Ormandy & Philadelphia - Stravinsky's Suite from The Firebird2013年03月17日 16時20分

Columbia Masterworksストラヴィンスキー「火の鳥」(1919年版)1967年ステレオ録音がCD化される知らせを聞くのとほぼ同じくしてこのLpを入手しました・・・何たる偶然・・・

CBSソニー 「オーマンディ名曲ベスト30」 15AC1714 「火の鳥」「ペトルーシュカ」 ジャケット
CBSソニー 「オーマンディ名曲ベスト30」 15AC1714 「火の鳥」「ペトルーシュカ」 ラベル
このシリーズはGray Label (CBS・ソニー 盤ですが)が使われている。

何故この盤を探していたかというと・・・「ペトルーシュカ」(ステレオ録音)は CD(Sony Classical Essential Classics SBK 47664、カップリングされている「火の鳥」はセル指揮クリーヴランド管弦楽団のもの)で聴けるのだが、この「火の鳥」は1985年にオリジナル・マスター(恐らく4track Ampex Recorder)からディジタル・リマスタリングのLp(つまりこの盤)が発売されているにもかかわらず、今までCD化されていない為、Lpで聴くより方法が無かった。

このシリーズ、ジャケットには音源についての記載は無いのだが、付属の帯に

「豊麗なフィラデルフィア・サウンドの黄金時代を築いたユージン・オーマンディの名演・名録音・ベスト30。オリジナル・アナログ・テープ→ディジタル・マスタリングした新カッティングにより一層鮮明なサウンドが聴かれる。

との記載があり、そのリカットの音に期待したのだ。ディジタル・マスタリング以前のLpで入手が容易な盤として下記の国内盤がある。

CBSソニー 「オーマンディ 音の饗宴1300」「火の鳥」「ペトルーシュカ」SOCT-25ジャケット
CBSソニー 「オーマンディ 音の饗宴1300」「火の鳥」「ペトルーシュカ」SOCT-25ラベル
このシリーズはお馴染み簡素なデザインのCBS・ソニーラベルである。

あとは、米Columbia Masterworksの初出盤くらいだろうか・・・
Columbia Masterworks - The Fabulous Philadelphia Sound Series M31632 Jacket
Columbia Masterworks
The Fabulous Philadelphia Sound Series M31632
((C)(P)1972, StereoLP Gray Label
録音は1967年だが発売は1972年・・・つまり、オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団がRCA Red Sealに移籍してから発売されたLp。

Columbia Masterworks - The Fabulous Philadelphia Sound Series M31632 Gray Label
本家?のGray Label である。"eye" Logoは六つあるがこれを6eyes Label (六目)とは呼ばない。

CBSソニー 「オーマンディ名曲ベスト30」 15AC1714 「火の鳥」「ペトルーシュカ」 ラベル
比較にもう一度国内盤(CBS・ソニー盤)ラベルを。 こちらは一つ目?。Columbia(CBS,CBS・ソニー)のラベルについて興味のある方はコチラをどうぞ。

さて、「火の鳥」について、3枚のLp盤面を一見して解るのは、米Columbia Masterworks盤とCBS/SONY 「オーマンディ 音の饗宴1300」 盤が最後のクライマックスをラベル面近くかなり内周部で切り込んでいるのに対して、このCBS/SONY 「オーマンディ名曲ベスト30」盤はラベルからかなり離れた所で切っている、つまりクライマックスを可能な限り内周歪みの少ない音で聴かせようと配慮しているのだ。確かに、米盤と音の饗宴1300盤よりもクライマックスの音(特にブラス)は荒れずにクリアに聴こえる。「火の鳥」は静かなところが多いので、全体のレベルを落とさずに溝を詰めることで実現出来たのだろう。「ペトルーシュカ」はその点3枚ともそう大きな相違は無かった。

併録されている「ペトルーシュカ」は通常演奏される1919年版(2管編成)ではなく、1911年初版(4管編成)をベースにした抜粋版だが、この「火の鳥」は使用しているスコア(版)について特に記載が無い。構成は1919年組曲版だが4管編成で演奏していると思われるので、

(1)1919年組曲版をベースに4管編成に拡大した
(2)1910年全曲版(4管編成)か1911年組曲版(4管編成)のスコアから抜粋して1919年組曲版構成とした
(3)(1)と(2)を適宜組み合わせて構成した

これは各版のスコアをにらめっこしながら聴かないと解らないが、「魔王カスチェイの凶悪な踊り」ではトロンボーンのグリッサンド(1919年組曲版で追加)が聴かれるから、ベースは1919年版ではないかなと思うけど、トロンボーンのグリッサンドだけ追加するという手もあるからコレだけでは確定は出来ない・・・終曲ではホルンのグリッサンド追加とかの独自の変更も加えているし・・・

「火の鳥」は前半部分の静かな部分に精緻なスコアリングが為されているので、本当は全曲版で聴きたいのだが、オーマンディは全曲版を録音しなかった。まあ、1960年代後半で「火の鳥」全曲がそう売れるとは思えないので仕方が無いのだが・・・

「火の鳥」はRCA Red Sealの1973年録音がありこちらも良いのだが、この1967年Columbia Masterworks盤も素晴らしいので、今回のCD化はファンにとって朗報と言えるだろう。

ディジタル・リマスタリングのLp(CBS/SONY 「オーマンディ名曲ベスト30」)は1985年にオリジナル・マスターから16bit,44.1kHzでサンプリング・リミックスされたものだが、発売予定のCDはベルリン・b-sharpスタジオDSDマスタリングとSBMでCD化するとのこと。前回と比較して、マスター・テープの劣化(1985年より28年経過)が気になりますが・・・出来れば、このLpの16bit,44.1kHzの音源もCDで聴いてみたいモノである。

では。

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