名フィル定期:夏風の中で2009年09月06日 07時45分

昨日、名フィルの第361回定期演奏会を聴きました。先月は定期は無かったので、二ヶ月ぶりのコンサートです。

名フィル第361回定期演演奏会
https://www.nagoya-phil.or.jp/concerts/2009/c_361.html

【ストラヴィンスキー三大バレエII】
ウェーベルン:牧歌『夏風の中で』
ベルク:ヴァイオリン協奏曲『ある天使の想い出に』*
ストラヴィンスキー:バレエ『火の鳥』全曲

[指揮]ティエリー・フィッシャー〈常任指揮者〉
http://www.intermusica.co.uk/fischer
[ヴァイオリン]オーギュスタン・デュメイ*
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%82%A4

なかなか意欲的なプログラムでしょう。

ウェーベルンはなかなか良い曲だ。後期ロマン派の香りがする。15分くらいの小品なのに、拡大された2管編成(ハープ2台、ホルン6本)を要求する曲でもある。このあたり、曲目解説に詳述されており、こういう配慮は嬉しい。

ウェーベルン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%B3

ベルクのは・・・よく分からん。まあ、瞬間的にハッと美しいと思えるところもあるけど、なんか理屈先行・アタマでっかちの音楽に思える。

ベルク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF

それにしても、デュメイの体格は大きいなあ・・・ヴァイオリンが小さく見える・・・

プログラムのコラムに「歌詞のないレクイエム」ということで興味深い解説が載っている。最近の名フィルのプログラムは読み物としても結構面白い。

後半の「火の鳥」、流石に4管の巨大編成で舞台いっぱいにオケが広がる。ハープは3台もあるじゃない。「魔法のカリヨン」用のバンダ別働隊も用意して・・・

ストラヴィンスキー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC

火の鳥
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E3%81%AE%E9%B3%A5_%28%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%29

この曲は前半の「カスチェイの魔法にかかった庭」や「魔法のカリヨン」等の静かな部分のオーケストレーションになんとも言えぬ絶妙な部分があるのだけど、指揮者もオケもその部分を充分に描ききったとは言えなかったと思う・・・なんとなく・・・で流しているような・・・

中盤「カスチェイら一党の凶悪な踊り」ではフィッシャーが快速テンポでオケを急き立てていたのが印象に残った。オケも良く付いていったと思うけど、その分響きの厚みに欠けるというか・・・もう少しテンポを落としてオケを響かせるべきではないかな?

後半の「子守歌」からフィナーレはまあまあかな・・・結構健闘したと思うよ。

曲目解説はちょっと不親切。バレエの場面と聴き所のポイントを示すべきだと思う。コンサートでもそう取り上げられる曲じゃないし、前半何をやってるか分からんと言う人も多かったのではないだろうか?

でも、「火の鳥」全曲なんてそうそう聴けるもんじゃない。今度の「ペトルーシュカ」も期待しようか・・・

それにしても、最近、コンサートで興奮したりとか凄い感動という体験をめったにしなくなってしまった。悪い意味で慣れてしまったのだろうか・・・録音された音楽の方に感動や驚くことの方が多い・・・まあ聴く回数からすれば当然かな・・・