The Fabulous Philadelphia Sound Series - Respighi Tone Poems, 1968年2011年03月02日 23時00分

久しぶりにレスピーギでも聴きますか・・・

CBS Records MYK38485 Jacket
CBS Records Masterworks/Great Performances MYK38485 (C)1983
(amazon.com , amazon.co.jp)
Respighi Pines & Fountains of  ROME
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

」も「」も1968年の録音。RCA Red Seal  移籍前の駆け込み録音でもある。収録場所は Town Hall と思われるが明確な記載が無いので詳細不明。John Hunt のディスコグラフィには Town Hall と書かれているが、今ひとつ信頼性に欠ける。ただ、この録音はThe Fabulous Philadelphia Sound Series として発売されており、このシリーズは Town Hall で録音されているとの記載があるので、やはり Town Hall なのかな・・・?

Columbia Masterworks の ローマ三部作ステレオ録音はこの他、「」1957年・「」1958年・「」1961年 がある。どちらかというとこちらの「旧」録音の方が広くLP・CDに収録されて出回っている。「」のみ Academy of Music の収録。「」と「」はBroadwood Hotel にて収録されている。この「旧」三部作、LPはCBS/SONY オーマンディ「音」の饗宴1300 Vol.26 13AC126 と CBS/SONY オーマンディ名曲ベスト30 Vol.24 15AC1724 として出ているし、CDもCBS/SONY ベスト・クラシック100 30DC788(1986年)、そして Essential Classics SBK48267(amazon.com,1992年) や Original Jacket Collection (amazon.com,2008年)にも収録されている。

しかし、今回取り上げた1968年録音の「」も「」は、1983年のGreat Performances Series でCD化されて以後、CD再発売はされていないようである。ちなみに、初出LPは下記。

Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series M30829 Jacket
Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series M30829
Gray Label LP
Respighi : The Fountains of Rome, The Pines of Rome
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

日本では、1972年の2回目の来日に合わせてCBS/SONY から DP Master Sound Series(SOCO-5 \2,300)として発売されている。DP は Direct Plating の略。ラッカーマスターから銀メッキ→ニッケルメッキという工程のうち銀メッキを省略してラッカーマスターに直接ニッケルメッキを施すというのがウリの技術。この日本盤は中古屋で何回か見かけたことがあるので、それなりに売れたのだろう・・・手元にあるのは米盤のM30829。これは、The Fabulous Philadelphia Sound Series の1枚。

Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series LOGO
Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series Logo

オーマンディのブラームス交響曲全集も初出LPはこのシリーズである。

Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series M30829 Notes
Columbia Masterworks  M30829 Notes

要は、マルチ・マイクと3~4chマルチトラックテープによる録音をアピールしたもの。

Fabulous Philadlephia Sound Series Notes
Notes of   The Fabulous Philadelphia Sound Series.

ただ、残念ながらこのシリーズの録音は残響過多であったり音が荒れ気味のものが多い。まだまだマルチ・マイク録音の試行錯誤時代だったのだろう。

Fabulous Philadlephia Sound Series Fig.
Orchestra Placement for  The Fabulous Philadelphia Sound Series.

オーケストラ配置とマイク・ポジションも図示されている。

Columbia Masterworks The Fabulous Philadelphia Sound Series M30829 Label
Columbia Masterworks M30829 Gray Label

ラベルは曲目の記載が右にずれている・・・ま、これくらいは許容範囲・・・か?ま、音には直接関係ないけどねえ・・・

この1968年の「」と「」は、オルガン抜きで演奏されているようである。まあ、オルガンが無くても音楽にはなるけど、やはり物足りない・・・電子オルガンを使う手もあったろうに・・・

レスピーギのローマ三部作は、やはり録音の優秀さがモノをいう曲なので、現在の優秀録音と比較すると今ひとつの感は否めないが、それでもオーマンディ・ファンであればこの録音は手元に置いておく価値はある。出来れば、SACDでリマスタリングして音質向上を図ってもらいたいものだが・・・

余談ではあるけど、「」のアッピア街道のクライマックスのバンダとブラスセクションをきちんと楽譜通り5連音符で吹かせている演奏は少ない。多くは2+3連音符で吹かせているが、この演奏はほぼ楽譜通り5連音符で吹かせている数少ない演奏でもある。

では。