Ormandy & Minneapolis : Sibelius & Schönberg2010年02月11日 12時21分

ふと寄った中古屋さんで見つけたCDです。

DANTE-LYS 057
DANTE LYS 057 CD (P)1996 ( amazon.com , amazon.co.jp )
Early North American Orchestra Recordings - The American Recordings Library
Sibelius : Symphony no.1(rec 1935) , Schoenberg: Verklärte Nacht (rec 1935)
Eugene Ormandy/Minneapolis Symphony Orchestra

原盤は RCA Victor Red Seal 。DANTE LYS が市販SPから起こした復刻盤で、まあまあの音質といったところでしょうか。残念ながら現在は中古で入手するしかないようですが・・・

そういえば、最近 DANTE LYS の新譜をみかけませんね。一時期沈黙していた Biddulph は最近復刻盤を出し始めたようですが・・・そういえば、Nimbus も最近は復活したようで嬉しいですね。NMLで聴けますし。

さて、オーマンディミネアポリス交響楽団(現 ミネソタ管弦楽団)による75年前!の古~い録音ですが、これはオーマンディミネアポリス交響楽団 が当時音楽家組合と交わしていた契約の「気まぐれ」が生み出した・・・というエピソードがあります。

Arthur JudsonRCA Victor Red Seal のプロデューサー Charles O'Connell に 「彼らの『興味深い』契約を調べてみるといい・・・」とアドバイスしたのがその始まりだそうで・・・要は、楽員に特別な報酬を支払わなくてもセッションが組める(と解釈できる)・・・という、契約の穴?をうまく利用して、オーマンディミネアポリス交響楽団 と 1934年1月及び1935年1月に短期の集中的なセッションを組んで大量のレコーディングを行った・・・その結果の一部がこのレコーディングです。(もっとも、その後楽員にはこのセッションに関して某かの報酬が支払われたようですが、マエストロのポケットマネーからも・・・という後日談もあるようです。詳細は、「オーマンディ/フィラデルフィアのすべて」 や BMGジャパン/RCA Red Seal BVCC-38054 「シェエラザード」の解説をどうぞ)

なんにせよ、マエストロが当時音楽監督であった ミネアポリス交響楽団 に生命力を与えて、それをレコード上で(当時の他の)一流オーケストラに劣らぬものに仕上げたこの一連の録音は広く世界中に売れたそうです。マドンナの宝石 のようなセミクラから マーラーの復活(これはライブですが)、そしてブルックナーの7番(DANTE LYS 288 ( amazon.com , amazon.co.jpNML )があります)といった、当時としてはとんでもない大曲まで積極的に吹き込んだわけですから、結構冒険したんですなあ・・・このレコードの成功が、マエストロフィラデルフィア管弦楽団への大きなステップにもなったわけですが・・・

さて、このCDの収録曲も当時としては野心的なレコーディング・レパートリーだったと思います。シベリウス交響曲第1番シェーンベルクの「浄められた夜」(弦楽合奏版)ですから・・・どちらも1899年に完成・初演された曲で、まだまだバリバリの「現代曲」ですし、売れ筋・・・とは言えない曲ですからねえ。

ちなみに、シェーンベルクの「浄められた夜」(弦楽合奏版)について、平林直哉氏のクラシック名曲 初演&初録音事典 によれば、このRCA Victor Red Seal のSP盤が世界初録音とのことである。初演魔オーマンディ らしいレパートリー選定ではありませんか・・・世界初録音集ハイライト Ⅱ(Serenade SEDR-0002 (P)2009) にもこの演奏の一部が収録されており、一段と冴えた音で復刻されている。このCD-Rは他にも興味深い音源が収録されているので、興味のある方は如何?

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
スパムコメント対策です。
nospam
と入力して下さい。お手数ですが宜しくお願いします。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://boukyaku.asablo.jp/blog/2010/02/11/4870707/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。