Istomin, Ormandy & Philadelphia - Tchikovsky's Piano Concerto No.12010年06月03日 06時50分

ピアノ協奏曲といえば、やはりこの曲ですなあ・・・

Columbia Masterworks MS6079 & ML5399 jackets
Columbia Masterworks MS 6079 Stereo & ML5399 Mono
6eyes LPs
Tchaikovsky Piano Concerto No.1
Eugene Istomin(piano)
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
recorded on 19 april 1959 in the town hall, philadelphia

この演奏、横田さんのオーマンディ・ディスコグラフィによれば過去にCD化されているのだが、残念ながら、未だにそのCDの姿を見ていない。番号すらワカランのだ・・・10年以上探しているんだけどなあ・・・

・・・ということで、仕方なく?LPで聴いている・・・というか、LP収集を再開したのは、このコンビのCD化されていない演奏を聴きたくて・・・というのがその動機だったのだが、いつの間にかLPで聴く方が多くなってしまった。本末転倒とはこのことか?ま、それはどうでもいいが、実にいい演奏なのに、CD化されずにこのまま埋もれるのは実に惜しい・・・Essential Classics でもCD化から漏れてしまった様だし・・・本当に惜しい・・・

ちなみにこの演奏、モノラルのレギュラー盤(ML5399)とステレオ盤(MS6079)の2枚が手元にある。ジャケットデザインはステレオ盤とモノラル盤で若干の違いがあるが基本部分は共用している。

Columbia Masterworks MS6079 & ML5399 Labels

レコードラベルはどちらも 米Columbia Records の当時のトレードマークであるWalking Eye を6つ並べた  Columbia Masterworks 6eyesラベルである。

ステレオLPが出始めた当時は、ステレオ録音でもモノラル盤とステレオ盤が併売されていた。録音セッション時でもモノラル盤・ステレオ盤併売を考慮して収録してたようで、3chテープ録音機に Left,Center,Right の音を収録、モノラル盤にはCenter の音を、ステレオ盤には Left, Right  にある程度 Center の音をミックスしてカッティングしていたようだ。

だから、モノラル盤といっても単純にステレオ両chの音を混ぜているのではない。セッション時のミキシングそのものが異なっているので、この当時のステレオ盤とモノラル盤ではオーケストラのバランスも全く同じでは無いはず。ま、そんなに顕著な違いが現れるとも思わないけど・・・

ちなみに、当時のステレオ対応でないピックアップ(カートリッジ)はモノラル盤の横振動しか考慮していないので、ステレオ盤に含まれる縦振動の動きに追従できず盤の溝を痛めてしまうということで、当時のステレオLPには「このレコードをステレオ対応していないピックアップで再生するべからず」と注意書きのされているものもある。

ま、暫くするとステレオ対応していないピックアップでも縦方向の振動を考慮した製品が出てきたようで、LPにも「このステレオレコードは現在のモノラルピックアップでも再生可能」と書かれるようになったが・・・

また、ステレオLPが出始めた当時は、ステレオに対する批判も結構あったようで、このように同じ演奏がステレオ・モノラル両方で出た時、評論家がモノラル盤に軍配を上げるレビューを書いていることも珍しくなかったそうな。

ステレオ盤は縦方向の振動も含むので、横振動のみのモノラル盤よりも当然のことながら、カッティング・プレスに精度が要求されるわけで、ステレオ盤が出た当初はそのあたりがまだ完全には克服されていなかったようで、モノラル盤の方が音がよいという判断もあり得たと思う。再生側の問題もあったかもしれないけど・・・おっと、ヨタ話失礼!

お次は、1977年プレスと思われるオデッセイのリカット盤。

Columbia - Odyssey Y 34606 Jacket
Columbia Masterworks Odyssey Y34606 (C)1977
The Great Columbia Stereo Recordings

6eyes盤の1面はラベル外周あと2cm弱付近までカットされているが、このオデッセイ盤はラベル外周からその倍以上の余裕を残してカットされている。このオデッセイ盤には記載がないが、別の演奏のオデッセイ盤には、

... they have been re-mastered, using the most advanced cutting techniques, to produce sound that is the touchstone of the recording art. ...

とあり、従来盤より音質の向上を図った旨が記載されている。6eyes盤 と この Odyssey盤 のどちらの音が良いか? というのは何とも言えないが、曲の終わりのクライマックス部分が内周から離れているのは内周歪みを避けるという意味では音質的に好ましいと思う。

Columbia - Odyssey Y 34606 Label
Odyssey盤 Label

ただ、状態の良い 6eyes盤 はなかなか入手できないので公正な比較は難しい。アメリカではLPなんか消耗品扱いだから、状態の良いものは少ない。残念ながらこの 6eyes盤 も 衝撃を受けた跡があり、1面の一部が多少ひび割れている。LPにひびを入れるには余程の衝撃がないと・・・こんな状態でも「パチン」という音とともにちゃんとトレース出来るのだから、LPの耐久性は大したものだが・・・

再発・リカット盤のOdyssey盤(この盤も結構傷だらけだけど幸いなことにあまり音には出てこない)の方が状態が良いものが多いと思う。

・・・ということで、今のところはLPで楽しんでいるが、それでもCD捜索を続けている・・・のである。

んでは。

コメント

_ メタボパパ ― 2010年06月04日 02時25分

こんばんは

米COLUMBIAはLPになったとき、ジャケットやレーベルにNONBREAKABLEと謳っていたのにひび割れするのですね。
ステレオ盤とモノラル盤をお持ちなのにオデッセイ盤まで網羅しているなんてさすがですね。
しかし、アメリカ勢のレコードは本当に盤質の悪いものが多いですね。ここまでくると盤質のいいものに当たると得した気分になります。

_ りん ― 2010年06月04日 06時09分

おはようございます。

ひび割れしているLPというのは私もこれ以外見たことがありません。硬い尖ったものがジャケット外側からズドンと当たったようなひび割れですが、それでもとりあえずトレース出来てしまうのには逆に驚かされますが・・・

この演奏については、最初モノラルのML盤、暫くしてステレオのMS盤、その後オデッセイ盤の順番に入手した記憶が・・・ebayのオークションでしたか・・・出来るだけ良い盤質のLPで聴きたかったので、いつの間にか3枚手元に・・・

集めていた当時(といっても10年前くらいですが・・・)は、ステモノ盤(ステレオ録音のモノラル盤)の事も知らず、とにかく多くの演奏が聴きたくて無我夢中で集めたので、今から考えるとアホなことも結構やってました・・・欲しい演奏があれば、Columbia盤、Odyssey盤 に拘らず買っていたので・・・網羅していると言われるとお恥ずかしい次第で・・・

アメリカ人にとってはレコードは安く買える消耗品ということで、扱いも雑ですし、新古品のファクトリー・シールド品でも開けてみるとキズがあったりゴミが入っていたりもして、一体どういう品質管理しているのと首をかしげたくなるようなものにも遭遇しました。シングルジャケットにLPを2~3枚詰め込んだお徳用盤というのもありますし・・・もう考え方が違うんですねえ。仰る通り、盤質の良いものに遭遇?すると得した気分になりますよ。

_ リベラ33 ― 2010年06月04日 08時50分

ようやく長旅から戻りました。私も両ユージンによるこの録音は気になっているのですが、聴いたことがありません。CDはレア盤ですねぇ。
ところで6eyesという表記をしばしば目にして、一体どういう意味なのかなぁ、と長年思っていたのですが、こちらの投稿で初めてわかりましたよ。

_ りん ― 2010年06月05日 06時35分

おはようございます。長旅(岐阜でしたっけ?)お疲れ様でした。

米Columbia盤のレーベルの区別で、Blue Label, 6eyes, 2eyes, Gray Label なんて言い方をebayオークション出品者の表記で見てきたので、私もこのブログでそれに合わせてラベル表記をしてます。海外ではあの Columbia Records のロゴを Walking Eye と称しているようです。

私は最初あのロゴをテレビカメラを模したものだと思っていたのですが、Wikipedia によると、あれはレコードにレコード針(スタイラス)が接触しているのを模したロゴだそうです。

Wikipedia - The 1950s
http://en.wikipedia.org/wiki/Columbia_Records#The_1950s

登場当時はスマートなロゴでしたが、後にずんぐりしたロゴに変わりましたね。詳しくは下記を・・・

http://www.ne.jp/asahi/tron/music/ColumbiaDisc.htm

それにしても、LPラベルのデザインは産業デザインと興味深いものがあります。CDのラベルはあんまり面白くないんですが・・・

_ りん ― 2010年06月05日 06時55分

おっと、肝心のこの演奏のことを失念してました。

ホント、とてもいい演奏なので、CDが入手難なのが残念です。1959年といえば、このコンビの1つの絶頂期のようで、この演奏もそうですから、惜しいことです。

今のところは、出来るだけ状態の良いLPを探して聴くのが良さそうです。

ebay で isotomin tchaikovsky で検索するとこのLPが結構引っかかりますから、米国では結構売れたんでしょうね。ちなみに日本コロムビアから10インチ盤(Diamond Series ZS-2)で出ていたようですね。これもさっきebayで見かけましたよ。

_ りん ― 2011年10月18日 06時25分

2ちゃんねる掲示板 【大編成】オーマンディ10【上等】
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/classical/1316217793/

・・・によると、CDは 米CBS ODESSEY MBK44890 として出ているそうです。「収録はこの1曲だけで約34分 録音データなど一切なし CDジャケットの表面にはEugene Istominの表示のみ 裏面にかろうじて Eugene Ormandyと書いてあります。 」とのこと。1989年発売のCD・・・だそうです。

以上、備忘録として。

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