Debut! - Henry Mancini Conducting the Philadelphia Orchestra Pops2010年01月10日 09時50分

そもそもこのアルバムが音源捜索の発端でした・・・かれこれ10年前になるんですなあ・・・

BMG Records RCA Victor 74321 24283 2 Henry Mancini int the Pink The ultimate Collection CD Booklet
BMG Records/RCA Victor 74321 24283 2 (P)(C)1995 (2CDs)
Henry Mancini in the PINK, The Ultimate Collection

Mancini 好きだから・・・で、2枚組でお手軽に聴けるこのCDを買ったんですが・・・ぼ~と聴きながら、 "Speedy Gonzales" は面白い曲だなあ・・・なんて、聴きながらブックレットを見ると・・・
BMG Records RCA Victor 74321 24283 2 Henry Mancini int the Pink The ultimate Collection Booklet Inside
なんと、Henry Mancini & The Philadelphia Pops Orchestra とあるではないか!マンシーニフィラデルフィア管弦楽団を振った録音があるのか・・・?この時はホント驚きましたよ・・・

Columbia モノラル時代、フィラデルフィア管弦楽団ポップス という名称でリリースされたLPは数枚あります。(BMGファンハウス/RCA Red Seal Vintage Collection  BVCC-37324 CD,イエスタデイ~オーケストラが奏でる愛のテーマ 2002年 の解説が参考になります

また、サマー・シーズンにフィラデルフィア管弦楽団の団員が Robin Hood Dell Orchestra of Philadelphia を組織して郊外のフェアモント公園(今はその公園内のここですか?それともここかな?それともここ?)で演奏しますが、それと同じ名称でリリースされたRCA Victor(モノラル期)のLPも数枚ありますが・・・(ちなみに、フィラデルフィアの音楽シーンはここをみると分かりやすいでしょうか・・・)

それとはまた別に、 Philly Pops というポップス・オーケストラがあるので話がややこしいのですが・・・フィラデルフィア管弦楽団 と関係はあるようですが、一応別モノということで話をすすめましょう・・・

この、マンシーニフィラデルフィア管弦楽団を振った音源について、オーマンディ掲示板 で聞いたりして、色々な方に音源が存在することと、そして最終的にズバリそのもののLPアルバムも教えて頂きました。2000年2月頃ですから、現在オーマンディ掲示板でその頃の書き込みを見ることは出来ませんが、バックアップ用に取っておいたコピーを読み返して、あの頃はオーマンディ掲示板 も賑やかだったなあ・・・10年前のことを想い出しました。BMGファンハウス・BMGジャパン・・・今はソニー・ミュージックに統合されてしまいましたが、RCA Red Seal のオーマンディフィラデルフィア管弦楽団 の芸術第2弾(2001年)の発売前後の頃だった・・・かな。

オーマンディ掲示板 では、2007年に逝去された諏訪節生さんから回答を頂いたり・・・諏訪さんは「マンシーニはフィラデルフィアとは数枚のアルバムをつくっています」と仰っていましたが、結局色々探した結果、この1枚しかないだろう・・・と、私なりにそういう結論になりましたが、それを諏訪さんにお伝えして確認することも、もう出来ないのですね・・・お会いする機会はありませんでしたが、音楽現代の諏訪さんの記事は結構読んでいました。オーマンディのことも時折取りあげられていましたねえ・・・

2001年8月にホームページを開設した際、諏訪さんにメールでお知らせすると、

「ホ-ムペ-ジ開設おめでとうございます!
また一つオ-マンディのサイトが増えた!
快挙です。
無理をせずボチボチ続けてくださいね。
りんさんの個性溢れるホ-ムペ-ジを
期待しています。
オ-マンディ以外にも目を向けるのは
凄くいいことですね。」

と、暖かい励ましのメールを頂いたのも、なんだか昨日のことのように思えますなあ・・・飾らない人柄がにじみ出たメールでした。いまだにブログという形で続けているのも、諏訪さんの暖かい励ましがあったからかもしれませんね。

また、掲示板でマンシーニについて、

「あの人は音に厳しくて、サントラレコ-ドも
フィルムのサウンドトラックからの録音を
絶対に許さず、レコ-ド化の時は
必ず、自ら指揮して自分のバンドか、オケをつかって
録音していました。」

と、興味深い情報を書き込んでおられました。確かに、マンシーニ のRCA盤は、映画のサウンドトラックは多くなく、そのスコアで新たに録音した音源なのですね。映画で流れている音と微妙に違うのですよ・・・当時のLPアルバムをCDで聴くとそのクオリティの高さに感心します。

話をLPに戻しますが、LPは2001年の秋に入手出来ました。ebayのオークションでアメリカの出品者から入手したんですなあ・・・その後暫くして、近所の中古屋で500円で売っていたのを見つけた時はショックでした・・・悔しくて拿捕?しましたけど・・・結局、このLPは手元に3枚あります。 時折想い出したようにプレーヤーに乗せてます。

RCA Red Seal LSC-3106 Debut! Henry Mancini conducting The Philadelphia Orchestra Pops Jacket
Debut! - Henry Mancini conducting the first recording of The Philadelphia Orchestra Pops
RCA Red Seal LSC-3106 (C)1969 (LP, No Dog Label)

マンシーニ が Philadelphia Orchestra を指揮したこのアルバム、レコードジャケットは Debut! の文字が大きく銘打たれ、マンシーニAcademy of Musicで指揮している写真が使われているので、RCA Red Sealとしてかなり力を入れた企画だったのでしょう。

RCA Red Seal が Columbia から Philadelphia Orchestra を獲得した意図の一端が垣間見えますね。RCA の擁するソリストやアーティストが Philadelphia をバックに沢山レコードを作ってくれることを・・・・。しかし残念ながらこの続編は作られなかったようです。The Philadelphia Orchestra Pops という名称のアルバムはこれ以降見あたりませんし・・・

録音は1969年、Ormandy と Philadelphia OrchestraColumbia から RCA Red Seal に移籍した当初の録音で、 ジャケット写真の通り Academy of Music における収録です。 プロデューサーは John pfeiffer です。

デッドな Academy のサウンドの特徴が感じられますが、幾分エコーを付加しているのか、それほど乾いた音という印象はありません。

RCA Red Seal LSC-3106 Debut! Henry Mancini conducting The Philadelphia Orchestra Pops Liner Notes
Side 1
Beaver Valley-'37 suite
 The River (solo:M.Panitz, A.Giglliotti)
 Black Snow (solo:John de Lancie, L.Rosenblatt, G.Carlyss)
 The Sons of Italy (solo:John de Lancie, A.Giglliotti, D.Montanaro, B.Garfield, G.Johnson)
Side 2
 Dream of a lifetime (William Smith(p) , M.Farago(Harpsichord))
 Strings on fire
 Cameo for violin (Solo:Norman Carol)
 Drummer' Delight
 The Ballerina's Dream (M.Panitz (G Piccolo))
 Speedy Gonzales

ジャケット裏の解説は マンシーニ 自身の手によるものです。Beaver Valley-'37 組曲は、 マンシーニ の10歳代前半 を過ごした Aliquippa, Pennsylvania の印象・・・とのこと。 "Dream of a lifetime" 以下6曲は、世界に誇る "Philadelphia Sound" そして弦・木管・金管・打楽器各セクションをデモンストレーションする意図で作曲したそうです。各曲毎に Solist がクレジットされ、最後に、

 I am deeply grateful to Maestro Ormandy for the opportunity to write and conduct
 this first venture by The Philadelphia Orchestra Pops. My warmest thanks go out
 to all of the artists of the orchestra.

OrmandyPhiladelphia Orchestra への感謝が記されています。

RCA Red Seal LSC-3106 Debut! Henry Mancini conducting The Philadelphia Orchestra Pops Label
ラベルはRCA Red Seal 初期の No Dog Label です。

1番好きな曲は Speedy Gonzales です。1分半程度の短い曲であっと言う間に終わってしまいますが、philadelphia の機能の最も分かりやすいデモンストレーションになっています。その他の曲は、マンシーニ が気負いすぎてしまったのか、軽妙な洒落た感じの音楽とは違ってちょっとお堅いシリアス調の曲になってしまった感があります・・・と、最初聴いた時はそう思っていたのですが、今日改めて聴き直してみると、やはりマンシーニらしさがあちこちに顔を出していて、他のアルバムとは違う面白さがあります。フィラデルフィア管弦楽団 ソロも曲のあちこちで出てくるので、マンシーニフィラデルフィア管弦楽団のファンには興味深いアルバムだと思いますよ。

LPの音は、マスタリングか、或いはプレスが今ひとつのせいか、強音での雑音・音割れもあり、ベストの音質とは言えません。

LPを入手した当時はCD化されているかどうかも全く知りませんでしたが、色々探した結果、RCA Victor Dolby Surround Series でCD化されていました。これは2003年頃に見つけて入手しました。タイトルを見てもフィラデルフィア管弦楽団の演奏かどうか分からないので見つけるのに苦労しました・・・ ブックレットの写真を見ると解るんですな・・・どうして、フィラデルフィア管弦楽団関係の音源はこういう、探すのに一苦労するCDアルバムが多いのか・・・ま、マンシーニ のディスコグラフィの中でも特異?なアルバムであることは間違いないでしょうが・・・

BMG Music RCA Victor 09026-61478-2 Henry Mancini Theme from The Godfather & Other Movie Themes
RCA Victor 09026-61478-2 (C)1993 (P)1993,1976
Dolby Surround Sound Encorded CD
Music by Nino Rota, Symphonic Suite from the White Dawn, The Disaster Movie Suite
 The French Collection, The Great Waldo Pepper March
 Henry Mancini/London Symphony Orchestra(recorded 1976)

Dream of a lifetime, Strings on fire,Cameo for violin, Drummer' Delight, The Ballerina's Dream, Speedy Gonzales, Beaver Valley-'37 suite(The River,Black Snow, The Sons of Italy)
 Henry Mancini/The Philadelphia Orchestra Pops(recorded 1969)

これはLSOの録音も収録されたお買い得盤。・・・というか、どちらかというとLSOの方がメインの扱いなのですが、このphiladelphiaの音源は長い間カタログから消えていたこともあり、 Of special interest ・・・と、ブックレットの解説は逆にこちらの方が詳述されています。まあ、LSOの方は有名な曲ばかりですから曲目解説は不要かもしれませんが・・・

Of special interest in this re-issue is his Beaver Valley '37 Suite, which is the heart of the album Mr.Mancini recorded with the Philadelphia Orchestra Pops in June ( 9 & 10) of 1969, presented in its entirety as the second half of this release. Long unavailable int the RCA catalog, it is notable as the first extended suite of music he had written away from the film scoring stage. It is an impressionistic remembrance of his boyhood in West Aliquippa, Pennsylvania, and Musically it takes its cue from the following description in his autobiography : (以下略)

マンシーニ 自身による回想もちらっと記載されています。

"My very first pops concert with a major orchestra was in 1963 with the Cleveland Orchestra. Since then, in concert halls and recordings, it has given me great pleasure and satisfaction to be involved with many of the world's finest orchestras. In addition to my own studio orchestra, two of the best are are represented here: the Philadelphia Orchestra and the London Symphony Orchestra. To all of the Players I offer a warm thank you." - Henry Mancini

CDアルバムが1993年、マンシーニが亡くなったのが1994年ですから、これは晩年の回想でしょう。

フィラデルフィア管弦楽団 との第2弾が出なかったのは、市場の反応が今ひとつだった・・・ということでしょうか。ちょっと残念ですね。

CD化及びDolby Surround により、LPより 音はかなり改善され聴きやすくなっています。ただ、それでも強音で音割れがあり、これはもともと収録時に生じていたことも解りました。

LPは今でもebayのオークションやamazon.comのマーケット・プレイスで入手出来るようですし、CDもアメリカ・日本のアマゾンのマーケット/プレイスで入手出来るようです。日本のは高いので、送料込みでもアメリカから入手した方が安いかもしれませんが・・・

あと、アメリカのアマゾンはダウンロード販売もしていて試聴も出来ます。こちらのほうがお薦めかも・・・以下ご参考に。6曲目以降がフィラデルフィア管弦楽団の演奏です。

CD - amazon.co.jp , amazon.com
MP3 - amazon.com

このブログを書いていてネットで調べていたところ、 A Henry Mancini Discography というサイトにこのLPアルバムとCDアルバムについての記載がありました。7~8年前にこのアルバムについて書いたっきり でその後特に調べることもしなかったから、当時アクセス出来たサイトが無くなっていたり、当時無かった情報があったり・・・これも時代の流れですかねえ・・・

ちなみに、このアルバムを探している途中、ebayのオークションで面白いモノを見かけました。RCA Red Seal がこのLPを全米にプロモーションするキットを、アメリカのラジオ局に配布したものようです・・・

Henry Mancini Press Kit Box
Henry Mancini Press Kit

ボックスはマンシーニのMをあしらった簡素なデザイン。

Henry Mancini Press Kit Papers
Henry Mancini Press Kit Papers

マンシーニからのレター、RCA Red Seal によるアルバムのリリース案内、マンシーニ のバイオグラフィ、そしてラジオ局のDJ用にインタビューの台本まで用意されています。

RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature Booklet
RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature LP Booklet

このアルバム発売当時迄(1969年迄)のマンシーニの輝かしい軌跡を綴った、写真を多用したブックレットも付いてます。

RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature LP Jacket
RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature LP Jacket

マンシーニのインタビューが収録されたLPです。

RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature LP Jacket Liner Notes
RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature LP Liner Notes

このLPの使い方・注意事項が記されています。

RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature Label
RCA Red Seal SPS-33-557 his sound is his signature Label

プロモーション用なので、ラベルも白ですねえ・・・

このLPをかけて、全米のDJが台本を見ながらレコードのマンシーニの声と「対談」した模様を電波に乗せたんですなあ・・・電話インタビューとしてに使えるトラックも用意されています。

他のアーティストでもこういうDJ用のLPを見かけたことがありますので、ラジオ・インタビューでこういう手法を使うのは珍しくなかったんでしょうな・・・今はどうなんでしょうかねえ?

実は、このプレスキットには、マンシーニ Academy of Music で指揮をしている写真集も付いているモノがあったみたいで、それをebayのオークションで見かけたのですが惜しくも入手出来ず、悔しい思いをしたものです。

その後、Academy of Musicマンシーニ が指揮している写真が使われているCDを見かけました。残念ながら、このCDにはフィラデルフィア管弦楽団の演奏は入っておりませんが・・・

Mancini in Academy of Music, Philadlephia, BMG Entertainment RCA 07863 67979-2 Henry Mancini Greatest Hits
BMG Entertainment/RCA 07863 67997 2 (C)2000, Henry Mancini Greatest Hits
(amazon.com , amazon.co.jp )

Academy of Music での マンシーニ の指揮姿の写真が3枚使われています。未だに、逃がした魚は大きかったなあと後悔してますが・・・まあ、またどこかでお目にかかることができるかもしれませんな。

なんか簡単に書くつもりが、昔のことや新たに調べた情報を加えていくうちに段々ときりがなくなってきましたのでこの辺で・・・

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