Prado in Japan, 19602009年03月16日 13時52分

Prado in Japan 2LP's
Prado in Japan, 1960
1960年3月20日 東京国際劇場に於ける実況録音
日本VICTOR LIVING STEREO SHP-5069(LP)
ビクター音楽産業/RCA Camden RGP-1079(LP,(P)1973 RCA RECORDS)

Tracks.1-12(RCA Camden盤は1と12がカットされている)
1.Greetings of Prado
2.Cerezo Rosa
3.さくら・さくら
4.浜千鳥
5.Historia Da Un Amor
6.La Virgen De La Macarena
7.Mambo Japone
8.Tequila
9.Mambo No.5
10.Mambo No.8
11.Princess Suga
12.Lullaby of Birdland

プラードのマンボNo.5は、ガキの頃に親父が買ったダンス音楽集のLPで擦り切れるくらい聴いていた。「魔法使いサリー」のエンディングには「魔法のマンボ」があったし、マンガ「マカロニほうれん荘」では「ウ!」という掛け声がギャグで挿入されていたのだ。当時、日本でよっぽどマンボが流行っていたのだろう。

ペレス・プラード(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%89

魔法使いサリー(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%94%E6%B3%95%E4%BD%BF%E3%81%84%E3%82%B5%E3%83%AA%E3%83%BC

マカロニほうれん荘(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%81%BB%E3%81%86%E3%82%8C%E3%82%93%E8%8D%98

もう8年前になるか・・・たまたま立ち寄った中古レコード屋のエサ箱(ジャンルを問わず放り込まれて売られているLPが入ったダンボール箱。LPが5枚300円とかで売られていることもある)で、この「プラード・イン・ジャパン」のRCA Camden 盤を見つけた。1枚500円だったかな。

それまでプラードのベスト盤CDも買って聴いてはいたが、こんなライブLPが出ていることは全く知らなかった。これが物凄い熱気に溢れたライブで、未だにCD化されていないことは残念なことだ。

このRCA Camden 盤は解説に「・・・ファンの間で長い間再発が待ち望まれていました・・・」とあり、このLPが再発盤であることが分かる。

浅見英雄著「ムード音楽」(誠文堂新光社、1979年)には、このライブの日本ビクター盤の写真が掲載されており、元のオリジナル盤があることは知っていたが、特に探さなかった。手持ちの再発盤の状態はすこぶる良く、音質にも不満は無かったから。

んで、つい最近これまた別の中古レコード屋さんのエサ箱で、まさにこの日本ビクター盤※を見つけてしまった・・・1枚100円!レジに直行したのは言うまでもない。

※なお、下記のブログによると、このライブの初出は「・・・レコード番号はモノラル盤が”Victor LS-5197”でステレオ盤が”SLS-5041”かと思われます。そのレコードは1962年にもレコード番号が”Victor SHP-5069”としてステレオ盤がリリースされ・・・」だそうな。私がエサ箱で見つけたのが SHP-5069 で、これは日本ビクターの再発盤ということになるのかな。

Audio-Visual Trivia
ペレス・プラード Perez Prado
http://www.audio-visual-trivia.com/2007/04/perez_prado.html

ちなみに、この日本ビクターのLIVING STEREO盤 SHP-5069 は「プラード・ステレオ・アルバム 第2集」と記載されており、恐らくセッション録音の1集と後続のアルバムがあったと思われる。帯電防止剤をビニルに混ぜて「ほこりの付かない "Super RECORD" と銘打っているのが時代を感じさせる。

で、一番驚いたのが、RCA Camden 盤には無い2つのトラック、アルバム冒頭の挨拶と2面最後の"Lullaby of Birdland"の存在。何故、RCA Camden 盤 として再発された時にこの2つのトラックがカットされたのか・・・

解説も、ビクター盤の方がこのライブ録音来日当時の状況をエピソードを交えて説明したもので、RCA Camden 盤ではそのあたりの記述が殆ど無い。やはり、再発を繰り返すたびにこういう情報が欠落していくのは大量生産の工業品としては止むを得ないということだろうか?

このエサ箱から救出?した日本ビクター盤、表面の目に見える傷は多いし、多少ノイズもあるが、何回か針通ししてクリーニングしたら結構イケル状態になった。既に40年以上前の盤だが、LPは案外丈夫だ。あと数十年は再生可能だろう。果たして、CDは40年、いや、50年持つだろうか?

このライブLPについては過去にホームページでも取り上げたので、宜しければそちらも見てくださいませ。

お気に入り その1
Mambo! Mambo! Mambo! Prado in Japan 1960
http://www.ne.jp/asahi/tron/music/MyFavorites1.htm

これほどライブらしいライブはそうそう無いのではないかな。1960年のヤングのノリは大したもんだ。快速テンポのマンボNo.5とNo.8はこのライブならではの興奮に包まれている。

「Princess Suga」については、LPの解説に、当時の清宮貴子内親王がマンボとプラードのファンであることをプラードが知って感激し、この来日の途上で急遽作曲をした・・・というエピソードが紹介されている。

島津貴子氏(旧名:清宮貴子内親王)(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E5%AE%AE

ちなみに、ライブ会場の東京国際劇場は 1982年(昭和57年)4月 SKD最終公演・第51回東京踊りをもって閉鎖され、その後は取壊されたそうな・・・

国際劇場(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8A%87%E5%A0%B4

2009年から49年前の1960年、今は存在しない国際劇場に鳴り響いていたサウンドを刻んだLPがこうして一リスナーに聴かれるというのも、なにか不思議な感じもするが、これがレコード(記録)というものだろうか・・・