Ormandy & Philadlephia - Saint-Saëns Symphony No.3 "ORGAN" 1973年 ― 2010年07月25日 09時50分
さて、このアルバムの煽り文句を順を追って(タイムボカン風に)解説?しよう
RCA Proudly Presents A SUPER SOUND SPECTACULAR!
THE GREATEST SOUND ON EARTH!
Paramount Pictures 映画の The Greatest Show on Earthが元ネタ?だろうか。Proudly Presents なんてやってるから余程力が入った企画・・・なのだろうか・・・そのベクトルの向きが・・・
105 MAGNIFICENT VIRTUOSOS
THE FANTASTIC PHILADELPHIA ORCHESTRA
看板に偽りは無いが、オーケストラ団員の苦笑を誘ったことは容易に想像できるであろう・・・
conducted by
THE GREAT MAESTRO EUGENE ORMANDY
なんかプロレスラーみたいでちょっと・・・ねえ・・・
plus THE FABULOUS VIRGIL FOX
THE ROGERS TOURING ORGAN 400lbs. 144 SPEAKERS 56 STOPS.
FOX を引っ張ってきたのがこのLPのウリの一つなんだろうけど・・・怪力男(誰だこれは?)が片手で持っているバーの右側の籠に不安そうな顔でマントを羽織っている御仁がFOX なのだろう・・・か
ちなみに、ピアノは Vladimir Sokoloff & William Smith の二人であるが、表のジャケットには記載が無い・・・
in THE GRAND SYMPHONY No.3 FOR ORGAN AND ORCHESTRA BY Camille Saint-Saëns
サン=サーンスはレスリング服?プリントされてしまっているし・・・しかし、このイメージはどう見ても 「オルガン交響曲」というより「動物の謝肉祭」だと思うが・・・既にこの時点で方向性が・・・誰も止める人間がいなかったのだろうか・・・
ジャケット裏のライナーノーツは表と正反対の至極真っ当な仕上がり。流石にあのおちゃらけたジャケットに自身を登場させるのは勘弁してもらったのであろう・・・か。
プロディーサー Max Wilcox の解説によると、この1973年のセッションが、マエストロ・ジーンとフォックスとのほぼ20年ぶりの共演になるそうな。
ROGERS TOURING ORGAN がこのセッションの数日前に Scottish Rite Cathedral の Ballroom に設置され、それに合わせてフォックス が マエストロ を訪問(場所は Scottish Rite Cathedral)。
当初30分程度で考えていた打合せ(ダイナミクス・テンポ・フレージング等々)が2時間ほどの音楽談義(became musical reunion をどう訳すべきか・・・)になったそうな・・・
キズが多くてスクラッチもそれなりだがまあまあ聴ける。ま、これはこのヘンテコ?なジャケットが欲しかったからそれでもいいのだが・・・
この盤、国内レギュラー盤は見たことないけど、恐らくあのデザインでは出していないだろう・・・なあ・・・
その代わり?に SUPER 45 R.P.M. Cutting 盤を・・・
45-R8(P)1978
オーディオ・ブームで各社が競って出した45回転盤シリーズの1枚・・・かな。RCA Red Seal とエラート原盤からそれぞれ10枚計20枚出していたようである。 オーマンディ/フィラデルフィア の演奏は7枚出ている。
この演奏、録音は流石に古さを感じさせるけど、爽快なブラス(ココまで吹いていいの?というくらいガンガン吹きまくっている)と、特徴のあるフォックスのオルガンの音が特徴。後年のTELARC 録音よりこっちの方がいいという人もいるだろう。
ちなみに、この演奏はCD化されているが、不思議なことに3種類の音がある。なんでだろうねえ。
上右:BMG Victor/RCA 2 for 1 Series BVCC-8855-56
2CDs 1995年
The Fantastique Philadelphians
華麗なるフィラデルフィア・サウンド
バルトーク「管弦楽の為の協奏曲」
ホルスト「惑星」とのカップリング
上左:BMG Classics/RCA Victor 09026-61269-2
Dolby Surround Sound Series (C)1992, (P)1994
下:BMGジャパン/RCA Red Seal BVCC-38051 (P)1999
オーマンディ/フィラデルフィアの芸術Ⅰ Vol.4
ムソルグスキー「展覧会の絵」とのカップリング
そして、1999年のBMGジャパン/RCA Red Seal 「オーマンディ/フィラデルフィアの芸術Ⅰ」の盤。これは先の盤より残響を抑え気味にして高域も少し抑えているようだ・・・ミキシングも変えていると思う・・・楽器の定位も異なるしねえ・・・なんでミキシングを変えたのかは不明。ちなみに、ブックレットの裏はあの破廉恥ジャケットデザインがきちんと復刻されている。「展覧会の絵」のジャケットを表に持ってきたのはBMGジャパンの見識だろう・・・
最後は上左の Dolby Surround Sound盤 。音質上はこれが一番バランスが良いようだけど、ちょっとワウっている感じがする。再生に使ったテレコに問題有り?(ちなみにこのシリーズでは「惑星」も出ており、これはなかなかイケル。)
どれが良いかは好みとしか言いようがないが、問題は入手しにくいということだろう・・・見かけたら聴き較べてみるのも一興かと・・・んでは。
コメント
_ リベラ33 ― 2010年07月25日 12時50分
_ りん ― 2010年07月26日 08時19分
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