CD Reissue - Ormandy & Philadelphia - Brahms Four Symphonies 1966-68 ― 2010年10月03日 22時00分
曲目詳細の詳細は Tower に記載がある。Sony Music Shop に記載がないのも妙な話ではあるが・・・
SONY CLASSICAL/SICC-1421 3CDs
ブラームス:交響曲全集
【曲目】
1. 交響曲第1番ハ短調作品68
2. ハイドンの主題による変奏曲作品56a
3. 大学祝典序曲作品80
4. 交響曲第2番ニ長調作品73
5. ヘンデルの主題による変奏曲[ルッブラ編曲]
6. 交響曲第3番ヘ長調作品90
7. 交響曲第4番ホ短調作品98
【演奏】
フィラデルフィア管弦楽団
ユージン・オーマンディ(指揮)
【録音】
1968年5月19日(1)、1966年6月18日(3)、1966年4月6日(4)、1967年1月31日, 3月13日(6)、1967年10月25日(7) フィラデルフィア、タウン・ホール
1963年4月28日 フィラデルフィア,アスレチック・クラブ(2)
1960年11月20日 フィラデルフィア,ブロードウッド・ホテル(5)
<2010年10月15日追記>
この盤は、
『Sony Classical x TOWER RECORDS 共同企画』
タワーレコード“Sony Classical”スペシャル・セレクション第4弾
として企画されたようです。そうか、タワーがやってくれたのね。次はベートーベン全集を頼みますわ。
CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300 Vol.17 シベリウス:交響曲第2番&フィンランディア ― 2010年06月14日 00時00分
Sibelius : Symphony no.2(rec.1957) & Finlandia(rec.1968)
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
このラベルが回転する様も目に焼き付いてしまっているほど聴きこんだんだよね。一応、米Columbia盤(MS6024,ML5207)も手元にあるのだけど・・・まだ針通しすらしていないのだ・・・
ブラ1と共に、たぶんこの盤も手放すことはないだろうなあ・・・んでは。
CBS/SONY 栄光のフィラデルフィア・サウンド ~ユージン・オーマンディの芸術~ 1970年 ― 2010年06月12日 11時37分
~ユージン・オーマンディの芸術~ SOCF-22008 \2,000
ムソルグスキー:展覧会の絵
バラキレフ:イスラメイ
オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団
Wikipedia(ソニー・ミュージックエンタテインメント_(日本)) によれば、CBS/SONYは事始めは下記の通り。
1968年3月1日 - ソニー株式会社と米国Columbia Broadcasting System Inc.(現CBS Inc.)との合弁契約に基づき、東京都品川区にCBS・ソニーレコード株式会社として設立。資本金720百万円。出資比率は50:50で、日本における資本自由化措置後第1号の合弁会社であった。
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団は既にこの時、米Columbia Masterworks の専属を離れて RCA Red Seal に里帰りしている。
1972年来日公演パンフに掲載された同社の広告には、この「栄光のフィラデルフィア・サウンド」シリーズと共に、専属を離れる前に「猛スピード」で録音された「最新録音」(グローフェの大峡谷、レスピーギのローマの「松」と「泉」、ショスタコの「5番」)3点が掲載されている。
同じ来日公演に掲載されたRCA(日本ビクター(株)RCAレコード事業部)の広告には「1968年以後、オーマンディ/フィラデルフィアの最新録音はすべて、RCAレコードが発売されております」と黒い太字で明記されており、「CBS/SONYの録音は旧録音」というイメージをそれとなく醸し出しており、当時のセールス合戦の様子を垣間見ることが出来る。
ということで、この「栄光のフィラデルフィア・サウンド」シリーズ、ジャケットはシングルなんだけど、金箔?印刷で神々しく "The Art of Eugene Ormandy - The Glorious Philadelphia Sound Series" なんてマークまで作っている。
このシリーズのLP5枚買うと1枚LPがもらえるという「5:1レコード・プレゼント(付)」などというキャンペーンもやっている。
残念ながらこのLPには同封されているはずの説明書がなかったので詳細は不明・・・
曲目表示はこんな感じ。キャップの後ろは「信じ難いほど素晴らしい音===フィラデルフィア・サウンドの魅力!!」というキャッチフレーズが。
このLP発売時点では、まだ全40+1枚は揃っていなかったようである。
さて、肝心の音について・・・
・・・創業当初から、 当時最新鋭のレコード・カッティング・マシーンであるノイマン社のSX-68を導入し、レコードのカッティング及び生産を開始・・・
・・・とあるので、当然音には力を入れていた(この辺りの事情は以前ブログに書いた「オー ディオチェックレコードのすべて 誠文堂新光社 1976年 」をどうぞ)のだと思う・・・が、どうもハイ上がりで高域が荒れて落ち着かない・・・ヘッドホンでは耳が痛くなる。ローブストハイ落ちの大型システムで聴くとちょうどいいくらいなのかな?ま、
、トーンコントロールなりグライコで聴きやすい音に調整して聞けばいいんだけど。
音はセンスが重要であって、カタログ上の物理的な性能だけが良くても、最終製品がいいものになるかどうかは制作者のセンス次第・・・ということか。そういえば、これまた以前ブログで取り上げた「五味康祐「オーディオ巡礼」 ステレオサウンド 2009年6月復刻版3刷」の著者はSX-68でカットされたLPについて辛辣なことを言っていたそうだが・・・
これは、LPに封入されていたモニタ・カード。購入者から送られてきた記載済みのカードをカード・リーダーで読んで、メインフレームで集計していたのだろうか・・・
Ormandy & Philadelphia - Stravinsky's "Le Sacre du Printemps"(1955) & "Petrouchka" (1954) ― 2010年06月11日 07時20分
Stravinski : Le Sacre du Printemps, Petrouchka - suite
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
recorded 1955(Sacre), 1954(Petrouchka)
RCA Victor は既にステレオ録音に手を付け始めた頃だが、Columbia Masterworks はまだまだ・・・RCA Victor はLPでColumbia に先を越されたということもあって、ステレオへの取り組みは早かったそうな・・・
ジャケットの絵は DORIS LEE と右下に小さく表示されている。正直、あんまりいい絵とは思えないが・・・ジャケット上部の"THE WORLD'S GREATEST ORCHESTRA" がいかにも米Columbiaというかアメリカ的?なキャッチ・フレーズである。この当時の米ColumbiaのLPにはこういう文句が堂々と登場して微笑ましい。まあ、看板に偽りは無いけど・・・
ジャケット裏のデザインは"Lp"を強調した簡素なもの。ジャケット下側に
"PERMANENT" NEEDLES MAY CAUSE PERMANENT DAMAGE.
とある。この当時から「永久針」なるまがい物が横行していたのかな。その下には「永久針なんてありません」と重ねて注意を喚起している。針寿命の比較表がその右に記載されてますな・・・(そういえば、このことは以前ホームページにも書きましたワ・・・)
当時の針種類と特徴が解りやすい。
記載されているのはダイヤモンド・サファイア・オスミウムの3種類。オスミウム はwikipedia によると、
The stylus (needle) in early phonograph designs was also made of osmium, especially for 78-rpm records, until sapphire and synthetic diamond replaced the metal in later designs for 45-rpm and 33-rpm long-playing records.
だそうな。ちなみに、米Columbia はLP用のカートリッジとしてクリスタル型(圧電素子)の製品を最初に出している。今は電磁誘導タイプのMM、MCが普通だが、当時はまだまだ諸方式の評価が定まってなかったのだねえ・・・
ま、それはさておき、磁気テープによる録音もかなり安定した頃の録音である。各パートの音が結構クリアに聞こえるので、マルチマイクによる収録かな・・・結構残響が入っているので、会場もAcademy of Music ではないようだ。既に Town Hall へ移ったのかな?
手元の盤は6eyes のフラット盤。グルーヴ・ガード盤かと思ったけど、よく見るとフラット盤だった。初出は Blue Label だと思うけど、Blue Label は盤質の良くないものが多いので、6eyes の方が無難。この盤は結構傷だらけだけど、思ったよりノイズは少なく充分鑑賞に耐える。
会場の暗騒音(低域ノイズ)も良くキャッチされていて、それがしっかりと盤に刻まれている。ソロ・パートをピックアップしようしてボリューム操作をしたのか、所々超低域ノイズが増えてくる箇所がある。会場外の車のノイズも結構しっかり聞こえる。この当時は低域ノイズをカットしていなかったのかな?
肝心の演奏について、う~ん・・・流石にアンサンブルは後年のステレオ録音には及ばないけど、ぐいぐい引き込まれる推進力にはたまげた。特にペトルーシュカが録音・演奏ともにいいと思う。
ステレオ録音のペトルーシュカは1911年初版(4管編成)の抜粋版を売りにしていたが、この盤は 1947年版(3管編成) なのだろうか・・・解説にはその辺りの記載はないが、ステレオの時と同じ4管でやっているような気もする。
あと、春の祭典はどのエディションを使っているのか・・・というのが気になるところ。第2部の最後の方はエディションによってかなり印象が変わるというか・・・wikipedia によれば、
①自筆の初演版
②1921年の初版
③1929年の初版第2刷
④多くの改訂がされた1947年版
⑤さらに修正を加えて版を新たに起こした1967年版
があるそうで、この録音は1955年だから、1947年版・・・ということかな?
手元にはもう一枚、日本コロムビア盤がある。
WL5219 Blue Label LP
デザインは米Columbia盤をほとんどそのまんま・・・である。上部をちょっといじってるくらいかな。ペラペラの所謂ペラジャケで、米盤ジャケットの複写なのか文字がにじんで幾分精細を欠く。右下の絵描きさんの名前も消されているし・・・
後ろの解説は力が入っている。ディアギレフとストラヴィンスキー、そしてペトルーシュカの舞台写真もあるし、志鳥栄八郎氏による丁寧な解説が付されている。但し、演奏者については一切記載無し。米盤もそうだけど、当時はこんな感じなのかな・・・
レコードラベルは米Columbia と全く同じのBlue Label 。これは、日本コロムビアの川崎工場でプレスされているので、米コロムビア版と区別する意味で通称「川崎盤」と呼ばれているそうな・・・
この盤は米コロムビアから原盤を輸入してプレス・・・ではなく、テープから日本コロムビアでカットしてプレスしたもののようだ。米盤とは溝が異なるし音も違う。
盤そのものは米盤6eyesよりずっしりとして重い。しかし、見た目はそうキズがあるわけでもないのに、結構スクラッチ音は多いし、低域ノイズをカットしているようで、米盤の生々しさから後退した少々おとなしい音になっている。自動車のノイズも殆ど聞き取れない。たぶん、車のエンジン音も含めた低域ノイズは宜しくないという判断でノイズカットをしたのだろう。この辺りは日本と外国との感性の差なのかな。
久々のモノラル盤なので、Ortofon OM D25M を引っ張り出した。ヘッドシェルは Audio Technica AT-10G RD 付属のもの。 OM D25M は背が高くて、アームが前上がりになり具合が宜しくない。残念ながら、Technics SL-QX300P(オー ディオの足跡) はアームの高さを調整できないので、ヘッドシェルで対応するしかない。たまたま手元にあったAT-10G RD のヘッドシェルがちょうどいい具合で納まった。
このカートリッジは4gの針圧をかけるので、重めのシェルも幸いした。サブウェイトを使わずにゼロバランスもなんとかとれ、且つ4g加圧もO.K.。 インサイドフォースは2gマックスだけど実用上支障ないのでこれで良し。
んでは。
Ormandy & Philadelphia - Vivaldi's The Four Seasons ― 2010年05月28日 11時25分
ヴィヴァルディ:四季
オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団
アンシェル=ブルシロウ(ヴァイオリン独奏)
特別価格 \2,000 (昭和50年1月)
「ヤング・ピープルズ・コンサート - ヤングのためのクラシック入門シリーズ☆全50巻」・・・帯の文句が眩しいぜ・・・そういえば、ソース焼きそばでお馴染みの ペヤング も 「ペアでヤングなソース焼きそば」から来ているそうな・・・西城秀樹 の ヤングマン もあったな・・・もっとも、この「ヤング・ピープルズ・コンサート」LPシリーズはCBSのバーンスタイン&NYP による 「ヤング・ピープルズ・コンサート」から来ているのだろう。
ま、それはさておき、これまでずっと気に掛かっていたことがある。それはCBS/SONY 「オーマンディ 音の饗宴1300」のあの特徴のあるジャケットの中にトリミングされていた舞台写真である。
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
一体この舞台写真は何処なのだ・・・ずっと???・・・であったが。マイクも複数立っているから、演奏会のライヴ収録写真・・・?にしても、マエストロE.O.の前にもマイクがあるのは・・・
20年以上疑問に思っていたこの写真の出所?であったが、この 「ヤング・ピープルズ・コンサート」シリーズのジャケット写真のお陰でかなり真相まで踏み込むことが出来たのである。
写真の左右に注目。左右に「円柱風の装飾」がある。なんだ、Academy of Music で使われている Shell ではないか。左奥のカーテンに隠れた所から、テレビカメラらしいものがチラリ・・・と。
つまり、これはテレビ収録(あるいは生中継)時のヒトコマであったのだ。正装した指揮者とオーケストラの舞台に何故マイクが林立しているか・・・その疑問も一気に氷解である。
1922年以来、フィラデルフィア管弦楽団は音をより一層響かせる為、Academy の舞台に 「シェル」を設置、その「箱」の中で演奏していたが、この写真は 1964年夏に作られたその新しい「シェル」( 「オーマンディ/フィラデルフィアのすべて」)なのだろう。1970年代後半のUnitel 収録ビデオに映っている「シェル」の見かけとは異なるが・・・舞台正面のオルガンは取り外し可能なのでそれはさっ引いて考えよう・・・
肝心の演奏については以前書いたので省略。ちなみにこのディスクは当時の最新鋭カッティングマシーンであるノイマンのSX-68MarkⅡでカットされている。
昔、レコードには、ノイマンの SX-68 とか SX-74 でカッティングされた・・・というセールストークが帯に書かれていたことを思い出した。いまはマイクに専念しているようだが・・・
オーマンディ・フィラデルフィア管弦楽団の初来日「舞踏への勧誘」LP 1967年 ― 2010年02月25日 14時30分
さて、その移転前の2階のレコードコーナーで見つけたのがこのLP・・・
オーマンディ=フィ ラデルフィア・デラックス・アルバム 10 「舞踏への勧誘」
1967年の初来日(5月3日~5月19日)に合わせたシリーズ。番号は OS-801-C ~ OS-820-C の全20タイトル、これはその10番目のアルバム。
帯は茶色っぽく色あせているが、発売当時は金色だったと思われる。日本コロムビアの「超ステレオ360サウンド」の文字が時代を感じさせる・・・
帯の文句を抜き出すと・・・
来日記念特別セール(3月10日~6月20日)
四大特典
●オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団日本公演に御招待
●特製本「オーマンディ/フィラデルフィアのすべて」贈呈
●「オーマンディからのメッセージ及び録音風景」贈呈
●30cmステレオ 1枚 贈呈
※当然のことながら、1967年(昭和42年)のことですのでとっくの昔に特典は終了してます・・・念のため。(まあ、勘違いする人がいるとは思わんけど・・・)
帯裏は特典券が付いており、これを切り取って7枚「お近くのコロムビア特約店」へ持っていくと、このシリーズのLPが1枚もらえたのである。
同封のハガキ(このLPには同じハガキが2枚同封されており、上の写真はその表裏を並べたもの)は特典抽選カードとなっており、抽選により1967年の日本公演に300名を御招待・・・いいなあ~
さらに、3月から6月までの4ヶ月間、抽選により毎月千名(計四千名)に 特製本「オーマンディ/フィラデルフィアのすべて」 が贈呈・・・
さらに、オーマンディ /フィ ラデルフィア管弦楽団 の演奏(レコード、公演、ラジオ等)を聴いた感想文を送ると、下記の賞品が・・・
・特賞(1名) コロムビアステレオ・FMマルチ・セパレーツ 5S30F≪マニア・ハニー≫
・優秀賞(3名) コロムビアステレオ・FMマルチ・卓上セパレーツ 2S30F≪マニア・ジェミナス≫
・佳作(20名) おすきなオーマンディのレコード1枚(30cmステレオ)
・参加賞(先着二千名) オーマンディ来日記念特製メッセージ入りシート・レコード。
※くどい太めの納豆売りではありませんが、当然のことながら、1967年(昭和42年)のことですのでとっくの昔に特典は終了してます・・・ホント、念のため。(ああ、いやな世の中になったなあ・・・)
この当時のコロムビア・ステレオは「マニア」という名前を付けたラインナップだったようで、これはオーディオ・マニアも満足する性能・・・というところをアピールしたのだろうか。今だったら「オタク」・・・か?それにしても「マニア・ハニー」とは・・・時代が違うとこうもネーミング・センスが変わるものだろうか・・・ねえ、ハニー?
感想文応募の締め切りは1967年5月31日、審査は、応募者を「一般」「学生」「主婦」の三分野に分けて行ったそうで、審査員は音楽評論家の村 田武雄氏、志鳥栄八郎氏、指揮者の大 町陽一郎氏の3名。
発表は1967年7月上旬、「新聞広告、コロムビア・レコード月報、レコード芸術、音楽之友、ステレオ紙上」にて行われたそうな。
その当時のレコ芸(何月号か忘れたけど、恐らく1967年の7月に刊行されたもの)の広告に掲載されたその感想文(なんと43年前!)を読むと、何と純粋に感動を綴っているのだろうと感心すると同時に、ひねた音楽評論家や我が身の音楽の聴き方について思わず反省させられてしまった次第・・一読の価値あり。図書館なりで探して読んで下さいな。
このLPは解説もしっかりしている。曲目解説はジャケット裏面に記載されており、加えて"THE ART OF EUGENE ORMANDY"というLPジャケットとほぼ同じ大きさの解説書がジャケット内に封入されている。Emily Coleman による "Eugene Ormandy : Top Man of the Top Orchestra"と多くの貴重な写真、そしてそれまで初演した主要な曲目リスト等・・・カラーではないが、内容が充実した解説である読んで楽しめるものになっている。最近のCDアルバムに一番欠けているものは、このような手間暇かけた解説だと思う。手間と時間を惜しんで製品を早く出すことだけを考えていると、某国某自動車製造会社のような羽目に陥ることを肝に銘じておく必要がある・・・ナンチャッテ。
Message from Mr.Eugene Ormandy
Interview (Town Hall, Philadelphia 1966.12.28)
Side 2
Recording Session(1966.12.15)
さて、1面の最初はマエストロからのメッセージです。短いので全文を記載します。
Message from Mr. Eugene Ormandy
Hello people of Japan. My name is Eugene Ormandy. The Philadelphia Orchestra and I are looking forward with happy anticipation to a visit of your great county and make music for your great audiences.
I'm happy to tell you that I have just learned that a Nipponese Columbia Record is
going to release in Feburyary and March, thirty or forty of the Philadelphia Orchestra's latest records. I hope you will be acquainting yourselves with our music making and with our records even before we arrive in your wonderful country.
マエストロ本人が考えたか日本コロムビアが考えたかどうかは定かではありませんが、直英訳調のぎこちない?英語が、ファン・サービスを怠らないマエストロの様子を伝えておりますなあ・・・
1面のトラック2はインタビュー、これは興味い内容です。例えば「私は、契約によってヨーロッパの3つのオーケストラを指揮することが許されています。・・・」というのは どういう契約なのかはよく分かりませんが・・・。また、ロンドン響と入れた「新世界」の件や、初演間もないクック版のマーラーの10番交響曲についてのロンドン響との公演や音楽研究会(Workshop)についても・・・
その他、日本公演のプログラムを決める過程などを事細かに話しており、招聘者の立場に配慮したプログラム作りなど、これまたマエストロの気遣いのを垣間見ることが出来ます。なんにせよ、この録音のマスターテープが残っているとは到底思えないので、貴重な1枚と言えるでしょう。
2面は、リムスキー=コルサコフのオペラ「ムラーダ」から「貴族たちの行列」の録音風景を収録したものです。Thomas Frost とのやり取りが聞けてこれもなかなか面白いものです。どんな感じかというと、
maestro(以下、E.O.):えー、Tom、どんな具合だい?
Thomas Frost(以下、T.F.):結構です。バディに頼みたいんだけど、右のトランペットのマイクを低くしてくれないか?
E.O.:トランペットの3番って、どの?
T.F.:ええ、ギル・ジョンソンです、3番の。
E.O.:ギル・ジョンソン?
T.F.:マイクロフォンを低くしてくれませんか?
E.O.:気に入るようにしてくれないか?静かに。それでは、トランペット3本だけ。始めから・・・・
という具合で録音が進んでいきます。ちなみに「貴族たちの行列」はこのCDで聴けます。Essential Classics SBK62647 "Russian Orchestra Works"にも収録されていますが、こちらのMasterworks Expanded Edition 盤の方が鮮明な音になっているようですが・・・
中古屋でこの日本コロムビア/CBS オーマンディ=フィ ラデルフィア・デラックス・アルバム シリーズを見かけたら、ゲットするのも悪くないかも・・・んでは。
オーディオチェックレコードのすべて 誠文堂新光社 1976年 ― 2010年01月31日 19時00分
誠文堂新光社 1976年
大須のハイファイ堂でたまたまこの本を見かけて、見せてもらったら面白かったので、「これ、買えますか?」と聞いたのだが、残念ながらスタッフが資料として使っているものでお売りできないとのことであった・・・ま、そりゃそーだ。スタッフのカウンターの本棚にあった本だからねえ。
本のタイトルをメモさせてもらい、ネット上で探したら、yahooのオークションに出ていたのを見つけたので、すぐ入札、1週間後に最低価格で落札。まあまあの費用で入手出来た。良かった良かった・・・
内容はタイトル通り、当時発売されていたオーディオ・チェックレコードがメインだが、所謂チェックレコードだけではなく、オープン・リール・テープのソースや、4chレコード、ダイレクト・カッティング・レコードなども、聴き所や、どうチェックに使うか・・・という使いこなしについてもかなり突っ込んだ記事が満載である。当時の録音風景や、ディスクのカッティング・プレス工程のカラー写真が掲載されていて、ざっと眺めるだけでも楽しい。
この本に掲載されているテスト・レコードは数枚手元にある。新品で買ったり、中古で入手したり・・・なんか昔を想い出してしまうぜ・・・
さて、この本の「チェック/デモ・ディスクの紹介」の「クラシック・ディスク(2ch/モノーラル)-和田則彦」にて、オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のディスクが2枚、取り上げられている。米Columbia録音の「幻想交響曲」(CBS/SONY SOCT-8)と「オルガン交響曲」(CBS/SONY SOCT-21)である。これは、CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300 のディスクでもある。
和田氏によれば、このCBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300 盤ではなく、旧盤(「幻想交響曲」はCBS/SONY SONW-20095~6、又は SOCF-22003、「オルガン交響曲」はCBS/SONY SONW-20095~6、又は SOCF-220014)のディスクの方が、より低音がハイレベルでカットされている・・・とのこと。その理由は・・・
「・・・SX-68 導入の頃から CBSソニー静岡工場に”悪乗りカッティングの巨匠”がいて、米CBSからのマスター・テープに低域を減衰させてカッティングするよう補正カーヴの指定があったのを、あえてそのまま切ってのけたという神話がある。・・・(これらの盤は当時の)大賀社長も自邸装置のデモ盤に採用しておられるほどの木目状重低音音溝だ。
勿論現役SOCT(CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300)も”直った”とはいえ、他録音の追随を許さぬが・・・。」
この話の真偽の程は今となっては?だが、なかなか興味深い話ではある。手持ちのCBS/SONY SOCT-8 と SOCT-21の溝を見ると、確かに結構キツイ溝がカットされているような感じもするし、低音の量感もなかなかのものだ。あとでCDも一緒に、ゆっくり聴いてみよう。
Glorious Sound of Christmas LP ALBUM 番外編 ― 2009年12月12日 16時58分
ダブルジャケットの豪華盤ですが、\2,500 とお買い得価格設定?となっています。石丸寛氏による「です・ます調」の解説があり、半分はクリスマス音楽について、もう半分は演奏者と編曲者(アーサー=ハリス)についてのものです。う~ん、時代を感じるなあ。SX-68 サウンドというのも・・・
んでは。
Mozart & Haydn : Sinfonia Concertante ― 2009年09月20日 09時37分
Monophonic LP
Mozart : Sinfonia Concertante(recorded 1957)
-John de Lancie(Oboe), Anthony Gigliotti(Cl.), Bernard Garfield(fg.)
-Mason Jones(Hr.)
also available on CD
-米SME/Sony Classical SM3K 47215 (C)1991
-Sony Music Japan/Sony Classical SICC-962(3CDs)
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1863927&GOODS_SORT_CD=102
Haydn : Sinfonia Concertante(recorded 1958)
-Jacob Krachmalnick(Violin), Lorne Munroe(Cello)
-John de Lancie(Oboe), Bernard Garfield(fg.)
also available on CD
-米SME/Sony Classical SBK 62649 (C)1996
最近マーラーばっかしだったので、もっとお気楽なものを・・・モーツァルトとハイドンの協奏交響曲・・・まあシンフォニーといってもそう気張ったもんじゃあありません・・・
このLPは何処で買ったのか思い出せませんねえ・・・100円セールで買ったのかな?
米コロムビア盤のジャケットデザインとラベルデザインをほぼそのまま使った、日本コロムビア盤です。ペラジャケと、どっしりとしたブルーラベルのグルーヴ・ガード盤という組み合わせ。
日本コロムビアの川崎工場にプレス工場があったことから、通称「川崎盤」と呼ばれていると何かで読んだ記憶があるが・・・この盤は結構厚みがあってずっしりとしており、反りや歪みは殆ど無い・・・
音はあまり良くない。ステレオ録音にもかかわらずモノラル盤だし、悪い針でかけられたのか、それとも重い針圧の電蓄でプレイされたせいか、フォルテで耳障りなチリチリノイズが・・・BGMで聴く分にはそう気にもならないけど・・・
では。
タワーレコード“Sony Classical”スペシャル・セレクション第3弾! - オーマンディによるチャイコフスキー交響曲第7番 ― 2009年09月04日 20時41分
Tchikovsky:Symphony no.7
reconstructed by Semyon Bogatyreyev
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
recorded 1962
まさかこんなのがまたCD化されるとは・・・タワーは元気ですなあ・・・。11月4日のリリースだそうです。
タワーレコード“Sony Classical”スペシャル・セレクション第3弾!
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfGpSearchResults.jsp?GOODS_SORT_CD=101&SEARCH_GENRE=ALL&keyword=AllCatalog&TYPE=AllCatalog&entry=SICC-1201%2CSICC-1207%2CSICC-1208%2CSICC-1210%2CSICC-1212%2CSICC-1215%2CSICC-1217%2CSICC-1219%2CSICC-1221%2CSICC-1223&commentId=5575
チャイコフスキー: 交響曲第7番・第6番「悲愴」, 他
ソニークラシカル SICC-1208
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1983198&GOODS_SORT_CD=102
1990年に 米CBS Masterworks Portrait MPK 46453 で1度CD化されたきりで、ずっと入手困難だったものです。時折オークションで見かけても競争が激しく価格も高く、結局未開封LPを格安で入手してようやく聴きましたが・・・
ということで、ずっとこの音源を追いかけていた人には朗報ですな。
Semyon Bogatyreyev 再構成版による世界初録音。西半球初演(東西分裂時はこういう言い方だったんですなあ)も オーマンディ・フィラデルフィアが行っています。Columbia時代はマーラーの10番といい、RCA後期とは違う意味で色々意欲的に問題曲(?)を取り上げていたんですねえ。
さて、この交響曲7番なる代物、作曲者が書きかけて断念した交響曲の草稿・破棄されたスケッチ・他の似たような曲からの転用という「ごった煮の継ぎ接ぎ」以外の何物でもなく、試みとしては面白いしその努力は「ご苦労様」と肩を叩きたくもなりますが、はっきりいって後世に残るものではないでしょう。チャイコフスキーも草葉の陰で「こんなシロモノをワシの交響曲といわれても困る・・・」と苦笑しているのではないでしょうか。
とはいえ、メロディーメーカー「チャイコフスキー」のメロディー断片が素材ですから「ごった煮の継ぎ接ぎ」でも結構聴ける物になっていますし、なかなか美しいメロディーが随所に現れてきます。素材が良いので調理法に問題があってもまあ食える・・・とはチト言いすぎか・・・。
オーマンディ・フィラデルフィアによる素晴らしい演奏もこの問題作を救済するには至っていません。まあ、こういう試みもあった・・・くらいで聴き流すのがよろしいかと。
今回のCD化は、ロストロポーヴィチのライヴを組み合わせた2枚組。どうせなら、オーマンディとイストミン によるチャイコのピアノ協奏曲1番とかと組み合わせて欲しかった・・・これもCD化されているらしいけど、見たことないし・・・
いっそのことタワーで、ベートーヴェン&ブラームス全集を一挙にCD化してくれないかな・・・
それか、ソニーとBMGの音源を組み合わせて、チャイコフスキー交響曲全集(マンフレッドもあるし)でズドーンと出すのもいいかも・・・
今後のタワーに期待しましょう。
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