Ormandy & The philadephia orchestra, Columbia Masterworks音源3アルバムCD化2013年03月17日 10時35分

久々の Ormandy & Philadelphia CD化情報です。

Sony Classical Originals より、初CD化の音源を含むCDアルバム3枚が4月9日に発売されるそうです。以下、Sony Music Shop より(ブログ管理人により一部追記修正)

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SONY CLASSICAL/8876545300-2タワレコHMV
The Strings Of The Philadelphia Orchestra Play Eine Kleine Nachtmusik
モーツァルト:セレナード第13番ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番からアリア
コレッリ:合奏協奏曲Op.6-8「クリスマス協奏曲」
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲Op.20~スケルツォ
1959年ステレオ
初出Lp 米Columbia Masterworks MS6081
Columbia Masterworks MS6081 jacket.jpg

SONY CLASSICAL/8876545431-2タワレコHMV
ストラヴィンスキー 3大バレエ曲
「春の祭典」1955年モノラル,「ペトルーシュカ」組曲 1964年ステレオ,「火の鳥」(1919年版)1967年ステレオ※
※「火の鳥」は初CD化。
「春の祭典」初出Lp 米Columbia Masterworks ML5030
Columbia Masterworks ML5030 Jacket

「ペトルーシュカ」初出Lp 米Columbia Masterworks MS6746
米Columbia MS6746 LP Jacket

「火の鳥」初出Lp 米Columbia Masterworks M31632
Columbia Masterworks - The Fabulous Philadelphia Sound Series M31632 Jacket


SONY CLASSICAL/8876545424-2タワレコHMV
ベートーヴェン(ピアノ:ルドルフ・ゼルキン)
ピアノ協奏曲第1番(1954年モノラル)
ピアノ協奏曲第3番(1953年モノラル)
※初CD化アルバム
初出Lp(1番) 米Columbia Masterworks ML4914
初出Lp(3番) 米Columbia Masterworks ML4738

ベルリン・b-sharpスタジオでマスタリング。最新DSDマスタリングとSBM(スーパー・ビット・マッピング)を併用、
通常CD再生に最適になるような音質信号処理を行うことにより、名盤が新鮮なサウンドで蘇ります。

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Columbia Masterworksの「火の鳥」は1985年発売の「オーマンディ名曲ベスト30」LP(15AC1714)にてディジタル・リマスタリング音源(16bit,44.1kHz)を使用してプレスされていましたが、結局現在に至るまでCD化されませんでした・・・

1985年(16bit,44.1kHz)と今回2013年(DSDとSBM)のリマスタリングとどちらが良いのか興味深いところです。前回と比較して、マスター・テープの劣化(28年経過)が気になりますが・・・

以上、取り急ぎ・・・

Ormandy & Philadelphia - Stravinsky's Suite from The Firebird2013年03月17日 16時20分

Columbia Masterworksストラヴィンスキー「火の鳥」(1919年版)1967年ステレオ録音がCD化される知らせを聞くのとほぼ同じくしてこのLpを入手しました・・・何たる偶然・・・

CBSソニー 「オーマンディ名曲ベスト30」 15AC1714 「火の鳥」「ペトルーシュカ」 ジャケット
CBSソニー 「オーマンディ名曲ベスト30」 15AC1714 「火の鳥」「ペトルーシュカ」 ラベル
このシリーズはGray Label (CBS・ソニー 盤ですが)が使われている。

何故この盤を探していたかというと・・・「ペトルーシュカ」(ステレオ録音)は CD(Sony Classical Essential Classics SBK 47664、カップリングされている「火の鳥」はセル指揮クリーヴランド管弦楽団のもの)で聴けるのだが、この「火の鳥」は1985年にオリジナル・マスター(恐らく4track Ampex Recorder)からディジタル・リマスタリングのLp(つまりこの盤)が発売されているにもかかわらず、今までCD化されていない為、Lpで聴くより方法が無かった。

このシリーズ、ジャケットには音源についての記載は無いのだが、付属の帯に

「豊麗なフィラデルフィア・サウンドの黄金時代を築いたユージン・オーマンディの名演・名録音・ベスト30。オリジナル・アナログ・テープ→ディジタル・マスタリングした新カッティングにより一層鮮明なサウンドが聴かれる。

との記載があり、そのリカットの音に期待したのだ。ディジタル・マスタリング以前のLpで入手が容易な盤として下記の国内盤がある。

CBSソニー 「オーマンディ 音の饗宴1300」「火の鳥」「ペトルーシュカ」SOCT-25ジャケット
CBSソニー 「オーマンディ 音の饗宴1300」「火の鳥」「ペトルーシュカ」SOCT-25ラベル
このシリーズはお馴染み簡素なデザインのCBS・ソニーラベルである。

あとは、米Columbia Masterworksの初出盤くらいだろうか・・・
Columbia Masterworks - The Fabulous Philadelphia Sound Series M31632 Jacket
Columbia Masterworks
The Fabulous Philadelphia Sound Series M31632
((C)(P)1972, StereoLP Gray Label
録音は1967年だが発売は1972年・・・つまり、オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団がRCA Red Sealに移籍してから発売されたLp。

Columbia Masterworks - The Fabulous Philadelphia Sound Series M31632 Gray Label
本家?のGray Label である。"eye" Logoは六つあるがこれを6eyes Label (六目)とは呼ばない。

CBSソニー 「オーマンディ名曲ベスト30」 15AC1714 「火の鳥」「ペトルーシュカ」 ラベル
比較にもう一度国内盤(CBS・ソニー盤)ラベルを。 こちらは一つ目?。Columbia(CBS,CBS・ソニー)のラベルについて興味のある方はコチラをどうぞ。

さて、「火の鳥」について、3枚のLp盤面を一見して解るのは、米Columbia Masterworks盤とCBS/SONY 「オーマンディ 音の饗宴1300」 盤が最後のクライマックスをラベル面近くかなり内周部で切り込んでいるのに対して、このCBS/SONY 「オーマンディ名曲ベスト30」盤はラベルからかなり離れた所で切っている、つまりクライマックスを可能な限り内周歪みの少ない音で聴かせようと配慮しているのだ。確かに、米盤と音の饗宴1300盤よりもクライマックスの音(特にブラス)は荒れずにクリアに聴こえる。「火の鳥」は静かなところが多いので、全体のレベルを落とさずに溝を詰めることで実現出来たのだろう。「ペトルーシュカ」はその点3枚ともそう大きな相違は無かった。

併録されている「ペトルーシュカ」は通常演奏される1919年版(2管編成)ではなく、1911年初版(4管編成)をベースにした抜粋版だが、この「火の鳥」は使用しているスコア(版)について特に記載が無い。構成は1919年組曲版だが4管編成で演奏していると思われるので、

(1)1919年組曲版をベースに4管編成に拡大した
(2)1910年全曲版(4管編成)か1911年組曲版(4管編成)のスコアから抜粋して1919年組曲版構成とした
(3)(1)と(2)を適宜組み合わせて構成した

これは各版のスコアをにらめっこしながら聴かないと解らないが、「魔王カスチェイの凶悪な踊り」ではトロンボーンのグリッサンド(1919年組曲版で追加)が聴かれるから、ベースは1919年版ではないかなと思うけど、トロンボーンのグリッサンドだけ追加するという手もあるからコレだけでは確定は出来ない・・・終曲ではホルンのグリッサンド追加とかの独自の変更も加えているし・・・

「火の鳥」は前半部分の静かな部分に精緻なスコアリングが為されているので、本当は全曲版で聴きたいのだが、オーマンディは全曲版を録音しなかった。まあ、1960年代後半で「火の鳥」全曲がそう売れるとは思えないので仕方が無いのだが・・・

「火の鳥」はRCA Red Sealの1973年録音がありこちらも良いのだが、この1967年Columbia Masterworks盤も素晴らしいので、今回のCD化はファンにとって朗報と言えるだろう。

ディジタル・リマスタリングのLp(CBS/SONY 「オーマンディ名曲ベスト30」)は1985年にオリジナル・マスターから16bit,44.1kHzでサンプリング・リミックスされたものだが、発売予定のCDはベルリン・b-sharpスタジオDSDマスタリングとSBMでCD化するとのこと。前回と比較して、マスター・テープの劣化(1985年より28年経過)が気になりますが・・・出来れば、このLpの16bit,44.1kHzの音源もCDで聴いてみたいモノである。

では。