アルファベータ クラシックジャーナル042「クラシック音盤白書」2011年03月01日 07時28分

アルファベータ クラシックジャーナル 042「クラシック音盤白書」タワーレコードの店頭で見かけた時はその薄さに驚いた・・・1cm以下の薄さだ・・・今回は買うのを止めようかな・・・なんて思っていたが、本屋さんに毎号買うよと声をかけていたのを忘れていて、手元に届いて「あちゃ~」と思った次第。しかし、読んでみて買って正解と胸をなで下ろした。(ちなみに、最近ツイッターを始めたそうな・・・)

今号は、CDを作る側(メーカー)と売る側(販売店)に焦点を当てた特集で、内容は

特集1「タワーレコード 2010年 TOP40セラーズ」
特集2「レコード会社、制作、販売担当者へのインタビュー」

というもの。特集1はタワーレコード担当お二方とクラシックジャーナル編集長3名の座談会。3名の顔写真も掲載されており、タワー のアグレッシブな姿勢が伺える。片や、クラシックジャーナル編集長 の「別のチェーン店」への評価は手厳しい。Webサイトは特徴があると評価しているが、その組織と店頭対応については厳しい評価を下している・・・確かにあまり元気がないなあという気はする。Webサイト は確かに元気で僕もよくここでCDを買っているのだが・・・「別のチェーン店」もタワーと張り合えるぐらい頑張って欲しいものだ。タワーの一人勝ちではつまらんよ。勿論他のレコード店にも頑張って欲しいのだが・・・

特集2 もなかなか興味深い。残念なのは「・・・レコード会社数社から写真掲載を遠慮したい・・・」という連絡があったそうで、特集2については全ての(担当者の)写真掲載を見送ったとのこと・・・これはクラシックジャーナル としても残念との想いがにじみ出ている。

最近は個人情報保護とやらで、社員の写真掲載も問題視されているのかもしれないが・・・読む側としても残念である。むしろ、積極的に企画担当者を押し出してPRに務めるべきじゃないのかな・・・と思うのだが如何だろうか?

それはさておき、嬉しかったのは、ソニークラシカル担当者として古澤さんが登場されていたこと。BMG時代と変わらぬ熱意で取り組まれているそうな。古澤氏については、2回ほどここにチラッと書いたことがあります。

・どうなる? 今後の オーマンディ&フィラデルフィアのRCA音源の行方

・オーマンディ・フィラデルフィアのxrcd24 2枚を聴いて・・・

どうもこれまで、組織再編のドタバタでソニークラシカルはなんかぱっとしないなあ・・・というイメージがあったのですが、こういう記事を読むと今後に期待が持てますな。

んでは。

アルファベータ クラシックジャーナル042「クラシック音盤白書」 その22011年03月01日 22時46分

アルファベータ クラシックジャーナル 042「クラシック音盤白書」 を読んでの続き・・・

オーマンディのブラームス交響曲全集CDは結構売れたようですな。タワレコ担当曰く「・・・単純な過去の売り上げデータだけでは判断出来ません。オーマンディのブラームスはすごい人気でした。オーマンディって、日本ではなかなか評判が高くなかったようで、ブラームスの3番が、なぜか1回もCD化されていなかったんです。・・・」とのこと。

しかし、その後アルファベータ編集長の辛辣なコメントが続く・・・「LPで消えてしまった演奏家はけっこういますよね。いろいろな理由はあるでしょうが。オーマンディはその代表かな。」・・・う~ん、マエストロ・ジーンをそんな「代表」にされても困るのだが・・・業界筋にはそういうイメージが残っているだろうか・・・

ま、我らがマエストロ・ジーンは昔から日本(に限らないか・・・)の評論家と業界筋には異様な程評判が宜しくなかったようだが、それは今もあまり変わっていないのかもしれない・・・が、聴き手の再評価がじわじわと浸透してここまでリバイバルしたことも事実。

さらにタワレコ担当者曰く、「リクエストはお客様からいただくこともあります。そういうものの中から出せたものもあります。」 編集長「お店にリクエスト受付箱でも置いて下さい。」と返しているが、私も同感。お店だけではなく、オフィシャルサイトにもリクエスト受付を設けて欲しいね。

あと、ソニークラシカルの古澤さん曰く「・・・カタログ・リイッシューの面では、・・・(中略)・・・、日本市場で望まれているものを独自に編成して発売することが多くなってきました。・・・」とタワレコ共同企画(オーマンディのブラームス交響曲全集CDもこの企画によるもの)の例を取り上げている。さらに「・・・初CD化・初発売の音源を世に出すだけではなく、長らく困難になっていた音源も復活させる、このような日本独自の取り組みは、2011年も続けていきたいと思っています。」と仰っているので、今後のソニークラシカルタワレコの動きに期待したい。

んでは。

The Fabulous Philadelphia Sound Series - Respighi Tone Poems, 1968年2011年03月02日 23時00分

久しぶりにレスピーギでも聴きますか・・・

CBS Records MYK38485 Jacket
CBS Records Masterworks/Great Performances MYK38485 (C)1983
(amazon.com , amazon.co.jp)
Respighi Pines & Fountains of  ROME
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

」も「」も1968年の録音。RCA Red Seal  移籍前の駆け込み録音でもある。収録場所は Town Hall と思われるが明確な記載が無いので詳細不明。John Hunt のディスコグラフィには Town Hall と書かれているが、今ひとつ信頼性に欠ける。ただ、この録音はThe Fabulous Philadelphia Sound Series として発売されており、このシリーズは Town Hall で録音されているとの記載があるので、やはり Town Hall なのかな・・・?

Columbia Masterworks の ローマ三部作ステレオ録音はこの他、「」1957年・「」1958年・「」1961年 がある。どちらかというとこちらの「旧」録音の方が広くLP・CDに収録されて出回っている。「」のみ Academy of Music の収録。「」と「」はBroadwood Hotel にて収録されている。この「旧」三部作、LPはCBS/SONY オーマンディ「音」の饗宴1300 Vol.26 13AC126 と CBS/SONY オーマンディ名曲ベスト30 Vol.24 15AC1724 として出ているし、CDもCBS/SONY ベスト・クラシック100 30DC788(1986年)、そして Essential Classics SBK48267(amazon.com,1992年) や Original Jacket Collection (amazon.com,2008年)にも収録されている。

しかし、今回取り上げた1968年録音の「」も「」は、1983年のGreat Performances Series でCD化されて以後、CD再発売はされていないようである。ちなみに、初出LPは下記。

Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series M30829 Jacket
Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series M30829
Gray Label LP
Respighi : The Fountains of Rome, The Pines of Rome
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

日本では、1972年の2回目の来日に合わせてCBS/SONY から DP Master Sound Series(SOCO-5 \2,300)として発売されている。DP は Direct Plating の略。ラッカーマスターから銀メッキ→ニッケルメッキという工程のうち銀メッキを省略してラッカーマスターに直接ニッケルメッキを施すというのがウリの技術。この日本盤は中古屋で何回か見かけたことがあるので、それなりに売れたのだろう・・・手元にあるのは米盤のM30829。これは、The Fabulous Philadelphia Sound Series の1枚。

Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series LOGO
Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series Logo

オーマンディのブラームス交響曲全集も初出LPはこのシリーズである。

Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series M30829 Notes
Columbia Masterworks  M30829 Notes

要は、マルチ・マイクと3~4chマルチトラックテープによる録音をアピールしたもの。

Fabulous Philadlephia Sound Series Notes
Notes of   The Fabulous Philadelphia Sound Series.

ただ、残念ながらこのシリーズの録音は残響過多であったり音が荒れ気味のものが多い。まだまだマルチ・マイク録音の試行錯誤時代だったのだろう。

Fabulous Philadlephia Sound Series Fig.
Orchestra Placement for  The Fabulous Philadelphia Sound Series.

オーケストラ配置とマイク・ポジションも図示されている。

Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series M30829 Label
Columbia Masterworks M30829 Gray Label

ラベルは曲目の記載が右にずれている・・・ま、これくらいは許容範囲・・・か?ま、音には直接関係ないけどねえ・・・

この1968年の「」と「」は、オルガン抜きで演奏されているようである。まあ、オルガンが無くても音楽にはなるけど、やはり物足りない・・・電子オルガンを使う手もあったろうに・・・

レスピーギのローマ三部作は、やはり録音の優秀さがモノをいう曲なので、現在の優秀録音と比較すると今ひとつの感は否めないが、それでもオーマンディ・ファンであればこの録音は手元に置いておく価値はある。出来れば、SACDでリマスタリングして音質向上を図ってもらいたいものだが・・・

余談ではあるけど、「」のアッピア街道のクライマックスのバンダとブラスセクションをきちんと楽譜通り5連音符で吹かせている演奏は少ない。多くは2+3連音符で吹かせているが、この演奏はほぼ楽譜通り5連音符で吹かせている数少ない演奏でもある。

では。

Svetlanov/SRSO - Respighi's Roman Torilogy 1999年2011年03月03日 23時00分

我らがマエストロ・ジーンと同じ名前の御大の演奏もエエですワ~

Weitblick/Sveriges Radio SSS0122-2
Weitblick/Sveriges Radio 東武ランドシステム(株)  SSS0122-2
(P) 2011(Tower, HMV)
Respighi - Roman Trilogy
Evgeny Svetlanov/Sveriges Radios Symfoniorkester

最近、御大スウェーデン放送響のライブ録音CDが2枚発売された。ブルックナー9番レスピーギのローマ三部作である。(タワーHMV)

最も素晴らしいのは「」だろう・・・凄すぎる・・・「」と「」はゆったりしたテンポが裏目に出たかな?

」のアッピア街道、クライマックスのバンダとブラスセクションをきちんと楽譜通り5連音符で吹かせているし、最後のスヴェトラーノフ・クレッシェンドは「いつまで続くんだ?」と驚くほどの壮絶さ。録音も会場の雰囲気をよくキャッチして生々しい。(御大の唸り声も生々しいが・・・)この「」だけでも聴く価値のあるディスクだと思う。SACDだったらもっと良かった・・・と思うが・・・

アルファベータ クラシックジャーナル042「クラシック音盤白書」 その32011年03月05日 07時39分

あとは・・・

NHKエンタープライズ
 NHKアーカイヴからは、発売出来る主要なコンテンツはほぼ出尽くした・・・とのこと。つまり、映像があって、なおかつ権利関係がクリア出来るモノ・・・「権利処理のハードル」「許可の問題」「費用の問題」「市場性の有無」・・・という観点からすると、もう出せるモノは無い・・・らしい。オーマンディ/フィラデルフィアの映像も・・・と期待したんだけど、既に存在しないのか、あるいは諸問題(一番の問題は「市場性」と「権利処理のハードル」か?)がクリア出来ないのか・・・

キングインターナショナル
 Altus から色々面白いライブものが出ているので、オーマンディ/フィラデルフィア も・・・と期待したいところだけど、今のところその兆しはなさそう・・・?やっぱり、「市場性」・・・かな?

地道にリクエストを出すのがいいのかも・・・んでは。

CD Reissue - SONY CLASSICAL ORIGINALS2011年03月09日 07時00分

Sony Classical Original (タワーHMV)というシリーズから3枚の再発売があるそうな・・・オイストラフとのチャイコンとシベコン(タワーHMV)、ロストロポーヴィッチとのショスタコのチェロコンと交響曲1番(タワーHMV)、そしてホルストの惑星(タワーHMV)。

気になるのは RCA Red Seal 音源の「惑星」。この音源は3種類のリマスタリングによるCDが出ている。今回は新たにDSD+SBM(出来ればSACDで出して欲しいが・・・)による新リマスタリングだそうだから、どういう音に仕上がるか・・・

Eiji Oue/Minnesota Orchestra - Respighi's "The Pines of Rome", 2001年2011年03月10日 08時03分

なんとなく引っ張り出したこのディスクだが・・・素晴らしい!

Reference Recordings RR-95CD Jacket
Reference Recordings RR-95CD (P)(C)2001
A Prof. Johnson 24-Bit HDCD Recording
Respighi
 Belkis,Queen of Sheba-Suite
 Dance of the Gnomes
 The Pines of Rome
Eiji Oue/Minnesota Orchestra

大植英次氏は2012年3月をもって大阪フィルハーモニー交響楽団音楽監督を退任、それ以降は桂冠指揮者に就任することが発表されている・・・そうな。

そういえば、カリスマ指揮者(か?)の宇宿允人氏もつい先日亡くなられたとのこと。一度実演を聴きたいと思っていたが・・・

就任披露定期演奏会としてザ・シンフォニーホールで聴いたマーラー交響曲第二番「復活」・・・2003年5月のことだから、あれからもう8年近くか(遠い目)・・・

ミネソタ管弦楽団(ちなみに、我らがマエストロ・ジーン も1930年代に音楽監督であったのだ)の音楽監督時代(1995年~2002年)、Reference Recordings に録音した数々のディスクは興味深い。これもその1枚。

ローマの松」の演奏とサウンドの素晴らしさに打ちのめされてしまった・・・このコンビのHDCDは数枚持っているが、なかなか聴く機会が無かった・・・今後じっくり聴いてみようか・・・持ってないディスクも興味が出てきた・・・んでは。