TRONWARE Vol.115-1172009年06月10日 05時35分

TRONWARE Vol.117 が自宅に届いてハタと気がついた。そういえば、最近 TRONWARE のことを書いてなかったなあ・・・と。

TRONWARE Vol.115 時代はオープン TRONSHOW 2009 レビュー
http://www.personal-media.co.jp/book/tw/tw_index/256.html

TRONWARE Vol.116 ユビキタス実証実験 全国で展開
http://www.personal-media.co.jp/book/tw/tw_index/257.html

TRONWARE Vol.117 最新ucode認定タグ
http://www.personal-media.co.jp/book/tw/tw_index/258.html

ここ数年は「超漢字」の話題もないし、T-Engine のプログラムをするわけでもない・・・なんだけど、他の所謂パソコン系雑誌が Windows の使いこなし記事ばかりでつまらないのでまだまだ定期購読を続けている。

坂村センセの「料理事情記事」が一番興味がある?記事というのも・・・

音楽と映像メディアの行方2009年06月10日 07時00分

TRONWARE Vol.101 の掲載記事「TRONから見たコンピュータ業界の動向」の記事を読んで考えさせられた。

TRONWARE Vol.101
http://www.personal-media.co.jp/book/tw/tw_index/238.html

「かつて放送局では1インチCフォーマットや3/4インチ放送用Uマチックといったアナログ方式のビデオテープレコーダーが大活躍した。これらの機材は発売から30年たち、販売はとっくに終了している。そのメンテナンスも2007年4月に終了するという。・・・」(※)

・・・という書き出しで始まるこの記事、最後は

「・・・デジタルデータはいくらコピーを繰り返してもオリジナルが保たれるが、確実にコピーつまりバックアップを行わないと後生に残らない。電子文明は技術シーズと市場ニーズの危うい均衡の上に成り立っているのである。」

と締めくくっている。

(※)「技術レポート」マクセル・アーカイブサービス、放送技術2006年9月号 が元ネタ。

放送局ではこれらの規格の録画テープが大量に保管されているそうだが、機材の寿命を考えると、これら全てのテープを他のメディアに変換するのは不可能なそうだ。

ビデオテープレコーダー(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%87%E3%82%AA%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%80

1インチVTR(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%81VTR

U規格(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/U%E8%A6%8F%E6%A0%BC

過去の映像資料は放送局の貴重な財産ではあるが、それを再生出来なければ宝の持ち腐れだし、倉庫スペースを食いつぶす単なる「無駄飯ぐらい」に過ぎないから、放送局にとっては頭の痛い問題だろう。

これは音楽業界にも関係がある話。というのも、初期のディジタル録音は、PCMプロセッサとこれらアナログ記録VTRとの組み合わせでマスターを作っていたから、残されたディジタルマスターを新しいメディアに移すのは大変らしい。

事実、1980年前後初期のディジタルマスターは、メディアの劣化・再生機器が手配出来ない・・・等の理由で再生不能という例がある。あるCDには、「・・・当時のディジタルマスターが再生不能なため、同時に録音していたアナログマスターからCD化しました」という記載があった。

音楽録音用のアナログレコーダーはまだ大丈夫かな?

オープンリール(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%AB

録音再生機も色々あるからなあ・・・

録音再生機器(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8C%B2%E9%9F%B3%E5%86%8D%E7%94%9F%E6%A9%9F%E5%99%A8

民生用メディアも例外ではない。家庭用ビデオテープレコーダーもHDDやDVDに押されて既に引退状態だし・・・

VHS(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/VHS

ベータマックス(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

そういえば、色々録画したVHSテープも最近殆ど見ないなあ・・・テレビそのものを見なくなったこともあるけど・・・実家のテープ(ビデオテープとカセットテープ)もかなり処分したし・・・そういえば、カセットテープもご無沙汰だなあ・・・DATも今は業務用で細々と続いているらしい・・

コンパクトカセット(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%AB%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88

DAT(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/DAT

DVD以前のビデオディスクも風前の灯火・・・レーザーディスクは開発メーカーのパイオニアがついにプレーヤーの製造終了を宣言したしなあ・・・

レーザーディスク(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%AF

パイオニア(株)
レーザーディスクプレーヤー生産終了のお知らせ(2009年1月14日)
http://pioneer.jp/press/2009/0114-1.html

VHD(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/VHD

そういえば、昔CDが発売されたとき、ディスクの寿命は半永久的・・・と大々的に宣伝されたが、実際はそうでもない。20年~30年くらいが限度ということらしい。事実、初期のディスクは読み取りエラー多発で再生不能という例もチラホラ聞いている。

コンパクトディスク(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%AF

神戸新聞:気になるCDの寿命(2002/08/01)
http://www.kobe-np.co.jp/rensai/cul/026.html

Wired Vision Archives:CDやDVDの寿命は意外に短い?
-2004年5月14日
http://wiredvision.jp/archives/200405/2004051405.html

All About
CDやDVDにも寿命がある!?上手に保管しよう!(2004年5月23日)
http://allabout.co.jp/computer/av/closeup/CU20040523A/

う~ん、昔のアナログディスクの方が長寿命だなあ・・・78回転のSPもEPもLPも、我が家ではまだまだ現役である。1925年以前の機械式吹き込みのSPも、我が家の「音聴箱」でまずまずの音が聴ける。少なくとも80年以上の寿命があることを自分で体感・実証済みなのだから・・・

レコード(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89

我が家の「音聴箱」
http://denon.jp/products/GP17.html

コンピューターデータの寿命ものだ。既にフロッピーディスクの命運も尽きかけているようだし・・・

フロッピーディスク(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%AF

三菱化学メディア プレス発表
3.5型FD(フロッピーディスク)販売終了のお知らせ
http://www.mcmedia.co.jp/japanese/news/info/0031.html

8インチの標準ディスクは学生時代に見た記憶があるが使ったことは無い。学生時代の標準メディアは5.25インチのミニフロッピーで、3.5インチのマイクロフロッピーはまだまだ普及途上だった。

もう、5.5インチのメディアもドライブも製造されていないそうだし、この当時に記録されたメディアは読めない可能性が高いそうな・・・

最近はFDを使うこともめっきり減ったし、たまに昔のFDを読もうとしてもリードエラーで読み取り不能という事態にも遭遇している。こういう時程「バックアップ」の有り難みがわかるのだが・・・

今は絶滅してしまった「ワープロ」専用機のデータも3.5インチFDで記録されている人が殆どだと思うけど、今も読めるかしらん?

ワードプロセッサ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%BB%E3%83%83%E3%82%B5

昔のパソコンソフトも同様の悩みがある。今のパソコンでは動かないのが大半だ。ホビーユースならまだ諦めがつくが、産業用ではそう簡単に諦めるわけにはいかない。動かないと工場が止まるという最悪の事態もあり得るのだから・・・

古いパソコンが壊れて、同じソフトが動く新しいパソコン・・・なんてもうありゃしない。未だに、昔のNEC PC-9801 シリーズが重要業務で使われているケースもあるが、既にその互換機の生産も終了している。(インテルがCPU生産を終了したからどうしようもないとのこと)

NEC PC-9800シリーズ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/PC-9801

ELMIC WESCOM iNHERITOR(インヘリター)
http://www.elwsc.co.jp/japanese/products/inheritor.html

新しいパソコンで古いソフトや機械を動かすには、エミュレーターや仮想マシンという手段があるけど、これも100%の互換性・・・となるとなかなか難しい。

エミュレーター(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BF

仮想機械(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%AE%E6%83%B3%E6%A9%9F%E6%A2%B0

結局、最後まで残るのは紙媒体とアナログレコードのような気がしてきた・・・