オーマンディとラフマニノフ「交響曲第1番」の謎?2015年11月18日 03時40分

 ツイッターでたまたま知り、オーマンディ掲示板投稿した記事の備忘録として・・・


オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団は1948年3月19日にラフマニノフの交響曲第1番を米国初演しており、その翌日に同曲の演奏が「史上初のオーケストラ演奏のテレビ放送」としてCBSにより放送されています。(ご参考→Coming to the Small Screen: Ormandy and Television

1966年には同曲最初のステレオ録音をColumbia Masterworksと行っています。
1967 recording of the Rachmaninoff Symphony no. 1 by the Philadelphia Orchestra, cond. Eugene Ormandy
1967 recording of the Rachmaninoff Symphony no. 1 by the Philadelphia Orchestra, cond. Eugene Ormandy

また、ラフマニノフ生誕100年記念に際してのラジオ・インタビュー(1973年5月)に於いて、ラフマニノフの交響曲第1番に関してこんな事を話しています(以下はその抜粋)

「・・・彼が破棄したとされていたその交響曲の手稿譜の一つが残っていた。 ・・・彼の死後、その楽譜が私のところへ送られてきた。私はラフマニノフの 娘であるヴォルコンスキ公爵夫人から、この作品に手を入れてほしいと頼まれた。・・・私たちはこれを演奏し、録音した。・・・」

そのときのインタビューの一部は下記で聴く事が出来ますが、残念ながらこのエピソードの部分は含まれていません。

Eugene Ormandy A Centennial Celebration
→Interview with Eugene Ormandy conducted by Morris Henken, ca. 1973
 Ormandy discusses an early experience with Sergei Rachmaninoff

この話が、1945年のモスクワ再演(オーマンディでは当然ありません)・1948年の米国初演・1966年のステレオ録音と具体的にどう関係しているのかは定かではありませんが、興味深い話ではあります。

さて、本題はここからですが、今年10月下旬にフィラデルフィア管弦楽団に客演したVladimir Jurowski氏が、フィラデルフィア管のライブラリアンに「オーマンディが使用したラフマニノフのスコア(交響曲第1番)はないか?彼の録音には、どうも重要な追加があるようなのだが・・・」と尋ねてきたのが事の発端のようです。

詳細はブログを読んで頂くとして、PENN LibraryのEugene Ormandy Music and Media Centerに保管されている、当時オーマンディが使用したパート譜の一部の写真や、それを見たVladimir Jurowski氏のコメントなど、なかなか興味深い内容です。

 そういえばオーマンディ掲示板投稿でこんな話も知りました・・・今年6月15日、アンドリュー・リットンが都響でラフマニノフ「交響曲第2番」を指揮したそうですが、リットンは15歳当時、学校の先生に勧められて同曲をオーマンディのLPで初めて聴いてすっかり魅了されたそうです。1974,5年のことのようですので、多分RCAの録音でしょうか・・・
 ワシントン・ナショナル・オケのアシスタント時代、オーマンディが客演してこの曲を演奏、その時オーマンディが持ち込んだ楽譜を見てボーイング等を書き写したりしたそうで、都響に持ち込んだ楽譜のボウイングのオリジナルはオーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のもの・・・とのこと。
 残念ながら私はこの演奏を聴いておりませんが、実に興味深い話ですね。

では。

Emile Gilels and Ormandy/Philadelphia - Rachmaninoff's Piano Concerto No.3 - Live in New York , 19662010年10月16日 07時00分

こんな録音があったとは知りませんでした・・・

Melodiya MOHO 33 M10-38727-8 jacket
Эмиль Григорьевич Гилельс
Юджин Орманди
Филадельфийский оркестр
Live at a concert in philharmonic hall New York, 1966/12/27

う~ん、ロシア語キリル文字って良くワカランなあ・・・横田さんのディスコグラフィによると、1966年12月27日のライブとのこと。さらに、John Hunt のディスコグラフィ によると、会場はphilharmonic hall New Yorkだそうな。

1966年なのにモノラル録音である。しかも、何故かメロディア・レーベルから出ている。録音をメロディアが担当したのだろうか・・・

Melodiya MOHO 33 M10-38727-8 Label

レーベルは、LP後期のメロディアプレスのようだ。白いレーベルというのは初めて見た。(そんなにメロディアのLP持ってるわけでもないけど・・・)

音質は鮮明さに欠けこもったような感じで頂けないが、熱気は伝わってくる。3楽章の最後の方など、テンポを揺らしたりエンディングに向かって突っ走るギレリスにぴったりくっついて離れないオーマンディの絶妙なサポートを聴かせてくれる。

録音が今ひとつなのが実に惜しい・・・

Melodiya MOHO 33 M10-38727-8 Liner notes
英語解説があればまだ何とかなるけど、全部ロシア語だから困る・・・ジャケットは情けないほどペナペナだし・・・ま、仕方が無いかな・・・んでは。

Ormandy conducts Rachmaninoff Symphony no.22010年02月08日 01時27分


Medici Arts 2072258

昨日HMVから届きました。深夜になってしまったのでちょいと見るつもりが、結局、マエストロのインタビューとラフマニノフのシンフォニーをまるっと聴いてしまいました・・・

インタビューは期待通り収録されていてホット一息。しかし、残念ながら日本語字幕はありません。クラシカ・ジャパンの放送ではあったんですがねえ・・・(あたりまえか)

それはさておき、やはりこの演奏は素晴らしい。コレを観ずして、ラフマニノフ2番交響曲を語って欲しくない・・・なんて、ガラにもなく思ってしまったのであった・・・

ストラヴィンスキーも聴かねば・・・そういえば、シャネル&ストラヴィンスキー という映画をやってたっけ・・・久しぶりに映画館に行こうかな・・・んでは。

2009年 私的 マストロ・ジーン トピックス2009年12月26日 12時30分

もうすぐ大晦日・・・2009年ももうすぐ終わり・・・早いもんですなあ・・・ということで、今年のマエストロ・ジーン関係のワタクシ的トピックスを・・・

最初はやはりこれですなあ・・・

●ようやく初DVD化!オーマンディ&フィラデルフィア管によるライヴ映像、ストラヴィンスキーの『火の鳥』組曲、ラフマニノフの第2交響曲
Medici Arts 2072258, Ormandy conducts Stravinsky and Rachmaninov
もう出ないんじゃないかと、半ば諦めかけていた映像だったんですが(Classica Japan とかで時折放送されていると思いますが・・・)、年明け早々、マエストロ没後25周年記念? というタイミングで出てくるとは嬉しい限りですなあ・・・しかし、未DVD化の カバレフスキー「コラス・ブルニョン」序曲が置いてきぼりにされているのは残念です。これも入れれば、ユニテル収録映像はコンプリートとなるのですが・・・まあ、待望のラフマニノフとストラヴィンスキーがリリースされるのですから、些細なことですが・・・Euroarts, Medici Arts, Naxos には感謝あるのみですなあ・・・
xrcd24 JM-XR24058
ホント、「奇跡が起こった!!」と思わず叫んでしまうような音の修復作業には頭が下がるばかりです。このXRCD24のサウンドであれば、自信を持って、このコンビの代表的録音の一つとしてお薦め出来ます。RCA Red Seal 復帰直後のステレオ録音は音質が今ひとつ・・・というのが散見されるので、そういうのも是非・・・といいたいところだが、XRCDシリーズのRCA音源復刻は今年で終了してしまったので・・・

その次は・・・

●オーマンディ/フィラデルフィアのすべて (日本コロムビア 1967年3月)
オーマンディ/フィラデルフィアのすべて 上野一郎・訳 編(日本コロムビア洋楽部) 日本コロムビア 1967年3月
10年以上探していた本ですが、たまたまヤフーのオークションで出品されているのを見かけて入札・・・運良くそのまま最低価格(千円くらいだったかな?)で落札出来ました。

近所の図書館にありますよ~とある方に教えられて見てみると・・・これはなかなか力の入った内容の濃い本で、オーマンディ・ファン必携・・・と言いたいところですが、非売品なので中古やオークションを根気よく探すしかないようです。

どんどん行きましょう・・・

●John Hunt - American Classics: The Discographies of Leonard Bernstein and Eugene Ormandy. (と その2
それにしても、まさか我らがマエストロ・ジーンのディスコグラフィが出るとは思いませんでした・・・
John Hunt - American Classics: The Discographies of Leonard Bernstein and Eugene Ormandy-表紙
John Hunt といえば、フルトウェングラーとか色々な指揮者のディスコグラフィを出している・・・くらいは私も知っていましたが、まさかこの大御所が 我らが マエストロ・ジーンのディスコグラフィを出すとは・・・

ネットで調べると・・・Malcolm Fox (1946-1997) のDISCOGRAPHIES をクリックすると John Hunt Discographies というページで彼の製作したディスコグラフィを見ることが出来ます。

このディスコグラフィの introduction に "For my initial research on Ormandy I was greatful to an internet discography compiled by Kenji Yokota."とあり、このディスコグラフィ編纂にあたり 横田さんオーマンディ・ディスコグラフィを大いに参考にされたことでしょう。少なくとも、ネット上に存在するマエストロ・ジーンに関する情報は日本の方が圧倒的に多い・・・と思いますよ・・・アメリカにも熱心なファンはいらっしゃるでしょうが、面白い事ですねえ。

●オーマンディ&クリーヴランドの「復活」ライヴ 1972年11月その2その3
RARE MOTH RM-582/3-S
1972年、クリーヴランド管とのライブ録音CD-Rが出ている・・・というのは前々から聞いていて、ついに買って聴いてみました。音はかなり良好で、マエストロ印の「復活」でした。これは聴いてみて良かったなあ・・・と思いつつも、フィラデルフィア管弦楽団とのライブ録音が出ないかなあ・・・とついつい思ってしまうのであった。

●Marcel Tabuteau - How Do You Expect to Play the Oboe If You Can't Peel a Mushroom?
Marcel Tabuteau - How Do You Expect to Play the Oboe If You Can't Peel a Mushroom
2008年3月に出版された本ですから、つい最近出たばかりです。Marcel Tabuteau - Waldemar Wolsing Tapes. という CD が付いているのですが、Tabuteau と Wolsing の二人の会話や、Tabuteau のオーボエ演奏が収められています。1960年代前半に録音された物と思われますが、音質は良好です。フィラデルフィア管弦楽団の伝説ともなっている二人の奏者の一人を知るには格好の本では内でしょうか。こういう本がアマゾンで手軽に入手出来るのは有り難いことです。

●タワーレコード“Sony Classical”スペシャル・セレクション第3弾! - オーマンディによるチャイコフスキー交響曲第7番
米Columbia Masterworks MS6349 Tchaikovsky Symphony No.7 Ormandy&Philadlephia
まさかこんなのがまたCD化されるとは・・・タワーは 元気ですなあ・・・。1990年に 米CBS Masterworks Portrait MPK 46453 で1度CD化されたきりで、ずっと入手困難だったものです。時折オークションで見かけても競争が激しく価格も高く、結局未開封LPを格安で入手してようや く聴きましたが・・・

●タワレコ “RCA Precious Selection” 販売終了
オーマンディ・フィラデルフィア管弦楽団の未CD化音源を次から次へとCD化してファンを驚喜させたこのシリーズもいよいよ販売終了というアナウンスが4月にありました。これは、Sony Music が SONY BMGを完全子会社化 して組織再編したあおり を受けてなのでしょうが・・・RCA Red Seal とColumbia に遺された彼らの音源の行方が気になります・・・吉と出るか・・・あるいは・・・

●オーマンディ関係、ネットで見つけたあれこれ・・・
John Hunt のオーマンディ・ディスコグラフィ を入手する前、このディスコグラフィ発売元(本には、Travis & Emery Music Bookshop, London, U.K. と書いてありました)をネットで調べていた際、偶然見つけたものですが・・・

amazon.com でダウンロード販売 されている マエストロの注釈付きスコア (マエストロによるスコア改訂の一般的なパターンを論じた短い小論文のようなものでスコアそのものではない)の一件。日本からは geographical restrictions とかで、ダウンロード出来なくて、結局どんなモノか見ることは出来ないのか・・・と思いきや、意外なところから無料でダウンロード出来ることが分かりまし た。

BENET - CBS Interactive
Marking the way: the significance of Eugene Ormandy's score annotations - Notes, June, 2003 by John Bewley

まあ、音楽家が見てウンウン・・・という類のモノですから、私を含めた一般のリスナーが見て面白いモノかどうか何とも言えませんが、興味深い資料であることは間違いないでしょう。

・・・とまあ、こんなところでしょうか。では。

ラフマニノフにはニッパー君が似合・・・う?2009年12月14日 07時20分

オーマンディ・フィラデルフィア管弦楽団による、ラフマニノフの交響曲第2番(とストラヴィンスキー「火の鳥」)のDVD化の吉報を受けて、久しぶりにこのLPを引っぱり出しました。
RCA Red Seal ARL1-1150 Rachmaninoff Symphony no.2 Jacket1
米RCA Red Seal ARL1-1150(LP, (C)1975)
Rachmaninoff Symphony no.2
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra (recorded 1973)

also available on CD
日BMG Funhouse/RCA BVCC-38057(P)1999 coupled with Scriabin"Poem of Ecstasy (rec1971)"

このRCA RCA Red Sealに遺されたステレオ録音が、オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団によるラフマニノフ交響曲第2番の唯一のノーカット全曲盤となります。

米コロムビアのステレオ録音とユニテル収録の映像では残念ながらカット版で演奏していますが・・・

この演奏については以前ブログに書いたので、興味のある方は見て下さいな。
RCA Red Seal ARL1-1150 Rachmaninoff Symphony no.2 Jacket2
残念ながら、LPジャケット裏のこのデザインと写真はCD復刻の際省かれてしまってます。惜しいなあ・・・Jack Diether による秀逸な解説なのに・・・

XRCD化により信じられない程の音質で蘇ったシベリウスの2番交響曲と同様、このラフマニノフもXRCD化と共にこの解説も丁寧な日本語訳で収録して欲しいものですが・・・

Jack Diether の解説には、この曲につきまとう慣習的なカットについて触れられているのでその辺りを少し・・・

  The E Minor is Rachmaninoff's longest symphony, and it should be noted that there are today as many as 17 cuts traditionally made in it. These cuts were "officially sanctioned"(though not strictly enjoined) by the aging composer literally decades after the event - between 1933 and 1935, according to Maestro Ormandy. They are from four to 76 bars in length, 300 bars in all, or about the length of an average symphonic movement in themselves. The deleted passages contain melodic and harmonic extensions, developments and parts of reprises. These cuts alter the shape and musical meaning of symphony, of course, and it can be argued that they also tend to impede its normal dynamic flow. Rachmaninoff's extended passage characteristically ebb and flow much in the manner of Elgar's, whose two symphonies are each comparable in size to this one. ....(後略)

来月発売されるDVDに収録予定のマエストロのインタビューと合わせて読むと興味深いことでしょう・・・

さて、ラフマニノフといえば、RCA Victor の専属アーティスト ということもあり、彼の演奏はRCA Victor Red Seal(所謂「赤盤アーティスト」ですな・・・)のSPで発売されています。これらの演奏はLP、そしてCD復刻もされており、息の長いロングセラーとなっています。

映画シャインで、蓄音機からラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(ニッパーマーク(たぶんRCAビクター盤)SP盤が乗っかってたかな?)が流れるシーンがあったと思います。あの蓄音機のターンテーブルでくるくる回るニッパー君のシーンが印象的でしたね。

さて、このLPもちゃんとニッパー君がおります。インナー・スリーヴはごらんの通り。
RCA Red Seal ARL1-1150 Nipper inner sleeve


レコード・ラベルも、RCA Red Seal LP後期の Sided Dog です。
RCA Red Seal ARL1-1150 Sided Dog Label

シャイン・・・の再現には程遠い・・・ですが、一応ターンテーブル上でくるくる回るニッパー君。曲もラフマニノフのシンフォニーで演奏がオーマンディ・フィラデルフィア管弦楽団・・・これ以上を何を望むべきか・・・酒か?
Rachmaninoff with Nipper

・・・ということで、寺田本家のむすひ で乾杯!である。
寺田本家の「むすひ」で乾杯!

酒税法(日本に酒造法は存在しない)では、「その他雑酒」に分類されるが、そんなことはどうでもいいのだ。旨くて体が軽くなる、玄米発泡酒なのだ。
白く濁った玄米発砲酒がイケル
今日は元気がいいな・・・(酒の)気分次第で発泡具合や味が異なるのが面白い。マスプロ製品でない楽しみがここにある。

なんと誕生日ケーキまで・・・蝋燭の本数は・・・
誕生日ケーキまで・・・サンキュー・・・俺もこれで四十路に突入か・・・来年はバカボンのパパと同い年・・・信じられん!

年末ジャンボ、当たると良いな・・・んでは。

ようやく初DVD化!オーマンディ&フィラデルフィア管によるライヴ映像、ストラヴィンスキーの『火の鳥』組曲、ラフマニノフの第2交響曲2009年12月12日 07時50分

ようやく最後の大物が出てきましたな・・・正直、このまま出ないのかと心配してました・・・。オーマンディ掲示板横田さんの書き込みで知りました。(私もその後掲示板に書き込み(これこれ)しました)
Medici Arts 2072258, Ormandy conducts Stravinsky and Rachmaninov
Medici Arts 2072258, DVD(2010年1月リリース予定)
Ormandy conducts Stravinsky and Rachmaninov


Igor Stravinsky
 The Firebird – Concert Suite for orchestra No. 2 (1919)
Sergei Rachmaninov: Symphony No.2 in E minor, op.27
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

This DVD will be released in January 2010. Eugene Ormandy’s unbroken forty-two-year association with the Philadelphia Orchestra was unique in history. Famous for its rich and powerful “Philadelphia Sound”, the orchestra was described by Rachmaninov as “the greatest virtuoso orchestra in the world”. Ormandy was a close friend of the composer, and it was to celebrate the conductor’s eightieth birthday that they performed Rachmaninov’s magnificent and powerful Second Symphony, a performance whose authenticity would be difficult to beat.(以上、Medici Arts のサイトより転記)

HMVには既にインフォメーションが掲載され、DVDの予約 も出来るようになってますなあ・・・タワーでももう予約できるようです。アマゾンもそのうち出てくるでしょう・・・

「ようやく初DVD化
オーマンディ&フィラデルフィア管によるライヴ映像
ストラヴィンスキーの『火の鳥』組曲、ラフマニノフの第2交響曲

オーマンディが手兵フィラデルフィア管と残した映像作品のうち、未DVD化であった最後の大物、ラフマニノフの第2交響曲とストラヴィンスキーの『火の鳥』組曲がようやく登場します。演奏については、いずれもレーザーディスクでの初出リリース時より熱心なファンの間で語り継がれているとおり、折り紙つきの内容。メランコリックでセンチメンタルな作風が全開のラフマニノフは、作曲者の親友でもあったオーマンディの共感たっぷりの濃厚な味付けと、44年間にもおよぶ結びつきで巨匠の血肉と化したフィラデルフィアのゴージャスきわまりないひびきが、こたえられないものとなっています。(キングインターナショナル

収録時期:1977年(ストラヴィンスキー)、1979年(ラフマニノフ)
収録場所:フィラデルフィア、アカデミー・オブ・ミュージック(ライヴ)」
(以上、HMVのサイトから転記)

キングインターナショナルが日本の発売元になるんですな。以前LDで出ていたらしいのですが・・・確かユニテルのサイトにその旨の記載があったように記憶してますが、その実物やネットのオークションでも現在に至るまでお目にかかったことはありません。

ユニテル 収録のこれら一連の映像は クラシカ・ジャパン で度々放映されていたので、VHSテープに録画してはあるのですが、やはり録画で映像も音声も劣化してしまうので、DVDリリースを待ち望んでいたのですが、晴れてリリースされることになり、没後25周年の初っぱなから嬉しいニュースではありませんか・・・

ボーナス・トラックとして「オーマンディによるラフマニノフ:交響曲第2番の前説(字幕:独、仏)」があります。これが無ければこのディスクの魅力が半減どころか激減です・・・な。ユーモアを交えたマエストロのラフマニノフについてのエピソードは必見です。

しかし、未DVD化の Kabalevsky : Overture to Colas Breugnon は入っていないようで、画竜点睛を欠いているのは残念なことです。入らない容量ではない筈ですが・・・これさえ入っていれば、Medici Arts の DVD4枚でユニテル収録映像はコンプリートとなるのですが・・・まあ、待望のラフマニノフとストラヴィンスキーがリリースされるのですから、些細なことですが・・・

オーマンディ・フィラデルフィア管弦楽団の映像についてはこちらに纏めた物があるので宜しかったらご覧下さい。久しぶりに内容を更新しました・・・

では。

NML - RACHMANINOV: Symphonic Dances2009年11月22日 09時41分


NML CBC SMCD5143
Sergei Rachmaninoff - Symphonic Dances, Op. 45
Vancouver Symphony Orchestra
Sergiu Comissiona

最近はラフマニノフの交響的舞曲のCDもかなりの数が出ていて、選ぶのに苦労するくらいだ。20年前は数種類しか出てなかったと思うが・・・こうしてNMLでも気軽に聴けるのは有り難いことである。

カナダのオーケストラはモントリオール交響楽団くらいしか知らない・・・というか、他のオーケストラは日本にあまり売り込んでいない気がする。CBC レコードもあんまり日本では見ないし・・・

演奏は実直というか安全運転というか・・・まあ、でも過不足ない演奏で干渉に不足はない。

Rubinstein & Ormandy plays Rachmaninoff - RCA's Quadradisc2009年08月08日 09時50分

RCA Red Seal Quadradisc ARD1-0031
米RCA Red Seal Quadradisc ARD1-0031(C)1973
Rachmaninoff : Piano Concerto No.2
Artur Rubinstein & Eugene Ormandy
The Philadelphia Orchestra

昨日のブログで、「・・・残念ながらこのコンビ(ルービンシュタイン&オーマンディ)のラフ2のLPは持ってない・・・」と書いたが、今日棚を見たら・・・あった・・・4chLP盤(Quadradisc)の未開封盤であった。シュリンクも破ってなかった・・・ヤレヤレ

Rubinstein & Ormandy plays Rachmaninoff
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/08/07/4485435

経年劣化で所々変形しているが、再生に支障なく、なかなかいい音で聴けた。

4chのLPは、ディスクリート方式のCD-4(このQuadradiscと同じ)とマトリクス方式のSQ、QS の3種類くらいがあったと思う。CD-4は日本ビクターが開発したので、当時提携していたRCAやパナソニック等が採用していた。

SQはCBSとソニーが開発したので、当時のCBS/SONYのLPはこのSQエンコードしたLPが結構ある。

QSは山水電気か・・・SQとQSは似たようなマトリクス方式で混乱しそうだ・・・

4チャンネルステレオ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/4%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%AA

Quadraphonic sound(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Quadraphonic_sound

4チャンネル再生するには専用のデコーダーが必要だが、もう作ってないし、当時の製品もちゃんと動くかどうか・・・

まあ、普通の2chステレオで通常のステレオ再生が可能だからどうでもいいんだけどね。

さて、オーマンディ・フィラデルフィアのRCAステレオ録音は結構クアドラディスクで出ているみたいだけど、本当に4ch収録されているかどうかは疑わしい。

少ないクアドラディスクのソフトを増やすために無理矢理4chにしたのでは?と思えるのだがどうだろう。もし本当に4ch収録しているのなら、SACDのマルチチャンネルで聴いてみたいものだが・・・

Rubinstein & Ormandy plays Rachmaninoff2009年08月07日 07時30分

日BMG Victor RCA 2 for 1 Series BVCC-8837~38
日BMG Victor RCA 2 for 1 Series BVCC-8837~38
(2CDs, (C)1995, (P)1974)
Rachmaninoff : Piano Concerto No.2
Artur Rubinstein & Eugene Ormandy
The Philadelphia Orchestra

当時のレコード会社は、いかに「売れる」アーティストを「専属」という形で囲い込むか・・・ということに腐心していたようだ。好悪両面という奴で、「この組み合わせが最高!」というのがコンサートでは聴けても、所属する契約レコード会社が異なるためその組み合わせで録音できない・・・という悲喜劇が多々あったようである。

さて、我が家にも専属アーティストがいる。しかも凄腕のヴィルトゥオーゾなんである。朝5時から演奏開始、お昼に休憩を挟んで、夕方までぶっ続けで演奏継続するスタミナの持ち主・・・その名は・・・「蝉」

蝉(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Cicada

対抗するにはこちらも凄腕を引っ張り出すしかないだろう・・・

Sergei Rachmaninoff(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Rachmaninoff

Artur Rubinstein(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Artur_Rubinstein

ま、くだらない前口上はさておき、いよいよ本命・・・と言いたいところであるが、残念ながらこのコンビ(ルービンシュタイン&オーマンディ)のラフ2のLPは持ってないので、CDに登場してもらう。

1995年の発売。 CDが世に普及し始めて多少落ち着いた頃であろうか・・・RCA 2 for 1 Series の一組。ルービンシュタイン&オーマンディ による協奏曲4曲が収まって悪税込み 2,400円のお買い得盤である。

このシリーズ、オーマンディ・フィラデルフィアによる音源が結構あって、

・ドヴォルザークの後期交響曲集(7-9番)
・アックスとのショパンピアノ協奏曲集
・チャイコフスキーの後期交響曲集
・シベリウスの交響曲と管弦楽曲集
・華麗なるフィラデルフィア・サウンド
・レヴァイン・フィラデルフィアによるシューマンの交響曲全集

等々、今はそうでもないが、当時はこのシリーズでなければ聴けないラインナップで、オーマンディ・フィラデルフィア ファンにとっては有り難い音源であった。ルービンシュタイン&オーマンディによるこのCDは今でも貴重で手放せないのだ。

まあ、デザインはいかにも「お買い得感」演出のため、輝くCDを左側に配したもので、まだまだCDは割高感があった頃のものかな・・・

それにしても、やはりこのコンビのラフマニノフは素晴らしい。正に「超弩級」の演奏である。

では。

オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の黄金期を支えたホルン奏者 その32009年02月25日 07時30分

RCA Red Seal ARL1-1150
米RCA Red Seal ARL1-1150(LP, (C)1975)
Rachmaninoff Symphony no.2
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra (recorded 1973)
also available on CD 日BMG Funhouse/RCA BVCC-38057(P)1999 coupled with Scriabin"Poem of Ecstasy (rec1971)"

オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団による、ラフマニノフの交響曲第2番(ノーカット全曲版)です。米コロムビアのステレオ録音とユニテル収録の映像ではカット版で演奏していますので、これがこのコンビ唯一のノーカット全曲版演奏となります。

オーマンディの世代の指揮者は、自身の判断で冗長と思える部分をカットするのがあたりまえだったわけですが、レコード録音についてはカット無しで演奏するのが「流行(はやり)」というかセールスポイントになるので、このRCA Red Seal に遺した録音もそれに倣った(?)ものとなりました。

もっとも、作曲者が心血込めて書き上げた作品をカットされることを快く思うはずも無く、(冗長な部分を)カットして演奏したいというオーマンディの要望に対して駄々をこねる(?)ラフマニノフの様子を、マエストは晩年ユーモラスに回想しています。

・・・彼(ラフマニノフ)と友人になってからのことだが、ある時、2番交響曲のカットについて相談したところ、「カット!カット!カット!カット! 全く、なんと恐ろしいことだ。何で皆私の作品を切り取りたがるのか!まるで『ヴェニスの商人』のシャイロックだ!」と嘆いた。
楽譜を見せたところ、1~2か所の長いカットと、約10か所の短いカットについて『1か所だけ元に戻して、後はいいだろう。』との返事だった。今でも彼が望んだように演奏しているから(彼も)満足だろう・・・

確かに冗長と思える部分もあるのですが、こんな美味しい所を・・・という部分のカットは勿体無いとも思えますな。

この全曲版で嬉しいのは、3楽章の甘美な回想シーン(CDのタイミングでは 8:00-9:30 のあたり)がカットされずに演奏されていること。ここはテンポを落として p で演奏する例が多いのですが、オーマンディはそんなことはしません。 mf の速いテンポで歌い上げてしまいます。ここのエコーのように響くジョーンズのホルンが美しい。あっという間に終わってしまうので、思わず「時よ、止まれ」と思ってしまうほど甘美な瞬間なんですな、これが。

録音はベストとはいえないし(高域が荒れ気味)、フィラデルフィアの豊な響きを十分捉えているとも言えないのですが、それでもこの演奏が一番好きなんですよ。

ターンテーブルをくるくる回るニッパー君(RCA Red Seal LP 後期の "Sided Dog" と呼ばれるレーベル)を見ながらこの3楽章を聴くのが「至福の時」なんですな・・・