祝!オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団によるベートーヴェン交響曲全集CD化 その22011年11月13日 12時00分

 さて、タワーから発売されたオーマンディ&フィラデルフィア ベートーヴェン交響曲全集タワー・レコード “Sony Classical” スペシャル・セレクション Vol.5)について、折角なので旧版CDと聴き較べ?をしてみました。(その1はこちら

今回発売の全集も含めて、手持ちのCDは下記の通り。

1985年頃発売の国内盤(3番、5番、6番)と今回のベートーヴェン交響曲全集CD
1985年頃発売の国内盤(3番、5番、6番):CBS/SONY 52DC371~2(2CDs)
今回のベートーヴェン交響曲全集CD:SMJ/Sony Classical SICC-1510~4(5CDs)

CBS/SONY 盤はまだまだCDが高価だった頃のもの。2枚組5200円(と思われる)は今からするとずいぶん高いが、当時はこんなものだった・・・

このCDは「・・・今回特に米CBSに依頼して、当時の3~4チャネル・オリジナル・テープからデジタル2チャンネルに新たにトラックダウン(ニュー・リミックス)し直したものである。・・・」と解説に記載があり、当時としては結構力を入れた企画と思われる。リマスタリングは1984年と明記されている。

オーマンディ&フィラデルフィアのこのシリーズは全10組発売された。ワルター&コロンビア響のニュー・リミックスCDが出たのとほぼ同時期のCD・・・かな?

ちなみに、ほぼ同時期に発売された30組のLPシリーズ、CBS/SONY 「オーマンディ名曲ベスト30」 も同じ時期に作られたニュー・リミックス・デジタルマスターを使っている。

Essential Classics Take2 - 左:5番~8番、右:9番
SME/Sony Classical Essential Classics Take2
 左:SB2K 63266 5番~8番、右:SB2K 63240 9番、他 (1997年頃発売)

この2組は Sony Classical Essential Classics Take2 という2枚組のもの。特に7番と8番のCDはこのシリーズでしか出てなかった。

ソニークラシカルの1000円盤 上:5番と6番、下左:3番、下右:9番
SME/Sony Classical 上:SRCR1502 3番、下左:SRCR1503 3番、下右:SRCR1504 9番
1995年頃発売の国内盤

この3枚はSony Classical の千円廉価盤。3番のCDは2枚組のCBS/SONY以外はこれしかなかった。


さて、今回の全集盤と過去のCDを聴き較べしてみた。過去のCDは下記の通り。

3番 CBS/SONY盤、SC国内盤
5番 CBS/SONY盤、SC国内盤、Essential盤
6番 CBS/SONY盤、SC国内盤、Essential盤
7番 Essential盤
8番 Essential盤
9番 SC国内盤、Essential盤

その結果・・・

3番 CBS/SONY盤、SC国内盤
全集盤と全く同じ音。3種類とも同一マスターと思われる。

5番と6番 CBS/SONY盤、SC国内盤、Essential盤
 → CBS/SONY盤=SC国内盤、Essential盤=全集盤
こちらは明らかに音が違う。CBS/SONY盤・SC国内盤は1984年リマスタリングの同一マスターと思われる。Essential盤・全集盤はCBS/SONY盤・SC国内盤よりもテープ・ヒスがやや目立つ。低音の量感は同等。

7番と8番 Essential盤 → 全集盤との差異は感じず。
全集盤と全く同じ音。2種類とも同一マスターと思われる。

9番 SC国内盤、Essential盤
最も音の違いが顕著。Essential盤と全集盤は同一マスターと思われる。SC国内盤は高域のノイズカットを殆どしていないようで、テープ・ヒスや劣化と思われるドロップ・アウトと音の荒れが目立つがその分高域は伸びている。Essential盤と全集盤は高域をカットしてテープ・ヒスを抑えており、その分高域の抜けは国内盤に劣るが音の荒れは目立たない。低音もSC国内盤より量感がある。

1980年代後半に発売されたLPシリーズ、CBS/SONY 「オーマンディ名曲ベスト30」 では、3,4,5,6,9番が1984年製作のニュー・リミックス・デジタルマスターを使っており、9番のSC国内盤のマスターもそれではないかと思うが・・・

ちなみに、今回初CD化の1番、2番、4番について・・・2番が最もテープの劣化が目立つような気がする。ローカットを入れて低域ノイズをカットしている感もある。(9番のSC国内盤も同傾向の音)

1番は2番より状態が良く、4番はこの3曲の中で最も状態が良い。(他の2曲に較べると低音の量感がある。残響は幾分過多。)

ま、リマスタリングの違いはハマルと泥沼の世界なのでこれくらいで切りにしますが・・・ま、興味のある方は聴き較べてみて下さい。では。

コメント

_ yokota ― 2011年11月13日 20時58分

老婆心ながら、誤記を発見しました。

(1)左:SB2K 63266 5番~8番、右:SB2K 63240 9番、他 (1977年頃発売)⇒1997年頃?
(2)リマスタリングは1994年と明記されている。⇒1985年
(3)CBS/SONY 「オーマンディ名曲ベスト30」 では、3,4,5,6,9番が1994年製作の⇒1984年

3番は確かによく似ていて、マスターは同じかもしれませんが、微妙に違って聴こえました。(弦楽器のアタック音など)
私の古いCDが劣化したかもしれません。あるいは、CDのカッティングの精度が近年向上したのかもしれません。

最近ヘッドホンでよく聴くようになり、装置を更新しました。
少し前まで5万~8万円していたAKGのヘッドホンが安くなったことと、「ヘッドホンアンプ」の選択肢が増えたことが理由です。
ヘッドホンアンプというオーディオのジャンルはご存知ですか?私は最近まで知らず、先日会社の同僚に教えられました。このあいだヤマダ電機で店員さんに尋ねたら、そんなものは知らないと言われました。
2万円くらいのものでもヘッドホンの音が画期的に良くなります。繊細かつ、安定した音に変わります。

ヘッドホン AKG K702
ヘッドホンアンプ Nmode X-DP1
CDプレーヤ TEAC X-25 は少々古いですが。

_ りん ― 2011年11月15日 07時10分

yokotaさん

ご指摘ありがとうございます。全く、お恥ずかしい次第で・・・早速訂正致しました。リマスタリングは1984年が正解ですね。

3番は微妙に違ってましたか。もう少し気をつけて聴いてみましょうか・・・でも、聴き較べは結構疲れますね。ちょうど再生プレーヤーが2台あるので、同時再生して瞬時にアンプのセレクタを切り替えて聴き較べしました。

Essential盤の一部には、ローカットやハイカットにより音が生気を失っているものがあり、それ以前の国内盤CDやLPの方がいい音がする録音があります。その逆もあり、一概にそうとは言えませんが・・・

私もしっかり?聴くときはヘッドホンです。アパートで大きな音が出せませんし、スピーカーは小型のブックシェルフですから。

ヘッドホンアンプには興味があります。アンプのヘッドホン端子が「おまけ」なのは仕方が無いので、オーディオ店に行くとちょっと考えますね・・・

私が使っているヘッドホンは、

DENON AH-D2000
Audio Technica ATH-A700
AKG K・501

です。AKG K・501はオープン・エアータイプで装着感は良いのですが、低音はあまり出ません。密閉型のDENONとATをメインに使ってます。

以前は SONY MDR-CD1000 を使っていました。気に入っていて、何回か修理して使い続けていましたが、頭部やヘッドパット部のバイオ素材が経年劣化でベタベタして、4年前にその部分の補修部品が無くなり交換不能・・・と言われたので泣く泣く廃棄しました。ダイヤフラムも数回交換修理して使っていたのですが・・・

ちなみにプレーヤーはマランツSA-7001(SACD)、DV-7001(DVD,SACD)で、アンプはソニーTA-FA3ESです。

_ 横田 ― 2011年11月16日 00時18分

リマスタリングは1984年が正解ですね。指摘しておきながら、間違っていました。失礼しました。

_ りん ― 2011年11月16日 18時44分

いえいえ、お気になさらずに。今後とも宜しくお願いします。

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