Tcahikovsky - Excerpts from "The Nutcracker Ballet" その22009年11月21日 10時50分


RCA Red Seal ARL1-0027
RCA Red Seal ARL1-0027 Dynaflex LP (C)1974
Tchaikovsky - Excerpts from "The Nutcracker Ballet"
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

also available on CD BMGファンハウス/RCA Red Seal BVCC-38117 (2001年)

Columbia Masterworks の胡桃割り人形に引き続き・・・ってワケじゃあないけど、今回は RCA Red Sealステレオ録音の胡桃割り人形を・・・

レコードジャケットの写真は Rudolf Nureyev

旧録音よりオン気味で幾分残響は少なめだが、楽器の音そのものの豊かさはこちらの方がいいかな。ただ、旧録音の雰囲気とスピード感・キレといったものは少々後退しているような気もするが・・・

また、"The Old Woman Who Lived in Shoe; The Buffoons"も割愛されているのは残念なことではある・・・が、まあそれは些細なことである。

RCA Red Seal ARL1-0027 LP Label A
このLPはニッパー君無しのdynaflex盤なので、プレス時期は発売当初とほぼ同時期なのだろう。この後、ニッパー君を右横に配置した Sided Dog Label に移行しているから・・・ちなみに日本では最後まで この No Dogラベルだったが・・・

この胡桃割り人形の抜粋版、長らくCD化されず、2001年にようやくオリジナルの抜粋版CDが発売された。それまでは組曲版でCD化されたものがあるのみであった。

RCA Victor 09026-60878-2
ちなみにこれは、David Bowie がナレーションをした 「ピーターと狼」とのカップリングで出ていたCD。(RCA Victor 09026-60878-2 (C)1992)
RCA Victor 09026-60878-2 CD LABEL
CDラベルも凝ってますな・・・

10年前程はこの抜粋版の演奏はLPでしか聴けなかったので、このLPもどうしても聴きたくて入手した物なのだ。今は手軽にCDで聴けるので有り難い・・・と言いたいところだが、限定盤だからもう入手困難かな・・・

花のワルツでヴァイオリンをオクタ-ヴ上げたりという味付けもなかなかいいもんだ・・・これだけ豊麗な「胡桃割り人形」、他では聴けませんぜ。

んでは。

Levine conducts Mahler's Symphony no.10 その32009年09月19日 17時20分

独RCA Red Seal RL03726 2LPs
独RCA Red Seal RL03726 2LPs (P)1981

Mahler Symphony no.10
http://en.wikipedia.org/wiki/Symphony_No._10_%28Mahler%29

Second performing version (1966–1972; appeared in print in 1976) of the Draft for the 10th Symphony, prepared by Deryck Cooke
http://en.wikipedia.org/wiki/Deryck_Cooke

James Levine conducts The Philadelphia Orchestra
http://en.wikipedia.org/wiki/James_Levine

recorded at Scottish Rite Cathedral, Philadelphia,
Jan, 1978(1st Mov.) & Apr.1980(2nd-5th Mov.)

other LPs
米RCA Red Seal CTC2-3726 2LPs (C)1981
RVC/RCA Red Seal RCL-8036/7 2LPs (P)1981

also available on CDs
米RCA Red Seal RCD2-4553 2CDs
BMG ファンハウス/RCA Red Seal BVCC-38139/40 2CDs (C)2001

最後は独RCA盤。こちらは日米盤と異なり、日米盤のジャケット裏写真を表に持ってきている。何故、日米盤と同じデザインにしなかったのかは謎である。まあ、どうでもいいんだけど。

日本盤はダブルジャケット、米盤は変則ジャケット、独盤はボックス仕様と、それぞれの国で形態が異なるのが妙と言えば妙であるが・・・

Uwe Kraemer によるドイツ語の解説、Jack Diether による英語解説の要約、そしてフランス語らしい解説が付いている。ヨーロッパのLPはこの頃から3カ国語対応なのだったかなあ・・・

こちらも米盤と同じように、レコードラベルに DIGITAL の文字が印刷してある。ラベルに印刷しないのは日本盤だけだが・・・

さて、演奏の方ですが・・・1965年のオーマンディ・フィラデルフィアと1978年~1980年のレヴァイン・フィラデルフィア(まだまだオーマンディの影響が色濃く残っている)・・・クック版の2ndと3rdバージョンの違いはあれど、甲乙付けがたい出来ではないでしょうか・・・

・・・それにしても疲れました・・・では。(了)

雨のコンダクター その22009年09月14日 20時50分

RCA Red Seal LSC-3349
米RCA Red Seal LSC-3349 No Dog Label Dynaflex LP (C)1973
Van Clibuen, Eugene Ormandy & The Philadelphia Orchestra
from their acclaimed recordings of music featured at the
1973 Inaugural Symphonic Concert

Copland : Fanfare for the Common Man
Tchaikovsky : 1812 Overture
Grieg : Piano Concerto in A Minor

「雨のコンダクター」といえば、オーマンディ・ファンには悪評高い?作品なのですが(そりゃそーだ)・・・

オーマンディ掲示板(http://06.teacup.com/qwh01700/bbs)でも話題になったことがあり、それが何時の事やらと過去の記憶を手繰っていくと・・・なんと9年前の2000年8月でしたワ・・・

現在のオーマンディ掲示板には2004年9月以後の書き込みしか残っていないのでそれを見ることは出来ませんが、1999年7月からの書き込みのデータを個人的に保存していたので、それを引っ張り出して、「ああ、こんな事を書いてたなあ・・・」などと感慨に耽っていました。

さらに記憶を辿っていくと、Fantastic Philadelphians の Ichikawa さんが、2000年8月27日の Memorandum でこの時の事情を詳しく説明されていたことを思い出しました・・・

Fantastic Philadelphians
http://www5a.biglobe.ne.jp/~philorch/
→Memorandum August 2000
http://www5a.biglobe.ne.jp/~philorch/Memorandum/0008.html

確かに、The Philadelphia Orchestra - Century of Music(Temple University Press (C)1999) の Ormandy Era 89p にその記述がありますねえ~

Temple University Press
http://www.temple.edu/tempress/

The Philadelphia Orchestra - A Century of Music
http://www.temple.edu/tempress/titles/1492_reg.html

我らがマエストロ・ジーンとオーケストラメンバーも、バーンスタインとはこれまた異なる苦悩に直面していたのです・・・な。誰か、もう一人の「雨のコンダクター」としてマンガ化してくれないかな・・・

ま、それはさておき、過去の記憶を辿ってこの時のプログラムを再確認していると・・・そういえば手元にあるあの訳の分からん1枚の盤・・・

"1973 Inaugural Symphonic Concert" と題したこのLP。一体何を記念したものかさっぱり分からず、数年間ほったらかしていた。何故かというと、 Inaugural という単語の意味を知らず、なんかの記念か?くらいの関心しかなかったのだが・・・

これが、そのニクソン大統領の1973年就任記念演奏会のプログラムを集めたLPだったと、今日初めて気が付いたんですな・・・

・・・ホント、おバカさんである。大体このアルバム、Nixon の 名前すら出てこないから、 まさかアメリカ大統領の就任記念演奏会プログラムLPだなんて想像すら出来なかったのだ。アメリカでは Inaugural と言えば大統領就任という意味になるのだろう・・・か?

就任記念演奏会プログラムの内、ベートーベンの「運命」はRCAに録音が無いので省かれているが、それ以外の3曲(勿論、セッション録音)を収録したこのLPと、バーンスタインのLP、一体どっちが売れたのだろうか・・・

それにしても、意図せずにこんな対照的なLPが揃ってしまうとは・・・なんか不思議な縁と言うヤツを実感せざるを得ませんなあ・・・では。

ヴァン=クライバーンとオーマンディ その42009年09月10日 07時44分

米RCA RCA Red Seal LSC-3238 Dynaflex LP
米RCA RCA Red Seal LSC-3238 No Dog Label, Dynaflex LP (C)1971
Beethoven:Piano Concerto No.3(recorded 1971)
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

昨日夜から涼しさを通り越して肌寒くなりました。いよいよ秋も深まってきましたか・・・

さて、オーマンディとクライバーンのこの演奏、ベートーベンはあまり興味がないので、LPを持っていたことすら忘れていました・・・クライバーン関係のLPを漁っていたら出てきました・・・

ベートーヴェン(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%B3

ピアノ協奏曲第3番(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC3%E7%95%AA_%28%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%29

LP解説に、この曲は プロイセン王国 ルイ・フェルディナント王子に献呈されたとある。紋章は家紋かプロイセン王国の鷲かな?鷲はロシアにも縁が深いしなあ・・・

ルイ・フェルディナント王子
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3_%281772-1806%29

プロイセン王国
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3%E7%8E%8B%E5%9B%BD

LPは傷だらけだったので、レイカで掃除してからターンテーブルに。まあ、スクラッチは多いけどスピーカで気楽に流す限りではまあまあ聴ける。LPの耐久性は大したものだ。

雄弁なピアノパートと大人しいオケ・・・テーマはいいけど今ひとつこうノってこれないというか・・・名曲かどうかもよく分からんけど、きっとそれなりに人気のある曲なのだろう・・・僕にはピンと来ない・・・名曲音痴だからかな・・・では。

Copland - Billy the Kid & Appalachian Spring2009年08月26日 06時00分

RCA Red Seal LSC-3184
米RCA Red Seal LSC-3184 (No Dog Label, DYNAGROOVE LP,(C)1970)
Aaron Copland
http://en.wikipedia.org/wiki/Aaron_Copland
Billy the Kid
http://en.wikipedia.org/wiki/Billy_the_Kid_%28ballet%29
Appalachian Spring
http://en.wikipedia.org/wiki/Appalachian_Spring
Eugene Ormandy & The Philadelphia Orchestra

also available on CDs
-米BMG Classics/RCA Red Seal High Performance 09026-6-63467-2
(C)1999,1978,1970 (P)1999
-BMGファンハウス/RCA Red Seal BVCC-38127
(オーマンディ・フィラデルフィアの芸術 II Vol.8, 2001年発売)
-日本ビクター XRCD24 JMXR24049(2008年発売)

1969年、当時のフィラデルフィア管弦楽団のホームでもある、フィラデルフィアのアカデミー・オブ・ミュージックにて収録。

この演奏は音が良い・・・ということで、米RCA Red Seal High Performance シリーズで発売されたり、昨年は日本ビクターのXRCD24 シリーズとしても発売されている。

Columbia Masterworks から RCA Red Seal 移籍直後の録音で、この頃の録音は評論家から酷評を浴びているにもかかわらず、この録音だけは評判が良かった・・・かどうかは知りませんが、チャイコの悲愴やブルックナーの7番よりは遙かに良い音で収録されています。

残響の少ないアカデミーにも関わらず程良い残響が付加されているし、ホールの暗騒音が空気感を醸し出している好録音と言えるかと。

LPはペナペナの未開封ダイナグルーブ盤。多少ノイズは多いですが、不快なノイズは少なくソリも少ないので、なかなかいい音で聴けます。CD化されて更に良い音で聴けます。

LPのジャケット裏は簡単な曲目解説、そして、Billy the Kid(American Ballet Theater)、アパラチアの春(Martha Graham)のバレエ写真が掲載されています。

American Ballet Theater(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/American_Ballet_Theater
Martha Graham(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Martha_Graham

こういうジャケット写真を見ながらLPを聴くのもまた一興・・・というか、LP時代はこうだったんですよねえ・・・

...the void of the Universe, the mystery of eternity. その22009年08月19日 04時52分

米RCA Red Seal LSC-7066(2) 「復活」の楽曲解説
米RCA Red Seal LSC-7066(2) No Dog Label, DYNAGROOVE 2LPs (C)1970
英RCA Red Seal LSB-4003/4 No Dog Label 2LPs (C)1970
日本ビクター音楽産業/RCA Red Seal SRA-2713/4 2LPs

Mahler Symphony no.2 "Resurrection"
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
Birgit Finnilä(Contralto)
http://en.wikipedia.org/wiki/Birgit_Finnil%C3%A4
Evelyn Mandac(s)
Singing City Chorus directed by Elaine Brown

Also Available on CD 日BMG Funhouse BVCC-38283/4 (C)2003

昨日に引き続き・・・

LPの楽曲解説は、1952年~1992年迄、フィラデルフィア管弦楽団の副指揮者(Assistant Conductor)を務めた William Smith が書いています。

ダブルジャケットのカラーの裏面から、ジャケット内側に続いていきます・・・まあ、上の写真の通りですが・・・

主要なモチーフの譜例を示しつつ、この大曲を聴く人の理解の助けになる・・・そういう、解説の模範例ですな。定期演奏会のプログラム向けに書いた解説をLPに流用したのかも知れませんが・・・どうでしょう?

スミス氏は多芸多才で、「オーマンディ/フィラデルフィアのすべて (日本コロムビア 1967年3月)」によれば、指揮のみならず、オーケストラにまじってチェレスタかピアノかオルガンを弾いたり、青少年・学生コンサートの指揮・解説をしたり、カーティス音楽院で教えたり、室内楽コンサートをしたり、(今は知りませんが)全米放送網に提供されるフィラデルフィア管弦楽団のコンサート・シリーズのプロデュース・解説を担当したりしている・・・だそうです。

オーマンディ/フィラデルフィアのすべて
(日本コロムビア 1967年3月)
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/08/12/4506270

米盤・英盤に掲載されたこの楽曲解説が、国内盤LPに掲載されたかどうかは分かりませんが・・・

音源がCD化されて、敢えてLPを探す必要はないでしょうが、中古屋で格安でこのLPを見かけたら、楽曲解説を見るために入手する価値はあるかも知れませんな・・・

ちなみに、スミス氏の「マエストロ・ジーンの指揮について」のインタビューを下記で聞くことが出来ます。

Eugene Ormandy, A Centennial Celebration
Curated by Marjorie Hassen, Otto E. Albrecht Music Library
University of Pennsylvania
http://www.library.upenn.edu/exhibits/rbm/ormandy/

Selections from Interviews with or about Eugene Ormandy
http://www.library.upenn.edu/exhibits/rbm/ormandy/interview.html
→Interview with William Smith, recorded for the Eugene Ormandy Memorial Oral History, 18 July 1991
Smith, keyboard player and Associate Conductor of the Philadelphia Orchestra from 1952 to 1992, discusses Ormandy's conducting style.

ま、こんなところで。

...the void of the Universe, the mystery of eternity.2009年08月18日 07時50分

米RCA Red Seal LSC-7066 & 英RCA Red seal LSB40034
米RCA Red Seal LSC-7066(2) No Dog Label, DYNAGROOVE 2LPs (C)1970
英RCA Red Seal LSB-4003/4 No Dog Label 2LPs (C)1970
日本ビクター音楽産業/RCA Red Seal SRA-2713/4 2LPs

Mahler Symphony no.2 "Resurrection"
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
Birgit Finnilä(Contralto)
http://en.wikipedia.org/wiki/Birgit_Finnil%C3%A4
Evelyn Mandac(s)
Singing City Chorus directed by Elaine Brown

Also Available on CD 日BMG Funhouse BVCC-38283/4 (C)2003

超名演なのに録音が劣悪・・・という非常に悩ましい名盤、オーマンディ・フィラデルフィアの「復活」です。ホント、アカデミーの実況録音(たぶんあると思うのですが、確認したわけではありません)、誰か世に出してくれませんか?(クリーヴランドとのライブ録音がCD-Rで出ているそうですが、私は聴いていません)

日本でも1970年にLP発売されていますが、余程売れなかったのでしょう・・・中古屋さんでもオークションでも、私はその国内盤を一度も見たことがありません。マーラーがブームになったのは1970年代後半だそうですから、早すぎた「意欲的な録音」だったのでしょう。

劣悪な録音状況にも関わらず、BMGファンハウスがこの録音をCD化するという英断を下すまで、熱心なオーマンディ・ファン以外、このLP、そしてオーマンディの「復活」ステレオ録音の存在を知らなかったのではないかと・・・そういう忘れ去られた貴重な録音でもあります。

私も、Fantastic Philadelphians の Ichikawa さんが Weekend Reviewで取り上げなければその存在すら知りませんでした・・・。今はCDで手軽に聴けますが、10年程前はLPを探すしかありませんでしたねえ・・・結局、ebayのオークションで、米盤2組と英盤1組を入手しましたが・・・

Fantastic Philadelphians
http://www5a.biglobe.ne.jp/~philorch/

最初入手したのはジャケットが酷い状態の米盤でした。LPもスリーヴがなく裸の状態、しかも埃だらけ・傷だらけの盤でしたが、それでも、Good Conditon! と堂々とのたまうアメリカ人の大らかさに呆れるやら苦笑するやら・・・でも、殆ど針通ししていないようで、クリーニングするとかなり良い状態でした。目に見えるキズも音には殆ど現れませんし・・・。

今回新たにレイカ・バランスウォッシャーでクリーニングしたら、さらにノイズが穏やかになりました。ホント、このクリーナーは効果があるなあ・・・

その後、英盤を入手しました。こちらはジャケットのオレンジ色の部分(写真のオレンジ色の四角の部分、ここはタイトルですが)

"...This is a magnificent performance of the work; and the recording is a spacious, full-blooded one..." - Deryck Cooke, The Gramophone

とあります。演奏はともかく録音については・・・"full-blooded" は レベルオーバーによる音割れを皮肉ってるのか知らん?まあ、Cooke Version の mahler 10番を録音してくれたマエストロに好意的だったのかもしれません。クレンペラーに「おまえなんぞ知らん!」と言われ、バーンスタインにもまともに相手にされなかったクック氏ですから・・・

この英盤はCDが出る前、欲しいという人に譲ってしまいました。BMGジャパンから発売が噂されていた「オーマンディの芸術第3弾」の情報がまだはっきりとせず、「復活」もCD化されるかどうかも分からなかった時期なので、入手にかかった費用程度でこのLPをお譲りしたのですが、その後この「第3弾」のラインナップが明らかになり「復活」もCD化されると聞いたときは、ちょっと申し訳なかったですなあ・・・ま、そんなこともありましたワ。

それから暫くして、状態の良い米盤を入手しました。ということで、今手元には米盤2組が残ってます。米盤・英盤の違いはジャケットデザインと面割でしょう。米盤はオートチェンジャー仕様なので、1枚目がSide1,Side4、2枚目がSide2,Side3 という構成になってます。英盤は普通の面割です。

米盤・英盤の音について、音は米盤の方が若干良いと感じました。盤面を良く見ると、米盤の方が内周までカッティングされており、カッティングレベルを英盤より高く取っているからと思われますが、その分内周部は歪も増えるのでトータルではどうでしょうかねえ・・・イギリス盤は高音が少々丸くなっているようにも感じましたが・・・

盤そのもについて、英盤の方が米盤よりしっかりしてました。また、2組の米盤も、最初に入手したのはそれなりにしっかりしているのですが、後で入手した盤はペナペナ盤でした。プレス時期でもかなり違うようですなあ・・・

さて、肝心の演奏について・・・

このコンビの演奏・録音でも筆頭に上げるべきものでしょう。最初のただならぬ緊迫感を持った弦セクションの音であっという間に引き込まれます。

これ程の悠然たるスケールの大きさ・そしてフォルティッシモの強烈さは、このコンビの他の録音も及ばないレベルでしょう。特に、4楽章・5楽章のフォルティッシモは凄まじく、 フィラデルフィア の ブラス・セクション をこれ程突出させた演奏は他にはあまり無いですなあ・・・

とはいえ、やはりホルンの音などはかなり押さえ込んでブレンドさせたりしてます。やはり「弦楽が主体」の19世紀の伝統が顔を出すのでしょう・・・

それにしても、G. Jhonson のトランペットはホント、特筆に値します。フォルティッシモの部分も勿論ですが、3楽章の桃源郷とも思える甘いメロディーを奏でる音色はたとえようもありません。これだけふわ~と音を漂わせるように吹けるソリストが他にいるかなあ・・・終楽章の「光明」の合唱はその高揚感に目頭が熱くなりますワ・・・

5楽章の最後、ここはトランペットは音を出さないのですが、オーマンディはかまわずトランペットを強奏させており、これがまた凄い迫力を生み出しています。まあ、是非はさておき・・・

問題の録音について・・・

強音部の音の歪みについては、CDの解説に詳しく説明されています。CDが出る前は、このフォルテの音の歪はカッティングかプレスの出来が悪かったのだろう・・・オリジナル・セッション・テープは大丈夫では・・・と期待してましたが、解説によると、これは収録時に発生したものらしく、CD化でも歪は残ったままです・・・sigh・・・

CD化に際して、オリジナルの4chマスターテープまで遡ってますから、もうこれはどうしようもないのでしょう・・・

1970年3月18日に1楽章・2楽章・4楽章、翌日3楽章と5楽章が収録されてますが、特に19日のセッションの音の歪が酷い状況になってます。

何故、このようなプロにあるまじき初歩的なミス(レベル・オーバーによる飽和歪なんて・・・)をRCA Red Seal のスタッフが犯したのかは謎ですが、一つ考えられるのは、弱音を明確に収録するため・・・ということでしょうか・・・

マーラーのこの曲は大編成にもかかわらず、室内楽的な部分が大半を占めているので、その弱音をノイズ(テープ・ヒス・ノイズ等)に埋もれさせないために録音レベルを上げた・・・と。確かに、CD化された音を聴くと、当時の録音としては弱音部が鮮明にキャッチされていることが分かります。でも、それだけでは、これだけ盛大なレベルオーバー歪の理由としては納得しかねますなあ・・・

それとも、音をフォルテでわざと歪ませて「異様な」迫力を出そうとしたのでしょうか・・・それはちょっと考えにくいですなあ・・・

アメリカの家庭では、広い部屋でフロア型のスピーカーを鳴らす・・・というのが当時の一般的なオーディオの形だったそうですから、であれば、音が歪んでもそう気にすることはない・・・という判断が合ったかも知れません。

それにしても、これだけの大曲をたった二日間で収録してしまうとは・・・恐らく、定期演奏会等で取り上げた後のセッション(だから、アカデミーのライブ録音を期待してしまうのですが・・・)で時間を節約したのでしょうが、セッション時に満足にプレイバックする時間がなかったとか・・・

いや、でもマイクセッティングや音決めでレベル設定をするはずだから・・・

・・・もう40年近く前のセッションの出来事ですし、あれこれ邪推しても仕方がないのですが・・・演奏の出来が素晴らしいだけに・・・痛恨の極みというヤツですなあ・・・

真相は、the mystery of eternity ・・・か・・・

Ormandy conducts Sibelius Symphony no.22009年08月16日 10時10分

RCA Red Seal Quadradisc ARD1-0018
米RCA Red Seal Quadradisc dynaflex LP ARD1-0018 (C)1973
Sibelius : Symphony no.2
Eugene Ormandy / The Philadelphia Orchestra

also available on CDs
BMGジャパン BVCC38056 (オーマンディの芸術I Vol.9)
BMGジャパン BVCC37612 (RCAレッド・シール・ザ・ベスト)
日本ビクター JMXR24058 (XRCD, 2009.9.2 release)

この録音が来月XRCD化されるそうで・・・オリジナルのマルチトラック8チャンネルマスターに遡ってリマスタリングするというから、期待できますな、XRCDの丁寧な仕事ぶりからすると・・・

さて、作曲者が褒めたということで、悪評高い?日本の音楽評論家も褒めざる?を得ない演奏でもあります。まったく、ライナーが「そうであれば、バッハが間違ってるんだ!」と宣った如く、「作曲者が認めようが、俺は認めん!」くらい突っ張って欲しいモンですが・・・ヤレヤレ。

流石にこの録音については、いつも何らかの形でCDが入手できますが、オーマンディ・ファンにお勧めなのは、BMGジャパン BVCC38056 (オーマンディの芸術I Vol.9) ですな。「シベリウスの思い出」と題したエッセイで、オーマンディとシベリウスとの交流・マエストロが初演を熱望した「第8交響曲」の顛末・1955年6月のフィラデルフィア管弦楽団とマエストロによるシベリウス邸訪問等々・・・

ちなみにこの解説はWeb上でも読めます、英語ですけど・・・

The Jean Sibelius Web Pages by Robert Jones
Jean Sibelius: A Reminiscence by Eugene Ormandy
- Essay from 米Columbia Masterworks MS-6395
(Sibelius: Symphony No. 1)
- also available on CD 米SME Essential Classics SBK63060
http://home.flash.net/~park29/sibreminiscence.htm

Robert Jones氏 のホームページは健在ですな。ただ、Ormandy Web Pages は残念ながらアクセス不能ですが、ラフマニノフとシベリウス関連のページはアクセス出来ます。Ormandy Web Pages もまた復活して欲しいものですが・・・

Robert Jones Photography
http://home.flash.net/~park29/

Dream Book of The Eugene Ormandy Web Pages
http://books.dreambook.com/robertljones/ormandy.html
※Ormandy Web Pages はアクセス出来ませんが、 Dream Book はまだアクセス可能なようです。

さて、「特集 ジャン・シベリウス」・・・レコ芸の特集記事の切り抜きが手元にあります。1980年前半からレコ芸を読み始めて10数年後、興味をひいた記事だけ手元に残して大半を処分しました。ステレオ誌とか昔のオーディオ雑誌も結構処分しましたが、今考えると早まったかな・・・とも思います。今読み返したい記事が結構あるので、古本屋でそれを見かけるとついつい・・・覆水盆に返らずですなあ・・・

覆水盆に返らず(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%86%E6%B0%B4%E7%9B%86%E3%81%AB%E8%BF%94%E3%82%89%E3%81%9A

この「特集 ジャン・シベリウス」も何時の号に掲載されたモノかは不明ですが、恐らく1985年前後でしょう。この記事の中に、1965年ヘルシンキで開かれた「シベリウス生誕百年祭」に寄せられた世界中の讃辞 "TRIBUTES TO JEAN SIBELIUS"(生誕百年祭の小冊子に掲載されたもの) があり、我らがマエストロ・ジーンの讃辞もありました。

それによると、1951年にヘルシンキで開催された最初の「世界シベリウス祭」で、オーマンディがシベリウスの曲の幾つかを演奏した後に行われた後、オーマンディはシベリウスに初めて会ったそうな。

そして、1955年6月のフィラデルフィア管弦楽団とマエストロによるシベリウス邸訪問がそのクライマックスということになるのでしょう。1955年のヨーロッパツアーの最後の日程にこのシベリウス訪問が組まれていたみたいです。

この讃辞には「・・・また、私がヘルシンキでの年に一度のシベリウス祭で指揮をする特権を与えられたこの年月の間、・・・」とあるので1951年から1955年の毎年のシベリウス祭に客演していたのでしょうか・・・?またそれ以後は?・・・まあ、また色々文献を探してみましょうか、それもまた楽しからずや・・・ですな。

現在のシベリウス祭はラハティ交響楽団が主催しているようで、ラハティ交響楽団のサイトに案内があります。

Sinfonia Lahti
http://www.sinfonialahti.fi/

日本シベリウス協会
http://www.sib-jp.org/

Jean Sibelius 1865-1957 (シベリウス博物館ホームページより)
http://web.abo.fi/fak/hf/musik/Sibelius/JP/index.htm

Jean Sibelius(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Jean_Sibelius
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9

シベリウス:交響曲第2番(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC2%E7%95%AA_%28%E3%82%B7%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9%29

さて、俺はこの曲を聴いて、いかにもしんしん・寒々としたサウンドにこれがフィンランドなんかねえ・・・と勝手なイメージを持っていたけど、作曲者はこの曲のインスピレーションを滞在先のイタリアで得たという・・・フィンランドのイメージ?・・・実はイタリアの印象だったりして・・・?

作曲者の誤算?と聴く側の誤解?がこういう事態を招くのであろうか・・・この曲を聴いても全然イタリアを想像出来ないけど、別にイタリアを描写したかどうかも分からないし、イタリア滞在からインスピレーションを得たとしても、シベリウスがそのインスピレーションを基にどういう曲を作るかはまた別の話・・・

音楽を演奏する側は色々考えるだろうけど、聴く方はあんまりそう言う経緯には拘らない方がいいのかな・・・知らずに聴くのと知って聴くのとどっちが良いのかよ~分からんし・・・「ショスタコーヴィッチの証言」といい例もあるからなあ・・・

さて、それでは肝心のLPについて。

このLPは未開封品なんだけど、どうも熱にやられたみたいで盤の外周から広い範囲で盤が歪んでいる。変なノイズは出るし、困ったものだ。dynaflex盤LP で相変わらずのヘナヘナのペナペナ盤である。

カッティングレベルは低め。4chカッティングの為かな?なんにせよ、4chのデコーダーが無いから4ch再生は出来ず、ふつーの2chステレオとして聴くだけなんだけど・・・

演奏は素晴らしいけど、このLPの状態では楽しめないなあ。もう一枚のディスクも3楽章で針飛びを起こして再生不能だし・・・

XRCD化での音質改善を期待しましょうか・・・もし4ch収録されていたら、SACDのマルチチャンネルという形になるといいんだけどな・・・

んでは。

A Magnificent Recording First - LOVE STORY2009年08月09日 07時10分

Love Story LP and Movie Love Songs CD
米RCA Red Seal LSC-3210 (No Dog Label Dynaflex LP (C)1971)
米BMG Classics/RCA VICTOR 09026-60965-2(CD, (C)1992 )
A Magnificent Recording First - LOVE STORY
The World Greatest Orchestra Plays Great Love Themes of Today and Yesterday

Love Story, Andante from Concerto no.21(Mozart), Yesterday
The Windmills of Your Mind, Romeo & Juliet
The Heart is a Lonely Hunter ,West Side Story,
Tristan und Isolde ,Romeo & Juliet(Tchaikovsky)

Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

愛憎?がテーマのLPをもう一枚。

Maestro が見たら激怒しそうなジャケット(特に米盤のCDの方)であろう。オルガン交響曲のジャケットもそうだけど、アレは「クラシック音楽のレコード」からかけ離れたぶっ飛びデザインだ。

戦犯?は、恐らく、コロムビアから引き抜かれて、1970~1974年の間 RCA Records A&R 責任者(だと思うけど)であった ピーター=マンヴィス氏であろう。氏はコロムビア在籍時に、ワルター=カーロスのスイッチト・オン・バッハをプロデュースしたそうな。

Wendy Carlos(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Wendy_Carlos
※この人、アルバム作ってから女性に変身?してしまったのだ。

スイッチト・オン・バッハ(LPアルバム)
http://en.wikipedia.org/wiki/Switched-On_Bach

RCAは、1968年にオーマンディ/フィラデルフィアをコロムビアから引き抜くに当たり、5年間のロイヤリティーとして220万ドルを先払いし、さらに100万ドルをオーケストラの基金として寄付するなど莫大な負担をしているため、マンヴィス氏は、とにかく「元を取る」必要があったのではないかな。

ということで、セールスが期待出来ないシリアスなクラシックではなく、売り上げが期待できるポップスをとにかく録音させようとして、マエストロから「私はポップス指揮者じゃないぞ!」と激怒・反発されてしまったが・・・それでも依頼仕事はきっちりこなすのがマエストロ・ジーンではあるが

この 「ラヴ・ソングズ」や、「マーチ集」「ファンタスティック・フィラデルフィアンズ」、そして2枚の 「クリスマス・アルバム」は全てマンヴィス氏の企画だそうな。

ということで、オーマンディ・ファンからは目の敵?されている気の毒?なマンヴィス氏ではあるが、氏は冨田勲の "Snowflakes are Dancing" を大ヒットさせた立役者でもあるのだ。

冨田勲(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Isao_Tomita

Snowflakes are Dancing(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Snowflakes_are_Dancing

この辺りの事情は、冨田氏の著書「音の雲」(NHK出版)に詳しい。冨田ファン必見の書である。

これによると、日本のレコード会社には全く見向きもされなかったこの"Snowflakes are Dancing"のアルバムを聴いたマンヴィス氏、にっこりと笑って冨田氏に手を差し出し、「さあ、トミタ、ビールを飲みに行こう」と言ったそうな。

ビールを飲みながら「これは非常にセールスポイントの高いアルバムだ。『スイッチト・オン・バッハ』以上に世界で売ってみせる」と息まいたそうな。

日本のレコード会社に「置き場所がない」と言われたのに対してマンヴィス氏は

「『スイッチト・オン・バッハ』は、まずクラシックのソリストの棚、次にポピュラーの棚、電子音楽の棚、次に効果音の入った棚に置かれている。このアルバムもそのようにして置くつもりだ。置き場所が多ければそれだけ客の目に触れる」

・・・と、日本側のネガティヴ・シンキングとは正反対のポジティヴ・シンキングで売りまくる姿勢だったと・・・

ご存じの通り、アメリカで爆発的に売れ始めてから、日本のレコード会社が扱わせて欲しい・・・と相次いで言ってきたそうだが、結局米RCAとつきあいがあったビクターRCA事業部(後にRVC→BMGビクター→BMGファンハウス→BMGジャパン→SMEと合併して、Sony BMG Music Entertainment )から販売ということになった。

冨田氏によれば、マンヴィス氏は「・・・きっぷがいいというか、神田の江戸っ子ふうというか、親分肌というか『おれに任せとけ』といった、気に入ったらとことんやるというか、アメリカ人としてはめずらしいタイプであった。・・・」という。

このアルバムのリリースには、RCA Red Seal の名プロデューサー、ジョン=ファイファー氏も一枚かんでいる。氏は電子音楽のLPも出しているくらいなので、このアルバム将来性をすぐに感じ取ったのだろう。

John Pfeiffer(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/John_Pfeiffer

しかし、マンヴィス氏も1974年のRCAの政変?でRCAを辞してしまう。同じRCAのプロデューサーであった Max Wilcox氏も この政変でRCAを辞しフリーのプロデューサーとして活躍することになる。んで、我らがマエスト・ジーンとフィラデルフィア管弦楽団の録音は後任の Jay David Saks が担当することになることもご存じの通りである。

1986年にRCAはGEに身売りし、レコード部門をBMGに売却・・・んでもって、現在は Sony BMG Music Entertainment となっているわけだが・・・

RCAに関することをwikipediaから拾うと・・・

Radio Corporation of America
http://en.wikipedia.org/wiki/Radio_Corporation_of_America
http://ja.wikipedia.org/wiki/RCA

RCA Records
http://en.wikipedia.org/wiki/RCA_Records
http://ja.wikipedia.org/wiki/RCA%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89

RCAが消滅する原因となったビデオディスク
Capacitance Electronic Disc (CED)
http://en.wikipedia.org/wiki/Capacitance_Electronic_Disc

ついでにビクターのVHDも
http://ja.wikipedia.org/wiki/VHD

ついでにビデオディスクについて
http://en.wikipedia.org/wiki/Videodisc

RCAというと、David Sernoff 、Artur Toscanini、その他当時アメリカを象徴していた人物がぞろぞろ出てくる。

David Sarnoff
http://en.wikipedia.org/wiki/David_Sarnoff

RMS Titanic
http://en.wikipedia.org/wiki/RMS_Titanic

Artur Toscanini
http://en.wikipedia.org/wiki/Arturo_Toscanini

テレビ局のNBCも元々はRCAの子会社だったわけだし・・・

National Broadcasting Company (NBC)
http://en.wikipedia.org/wiki/NBC

RCAの社史がアメリカの歴史の大きな一部であった時代があったわけだ。今では、レコード・ラベルの商標や、真空管アンプのデッドストックとして見かけるくらいかな・・・

そういえば、コンピューター関係も、事務処理用や自動車制御用の組み込みコンピューターとか手を出していたような・・・20年以上前に、RCAロゴのついたキーボードの写真を見た記憶があるのだが・・・

ま、脱線はここまでにしときましょうか・・・

マエストロは決して乗り気でなかったにせよ、依頼仕事はきっちりこなすというプロフェッショナルに徹した見事なできばえのアルバムだと思いますよ。演奏はね。

Super Stereo for the 70's, Dynaflex の文字が40年近い歳月を感じさせますが・・・

このLPは2枚手元にある。1枚は未開封品だが、とってもペラペラでソリが酷い上に恐らくカッティング上のミスであろう。右チャンネルの音が小さく、バランスが左に傾いている。もう一枚は中古だが、盤はしっかりしており、音のバランスも修正されている。これなら聴ける。

日本でも数年前にCD化されました。米盤のどぎついCDデザインでないのが救いですが、まだあるかなあ・・・

BMGファンハウス BVCC-37324
「イエスタデイ~オーケストラが奏でる愛のテーマ」(CD)
米LPオリジナルジャケット仕様

んでは。

Rubinstein & Ormandy plays Rachmaninoff - RCA's Quadradisc2009年08月08日 09時50分

RCA Red Seal Quadradisc ARD1-0031
米RCA Red Seal Quadradisc ARD1-0031(C)1973
Rachmaninoff : Piano Concerto No.2
Artur Rubinstein & Eugene Ormandy
The Philadelphia Orchestra

昨日のブログで、「・・・残念ながらこのコンビ(ルービンシュタイン&オーマンディ)のラフ2のLPは持ってない・・・」と書いたが、今日棚を見たら・・・あった・・・4chLP盤(Quadradisc)の未開封盤であった。シュリンクも破ってなかった・・・ヤレヤレ

Rubinstein & Ormandy plays Rachmaninoff
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/08/07/4485435

経年劣化で所々変形しているが、再生に支障なく、なかなかいい音で聴けた。

4chのLPは、ディスクリート方式のCD-4(このQuadradiscと同じ)とマトリクス方式のSQ、QS の3種類くらいがあったと思う。CD-4は日本ビクターが開発したので、当時提携していたRCAやパナソニック等が採用していた。

SQはCBSとソニーが開発したので、当時のCBS/SONYのLPはこのSQエンコードしたLPが結構ある。

QSは山水電気か・・・SQとQSは似たようなマトリクス方式で混乱しそうだ・・・

4チャンネルステレオ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/4%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%AA

Quadraphonic sound(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Quadraphonic_sound

4チャンネル再生するには専用のデコーダーが必要だが、もう作ってないし、当時の製品もちゃんと動くかどうか・・・

まあ、普通の2chステレオで通常のステレオ再生が可能だからどうでもいいんだけどね。

さて、オーマンディ・フィラデルフィアのRCAステレオ録音は結構クアドラディスクで出ているみたいだけど、本当に4ch収録されているかどうかは疑わしい。

少ないクアドラディスクのソフトを増やすために無理矢理4chにしたのでは?と思えるのだがどうだろう。もし本当に4ch収録しているのなら、SACDのマルチチャンネルで聴いてみたいものだが・・・