Music from France for Oboe and Orchestra2009年09月16日 05時37分

日本ビクター/VICTOR SHP-2517
日本ビクター/VICTOR SHP-2517
Red Seal STEREO Dynagroove LP (C)1968
Françaix : L'Horloge de flore(The Flower Clock)
http://en.wikipedia.org/wiki/Jean_Fran%C3%A7aix
Satie(Debussy) : Gymnopedies Nos 1 & 3
http://en.wikipedia.org/wiki/Erik_Satie
Ibert : Symphonie Concertante
http://en.wikipedia.org/wiki/Jacques_Ibert

John de Lancie (solo oboe)
http://en.wikipedia.org/wiki/John_de_Lancie_%28oboist%29
André Previn/London Symphony Orchestra
http://en.wikipedia.org/wiki/Andr%C3%A9_Previn
http://lso.co.uk/home/

recorded August-September 1966

解説:日本フィルハーモニー・主席オーボエ奏者 鈴木 清三
※サティのジムノペディは番号・順番のに誤り有。LPは1番・2番の順に記載されているが、実際は3番・1番の順にカットされている。

also available on CDs

米BMG Music/RCA Victor Gold Seal 7989-2-RG (C)(P)1991
BMGファンハウス/RCA Red Seal Vintage Collection BVCC-37304(2001年)
※米BMG盤は、サティのジムノペディ1番が省かれている。(収録されているのは3番にもかかわらず1番と誤記)また、後年録音された R.Strauss の オーボエ協奏曲(Max Wilcox/室内管弦楽団)をカップリング。
※BMGファンハウス盤は、米BMG盤で省かれたジムノペディ1番及びR.Strauss の オーボエ協奏曲も含めたもの。今買うならこのCDがお薦め・・・と言いたいところだけど、もう市場にはないんじゃないかな・・・

ここ数日はこんなライト・ミュージックを聴いてます。特に気に入ってるのはフランセの「花時計」。お次はサティ、イベールはちょっと重苦しいなあ・・・

「花時計」はLancieの為に作曲され、Lancie と オーマンディ・フィラデルフィアにより初演されているが、この組み合わせのセッション録音は為されていない。セールスが期待出来なかったのかな?

このLPは大須のハイファイ堂レコードマートで見つけたもの。最近、オーマンディ・フィラデルフィア関係の日本ビクター盤(米RCA Red Sealの国内盤ですな)をここでよく見かけます。

この10年、RCA Red Seal関係の音源は日本で殆どCD化されているのでLPに手を出さなくても聴けますが、当時のLPにはその時の雰囲気が刻印されているので、ジャケットや解説が興味深いとつい手が出てしまいますな・・・これもその1枚。

当時(1968年)の日本フィルハーモニー主席オーボエ奏者である鈴木清三氏の解説(オーボエ奏者の苦悩(リード作り)や、国によるオーボエの音色の違い等)はなかなか興味深い。こういう解説はCDには記載されないで結構貴重なものだと思う。

LPの帯には、「お好きなレコードを進呈する ダイナグルーブ ソサイエティ 特典券付き」とあり、当時の日本ビクターは「ダイナグルーブ」を前面に出して売り出していたんですなあ・・・

帯裏にはダイナグルーブの特徴として・・・

-----ココカラ-----

 このダイナグルーブ方式のレコードは、録音するときからレコードになるまで、数々の新しい研究の成果を組合わせて、これまでにない明快な音を生み出しています。
 これは、最新の電子技術、音響心理学、品質管理技術により、新しい録音機器、電子頭脳、品質管理方式を開発して生み出したレコードです。

4つの特色

1.どんな音量でも輝くような音が聞けます。
プレーヤーの音量をどんなに小さくしぼっても、低音から高音まで鮮明に聞くことが出来ます。

2.完全なプレゼンス(臨場感)が得られます。
このレコードでは、いつも生々しい演奏を聞くことができ、コンサート・ホールにいるような印象を受けます。

3.歪がないこと
このダイナグルーブ方式のレコードでは盤面の内側でも音が歪みません。

4.そのまま皆様の機械にかけて完全な音が聞けます。
 ダイナグルーブのレコードは、どんなステレオ電蓄でも、これまでにない素晴らしい音が聞けます。

-----ココマデ-----

1.は、ダイナミックレンジを圧縮し、fレンジをいじって(ラウドネス効果かな・・・昔のアンプに「ラウドネス」というスイッチがあったがそれと同じかな?)音量をしぼっても良く聞こえるように細工しているということかな・・・Hi-Fiと逆行するところもあるけど、当時の再生機器を考えると、「音響心理学」に基づいた一つの割り切った考え方とも言える。

2.はいささか抽象的で具体性を欠く。

3.は、針再生につきまとうピンチ効果を「電子頭脳」(アナログ・コンピューターだろうなあ・・・)でシミュレートしてキャンセルするようカッティングしているということだろう。この歪みは内周で顕著に表れるから・・・

4.は互換性と、新しい装置でなくても効果がある・・・ということだな。今の新素材CDもこれまでのCDプレーヤーで再生出来音も向上・・・というのと変わらん。

まあ、当時のLPを今から眺めると、音楽以外にも色々面白い発見がありますよ。考古学に近かったりして・・・

それでは。

Music from France for Oboe and Orchestra その22009年09月16日 06時35分

RCA Gold Seal 7989-2-RG & RCA Red Seal Vintage Collection BVCC-37304
米BMG Music/RCA Victor Gold Seal 7989-2-RG (C)(P)1991
BMGファンハウス/RCA Red Seal Vintage Collection BVCC-37304(2001年)

R.Strauss : Oboe Concerto
Françaix : L'Horloge de flore(The Flower Clock)
Satie(Debussy) : Gymnopedies Nos 1 & 3
Ibert : Symphonie Concertante

John de Lancie (solo oboe)
André Previn/London Symphony Orchestra
Max Wilcox/Chamber Orchestra

1966年の「オーボエとオーケストラのためのフランス音楽集」の音源に、1987年に録音されたシュトラウスのオーボエ協奏曲をカップリングして発売されたのが米BMG盤。オーボエ協奏曲はこのCDが初出のはず。

但し、サティのジムノペディ1番は割愛されている。(CD表記は1番が記載されているが、3番の誤り)これでもトータル71分だから、このCDがカッティングされた1991年では収録が困難だったのかもしれない。

2001年に発売されたBMGファンハウス盤は米BMG盤で割愛されたジムノペディ1番も含めた「完全版」ということになるのかな・・・こちらは、Lancie よりも Previn の方の紹介に力が入ってて、彼の若かりし頃の写真も3枚掲載されている。(カッコイイ!)今買うならこのCDがお薦め・・・と言いたいところだけど、もう市場にはないんじゃないかな・・・

R.Strauss と Lancie の有名なエピソードについてはここで書くまでもありませんが、Fantastic Philadelphians の Ichikawa さんが興味深いことを書かれています。

Fantastic Philadelphians
http://www5a.biglobe.ne.jp/~philorch/
First Chair →John de Lancie
http://www5a.biglobe.ne.jp/~philorch/1stChair/deLancie.html

また、立風書房刊 「200CD管楽器の名曲・名盤」(1997年10月)に、このオーボエ協奏曲についての興味深いコメントがあります。(木幡一誠氏)この本によると、「・・・伴奏オケの実態はオルフェウス室内管だった、と聞く。・・・」とあります。契約の関係で実名が出せなかったのか・・・伝聞情報ですから真偽の程は定かではありませんが・・・

また、演奏についても2つの特色があるとのこと。一つは「・・・終楽章の最後を、現行譜とは異なる『オリジナル』稿でやっていること・・・」。もう一つは「・・・ソロに頻出する、息の『長すぎる』パッセージを、部分的に他の楽器へ受け持たせていること。・・・これは、デ・ランシ-が遺族と版元の承認を得て行った改編なのだ・・・」・・・詳細は「200CD管楽器の名曲・名盤」を読んで下さいな。

しかし、このアルバムをオーマンディ・フィラデルフィアのコンビで残せなかったのは残念なことですなあ・・・

では。