Edison Diamond Disc を聴く その22013年01月03日 17時00分

2013年になりました。今年もゆるりとお付き合い頂ければ幸いです。

さて、新年早々、昔のレコードを聴くのもオツなもの・・・ということで、Edison Diamond Disc を聴く その1 の続きです。


エジソン社ダイヤモンド・ディスク(Edison Diamond Disc)のお掃除>

昨年夏(8月か9月頃?)にふと立ち寄った大須ハイファイ堂レコード店で見かけて入手したエジソン社ダイヤモンド・ディスク(Edison Diamond Disc)、なんといっても100年程前のディスクであり、しかも長い間倉庫で埃をかぶっていたシロモノなので、まずはクリーニングを・・・

・・・と、スリーブの注意事項に目を通すと・・・

Edison Diamond Disc Sleeve No.82145
Edison Diamond Disc Sleeve No.82145

Warning! Edison Diamond Disc Sleeve
Edison Diamond Disc Sleeve No.82145 注意書きが色々と・・・

Warning! Do Not Water! Edison Diamond Disc Sleeve
Edison Diamond Disc Sleeve No.82145

If records become soiled and need cleaning. wipe with cloth dampened with alcohl. Wipe with small piece of vervet. DON'T USE WATER.

ナント、しっかりと「水を使うな」と注意書きが・・・実はこの注意書き、全部のディスクをクリーニングしてから気が付いたのでした(← お粗末)スリーヴもぼろぼろで埃だらけ、ディスクも塵・カビ・一部剥離や欠けたものも有り、クリーニングしなければとてもターンテーブルに乗せられないの で、結構な手間をかけてクリーニングしました。付属のスリーブはぼろぼろで再利用は不可能なので、ディスクをクリーニングして予備の紙スリーブに入れた 後、別の10インチ用ポリ袋に入れてディスクと一緒に保管することにしました。

さて、水を使うと何故宜しくないか・・・色々ネットで調べたところ、下記のサイトに明確な答があった。ちょっと長いけど引用します・・・

Edison Phonology
  -Common Problems With Edison Diamond Disc Records-  Photos and Text by Phil O'Keefe

  Edison Diamond Discs were made by laminating an early plastic called "Condensite varnish" over a blank (core) comprised of materials like woodflour, chalk, china clay, phenol resin, cotton flock, lamp black, gas black, and denatured alcohol. The materials used in the record tend to absorb moisture. If subjected to enough moisture, the record can warp, delaminate, and crack, especially early Diamond Discs which were made with a Condensite layer over a celluloid layer pressed on to the core. This is why Diamond Discs should never be stored in a damp environment or cleaned with water. They should ONLY be cleaned with isopropyl alcohol applied to a soft cloth!

  When an Edison Diamond Disc is stored in a damp environment over a prolonged period of time, it can develop the damage...

ダイヤモンド・ディスクはコア材(a blank (core) comprised of materials like woodflour, chalk, china clay, phenol resin, cotton flock, lamp black, gas black, and denatured alcohol.)の両面をワニスのような初期のプラスチック材(an early plastic called "Condensite varnish")でサンドイッチした積層構造をしており、水分・湿気に極度に弱いようだ。長期間湿気のあるところに置いておくと、音溝のある "Condensite varnish"面がコア材から剥離したり割れたりするそうな・・・

↓ここもご参考サイト
jukebox - POPULAR VICTOR, EDISON, COLUMBIA RECORDINGS FROM 1900 - 1930  Edison Diamond Disc Technology

では、損傷の程度を手持ちのディスクから・・・

minor chips of Edison Diamond Discs
minor chips of Edison Diamond Discs
これはまだ音溝は無事で音にはさほど影響なし

cracks of EDISON Diamond Disc
Damaged(cracked) Edison Diamond Discs
こちらは音溝までしっかりクラックが入ってしまい、トレース困難どころか針にダメージが・・・

chips in to the grooves of Edison Diamond Discs
Chips into grooves, Edison Diamond Discs
端部の欠けが音溝まで・・・これ、ラフマニノフが演奏しているディスクなんだけどなあ・・・

delamination of EDISON Diamond Disc
Delamination of Edison Diamond Discs
欠けて剥離したディスク。これは音溝はまだ大丈夫なので演奏可能。

 「水を使うな」という注意書きは気が付かなかったけど、少なくとも4~50年以上放置されていたと思われる状態で汚れも酷いので、固く絞った雑巾でかるく表面を拭いてから、レイカ バランスウォッシャー(78回転盤用)とクリーニング・クロス(ビスコ78)でしっかりクリーニングしました。

レイカ バランスウォッシャー(78回転盤用)とクリーニング・クロス(ビスコ78)
レイカ バランスウォッシャー(78回転盤用)とクリーニング・クロス(ビスコ78)

このレイカ バランスウォッシャーを使うと、ディスクはある程度光沢を取り戻し、水よりも乾燥が早いので結構便利。LP用・SP用ともこれまで使っていて結果に不満は無いので、SP用のレイカをこのダイヤモンド・ディスクにも使ってみたワケ。クリーニングしてからほぼ半年経った現在もディスクの損傷が酷くなった兆候は無さそうなので、まあ大丈夫・・・かな?これから時間が経つとまたどうなるか解らないが・・・

クリーニング後のエジソン・ダイヤモンド・ディスク
クリーニング後のダイヤモンド・ディスク
少なくとも80~90年以上前に製造されたディスクだが、光沢もありまだまだ使用に耐えるかな?

その3へ(たぶん)続く

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
スパムコメント対策です。
nospam
と入力して下さい。お手数ですが宜しくお願いします。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://boukyaku.asablo.jp/blog/2013/01/03/6679027/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。