2015年11月1日 新城ラリー2015 2日目 ぶらぶら観戦記 ― 2015年11月03日 06時20分
ま、こんなところで・・・
2015年11月3日 Ellen Oléria @BAR MARCELO ― 2015年11月04日 07時30分
Latina11月号の特集で知ってはいたのですが、お店のライブ案内と昨日のブログを見たら、既に満員御礼だと・・・あちゃ~と思いつつ、まあ、立ち見で見れりゃラッキーだし、駄目なら1階のサンルイスで晩飯食おう・・・なんて・・・
途中で ビッグイシュー日本版 最新号(274号)をを買ってBAR MARCELOへ・・・
案の定、満員御礼で席は無いけど、立見なら何とか・・・ということで、開演まで1階のサンルイスで晩飯・・・久し振りにフェジョン(豆と肉煮込み)を食べたかったから、ちょうど良かった・・・
そういえば、BAR MARCELO は 5月16日の 名古屋駅ウラ音楽祭(NAGOYA AGAINST RACISM、ツイッター #名古屋駅ウラ音楽祭)以来ご無沙汰でしたなあ・・・
NAGOYA AGAINST RACISM at Club Marcelo
NAGOYA AGAINST RACISM at Club Marcelo のヒトコマ
あの時も満員御礼で、皆立見で踊ってましたがね・・・
・・・んで、飯の後、2階のBAR MARCELOへ・・・丁度、立見位置がステージ正面で実にGolden Lucky(我ながら古い・・・)
休憩を挟んだ2ステージの予定だったが、事情により休憩無しで演るとのこと。ツアーの疲れが出たのかな・・・ま、しゃーないね。
「私の声には力がある」の言葉に偽り無し。なんともパワフルな歌とパフォーマンスに圧倒されっぱなしで、後ろの立見だったから始終踊りながら、彼女の歌声に聴き惚れておりましたです・・・ハイ。
カウンター立見エリア?は彼女の同郷の集まり?か、実に賑やかで始終踊ってました・・・日本人はまだまだlatin度が足らんなあ・・と痛感しましたデス・・・ハイ・・・
次回の来日(いつか知らんけど)も、是非聴きたいものですな
・・・んでは。
Eugene Ormandy Conducts Sibelius ― 2015年11月05日 21時00分
Eugene Ormandy Conducts Sibelius(HMV,タワレコ)
今年は、シベリウス生誕150年&オーマンディ没後30年という
ダブル・アニヴァーサリーなんですね。
交響曲第1番・第2番・第5番・第7番は2種、ヴァイオリン協奏曲はスターン、ジョンソンの2種(オイストラフは見送り)
「フィンランディア」はコロンビア録音2種(モルモン・タバナクル合唱団との合唱付き版と通常のオーケストラ版)、RCA録音は1つ(合唱付き版予定で、通常オーケストラ版は見送り)
このシリーズは新たにリマスタリングをしてますので、音質がどうなるか興味深いところです。
RCA Red Seal録音のシベリウス2番はビクターのXRCDで劇的な音質向上がありましたが、今回はその音源は採用されず、新たにマスタリングしなおした音源のようです。以前に較べてフォルテの飽和は幾分改善されたようですが、ビクターのXRCDには及ばないようです・・・
ご参考まで・・・
昨年の タワー・レコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第8期Ⅱ について・・・ ― 2015年11月07日 09時50分
今年のタワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第9期 第II回も好企画でしたが、昨年度のも、シューベルト「グレイト」・R.シュトラウス管弦楽曲集(ホルン協奏曲含む)という大物の初CD化及び久々再発売がありました。
さらに興味深いのは、Columbia Masterworks にてオーマンディ&フィラデルフィアのレコードの大半をプロデュースしたThomas Frost氏 による解説が付されるということ。
トーマス・フロスト
「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」
その1~その4迄(4枚に分割されて掲載)
ワタシは、BMGファンハウス(BMGジャパン)による「オーマンディ&フィラデルフィアの芸術」シリーズのような「最近」のインタビュー(RCA Red Sealのプロデューサー、C.O'connell氏, M.Willcox氏, J.D.Sax氏 等のような・・・)を期待していたのですが、蓋を開けてみたら、1969年にリリースされたLp「Thet Philadelphia Sound」(Columbia Masterworks M2X786)の解説でした。
そういう意味では期待外れでしたが、これはこれで貴重な読み物であり、当時、オーマンディ&フィラデルフィアの録音がどのようなプロセスを経て生み出されていたかを確認できる、実に奥深い内容でした。
当時のLp解説、CD化の際に採録されることはあまり無いのですが、今読み返すと貴重な資料やら、当時の風潮やらが読み取れて、実に面白いのです。
ご参考
bach cantatas website:Thomas Frost (Arranger)
youtube:Thomas Frost & David Dubal, 12/18/81
そういえば、クラリネット奏者でもあり、Columbia Masterworks でオーマンディ&フィラデルフィアの録音も担当していた David Oppenheim氏は2007年に逝去され、同じく数多くの録音を行ったJohn McClure氏も昨年6月に逝去されたようで・・・
ご参考
John McClure Dies at 84; Produced Classic Records
By WILLIAM YARDLEYJUNE 24, 2014
Interview with John McClure on making records, Bruno Walter, Stravinsky, Bernstein, and others....
From: Rich S. <schiebel*nospam@xxxxxxxxxxxxx>
Date: Fri, 16 Nov 2007
※インタビューの中に、オーマンディに関する記述もちょっとあります。
改めて、オーマンディ時代を担ったプロデューサーであるThomas Frost氏のインタビューも期待したいですなあ・・・
以下、発売された盤の簡単な確認・・・
◎SONY CLASSICAL/SICC-1736(タワレコ)
シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」(1966年)&第4番「悲劇的」(1962年)
※「ザ・グレイト」は初CD化
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その1掲載
◎SONY CLASSICAL/SICC-1737(2CDs)(タワレコ)
ベルリオーズ:幻想交響曲(1960年)&イタリアのハロルド(1965年)、イベール:寄港地他
※幻想交響曲はソニー初期CDと同じ「ローカット無し」を期待したが、残念ながら「低音カット」のエッセンシャル盤と同じリマスタリング音源のようで・・・残念ながら、まだまだ、ローカット無しの1985年のCD(52DC363/4 幻想交響曲、サンサーンス オルガン、死の舞踏)は手放せないなあ・・・
◎SONY CLASSICAL/SICC-1739(タワレコ)
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」(1966年LSO)&メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」(1963年)
※「新世界より」はマエストロ・ジーンには珍しくLSOを起用した録音。その理由についてはブックレットに詳述されているのでご覧下さいな・・・
◎SONY CLASSICAL/SICC-1740(タワレコ)
フランク:交響曲&交響的変奏曲(1961年)、ダンディ:フランス山人の歌による交響曲(1958年)
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その2掲載
※ダンディは Mason Jones(IHSの紹介文、Philly.com追悼記事) の切れの良いホルン・ソロが聴きモノ。
◎SONY CLASSICAL/SICC-1741(タワレコ)
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」(1962年)&動物の謝肉祭他(1966年)
※「オルガン付き」はソニー初期CD((52DC363/4 幻想交響曲、サンサーンス オルガン、死の舞踏)よりエッセンシャル盤の音が良かったです。初期CDはテープのサーフェイスノイズカットでエッセンシャル盤よりも音に精細を欠いていました。今回の音源はエッセンシャル盤と同一のようで一安心。
◎SONY CLASSICAL/SICC-1742(タワレコ)
ビゼー:カルメン(1958年)&アルルの女(1963年)、ポンキエルリ:時の踊り(1964年)
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その3掲載
※カルメンは William Kincaid のフルート・ソロが聴きモノですな・・・
◎SONY CLASSICAL/SICC-1743(2CDs)(タワレコ)
R.シュトラウス:ツァラトストラはかく語りき、ドン・キホーテ&ドン・ファン他(「死と浄化」含む)
※「ドン・ファン」「ティル」「死と浄化」は1990年にCD化されて以来、久しぶりのCD再発売。
◎SONY CLASSICAL/SICC-1745(2CDs)(タワレコ)
R.シュトラウス:英雄の生涯、町人貴族&ばらの騎士組曲、ブルレスケ、ホルン協奏曲第1番
※「ホルン協奏曲第1番」は1980年代後半にCD化されて以来、久しぶりのCD再発売。Mason Jones(IHSの紹介文、Philly.com追悼記事) のソロ。リヒャルトの2番の録音が無いのが悔やまれますなあ・・・ホント。
◎SONY CLASSICAL/SICC-1747(タワレコ)
はげ山の一夜~ロシア管弦楽曲名演集
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その4掲載
※R=コルサコフ「クリスマス・イヴ」組曲の「ポロネーズ」なんて、うっとり聴き惚れてしまう名演ですなあ・・・かつて、こんなアンサンブルが存在したんですなあ・・・
◎SONY CLASSICAL/SICC-1748(タワレコ)
オルフ:カルミナ・ブラーナ&カトゥーリ・カルミナ
※「カルミナ・ブラーナ」と「カトゥーリ・カルミナ」が纏めてCD化されたのは今回が初めて。「カトゥーリ・カルミナ」は「カルミナ・ブラーナ」程知名度が無いから出しづらいので、これは絶妙なカップリングですな。
んでは。
2015年11月7日~8日 円頓寺商店街 秋のパリ祭2015(7日、1日目) ― 2015年11月08日 07時00分
さて、今日は生憎の雨ですが、リニューアルされたアーケードにて、雨の中を円頓寺商店街 秋のパリ祭2015を楽しむのもオツなもの・・・お隣のクラフトマルシェ in 円頓寺本町 にて愉しむもよし、四間道秋祭り に足を運ぶもよし・・・
毎年賑やかさが増しつつある円頓寺商店街 秋のパリ祭2015、円頓寺商店街のお店も新しいお店が増えつつあり、出店出店数もこれまで以上な感じです・・・んでは。
ブログ更新 2015年11月7日~8日 円頓寺秋のパリ祭2015(8日、2日目) ― 2015年11月09日 05時50分
何故かバットマン登場・・・実は、オスカル様もご来訪?されていたのですが、うっかり写真を撮らず・・・ちなみにアンドレ様は出張?中とのことで今回は登場されず・・・
実は、毎年、円頓寺商店街 秋のパリ祭に来ているのに、毎回登場しているオスカル様を今年初めて知ったと言う体たらく・・・毎回、新しい発見?がありますなあ・・・
昨日は生憎の雨で、17時過ぎには結構雨も激しくなってきて、アーケード外の出店は大変そうでしたが、健気にも販売を継続しておりました。来年は晴れて欲しいものですなあ・・・
あ、そういえば、四間道秋祭り は行かず仕舞いであった・・・ご~ん・・・・
毎年賑やかさが増しつつある円頓寺商店街 秋のパリ祭2015、円頓寺商店街のお店も新しいお店が増えつつあり、出店出店数もこれまで以上な感じでした・・・
円頓寺界隈の情報は、「あるく下町情報誌「ポゥ」の縁側日記」 と円頓寺・四間道界隈 情報誌ポゥ …でチェックですな・・・まだまだ、年末に向けて色々催しがあるようです・・・んでは。
備忘録・・・1960年代、ストコフスキのフィラデルフィア管弦楽団 復帰演奏会ライブ録音 ― 2015年11月11日 06時40分
最初にこのPristine Classicalの音源を知ったのは、レコード芸術2013年6月号 特集「黄金のアメリカン・サウンド」の記事からです。相場ひろ氏による「レオポルド・ストコフスキー -黄金時代の音楽シーンに重要な足跡を残す」で紹介されていたものです。これを知ったときは驚きました。この記事では、Pristine Classicalの「ストコフスキのフィラデルフィア管弦団復帰演奏会」ライブアルバムが 2枚紹介(ブログ記事:その1、その2)されていましたが、その後また1枚増え計3枚のアルバムがリリースされ、現在Pristine Classicalからダウンロード購入出来ます。
※ご参考:Pristine Classical からリリースされている オーマンディ ・ ストコフスキー ・ フィラデルフィア管弦楽団 アルバム(リンクをクリックして下さいな)
また、同時に相場ひろ氏から、同じく復帰演奏会ライブがGuild(ストコフキのアルバム一覧)からCDリリースされていることも教えて頂きました。こちらも現在、計4枚がリリースされています。音源何れもEnno Riekena(The Leopold Stokowski Site)氏によるもの。
かつて、「フィラデルフィア管弦楽団という天下の銘器は、ストコフスキーによってつくられ、オーマンディによってかき鳴らされる」と言われたらしいが、こ のアルバムでは「ストコフスキーからオーマンディにバトンタッチされ維持されてきたフィラデルフィア管弦楽団をストコフスキーがかき鳴らす」のを鮮明なステレオ録音で楽しむ事の出来る、歴史的且つ面白いアルバムと言えるでしょう。実に興味深い音源です。
<Pristine Classical>
STOKOWSKI in Philadelphia, 16 March 1962 - PASC372(ブログ)
SIBELIUS Symphony No. 4 in A minor, Op. 63
DEBUSSY (arr. Stokowski) La Soirée dans Grenade
MUSSORGSKY (arr. Stokowski) Pictures at an Exhibition
Stokowski's Return to Philadelphia, 1960 - Pristine Classical PASC264 よりも更に音のふくよかさ、特に低音が増しているし、エコーも多めだ。マイク・セッティングが異なるのか、エコー用のマイクを増設したのか、或いは収録後にエコーを付加したのか・・・
それはさておき、ストコフスキーが所有していた「放送録音を編集したコピーテープ」が音源とのことで、これまた実に鮮明なステレオ録音であり、多少のエコー付加があるとはいえ、Academy of Musicのデッドな音響の特徴が良く出ている。
ストコフスキー編曲「展覧会の絵」を、ストコフスキーがAcademy of Musicでフィラデルフィア管弦楽団を指揮した明瞭なステレオ録音・・・これが貴重な歴史的な遺産でなくて何であろうか・・・全く、こんな超弩級の録音が出てくるとは夢のような話である。もっともっと、こういう埋もれている財宝を掘り起こしてもらわねば・・・
STOKOWSKI in Philadelphia, 17 December 1962 - PASC379(ブログ)
BEETHOVEN Symphony No. 5 in C minor, Op. 67
RAVEL (arr. Ravel) Alborada del Gracioso (from Miroirs)
STRAVINSKY Petrushka Suite
<ENCORES>
CLARKE (arr. Stokowski) Trumpet Prelude (Prince of Denmark's March) [notes/score]
GOULD Guaracha
RACHMANINOV (arr. Stokowski) Prelude in C sharp minor
HAYDN Symphony No. 45 in F sharp minor, "Farewell": Finale from 4th mvt
<BONUS TRACK>
REVUELTAS Sensemaya
Stokowski's Return to Philadelphia, 1960 - Pristine Classical PASC264 はデッドなAcademy of Musicの雰囲気そのまま・・・という感じだが、前回のSTOKOWSKI in Philadelphia, 1962年3月16日 - Pristine Classicalと このアルバムは低音をブーストしてエコーも付加している感じだ。エコー用のマイクを増設したのか、或いは収録後にエコーを付加したのか・・・後者のような気がするが、嫌味は無い。テープの経年劣化と思われる音の崩れも多少あるが、明瞭なステレオ録音であり、リマスタリングに際して、「ノイズ除去のやりすぎ」で生気の無い音にしてしまう愚を犯していないのは有難い。
それにしても、なんと愉快なコンサートだろうか・・・まったく、こんなコンサートを聴けたフィラデルフィアンが羨ましい・・・
Stokowski's Return to Philadelphia, 1960 - PASC264(ブログ)
DE FALLA El Amor Brujo
Shirley Verrett-Carter, mezzo-soprano
RESPIGHI The Pines of Rome
SHOSTAKOVICH Symphony No. 5 in C minor, Op. 47
1941年以来絶縁状態であったストコフスキーがフィラデルフィア管弦楽団に客演指揮者として復帰したのが1960年、正に歴史的な復帰(Historical Return)演奏会ライブの1枚がこのアルバム。
Wikipediaによると、1969年まで何回かフィラデルフィア管弦楽団を指揮したそうな・・・恐らく、その貴重な演奏は全てテープに録音されているハズ・・・WRTI か フィラデルフィア管弦楽団 の倉庫からの蔵出しを期待したい・・・
このアルバムは、ストコフスキー所有「放送録音テープのコピーテープ」とのことで、実に鮮明なステレオ録音であり、Academy of Musicのデッドな音響の特徴が良く出ている。
コンサート後のストコフスキーのスピーチは会場の鮮明なステレオ録音と共に楽しめるおまけ付きである。50年以上前の歴史的な演奏会がこんな鮮明な音で聴けるとは驚きである。
リマスタリングも実に旨くいっており、多少テープヒスを残しつつ、過度なノイズ除去を控えて、鮮明な音を蘇らせている。多少音が荒れっぽいが、これは年代 を考えれば仕方が無いと思うし、実に生々しい音が楽しめる。一部、テープ損傷と思われる音の崩れ(レスピーギの3曲目)が数秒あるが、鑑賞に支障は無い。
放送局の解説より、フィラデルフィア管弦楽団の定期演奏会ライブであることは解るが、具体的な日時は不明。まあ、フィラデルフィア管弦楽団の演奏会記録を調べれば解るはずだが・・・
<Guild>
Leopold Stokowski - Gala Night at the Opera, 1962
Guild Histrical GHCD 2410
Comments by Leopold Stokowski
Mozart : Le Nozze di Figaro: Non più andrai (George London)
Borodin : Prince Igor: No rest, no peace (George London)
Gounod : Faust: Vous qui faites l’endormie (George London)
Puccini : Tosca: Vissi d’arte (Birgit Nilsson)
Verdi : Aida, Act III: Ciel, mio padre (George London)
Wagner : Lohengrin, Act 1: Prelude
Wagner : Götterdämmerung, Final Scene: Brunnhilde’s Immolation (Birgit Nilsson)
Leopold Stokowski/The Philadelphia Orchestra
Academy of Music, Philadelphia, 20 January 1962, Stereo Broadcast
Master source : Recordings from the collection of Enno Riekena
今年の夏にリリースされたアルバム。1962年、フィラデルフィア音楽アカデミーのガラ・コンサート ライブ録音です。ビルギッと・ニルソンとジョージ・ロンドンをソリストに迎えて、オペラの序曲や聴き所をストコフスキのアレンジ(当然、スコアにもストコフスキの手が入ってます)で楽しめるというもの。
会場でのストコフスキのコメントも収録されています。マスタリングも、今回はノイズ除去控えめでまあまあの出来。
オーマンディ時代のフィラデルフィアをストコフスキがかき鳴らす、歴史的な名演ではないでしょうか?
Stokowski - Mozart 1949-1969
Guild Historical GHCD 2405 (ブログ)
Academy of Music, Philadelphia, 12 Feburuary 1960
Master source : Recordings from the collection of Enno Riekena
モーツァルト「フィガロの結婚序曲」1曲のみであり、他は別のオーケストラの演奏。フィラデルフィアのファンにとってはちと残念?なリリースでもある。
Stokowski - Rimsky-Korsakov, Tchaikovsky 1962(ブログ)
Guild Historical GHCD 2403
Tchaikovsky: Romeo and Juliet
Leopold Stokowski/The Philadelphia Orchestra
Academy of Music, Philadelphia, 6 Feburuary 1962
Master source : Recordings from the collection of Enno Riekena
音について、Scheherazadeはノイズ除去しすぎの弊害が出ているが、鑑賞に支障が出る程では無い。ノイズ込みよりこちらの方が良いという人もいるだろう・・・感性の問題でもあり難しいところ。Romeo and Juliet は私にとっては好ましい結果だ。Scheherazadeもこういう仕上がりであって欲しかった。
肝心の演奏だが、両曲ともストコフスキが楽譜に手を加えており、所々で思わぬ音が飛び出したり、緩急自在、一瞬「え!」とビックリさせられたりしてなかなか面白い。
Stokowski - Brahms, Wagner 1960(ブログ)
Guild GHCD 2402
Wagner:Symphonic Synthesis from ‘Tristan und Isolde’ - Love Music from Acts II and III (arr. Leopold Stokowski)
Leopold Stokowski/The Philadelphia Orchestra
Academy of Music, Philadelphia, 23 Feburuary 1960
Master source : Recordings from the collection of Enno Riekena
ストコフスキの個性が明確に刻印された演奏。残念なのは、ヘッドホンで聴くと解るが、妙な周期的「シュワシュワ音」が付帯したり、弦セクションの音が妙にざらついたりしていて、音から精気が失われている所が散見?されること。りマスタリング時のノイズリダクション処理に於いて、ノイズ除去し過ぎた音源はこういった残念な結果になることが多い・・・まあ、テープの状態があまりよくなかったのだろうか・・・Pristine Classicalと比較してGuildはちとノイズ除去をやりすぎている感じがある。テープ雑音を敵視するあまり、完全に除去するのはちと考え物と思いますが如何でしょうか?
とりあえず、こんなところで・・・んでは。
1929-1933年 電気吹き込み78回転録音盤 「偶発のステレオ」 再構築の試み ― 2015年11月12日 07時00分
Pitch stabilization, stereo synchronization and additional audio restoration: Andrew Rose
ストコフスキとフィラデルフィア管弦楽団による演奏(Academy of Music, Philadelphia に於ける 1929年の収録)は、サン=サーンス「動物の謝肉祭」の一部とストラヴィンスキー「春の祭典」の一部。
クーセヴィツキーとボストン交響楽団による演奏(Symphony Hall, Boston に於ける 1930年の収録)はチャイコフスキーの「悲愴」交響曲全曲(モノラル・ステレオ混在)とラヴェル「ボレロ」(モノラル・ステレオ混在)
エルガー自作自演(オーケストラはBBC交響楽団)の「コケイン」序曲の一部(Abbey Road Studio No. 1, London に於ける 1933年の収録)
Accidental Stereo は「偶発のステレオ」「偶然のステレオ」が適当な訳でしょうか?
「実験的なステレオ」録音は1931年~32年のストコフスキ&フィラデルフィア管弦楽団のベル研究所による録音(Early Hi-Fi というLpでもリリースされています)が有名ですが、これは実験とはいえ「ステレオ」収録も目的の1つとして行われたもの。
このリリースに収録されている演奏は、”「ステレオ」収録する意図は全く無かったものの、偶然にも「ステレオ」音源として世に遺された音源”というもの。
電気を使わない「アコースティック吹き込み」録音から「電気吹き込み」に変わった1920年代前半・・・とは言え、まだまだ磁気テープは登場しておらず、78回転録音盤(ワックス・ディスク)に音を刻み込む、収録4分間はやり直しの効かないディスク録音の時代。その場でプレイ・バックが出来るわけでも無く、収録結果はテスト・プレスが出来るまで判断出来ない・・・。複数回録音して複数テイクのディスクを作るか、同時に複数のターン・テーブルを廻して複数のディスクを作るか・・・あるいはその両方の手法が採られていたことでしょう・・・
多くの録音は、マイクを1本のみ立てて(或いは、複数のマイクを立てて1つのラインにミックス・・・したのかなあ?)複数回の演奏及び複数のターンテーブルを廻して収録していたようですが、中には複数のマイク(メインとバックアップ用)とターンテーブル(メイン・マイク用とバックアップ・マイク用)を用意し、それぞれのマイクがキャッチした異なる音を異なるターンテーブルでカッティングした・・・つまり、誰も意図も意識もしなかった「ステレオ収録」が結果として行われてしまった・・・ということで、このような録音を Accidental Stereo と言っているようです。
この Accidental Stereo 、あるレコード収集家がその「可能性」に気が付いたが、この2つの音源をきちんと「ステレオ再生」するためには、「ディジタル信号処理技術」という「新技術」の登場と熟成を待たねばならなかったわけですが、ようやく最近になってそれがこのような形で出来るようになった・・・というわけですな。
The recent development of Celemony’s Capstan pitch-stabilizing program, used in conjunction with phase alignment software, finally enables these problems to be solved with a degree of accuracy hitherto unattainable.
マイクからディスクに至るまでの伝送特性の相違(位相・周波数特性等々・・・)、ピッチの不安定さ(定速回転の精度、プレス精度、中央穴のオフ・センター、遺されたディスクの経年変化による変形や反り・・・等々、所謂 Wow & flutter というヤツですな)を修正して、2つの音源の同期をきちんと取る為、「Celemony’s Capstan pitch-stabilizing program」に「phase alignment software」を組み合わせて、これまでに無い正確さで「偶然のステレオ」を「再構築」出来た・・・とのこと。
さらに、これらの技術により、これまで Accidental Stereo では?と思われていた音源(ディスク)の中で、実は単なる同一マイク(又はライン)音源であったと判明したものもあったそうな。その判定もこれらの新技術が可能にしたとのこと。
しかし、遺されたディスクの確保から、1つのステレオ音源に仕上げる労力は並大抵の事では無いでしょう。78rpm Guy である Mark Obert-Thorn 氏とスタッフの労力と成果には脱帽あるのみ・・・ですな。
確かに、周波数レンジは然程広くありませんが、擬似ステレオとは次元の違う明瞭なステレオ効果に驚きました。ステレオとモノラルが混在する「悲愴」や「ボレロ」を聴くと、その差異をハッキリ認識できます。
興味のある方は如何でしょうか・・・んでは。
"The Fabulous Philadelphians:From Ormandy to Muti" 1981年 ― 2015年11月15日 08時00分
しかし、オーケストラ音楽監督交代劇?に於いて音楽監督が円満に勇退、しかも任期中に後継候補者を見つけて、音楽監督自らが後継者として指名する・・・というのは実に稀なケースと言えるでしょう。
オーマンディは1971年のヨーロッパ・ツアーでムーティを「ディスカヴァー」し1972年にフィラデルフィア管弦楽団に初登場させ、1976年に主席客演指揮者(Guest Principal Guest Conductor)に指名、1979年に楽団から音楽監督の指名を受け、1980-81年シーズンから就任・・・という、音楽監督就任までに実に慎重な「試用期間」を置いています。
オーマンディは1960年代後半くらいから自身の後継者(フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督)を探していたと思います。候補者として、ジェイムズ・レヴァイン(メトロポリタン歌劇場の音楽監督が忙しすぎて断念)、小澤 征爾、ウォルフガンク・サヴァリッシュ・・・等々、あらゆる機会に何らかの働きかけをしていたようですね。
アメリカのオーケストラの音楽監督は重責であり、ムーティも自伝の中で「・・・この役職の仕事はまるでピラミッドの頂点を作り上げるようで、様々な決断を下さなければならないし、絶対的な責任を負う立場であり、一度マネージメントと検討したことはオーケストラの命を左右するほどのものだった。プログラム、町との関係、演奏旅行、レコード録音と何から何まで決めなければならなかった。・・・」と記しています。
音楽監督交代劇?は、楽団からの「解雇」(集客力・楽団理事会やオーケストラ楽団員との関係・・・等々)、「喧嘩別れ(音楽監督の方から三行半を突きつける)」「任期中に死去」・・・いずれも、そうなると楽団側は後任の音楽監督探しに奔走するわけですし、最近は音楽監督が空席であるオーケストラも珍しくありません。何故なら、音楽監督は重責であり、そんな重責を担いたくない・・・という指揮者の方が多数・・・なのかもしれません。
ベルリン・フィルの「終身指揮者」を自ら辞任したカラヤンの場合はこれまた特殊な事例(「終身指揮者」という契約も他に例がないでしょうが・・・)と言えるでしょうが、カラヤン時代のベルリン・フィルでは「音楽監督」的な仕事は楽団のインテンダント(「総支配人」「事務局長」)が殆どしていたようで、そういう意味でカラヤンはベルリン・フィルの「終身指揮者」ではあっても事実上「音楽監督」ではなかったとも言えるようです。まあ、ベルリン以外のポストも多数得て、様々なプロジェクトを立ち上げていたカラヤンですから、オケの「音楽監督」的な仕事は物理的に出来なかったでしょうし、本人もベルリンに「縛られる」つもりはなかったようです。詳しくは 中川右介著「カラヤン帝国興亡史」(幻冬舎新書 2008年3月)をどうぞ。同著者の「カラヤンとフルトウェングラー」(幻冬舎新書 2007年1月)も興味深いですな。
そういう意味で、「オーマンディ=フィラデルフィア」「カラヤン=ベルリン・フィル」と並び称されることもあったこのコンビですが、「フィラデルフィア管弦楽団に生涯の大部分を費やして後任の音楽監督まで探した上で円満勇退」という、正に「オーケストラ・マン」として生涯を終えたオーマンディと、「ベルリンを拠点としつつも、それに専念・縛られることを望まず、様々なプロジェクトを立ち上げ自身の夢を追いかけ、最後は自らベルリンの『終身指揮者』を喧嘩別れのような形で手放しつつ、亡くなるまで新しいプロジェクトに邁進しようとした」カラヤンとは、実に対照的と言わざるを得ませんねえ・・・
両コンビはともに多くの録音を遺しておりますが、「オーマンディ=フィラデルフィア」の場合は定期演奏会等のコンサートの後で録音(アメリカのオーケストラ録音は「レコード会社経費節減」の為、このような手法が多かったようです)するのに対して、「カラヤン=ベルリン・フィル」(ベルリン以外もでしょうが)の場合はレコーディング・セッションがコンサートの「リハーサル」を兼ねており、こちらは逆に「楽団の経費節減」(「リハーサル」経費はレコード会社が負担)をも目的としていたようです。
どちらが「録音」という成果物に対して良いのかは単純に比較も評価も出来ませんが、ジョン・カルショーが自伝(「レコードはまっすぐに」(原題:Putting the Record Straight) 山崎 浩太郎 (翻訳) 学習研究社 2005年4月)で興味深いことを語っています。当時、アーティストのレコード会社との「専属契約」が強固なもので、「理想的な」配役のオペラ録音が出来ない状況を憂い、こんな提案をしてます。
・・・複数のレコード会社が「専属契約」しているアーティストを持ち寄り、歌劇場と協力して出資(リハーサル費用等)した上でオペラを上演し、その上演終了後、そのキャストでレコーディングし、その録音はアーティストを持ち寄った各社が発売する。理想的な配役でのオペラ・レコーディングが可能であり、セッション参加のキャストは舞台の経験も録音に活かせる・・・
そういう意味では、コンサートの「リハーサル」の結果としてのレコードより、コンサート後のレコーディング・セッションによる録音の方が良さそうな感じがしますね・・・
閑話休題
オーマンディがフィラデルフィア管弦楽団音楽監督を勇退しムーティにバトンタッチしたその翌年の1981年、"The Fabulous Philadelphians:From Ormandy to Muti, five consecutive monthly television specials"という番組が制作され、フィラデルフィアのWHYY-TV(アメリカのPBS)とWUHY-91FMで放送されています。
"The Fabulous Philadelphians:From Ormandy to Muti,"
five consecutive monthly television specials
放送日 番組タイトル
2/25 "Transition"
3/25 "Recording Session"
4/22 "Requiem"
5/27 "Ormandy and Dylana Jenson"
6/17 "Muti and Alicia de Larrocha"
番組の存在は知っていましたが、これまで観る事が出来ずに悶々としていました・・・が、ひょんなことからこのプログラムの一部 4回目の"Ormandy and Dylana Jenson" を観る事が出来ました。しかも、フィラデルフィア名所案内のようなオープニングには当時の楽団員まで出演していて、びっくりしました。
ヴァイオリニストの Dylana Jenson さんが Youtube にアップされてました。彼女は、1980年12月9日のフィラデルフィア管弦楽団カーネギー・ホール演奏会でオーマンディに起用されシベリウスのヴァイオリン協奏曲を演奏しているので、このフィラデルフィアの音楽アカデミーのライブはその前後の演奏と思われますが・・・ちなみに、翌1981年に同じ顔ぶれでスコッティッシュ・ライト教会(旧タウン・ホール)にてレコーディングしております。
彼女とオーマンディのリハーサルの映像、アカデミーでの演奏会、演奏後のアカデミー舞台袖・・・実に興味深い映像です。これだけでなく、是非他の4回分も観てみたいものですが・・・
ちなみに、オーマンディ時代のフィラデルフィア管弦楽団の定期演奏会は当時WFLN(現在はWRTIに引き継がれてます)で放送され、テープ収録もされて全米各地の放送局で放送されたそうです。そういうテープから彼らの演奏が復刻されると良いのですが・・・(たぶん、フィラデルフィア管弦楽団のアーカイヴにあると思いますが・・・)
以下、ご参考・・・
オーマンディとテレビと言えば、こんなサイトもありますね。
Coming to the Small Screen: Ormandy and Television
Curated by Richard Griscom
Correspondence and photographs related to Eugene Ormandy's television appearances and his efforts in the 1950's and 1960's to gain more exposure on the "small screen."
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のホーム(Academy of Music, Philadelphia)に於けるテレビ収録もかなり行われていたと思われるので、ビデオテープが再生不能にならないうちにディジタル・メディアへのアーカイヴ化を行って欲しいものですが・・・
こちらはオーマンディ生誕100年記念サイトですが、まだまだ健在なのは嬉しいことです。
Eugene Ormandy A Centennial Celebration
"Ormandy"で検索してみて下さい。興味深いフィルムを閲覧できる・・・かも
ここも、一度は行って見たいですね。
Eugene Ormandy Music and Media Center
※フィラデルフィアのラジオ局WFLNについて・・・
1949年にクラシック音楽専門FM局(95.7MHz)として開局し、1956年に同じプログラムを流すAM局(900kHz)も始めましたが、1985(1988年?)年に売却されてWDVTと変わり、1995年~1997年は少なくとも5回以上売却が繰り返されて、放送内容もよりコマーシャル向き(クラシック音楽は減っていったと思われる)に変わっていったそうです。
そして1997年に現在のオーナーに売却され、クラシック音楽のアーカイヴはWRTIに売却され現在はWBEN-FM となっている。(以上、Wikipedia WFLN、WDVT、WBEN-FM、WRTI の記載より引用)
ファンとしては、WRTIに売却されたクラシック音楽のアーカイヴ・テープが気になるところである。恐らく、フィラデルフィア管弦楽団の放送録音がここにあるはずなので、ちゃんとデジタル化して後世にその遺産を継承して欲しいものですね。
では。
若かりしマエストロ・ジーンのファミリー・ホーム・ムービー ~Penn Library Mediaspace のアーカイヴより~ ― 2015年11月15日 08時50分
Penn Library Mediascape
オーマンディ・ファンであれば、ご存知、1999年にオーマンディの生誕100周年記念展覧会(Eugene Ormandy A Centennial Celebration)を開催したペンシルバニア大学図書館のサイトです。
オーマンディが所有していた品はペンシルバニア大学図書館のEugene Ormandy Music and Media Centerに所蔵されており、興味深い資料があります。
オーマンディとテレビとの関わりに焦点を当てた Coming to the Small Screen: Ormandy and Television(Curated by Richard Griscom)もそうですが・・・
さて、Penn Library Mediascape のサイトで"ormandy"で検索すると、1930年代~1950年代にフィルム撮影された"Eugene Ormandy Family Home Movies"なんてのが多数引っかかります。既に40以上のフィルム映像がアップされてますが、NYPOを指揮している若かりしマエストロ(Film16)の無声映像とか、初めて観る映像がゴロゴロ・・・
興味のある方は如何ですか?
※補足 2016年3月20日
下記を見て頂くのが一番解りやすいようです。
Eugene Ormandy family home movies
http://dla.library.upenn.edu/dla/ead/detail.html?id=EAD_upenn_rbml_PUSpMsColl1051
下記に収蔵されているのですね。
Kislak Center for Special Collections, Rare Books, and Manuscripts: Rare Book & Manuscript Library
では。
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