オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の黄金期を支えたホルン奏者 その5 ― 2009年03月14日 10時54分
Mahler Symphony no.1
with the long-lost original second movement,"BLUMINE"
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra(rec.1969)
マーラーのシンフォニーで一番聴きやすいのがこの曲だろうか・・・彼のシンフォニーの中で最も短い・・・4番の方が短いかな?まあ、いいや。
彼の後期のシンフォニーを知った後では、「若気の至り」的な部分で気恥ずかしくなってしまう困った曲でもある。
しかしオーマンディの演奏はそんなことを感じさせず、この青春美曲を立派な古典的なシンフォニーに仕立てている。
40年前の1969年、フィラデルフィアの Academy of Music にて収録。アカデミーのデッドな音響が早めのテンポの要因の一つかも。
LPの音は硬くて高音もきつく、聴きやすい音質では無かったが、CD化されたことで劇的に改善されている。(㈱BMGファンハウス/RCA Red Seal BVCC-38119, 2001年)限定盤なので入手は難しいが、米国オリジナルジャケットデザインの採用も含めてファン必聴盤だと思う。
2006年に SonyBMG(輸入盤)から再発されているので、上記が駄目ならこちらでも聴ける。(SonyBMG Materworks/RCA RED SEAL 8287676233)
ブラスバンドでホルンを吹いていた当時、この演奏の1楽章終わりのホルンのグリッサンド(か?、CDでは11分以降)の異常な切れの良さに思わず仰け反ってしまったことを想い出す。「どうやったらこんな音が出るんだ?」と、皆で驚きながら聴いていたものだ。
「花の章」は、LP・CDとも冒頭のコンマ00何秒かが残念ながら切れている。編集時のミスで誤ってカットされてしまったのだろうか?ま、それはともかく、全体としては違和感がある(からマーラーはカットしたんだろう)が、遠くから響く柔らかなトランペットとホルンが実にいい。
こうして改めて聴いてみると、当時のフィラデルフィアの物凄い実力を改めて思い知らされてしまう。他の楽章も特記することは山ほどあるのだが・・・
マエストロによる楽譜の改訂(というより手入れ・・・と言ったほうがいいのかな?)もこの曲のスケール・アップに大きく寄与している。特に終楽章の最後、一つ一つ念を押すようなクライマックスの構築、そして最後の2つの音の駄目押しのティンパニ追加(グランカッサも入っているかな?)・・・尻切れトンボで終わるようなこの曲の印象が一変してしまっている。ま、賛否はあるだろうけど、僕はこの演奏を採る(って、まるで某UNO氏みたいだな・・・)
ま、聴いてみて下さいな。では。
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