「奇蹟」、第101番「時計」
(37)13AC272 シューベルト:交響曲9番「ザ・グレート」
(38)13AC273 フランク:交響曲ニ短調
(39)13AC274 プロコフィエフ:ピーターと狼、ブリテン:青少年のための管弦楽入門

(40)13AC275 R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」
(41)13AC276 R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」「ドン・ファン」「死と変容」

(42)13AC277 シベリウス名曲集 フィンランディア(合唱付)、トゥオネラの白鳥、カレリア組曲、悲しきワルツ

(43)13AC278 4つの狂詩曲 ハンガリー狂詩曲第2番、狂詩曲「スペイン」、スウェーデン狂詩曲、ルーマニア狂詩曲第1番

(44)13AC279 クラシカル・マーチ集 威風堂々第1番、軍隊行進曲、闘牛士の行進、アイーダ大行進曲、ラデツキー行進曲、結婚行進曲、トルコ行進曲(ベートーヴェン)
(45)13AC280 ロシア音楽の祭典 大序曲「1812年」、イタリア奇想曲、剣の舞、はげ山の一夜、道化師のギャロップ、しゅう長の行進、バラの乙女達の踊り

(46)13AC281 ロマンティック・コンサート グリーンスリーヴズ幻想曲、G線上のアリア、トロイメライ、白鳥、タイースの瞑想曲、アンダンテ・カンタービレ、ラルゴ(ヘンデル)、メヌエット(ボッケリーニ)、夜想曲(ボロディン)、カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲、なき女王のためのパヴァーヌ

(47)13AC282 ヴィヴァルディ:「四季」全曲
(48)13AC283 ヘンデル:組曲「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」
(49)13AC284 セレナーデの夕べ アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク(モーツァルト)、セレナード(ハイドン)、弦楽セレナード(チャイコフスキー)、セレナード(シューベルト)

(50)13AC285 ヘンデル:オラトリオ「メサイア」ハイライト

レコードラベルはこの時期のCBS/SONYお馴染みの青ラベル(というのか?)である。

CBS・SONYオーマンディ「音」の饗宴1300 Label

別に「オーマンディ 音の饗宴1300」 専用のラベルという訳ではないのだけど、なんとなくしっくりくるのだ・・・このシリーズにはね。

ここまで書くと、このシリーズのコンプリートを目指す気になるなあ・・・ま、気長に収集しましょうかねえ・・・んでは。

コメント

_ 柿太郎 ― 2015年07月08日 15時21分

僕の家には親が買ったこのオーマンディのシリーズが3枚ありました(シェラザード、ラプソディーインブルー、ショスタコーヴィッチの5番)。そのためLPを自由に買える程の小遣いが無かった子供時代はこれらを聴きながらクラッシックへの興味を深め、同時にこのシリーズのジャケットにプリントされたオーケストラの写真のかっこよさにも子供心に魅了され、いずれは、このシリーズを集めたいと思っていました。しかし僕が、中高生の頃には既にLPからCDへの移行が進んでいたので、このオーマンディのシリーズは中古店でしかお目にかかれず、そのため買える物も限られてしまっていたのがとても残念でした(オーマンディのCD化も国内盤では滅多にされないので・・・)。それでもベートーヴェンの第九や、「白鳥の湖」抜粋、スペイン奇想曲などを中古店で購入し改めてオーマンディとフィラデルフィアサウンドの素晴らしさを実感したものです。

_ りん ― 2015年10月30日 05時10分

柿太郎さん、コメントありがとうございます。1年近くブログを確認してなかったので、せっかくのコメントを読んでおりませんでした。失礼しました。

CBS/SONY「オーマンディ 音の饗宴1300」でクラシックに初めて触れた・・・という方は少なくないと思います。私の場合は兄貴が買っていた「ブラ1」と「シベ2」です。特に「ブラ1」はトスカニーニが手を入れた楽譜を採用しているので、その印象は強烈(特に4楽章のクライマックスとか・・・)で、他の演奏を聴いても物足りなくて仕方ありませんでした。「シベ2」も長らくワタシの「マイ・スタンダード」でしたが、RCAステレオ録音がxrcd化で音がリフレッシュしたので、今はその録音が「マイ・ベスト」です。

当時国内でLP発売されなかった音源も、現在は再評価されて、殆どのステレオ録音がCD化(入手困難なものもありますが・・・)されたので、有難い事です。

ちなみに、ワタシも魅了された、ジャケット表紙のオーマンディ&フィラデルフィアは、彼らのホームであった、フィラデルフィアの音楽アカデミー(Academy of Music)会場の写真です。つい最近それを知りました。

では。

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