2013年 私的 マストロ・ジーン トピックス ― 2013年12月31日 09時00分
やはり、今年の大物はコレですな・・・
(1)タワレコ&ソニー企画の大量復刻
「Sony Classical x TOWER RECORDS 共同企画」
タワーレコード "Sony Classical"
スペシャル・セレクション第7弾
Ⅰ期(ブログ)、Ⅱ期(ブログ)、Ⅲ期(ブログ)
初CD化の録音が目白押しの、今年最大のイベント?でしたね。1957年録音の「大峡谷」(最初は誤って既発売の1967年録音がリリースされましたが、1957年録音音源に差し替えられた盤がリリースされてホット一息ですな)、1967年録音「火の鳥」組曲、コダーイ「管弦楽のための協奏曲」(1967年録音)・「ハーリ・ヤーノシュ」組曲(1961年録音)等々・・・超絶名演の1959年録音「ダフニスとクロエ」第2組曲も目出度く再発売で陽の目をみたことだし・・・タワレコさんとソニーさんには感謝ですな。
(2)チャイコフスキー交響曲&管弦楽曲他集大成アルバム
Eugene Ormandy Conducts Tchaikovsky
CD/SONY CLASSICAL/8888373716-2
Sony Classical Masters 12CD
チャイコフスキーの初期交響曲集は、2003年に日本で初めて3曲まとまった形でリリース(LP・CD時代を通じて)されましたが、今回はその初期交響曲も含めた交響曲全集+管弦楽曲+三大バレエ抜粋+協奏曲という贅沢なCD12枚組BOXとしてリリースされました。こんな時代が来るとは思わなかったなあ・・・
(3)ソニー・オリジナルズ アルバム3枚
SONY CLASSICAL/8876545300-2
The Strings Of The Philadelphia Orchestra Play Eine Kleine Nachtmusik
SONY CLASSICAL/8876545431-2
ストラヴィンスキー 3大バレエ曲
「春の祭典」1955年モノラル
「ペトルーシュカ」組曲 1954年モノラル※
「火の鳥」(1919年版) 1953年モノラル※
※モノラル録音の「ペトルーシュカ」「火の鳥」は初CD化。
SONY CLASSICAL/8876545424-2
ベートーヴェン(ピアノ:ルドルフ・ゼルキン)
ピアノ協奏曲第1番(1954年モノラル)
ピアノ協奏曲第3番(1953年モノラル)
こちらも、当初1967年録音「火の鳥」が出るとのことでしたが、蓋を開けると1953年モノラル録音・・・これはこれでCD初出なので嬉しい誤算ではありました。その後タワレコ企画盤で1967年録音「火の鳥」が出たので、結果オーライの笑い話で済みましたが・・・そういえば、ゼルキンとのベートーヴェンも曲の表示が入れ替わっていたりと・・・色々ありました・・・
(4)レコード芸術2013年6月号 特集「黄金のアメリカン・サウンド」を読んで・・・
レコード芸術2013年6月号
特集「黄金のアメリカン・サウンド」
1950~1960年代のBIG5と巨匠指揮者たち
見開き2ページの「巻頭言」の内、1/2ページだが、セオドア・リビーJr.氏による「レコード時代の幕開け-RCAとコロンビアの熾烈な録音競争」、そして 同じくセオドア・リビーJr.氏による「ユージン・オーマンディ(フィラデルフィア管弦楽団)」と相場ひろ氏「レオポルド・ストコフスキー」の記事は興味深いものでした。
オーマンディ&フィラデルフィアの名録音を生み出した会場 フィラデルフィアのTown Hallについて(2012年1月7日)に も書きましたが、レコ芸で現在も連載中の 「欧米批評家によるレポート」アメリカ編 (Theodore W. Libbey Jr.氏)の中で、2011年6月号~2012年2月号の記事「高音質CDリイシュー盤の音質」①~⑨(10月号~1月号迄の⑤~⑧はオーマンディとフィ ラデルフィア管弦楽団に関する興味深い話)は、氏がリアルタイムに経験されたオーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団の演奏と、彼らのレコーディング事情 について、当時のアメリカ音楽事情と絡めて考察された実に具体性のある記事に引きつけられました。レコ芸6月号特集記事も同じく興味深い話に満ちてます。 興味のある方は是非お読み下さいな。
(5)ストコフスキのフィラデルフィア管弦楽団復帰演奏会ライブ録音
(4)の記事にて、Pristine Classical と Guildから、ストコフスキのフィラデルフィア管弦楽団復帰演奏会ライブ録音がリリースされていることを知りました。つい先日もGuildからアルバムが発売されたばかりですし・・・こんなお宝音源が出てくるとは思いませんでした・・・
<Pristine Classical(ブログ)>
STOKOWSKI in Philadelphia, 16 March 1962 - PASC372
WEBERN Passacaglia, Op. 1
SIBELIUS Symphony No. 4 in A minor, Op. 63
DEBUSSY (arr. Stokowski) La Soirée dans Grenade
MUSSORGSKY (arr. Stokowski) Pictures at an Exhibition
STOKOWSKI in Philadelphia, 17 December 1962 - PASC379
WAGNER Prelude to Act 3 of Lohengrin
BEETHOVEN Symphony No. 5 in C minor, Op. 67
RAVEL (arr. Ravel) Alborada del Gracioso (from Miroirs)
STRAVINSKY Petrushka Suite
<ENCORES>
CLARKE (arr. Stokowski) Trumpet Prelude (Prince of Denmark's March) [notes/score]
GOULD Guaracha
RACHMANINOV (arr. Stokowski) Prelude in C sharp minor
HAYDN Symphony No. 45 in F sharp minor, "Farewell": Finale from 4th mvt
<BONUS TRACK>
REVUELTAS Sensemaya
Stokowski's Return to Philadelphia, 1960 - PASC264
MOZART Marriage of Figaro - Overture
DE FALLA El Amor Brujo
Shirley Verrett-Carter, mezzo-soprano
RESPIGHI The Pines of Rome
SHOSTAKOVICH Symphony No. 5 in C minor, Op. 47
<Guild>
Stokowski - Mozart 1949-1969
Guild Historical GHCD 2405
※モーツァルト「フィガロの結婚序曲」1曲のみであり、他は別のオーケストラの演奏。(ブログ)
Stokowski - Rimsky-Korsakov, Tchaikovsky 1962
Guild Historical GHCD 2403
Rimsky-Korsakov: Scheherazade
Tchaikovsky: Romeo and Juliet
Leopold Stokowski/The Philadelphia Orchestra
Academy of Music, Philadelphia, 6 Feburuary 1962(ブログ)
Stokowski - Brahms, Wagner 1960
Guild GHCD 2402
Brahms:Symphony No.1
Wagner:Symphonic Synthesis from ‘Tristan und Isolde’ - Love Music from Acts II and III (arr. Leopold Stokowski)
Academy of Music, 23 Feburuary 1960(ブログ)
かつて、「フィラデルフィア管弦楽団という天下の銘器は、ストコフスキーによってつくられ、オーマンディによってかき鳴らされる」と言われたらしいが、こ のアルバムでは「ストコフスキーからオーマンディにバトンタッチされ維持されてきたフィラデルフィア管弦楽団をストコフスキーがかき鳴らす」のを鮮明なス テレオ録音で楽しむ事の出来る歴史的且つ面白いアルバムと言える。ファン必携の音源だろう。
さて、来年も埋もれている音源が出てくることを期待しましょうか・・・んでは、良いお年を。
コメント
_ 下村 不二雄 ― 2014年01月08日 11時01分
_ りん ― 2014年01月19日 11時07分
こんな大物のステレオ録音があったとは知りませんでした。これは是非一度聴いてみたいですね。 John Hunt のバーンスタインとオーマンディの ディスコグラフィにも掲載されておりました。
今後ともお気楽にご覧頂ければ幸いです。
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