オーマンディとラフマニノフ「交響曲第1番」の謎? ― 2015年11月18日 03時40分
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団は1948年3月19日にラフマニノフの交響曲第1番を米国初演しており、その翌日に同曲の演奏が「史上初のオーケストラ演奏のテレビ放送」としてCBSにより放送されています。(ご参考→Coming to the Small Screen: Ormandy and Television)
「・・・彼が破棄したとされていたその交響曲の手稿譜の一つが残っていた。 ・・・彼の死後、その楽譜が私のところへ送られてきた。私はラフマニノフの 娘であるヴォルコンスキ公爵夫人から、この作品に手を入れてほしいと頼まれた。・・・私たちはこれを演奏し、録音した。・・・」
そのときのインタビューの一部は下記で聴く事が出来ますが、残念ながらこのエピソードの部分は含まれていません。
Eugene Ormandy A Centennial Celebration
→Interview with Eugene Ormandy conducted by Morris Henken, ca. 1973
Ormandy discusses an early experience with Sergei Rachmaninoff
この話が、1945年のモスクワ再演(オーマンディでは当然ありません)・1948年の米国初演・1966年のステレオ録音と具体的にどう関係しているのかは定かではありませんが、興味深い話ではあります。
さて、本題はここからですが、今年10月下旬にフィラデルフィア管弦楽団に客演したVladimir Jurowski氏が、フィラデルフィア管のライブラリアンに「オーマンディが使用したラフマニノフのスコア(交響曲第1番)はないか?彼の録音には、どうも重要な追加があるようなのだが・・・」と尋ねてきたのが事の発端のようです。
そういえばオーマンディ掲示板の投稿でこんな話も知りました・・・今年6月15日、アンドリュー・リットンが都響でラフマニノフ「交響曲第2番」を指揮したそうですが、リットンは15歳当時、学校の先生に勧められて同曲をオーマンディのLPで初めて聴いてすっかり魅了されたそうです。1974,5年のことのようですので、多分RCAの録音でしょうか・・・
ワシントン・ナショナル・オケのアシスタント時代、オーマンディが客演してこの曲を演奏、その時オーマンディが持ち込んだ楽譜を見てボーイング等を書き写したりしたそうで、都響に持ち込んだ楽譜のボウイングのオリジナルはオーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のもの・・・とのこと。
残念ながら私はこの演奏を聴いておりませんが、実に興味深い話ですね。
では。
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