年末年始の映画・・・ ― 2016年01月03日 08時30分
1882年3月の着工から未だに竣工していないサグラダ・ファミリアのドキュメンタリー映画。サグラダ・ファミリアについてのワタシの知識と言えば、漫画「ゼロ THE MAN OF THE CREATION」「ギャラリー・フェイク」くらいで読んだくらい・・・つまり「殆ど知らない」ゼロの状態でこの映画を観たワケで・・・
ガウディとその弟子が遺していた資料は戦争で焼失、戦後は市民の建設継続反対運動(なんと、予定地を先に買収して住宅まで建っているという・・・)・・・そんな逆境でも、観光収入を頼りに建設が継続されているそうな・・・
2016年現在、このサグラダ・ファミリアの建設継続にどのような意味があるのか・・・という疑問を呑み込みつつも建設が継続されているのが興味深い・・・
それでも、「旧ソ連チェルノブイリ原発」の事故処理完了と「東電福島第一原発」の原子力緊急事態宣言解除以前に建設は終わるであろう・・・ガウディ曰く「神は急いでおられない」そうだから・・・
BGMにバッハ「ロ短調ミサ」というのは、なかなか面白い組み合わせだったねえ・・・
2016年1月2日@名古屋シネマテーク
美術館を手玉に取った男
「贋作」とは、美術界システム(権威と欲望)が生み出した「模写」の別称・・・なんて感慨を抱いてしまった・・・
結局、人は「絵」そのものに「感動」するのではなく、「権威」(世間の評価)に「感動」するんですなあ・・・
「贋作」は絵に限らず、クラシック音楽の「演奏」や「録音」にも結構ありますなあ・・・フルトウェングラーやリパッティの「贋作」録音は結構有名な話ですが、「原典主義」「オリジナル楽器主義」というのも、そのような「贋作」の亜流かも・・・なんて、不埒な事を考えてしまいました・・・
観る人が楽しめれば、それが「オリジナル」でも「模写」でも「贋作」でも何でもいいのでは?
そういえば、「映画」の「贋作」ってあるのかなあ・・・?
2016年1月2日@名古屋シネマテーク
氷の炎 山口小夜子
今回観た三本の中で一番印象に残ったドキュメンタリー。東京都現代美術館にて 2015年4月11日(土)~6月28日(日) に開催された、「山口小夜子 未来を着る人」がこの映画製作のきっかけになったそうな。
大須「大同町人際」でお馴染み、金粉ショーを披露してくれている大駱駝艦と彼女が競演(というか、団員として?)している映像を観てタマゲテしまった。
彼女が資生堂のCMに登場したのは1972年(昭和47年)・・・手元にある資生堂宣伝史(1979年、昭和54年)を見ると、「おはようの朝」(1972年)や「おめざめ いかが?」(1973年)など、小さく収録されてはいるが印象深い。
化粧品といえば、1950年程から黒皮症を始めとする化粧品被害が多発し、1952年には裁判に迄発展した歴史がある・・・化粧品の光と影・・・彼女はその当時の「光」の部分を象徴しているとも言える・・・
ワタシも子供のころ、TVや婦人雑誌でそれとは知らず「リアルタイム」でそれを見ていたワケで、色々な意味で感慨深い映像であった・・・
次は、もっと気楽な娯楽映画でも観ようか・・・んでは。
映画「愛と哀しみのボレロ」 @今池 名古屋シネマテーク ― 2015年11月24日 06時00分
公開当時、田舎の実家の古ぼけたテレビで、結構目立つCMだったのは記憶しているが・・・レンタル・ビデオの棚にも並んでいたが・・・映画の存在とジョルジュ・ドンの踊りのシーンは記憶にあったが、内容は、今回観るまでさっぱり知らなかった。
「・・・ヌレエフ、カラヤン、グレン・ミラー、エディット・ピアフといったアーティストたちをモデルに、第二次世界大戦に翻弄された人々の人生を、クロード・ルルーシュ監督が描いた壮大な作品・・・」
・・・という文句にそそられて、今回久しぶりに名古屋シネマテークに足を運んだワケですが・・・
2時間くらいだろうと高をくくってみてたら、なんと185分という長編であった。道理で腰や尻が痛くなったわけだ。久しぶりに長編映画を堪能した気分になった・・・
歴史に翻弄された「指揮者」はカラヤンがモデルとのことだが、指揮者の風貌とスタイルは「ストコフスキ」であった。踊りは現役のプロで全く違和感が無かったが、「指揮者」の指揮ぶりは・・・まあ、映画でまともな「指揮者」演技は無理かなあ・・・と思った次第。こちらも「本物の」指揮者を使うべきだったのかなあ・・・と、製作34年後に、一視聴者として感じた次第。
んでは。
映画 FOUJITA ― 2015年11月22日 07時15分
藤田嗣治の生涯のうち、フランスで成功した時期と日本に帰国した戦争中時代の一部を取上げている。
最近の映画はやたらと「重低音」(数Hz~100Hzくらい)をブーストして響かせる手法を乱用しているけど、この映画はそれが少ない(皆無ではないけど)のが新鮮だった。
藤田嗣治の絵を見たくなったなあ・・・んでは。
mishima - Music by Philip Glass ― 2013年02月02日 10時30分

Francis Ford Coppola and Geroge Lucas Present
A Film by Paul Schrader
Original Music Composed by Philp Glass
出演者は、緒形拳 ・ 坂東八十助 ・ 佐藤浩市 ・ 沢田研二 ・永島敏行 ・・・ Philp Glassの音楽 、石岡瑛子のデザインによる小説シーンのセット・・・一見の価値はある。
この1984年日米合作映画は未だ日本では公開されていない。その事情についてはこのCD解説(前島秀国氏)に詳述されているので興味のある方はご覧頂きたい。
ちなみに、長岡氏曰く「映画はぜんぜん見たこと無い。誰か知ってるか?」。VA人間・映画好きの長岡氏でもこんな状況だったのだから、色々あったのだろう・・・
たまたま学生時代に住んでいたアパート近くのレンタルビデオ屋にこのビデオ(輸入VHS版)があり、観ることが出来た。もう20年以上前の話だ。 コピーしようと思いさんざん苦労したが、コピープロテクトがかかっており、上手くコピー出来なかったのも今となっては懐かしい想い出である。
日本非公開のこの映画、残念ながら日本ではビデオテープ(VHS)とDVDも発売されていないが、日本のアマゾンでビデオの中古が、アメリカのアマゾンではDVD(2種類、本家WB版(2001年8月)とCriterion Collection(2008年7月))が入手可能。本の付録(三島由紀夫と一九七〇年 鹿砦社 2010年11月)なので興味のある方は如何?
んでは。
映画「恋の罪」 名古屋シネマテーク 平成23年11月14日(月) ― 2011年11月16日 19時53分
映画「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」 2011年11月9日(水) 名古屋シネマテークにて ― 2011年11月10日 07時40分
アンナ・マグダレーナ・バッハの日記
Chronik der Anna Magdalena Bach (Wikipedia)
映画史に鮮烈な軌跡をひくジャン=マリー・ストローブとダニエル・ユイレ(故)。アルジェリア戦争に反対し、仏から独へ移住し、ニュー・シネマ運動を牽引。今もゴダールやペドロ・コスタが絶賛してやまないその作風は商業映画と一線を画し、芸術、哲学、政治などの主題を厳格に追求した。長編第一作の本作は、J・S・バッハの2番目の妻アンナ・マグダレーナから見たバッハの生涯を描く。オリジナルの古楽器演奏(グスタフ・レオンハルト他)の同録やバッハの自筆の楽譜や手紙のインサート、当時の教会音楽や日常生活を捉えた印象的なショットなど、彼らだけにしか創れない至高のバッハを体験する傑作中の傑作。(35mm版)94分。
監督 ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
脚本 ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影 ウーゴ・ピッコーネ、サヴェリオ・ディアマンテ、ジョヴァンニ・カンファレッリ
音楽 レオ・レオニウス
出演 グスタフ・レオンハルト、クリスチアーネ・ラング・ドレヴァンツ、パオロ・カルリーニ 他
1967年 94分
DVD(HMV)も出てるんですな・・・
恐らく、音楽好きには堪えられないが、ふつーの映画好きにはちょっと・・・という感じ。殆どが演奏シーンで伝記についてはさらっと触れる程度。当時の服装や演奏に関する時代考証についてはかなりしっかり成されていると思うがどうだろうか?
それにしても、フィルム最初の演奏(バッハのどの曲か名は忘れたが)のチェンバロ(ハープシコード?)のなが~い独奏からオケと合奏するシーンはなかなかのもの。
ムーランルージュの青春 2011年11月3日(木) 名古屋シネマテークにて ― 2011年11月05日 16時05分

日本のバラエティとアイドルのルーツはムーランルージュ新宿座にあるそうな・・・本家のムーランルージュは当然ながらおフランスにあるのだが・・・
ムーランルージュ新宿座の映像(フィルムとか)は残念ながら残っていないようで、このドキュメンタリーは当時の写真や関係者の証言を中心に構成されている。NHKや民放製作のドキュメンタリーみたいな雰囲気だ。フィルムではなくディジタル・ビデオによる制作(と思うけど)だからそう見えるのかもしれない。
Genius Within - The Inner Life of Glenn Gould 2011年10月31日(月) 名古屋シネマテークにて ― 2011年11月05日 09時20分

ま、それはさておき、今回はグールドの映画なので・・・1955年録音の衝撃的デビュー盤。これはオリジナルのジャケットデザインではなく、後年の擬似ステレオ盤のデザイン。中古屋さんのエサ箱で300円で買ったのかな・・・

同録音のCD(オリジナル・モノラル)も持っているのだが、未開封のまま・・・それはさておき、今聴くと「バッハのゴルトベルク変奏曲って良い曲じゃん」くらいの感じだが、当時は衝撃的だったのだろう・・・お次は晩年のアルバム。
CBS/SONY 28AC1608 LP
人生にくたびれたオッサンという感じの写真。グールドじゃなければ不採用の写真だろう・・・これも中古屋さんで入手したLP。
グールドと言えば、彼の演奏を数多くプロデュースした米ColumbiaプロデューサーのAndrew Kazdin を思い浮かべるが、彼はこの映画には一切登場しない・・・きっと「大人の事情」があるのだろう。興味のある方は、Glenn Gould at Work - Creative Lying by Andrew Kazdin を読まれるとよろしいかと・・・ちなみに、グールドとフィラデルフィア管首席奏者による Hindemith : The Complete Sonatas for Brass and Piano. もよろしかったらどうぞ。
そういえば、昨年11月にセントラル愛知が第109回定期でバッハ(野平一郎編曲)のゴールドベルグ変奏曲を演奏したっけ・・・
それにしても、作曲&指揮者 Lukas FOSS の名をこの映画で聞くとは意外であった・・・ケージの作品集を振ったLP(米ノンサッチ盤)があったと記憶しているが手元に無い・・・
また、思わぬ女性も・・・
Motion Pictures : Mikey & Nicky , 1976年 ― 2011年06月30日 06時18分

俳優の魅力で見せる映画なんだなあ・・・二人の絶妙なスラップスティックな会話がいいんだなあ・・・BGMもね。
んでは。
最近のコメント