Levine/Philadelphia - Mahler Symphony no.9, 1979年 ― 2011年02月22日 08時00分

Mahler Symphony no.9
James Levine conducts The Philadelphia Orchestra
recorded at Scottish Rite Cathedral, Philadelphia, Jan, 1979
also available on CDs
BMG ファンハウス/RCA Red Seal BVCC-38137/8 2CDs (C)2001
Sony Masters Box Set(HMV,タワー)
James Levine conducts Mahler(10CDs)(HMV,タワー)
SME/RCA Red Seal CD/8869768609-2
10年以上前、苦労して探して、漸く Berkshire Record Outlet で見つけて入手した思い入れのある盤なので、未だに手放せずに手元に置いている。

アウトレット品なので、左下のCDケース裏側の片隅にドリルで開けた穴がある・・・ケースは交換しましたが、ケース内側の紙は穴が空いたまま・・・それでも、ようやく探し当てたCDだったので喜んで聴いたものである
当時のCDラベルの印刷も実にシンプル。光り輝くCDのロゴデザインも懐かしい・・・
それにしても、何と美しい曲と演奏なのだろう・・・それまで様々な演奏家のCDを買っては聴き較べしていたが、それもこの盤と共に終わりを告げた・・・恐らくずっとこの演奏を聴き続けることになるだろう・・・
んでは。
James Levine & Philadelphia - Mahler Symphonies ― 2010年08月12日 20時00分
HMVの情報より・・・
レヴァイン/マーラー交響曲集(10CD)
RCA・8レコーディングス
マーラーの交響曲は2006年5月に「ジェームズ・レヴァインRCAイヤーズ1974-1984」というシリーズで全て発売されていましたが、現在は入手困難なので、こうして廉価なBOXとして購入出来るのは悪くない。
1番と6番がLSO、3番・4番・7番がCSO、そして5番・9番・10番がフィラデルフィア管弦楽団との演奏。
James Levine & Philadelphia - Schmann Complete Symphonies ― 2010年04月20日 06時48分
HMV - シューマン生誕200年記念エディションBOX レヴァイン、アバド、アーノンクール、キーシン、他(25CD)
2006年5月に「ジェームズ・レヴァインRCAイヤーズ1974-1984」というシリーズでシューマン交響曲全集(BMG Japan, BVCC-38356~7)が発売されていましたが、もう入手困難でしょうから欲しい人にはちょうどいい機会かもしれません。(私は 1995年に発売された 2 for 1 という2枚組のシリーズ(BVCC-8831-32)を持っていますが・・・)
オーマンディ&クリーヴランドの「復活」ライヴ 1972年11月 その2 ― 2009年10月02日 08時00分
Mahler Symphony no.2 "Resurrection"
Veronica Tyler(s) http://teilart.com/
Helen Watts(ms) http://en.wikipedia.org/wiki/Helen_Watts
Eugene Ormandy
Cleveland Orchestra & Chorus
http://en.wikipedia.org/wiki/Cleveland_Orchestra
Live Recording on Nov.2, 1972 at Severece Hall, Cleveland
http://en.wikipedia.org/wiki/Severance_Hall
アリアCD(http://www.aria-cd.com/)にオーダーした、オーマンディ・クリーヴランドの「復活」ライヴCDが到着したので早速聴いてみた。このCDについては以前ブログに書きましたな↓
オーマンディ&クリーヴランドの「復活」ライヴ 1972年11月
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/09/02/4555823
聴き通した後の印象は、1969年 RCA Red Seal セッション録音と非常によく似た演奏解釈である・・・ということかな?フレージングとか弦を主体にした音作り・・・とか。最終楽章クライマックスのトランペット追加とかもそっくりである。
フィラデルフィア管弦楽団と同じサウンド・・・というわけにはいかないが、この演奏にもマエストロ・ジーンの解釈がしっかりと刻印されている。
1971年6月~7月(たぶん)、オーマンディはラヴィニア音楽祭のオープニングコンサートでシカゴ響と「復活」を演奏するはずが急病で倒れたため、急遽 ジェームズ=レヴァインが代役として登場してセンセーショナルなデビューを果たした・・・というエピソードもある。(BMGファンハウス BVCC-38139-40 マーラー10番交響曲 CD解説より)
Jame Levine
http://en.wikipedia.org/wiki/James_Levine
Ravinia Park
http://en.wikipedia.org/wiki/Ravinia_Park
結局、マエストロ・ジーンとシカゴ響とのライヴは無くなったわけだが、1970年前後、マエストロは結構「復活」を振ってたようだ・・・
サウンドはまあまあ。ノイズ低減でハイカットをしているのかちょっと音が固く感じるところがあり、フォルテで若干音がサチッている箇所もあるが、各セクションの音はしっかり録れていてバランスは悪くない。ハムノイズが聞こえるので、FMエアチェックテープがこのCD-Rの音源と思われる。
放送局かオーケストラ・アーカイヴに録音が残っているようであれば、そのマスターからCD化して欲しいものだ。
1969年 RCA Red Seal セッション録音 の熱気には及ばないが、このライヴも熱い。熱いが、突っ走るところは皆無で、しっかり手綱を握ってスケールの大きな音楽を作り上げているのは流石というべきか・・・ライヴ特有の乱れや異常な熱気を期待する向きにはあまりお薦めではないかもしれないが、オーマンディ・ファンであれば持っていて損はしないだろう。
ただこのCD、CD-Rそのものの出来が今ひとつで、キズがあるわけでも無いのに所々トレースミスかデータ欠落でノイズが発生する。3台のプレーヤーでほぼ同じ現象がでたので、ディスク側の欠陥だろう。まあ、プライヴェート盤だからこういうことがあってもある程度は仕方がない。
さて、1969年 RCA Red Seal セッション録音 か このライヴの RARE MOTH盤 のどちらをとるか?と問われたら、躊躇無く、 音が歪みだらけではあるが 1969年 RCA Red Seal セッション録音 をとる。RARE MOTH盤 もなかなかいいが、残念ながらRCAセッション録音の熱気と高揚感には及ばない。まあ、しっかりとしたセッション録音とぶっつけ本番のライヴ録音の差・・・かな。でも、このライヴ録音のしっかりした音源があればまた変わるかもしれんけどねえ・・・
んでは。
Levine conducts Mahler's Symphony no.10 その1 ― 2009年09月19日 17時30分
Mahler Symphony no.10
http://en.wikipedia.org/wiki/Symphony_No._10_%28Mahler%29
交響曲第10番 (マーラー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC10%E7%95%AA_%28%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%29
Second performing version (1966–1972; appeared in print in 1976) of the Draft for the 10th Symphony, prepared by Deryck Cooke
http://en.wikipedia.org/wiki/Deryck_Cooke
James Levine conducts The Philadelphia Orchestra
http://en.wikipedia.org/wiki/James_Levine
recorded at Scottish Rite Cathedral, Philadelphia,
Jan, 1978(1st Mov.) & Apr.1980(2nd-5th Mov.)
other LPs
RVC/RCA Red Seal RCL-8036/7 2LPs (P)1981
独RCA Red Seal RL03726 2LPs (P)1981
also available on CDs
米RCA Red Seal RCD2-4553 2CDs
BMG ファンハウス/RCA Red Seal BVCC-38139/40 2CDs (C)2001
未完に終わったマーラーの交響曲第10番をとりあえず聴ける形に実体化(Realization)しようとして、英国のデリック=クックが、遺されたスコアやスケッチから演奏用バージョン(performing version)を作成している。
これは復元(Restore)して完成・・・ではなく、あくまで演奏用暫定版なので「補筆完成版」と言うのはクックの意図に反することらしい・・・わざわざ演奏用バージョン(performing version)と断っているのはそういうことだそうだ・・・
英語でハッキリと performing version と明記されているのだが、日本ではどうもその意図が無視されている・・・ということらしい・・・
・・・で、英語圏と日本では、クックによる演奏用バージョンの言い方が異なり、なんともややこしい事態になっている
実際、米LP盤と国内CD盤の双方の解説を読むと頭が混乱する。
「いったい、この演奏のバージョンはどれ?」
wikipedia や LP・CDの解説を総合すると、どうやらこんな風になっているようだ・・・
Summary of the Cooke versions
Cooke's performing editions of the Tenth Symphony may be summarised as follows:
Cooke "0" – (1960, unpublished) (注:Incomplete Version)
BBC performance, completed 1st, 3rd and 5th movements plus fragments from 2nd and 4th movements; presented as part of a lecture-demonstration
この不完全な「未完全版」が日本では「第1稿」と呼ばれている。
Cooke I – first complete performing version (1960–1964; unpublished)
Premiered on 13 August 1964 by Berthold Goldschmidt; basis for the recordings by Eugene Ormandy (1965/66) and Martinon (1966)
First Version、つまり最初の演奏用完全版が日本では「第2稿」と呼ばれる。「第2稿」ではどんな位置づけになるのか分からん・・・オーマンディ・フィラデルフィアの米国初演と世界初録音はこのFirst Versionによるもの。
Cooke II – second performing version (1966–1972; appeared in print in 1976)
premiered on 15 October 1972 by Wyn Morris[5]; basis for all recordings from 1972 to 1992
この Second Version が日本で言う「第3稿(最終稿)第1版」になる。今回のレヴァイン&フィラデルフィアの演奏もこれだ。
Cooke III – basically a reprint of the 1976 score (printed in 1989)
various reading errors corrected, some minor changes made in orchestration, and the whole enhanced by considerations concerning performance; the editorial input coming from David and Colin Matthews and Berthold Goldschmidt
Third Version。日本で言う「第3稿(最終稿)第2版」になる。
簡単に書くと・・・
Cooke 0(Imconplete Version) - 「第1稿」
Cooke I(First Version) - 「第2稿」
Cooke II(Second Version) - 「第3稿(最終稿)第1版」
Cooke III(Third Version) - 「第3稿(最終稿)第2版」
なる程、こりゃ混乱するわけだワ・・・完成した年と出版した年が離れていたりして、どっちがどっち?と訳分からなくなりそうですが・・・
Cooke II(Second Version) と Cooke III(Third Version) については、
in collaboration with Berthold Goldschmidt, Colin Matthews and David Matthews
ということで、この3人の協力のもとで改訂を行ったそうな。クック自身は1976年8月のインタビューで、Cooke II(Second Version) を "My final version"と言っていたそうだから、これが彼が手がけた最終版ということなのだろう。
Cooke III(Third Version) についてはクックの死後出版されており、彼の死後、ゴルトシュミットとマシューズ兄弟によるさらなる訂正や改訂が加えられた・・・ということか・・・な・・・
あ~慣れないことをすると疲れる・・・音楽じゃなくて「音が苦」になっちまうぜ・・・
さて、今回のレヴァイン&フィラデルフィアの演奏は Second Version (日本では「第3稿(最終稿)第1版」)で演奏されている。市場に出ているCDの演奏の多くはこのクックのSecond Versionの演奏のようだ。
まあ、クック以外にも色々な「演奏用バージョン」があるので、興味のある向きは色々聴き較べるのもまた一興かな?
さて、このレヴァイン・フィラデルフィアの演奏ですが、1楽章だけ1978年に収録され、マーラーの5番と2枚組第4面にカップリングされて世に出ている。(米CD盤も同じ組み合わせ、日本は不明)
その後1980年に残りの楽章が Sound Stream社のディジタル録音で収録され、アナログ録音の1楽章もディジタル・マスタリングして1981年に発売・・・という経過を辿っている。
Sound Stream社
http://en.wikipedia.org/wiki/Soundstream
ま、色々事情があったんでしょうな・・・
まだまだディジタル・レコーディングが「売り」になる頃で、ラベルにも DIGITAL のロゴが・・・ニッパー君が透明スリーヴに印刷されていたり、ジャケットも、真ん中に四角い穴を開けた大きめのジャケットに、LPがそれぞれ1枚ずつ入ったジャケットを2枚を入れる・・・という、ボックスとはまた異なる仕様だし。凝った割には安っぽいような・・・
(その2に続く)
Levine conducts Mahler's Symphony no.10 その2 ― 2009年09月19日 17時25分
Mahler Symphony no.10
http://en.wikipedia.org/wiki/Symphony_No._10_%28Mahler%29
Second performing version (1966–1972; appeared in print in 1976) of the Draft for the 10th Symphony, prepared by Deryck Cooke
http://en.wikipedia.org/wiki/Deryck_Cooke
James Levine conducts The Philadelphia Orchestra
http://en.wikipedia.org/wiki/James_Levine
recorded at Scottish Rite Cathedral, Philadelphia,
Jan, 1978(1st Mov.) & Apr.1980(2nd-5th Mov.)
other LPs
米RCA Red Seal CTC2-3726 2LPs (C)1981
独RCA Red Seal RL03726 2LPs (P)1981
also available on CDs
米RCA Red Seal RCD2-4553 2CDs
BMG ファンハウス/RCA Red Seal BVCC-38139/40 2CDs (C)2001
こちらは国内盤LPです。解説の最初は諸井誠氏によるこのシンフォニーの経緯の概略ですが・・・オーマンディ・フィラデルフィアの First Version アメリカ初演に言及していますが、その演奏のレコードのことをご存じなかったようだ・・・。オーマンディ・フィラデルフィアがこの曲を録音していない(と思っている)ことを残念に思い、このシンフォニーのクック版全曲がようやくこのレコードで聴けると素直に「驚喜」しているのだから。
つまり、オーマンディ・フィラデルフィアによるこのシンフォニーのアメリカ初演と世界初録音は日本では殆ど知られていなかった・・・ということになるのだろう。諸井氏もレコード会社(自分の会社が売っているアーティストにもかかわらず)も知らなかったわけだから・・・オーマンディ・フィラデルフィアのレコードは国内盤(日本コロムビア OS-704/5、CBS/SONY は不明)で発売されているはずだが・・・?
諸井氏の解説の後に、米国盤のジャック=ディーサーによる解説(日本語訳)がついており、訳者の一人(三浦敦史氏)による「デリック=クック小史」が付記されている。
2001年の国内盤CDでは、諸井氏の解説は割愛されているがそれ以外の解説は若干手を加えて再利用されている。
ジャケット・デザインは米国盤と若干異なるが、やはりディジタル録音が珍しい時代なので、波形サンプリングのイメージをジャケット画に重ねているのが時代を感じさせる。
(その3に続く)
Levine conducts Mahler's Symphony no.10 その3 ― 2009年09月19日 17時20分
Mahler Symphony no.10
http://en.wikipedia.org/wiki/Symphony_No._10_%28Mahler%29
Second performing version (1966–1972; appeared in print in 1976) of the Draft for the 10th Symphony, prepared by Deryck Cooke
http://en.wikipedia.org/wiki/Deryck_Cooke
James Levine conducts The Philadelphia Orchestra
http://en.wikipedia.org/wiki/James_Levine
recorded at Scottish Rite Cathedral, Philadelphia,
Jan, 1978(1st Mov.) & Apr.1980(2nd-5th Mov.)
other LPs
米RCA Red Seal CTC2-3726 2LPs (C)1981
RVC/RCA Red Seal RCL-8036/7 2LPs (P)1981
also available on CDs
米RCA Red Seal RCD2-4553 2CDs
BMG ファンハウス/RCA Red Seal BVCC-38139/40 2CDs (C)2001
最後は独RCA盤。こちらは日米盤と異なり、日米盤のジャケット裏写真を表に持ってきている。何故、日米盤と同じデザインにしなかったのかは謎である。まあ、どうでもいいんだけど。
日本盤はダブルジャケット、米盤は変則ジャケット、独盤はボックス仕様と、それぞれの国で形態が異なるのが妙と言えば妙であるが・・・
Uwe Kraemer によるドイツ語の解説、Jack Diether による英語解説の要約、そしてフランス語らしい解説が付いている。ヨーロッパのLPはこの頃から3カ国語対応なのだったかなあ・・・
こちらも米盤と同じように、レコードラベルに DIGITAL の文字が印刷してある。ラベルに印刷しないのは日本盤だけだが・・・
さて、演奏の方ですが・・・1965年のオーマンディ・フィラデルフィアと1978年~1980年のレヴァイン・フィラデルフィア(まだまだオーマンディの影響が色濃く残っている)・・・クック版の2ndと3rdバージョンの違いはあれど、甲乙付けがたい出来ではないでしょうか・・・
・・・それにしても疲れました・・・では。(了)
Levine conducts Mahler's Symphony no.9 ― 2009年09月19日 06時32分
Mahler Symphony no.9
James Levine conducts The Philadelphia Orchestra
recorded at Scottish Rite Cathedral, Philadelphia, Jan, 1979
originally released as 米RCA Red Seal ARL2-3461 2LPs
also available on CDs
米RCA Red Seal RCD2-3461 2CDs (P)(C)1979
BMG ファンハウス/RCA Red Seal BVCC-38137/8 2CDs (C)2001
10年程前、レヴァインがフィラデルフィアを振ったレコードの存在を知りませんでした・・・調べてみて、シューマンの交響曲全集・マーラーの5番、9番、10番があることを知りました。色々探して、シューマンとマーラーの5番・9番はなんとか入手しましたが、10番は・・・見つかりませんでしたねえ・・・
マーラーの5番は以前取り上げましたね・・・
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の黄金期を支えたホルン奏者 その2
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/02/24/4137576
・・・その後の2001年、BMGファンハウスがレヴァインのマーラー交響曲集をまとめてCD化してくれたので容易に入手出来るようになりましたが・・・それも、もう8年前・・・そんな前の事だったか・・・
この演奏を初めて聴いたのも10年程前のこと、どうしても聴きたくて、色々探しまくって ようやく Berkshire Record Outlet 米RCA盤を見つけました。最近は利用してませんが、昔はここで良くCDをオーダーしたもんです・・・
Berkshire Record Outlet
http://www.berkshirerecordoutlet.com/
アウトレット品なので、CDケース裏側の片隅にドリルで開けた穴がありましたが、ようやく探し当てたCDだったので、ケースを交換して喜び勇んで聴きました・・・10年前はそんなことやってたんですなあ・・・
そうして聴いたこの演奏は驚くべきものでした。特に4楽章の妖しいまでの美しさには・・・
・・・で、最近になってこの演奏をLPで聴きたくなって、Yahooオークションで見つけたLPを落札して聴いてがっかり。見た目の状態はいいのですが、よく見ると結構キズが・・・洗浄はしてあったようですが、スクラッチが多い・・・
・・・それから一ヶ月もしないある日、たまたま寄ったバナナレコードで、コイツの美盤を・・・しかも帯付きで手頃な値段・・・まあ、こういう事もあるわな・・・
バナナレコード
http://www.bananarecord.com/
んで、そのLPをレイカでクリーニングしてから、いまその4楽章を聴きながらこのブログを書いてます・・・やはり妖しいまでに美しい・・・この演奏を聴いてから、他の演奏を聴かなくなってしまいました・・・もう満腹で聴く気にならんのですわ・・・
ちなみにこの演奏、マーラー5番と同様、吉田秀和氏が当時絶賛していますので、その批評の一部を・・・ちょっと長いですが・・・
「・・・ここで素晴らしいのは、その音が、レヴァインが作曲者の指示、指定を厳しく最も忠実に守りながら演奏を進めているところから生まれていることである。彼は《無骨に、粗野に》とあれば、それに従い、《息絶えんばかりに》とあればほとんど死なんばかりの響きとなる。その他、管楽器の音の出る際の摩擦音から、弦楽器の弓使いの変化等々に至るまで、マーラーが望んだ全てを、総力を上げて、実現するのに努めている。其処には、一種の『やるせなさの限りのなげやり』といったものにさえ欠けていない。その結果どうなったか? 驚くべき音楽が鳴り出した。単純から複雑に至る変化の未聞の豊かさもさることながら、音の極限に到達したことにより、ついに音をつきぬけ、もうひとつ上の、音を超えた世界を予感さすところまできた音楽が、である。・・・」(音楽展望1980.11.21 より)
あとはご自身の耳でお確かめ下さいな・・・では。
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の黄金期を支えたホルン奏者 その2 ― 2009年02月24日 07時59分
Mahler Symphony no.5 & no.10(Adagio)
James Levine conducting The Philadelphia Orchestra
solo: Frank Kaderabek(tp), Mason Jones(Hrn)
recorded at Scottish Rite Cathedral, Philadelphia, 17&18 Jan, 1977
Symphony no.5 also available on CDs
米RCA Red Seal RCD1-5453
BMGファンハウス/RCA BVCC-38136 (C)2001
BMGビクター/RCA Gold Seal BVCC-9346(RCA NEW BEST 100) 1994年
協奏曲や室内楽以外で Jones のソロが聴ける録音のひとつとして レヴァイン指揮フィラデルフィア管弦楽団演奏の マーラーの5番交響曲を。ジョーンズの引退1年前の録音です。
レヴァインがフィラデルフィアを振った録音は少ないですが、マーラーの5番、9番、10番、そしてシューマンの交響曲全集は、オーマンディ時代最後のフィラデルフィア管が鳴りきった名演奏揃いです。
James Levine & The Philadelphia Orchestra(マーラーの5番と9番)
http://www.ne.jp/asahi/tron/music/Levine.htm
RCA Red Seal に入れたマーラーの交響曲は、フィラデルフィア・シカゴ響・ロンドン響(LPOだったかな?)も含めて2001年にCDで再発売されましたが、まだ入手できるかな・・・
このマーラーの5番もその1枚。レコードラベル1面目には カデラベックの名前が、2面目にはジョーンズの名前がクレジットされています。
特に3楽章のホルンソロ、そして5楽章クライマックスのブラスの美音が実に心地良いです。勿論、フィラデルフィアの誇る弦セクションも聴きもの。
※以下、2009.9.19追記
なお、この演奏については吉田秀和氏が「なるほど」と思わせる批評をしているのでその一部を・・・ちょっと長いですが・・・
「・・・各部の響きの調和のよくとれたバランス、すべての声部が驚くべき明確さで聴こえてくるが、それは外面的、図式的に分離が良いというのと違って、それらの声部の一つ一つから、それぞれに与えられた音楽が聴こえてくるのである。・・・レヴァインは我慢できないほど込み入っていて、音の団子のような鈍い響きになりがちな箇所でさえ、辛抱強く、そのもつれた声部の糸の動きを一つ一つ拾いながら、それを切り捨てず再現しようとしている。・・・私はもしマーラーがこれを聴いたら『この男は私を理解した。私の一見複雑に絡み合ったスコアも、要するに自分の考えをできるだけ正確に伝えようとしたところから来たのであり、この指揮者は私のスコアに何かを付け加えようというのではなくて、それを正確に読み解すことに全力を尽くしたのだ』と言ったろうと思う。・・・」(音楽展望1979.7.19より)
あとはご自身の耳でご確認を・・・
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