タワー・レコード “Sony Classical” スペシャル・セレクション第6期2012年08月29日 13時30分

タワーのクラシック・ツイッター(2012.8.26)を見て唖然・・・

【TOWER×SONY CLASSICAL最新情報♪】10/24発売の7タイトルが加わりました。何とオーマンディの世界初CD化を含む7タイトル!今年もオーマンディ、降臨・・・

・・・なんか凄いなあ・・・キャンペーンもあるそうな・・・

オーマンディ掲示板に、タワー・レコード “Sony Classical” スペシャル・セレクション第6期のⅡ期でオーマンディ&フィラデルフィアが出るそうな・・・とカキコしてからその数日後、たまたまツイッターにて「オーマンディ」で検索すると、「予約った?セブン」とゆーアカウントの呟きで、この2期のアルバムの予約情報が・・・

この時はタワーには情報は上がっていませんでしたが、ソニー ミュージック ショップには断片的な情報が出てました。ただ、曲目詳細は本日現在も不明な状況ですが・・・と思いきや、本家?タワーのサイトに情報が上がってました。こちらには詳細情報が出ており、今回もなかなか興味深いラインナップだと分かる。

作曲家という切り口でアルバムを纏めるとは・・・初CD化はそう多くありませんが、入手困難な音源がこういう形でアルバム化されるのは朗報でござる。ソニーとタワーに感謝ですな・・・

タワー・レコード “Sony Classical”スペシャル・セレクション第6期

今回の目玉?初CD化の1959年ブラ1(SONY CLASSICAL/SICC-1580) (タワー
SICC-1580 ブラ1 1959年
ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
1959年2月8日、フィラデルフィア,タウン・ホール

まさかこれがCD化されるとは・・・LPでは、Columbia Masterworks MS 6067 と CBSソニーが1968年から発売した2枚組廉価盤LPの「ダブル・シリーズ」のSONW 20011-12(ブラ1とベト7の2枚組)にこの1959年録音が収録されていたが・・・

2010年秋にCD化されたブラームス交響曲ステレオ全集の1968年録音よりもこちらの方が良いという方もいらっしゃるでしょう。録音はこちらの方がより自然ですし・・・

これは気が付きませんでした・・・
ブラームス:ピアノ協奏曲全集&シューマン:ピアノ協奏曲(SONY CLASSICAL/SICC-1595)タワー
SICC-1595 ブラームス ピアノ協奏曲 ゼルキン

DISC1
 (1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番二短調作品15
 (2)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調作品54
DISC2
 (3)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83
 (4)シューマン:ピアノ小協奏曲(序奏とアレグロ・アパッショナート)作品92
 (5)同:序奏と演奏会用アレグロ作品134

ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
1961年4月9日(1), 1964年3月17日,(2)(4), 1960年4月4日(3), 1964年3月16日(5) フィラデルフィア,タウン・ホール

(1)と(5)は Odyssey MBK46272(C)1990,(3)と(4)は Odyssey MBK46273(C)1990,(2)はEssential SBK46543 (C)1991 で出てましたが、現在入手困難ですから有難いリリース。
(3)は国内ソニーのクラシック復刻館紙ジャケットシリーズ SICC 536(2006年)でも出てましたが・・・


これは意外というか・・・「教会のステンドグラス」が出てくるとは・・・
レスピーギ:ローマ三部作、組曲「鳥」&「教会のステンドグラス」 (SONY CLASSICAL/SICC-1593)タワー
SICC-1593 レスピーギ

DISC1
 (1)交響詩「ローマの松」
 (2)交響詩「ローマの泉」
 (3)交響詩「ローマの祭り」
 (4)組曲「鳥」
DISC2
 (5)交響詩「ローマの松」
 (6)交響詩「ローマの泉」
 (7)交響的印象「教会のステンドグラス」

1958年3月23日(1), 1957年4月14日(2)  フィラデルフィア,ブロードウッド・ホテル
1960年1月20日, フィラデルフィア、アカデミー・オブ・ミュージック(3)
1968年3月6日(5) 1968年2月27日(6) 1966年1月26日(4) 1964年2月17日(7) フィラデルフィア,タウン・ホール

(1)~(3)はこれまでもCDで再発売を繰り返していますが、(5)と(6)はCBS Great Performances MYK38485 (C)1983 で1回CD化されたきりでしたから、これは朗報ですね。このCDはちょっと荒れた音質でしたので、そのあたりが改善されると嬉しいのですが・・・ (4)と(7)はEsential SBK60311 (C)1988 で出ましたが、最初にこの音源を知ったときは驚きましたね。


10番の2楽章は凄い演奏ですよね・・・
オーマンディ・コンダクツ・ショスタコーヴィチ SONY (CLASSICAL/SICC-1590) タワー
SICC-1590 ショスタコ

DISC1
 (1)交響曲第4番ハ短調作品43
DISC2
 (2)交響曲第1番へ短調作品10
 (3)交響曲第5番二短調作品47
 (4)組曲「黄金時代」作品22a~第3曲:ポルカ
DISC3
 (5)交響曲第10番ホ短調作品93
 (6)チェロ協奏曲第1番変ホ長調作品107

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)(6)
1963年2月17日(1), 1965年4月8日(3), 1968年4月10日~18日(5) フィラデルフィア,タウン・ホール
1959年11月8日 フィラデルフィア,ブロードウッド・ホテル(2)(6)
1966年4月13日 フィラデルフィア ホテル・フィラデルフィア(4)

(1)と(5)はEssential SB2K62409(C)1996 で出てましたけど、そう話題にならなかったような・・・私はショスタコは苦手なんですが、この10番の2楽章だけはたまに好んで聴きます(これは恐ろしい曲ですね)録音も素晴らしい。

(3)と(4)はEssential SBK53261 (C)1993 ,(2)はEssential SBK62642 (C)1996 で・・・(2)よりもカップリングのコステラネッツ指揮の小品集が好きですが・・・

(6)はカバレフスキーの協奏曲と一緒にカップリングされたLP,CD(再発を繰り返してますな)がありますね。

コレは渋い・・・しかも初CD化のシンフォニーが・・・
オーマンディ・コンダクツ・プロコフィエフ(SONY CLASSICAL/SICC-1587)タワー
SICC-1587 プロコフィエフ

DISC1
 (1)交響曲第1番ニ長調作品25「古典」
 (2)交響曲第5番変ロ長調作品100
DISC2
 (3)組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis
 (4)組曲「キージェ中尉」作品60
 (5)交響曲第4番ハ長調作品112[改訂版]
DISC3
 (6)交響曲第6番変ホ長調作品111
 (7)交響曲第7番嬰ハ短調作品131


【演奏】
シリル・リチャード(語り)(3)
1961年3月26日(1), 1957年3月14日(2), 1963年2月24日(3), 1962年12月9日(4), 1957年10月6日(5), 1961年11月2日(6), 1953年4月26日(7), フィラデルフィア,タウン・ホール

(1)と(2)はEssential SBK53260 (C)1993,(3)はEssential SBK89287 (C)2000 と Essential SBK53261 (C)1993で・・・

交響曲の4,6,7番と組曲「キージェ中尉」は初CD化・・・とメーカー情報にはありますが、「キージェ中尉」は Odyssey MBK39783(古典交響曲と「3つのオレンジの恋」組曲とのカップリング)及びCBS Masterworks Greatest Hits16(番号は MLK39446 と推察?、
古典交響曲・「キージェ中尉」・「三つのオレンジへの恋」の行進曲)にてCD化されていました。(オーマンディ掲示板横田さんから情報を頂きました。)

スターンとのヴァイオリン協奏曲やゼルキンとのピアノ協奏曲はまたの機会ですな・・・

※当初収録予定の 交響的物語「ピーターと狼」作品67 は除外されました。収録時間の関係上無理と判断したのでしょう。これまでのリリース状況を勘案するとこの判断は妥当だと思います。
※交響曲第4番については、オリジナル・マスター(2chテープとセッション・テープ双方)に起因するドロップアウト(特に右チャンネル)・音揺れ・各種ノイズが数多く存在するとの記載あり。
※第7番については、ソニーマスターテープ・アーカイヴに現存する唯一のオリジナル・マスターに起因する音揺れ(冒頭40秒間、他)があるとの記載あり。(2011年11月7日追記・修正)

定番・・・ですな。
ラフマニノフ:交響曲全集&交響的舞曲(SONY CLASSICAL/SICC-1584)タワー
SICC-1584 ラフマニノフ

DISC1
 (1)交響曲第1番ニ短調作品13
 (2)パガニーニの主題による狂詩曲作品43
DISC2
 (3)交響曲第2番ホ短調作品27
 (4)ヴォカリーズ作品34-14
DISC3
 (5)交響曲第3番イ短調作品44
 (6)交響的舞曲作品45

フィリップ・アントルモン(ピアノ)(2)
1966年2月28日(1), 1958年2月1日(2), 1959年4月19日(3), 1967年10月18日(4), 1967年12月20日(5), 1960年3月19日(6) フィラデルフィア,タウン・ホール

(1)(3)(5)(4)はEssential SB2K63257(C)1997、(6)はEssentialSBK48279 (C)1992、 (2)はSBK46541(C)1991(ピアノ協奏曲1番と4番の組み合わせ)で出てましたが、既に入手困難になってますので、こういう形で纏めて出るのは良いことですな。それにしても、オーマンディとフィラデルフィアの「交響的舞曲」がCDで出た時はびっくりしました。今も「交響的舞曲」のマイ・ベストでござる・・・


これも定番・・・ですな。
オーマンディ・コンダクツ・シベリウス(SONY CLASSICAL/SICC-1581)タワー
SICC-1581 シベリウス

DISC1
 (1)交響曲第1番ホ短調作品39
 (2)ヴァイオリン協奏曲二短調作品47
DISC2
 (3)交響曲第2番ニ長調作品43
 (4)交響曲第7番ハ長調作品105
DISC3
 (5)交響詩「フィンランディア」作品26
 (6)悲しきワルツ作品44-1
 (7)トゥオネラの白鳥作品22-3
 (8)カレリア組曲作品11
 (9)交響詩「伝説(エン・サガ)」作品9
 (10)交響詩「フィンランディア」作品26[合唱版]

アイザック・スターン(ヴァイオリン)(2),ルイス・ローゼンブラット(イングリッシュホルン)(7),モルモン・タバナクル合唱団(10)

1962年3月11日(1), 1968年2月3~4日(2), 1968年2月24日(5)(8) フィラデルフィア,タウン・ホール
1957年3月17日(3), 1960年5月1日(4), 1959年1月25日(6), 1969年1月31日(7), 1958年11月3日(10) フィラデルフィア,ブロードウッド・ホテル
1963年1月20日 フィラデルフィア・アスレチック・クラブ(9)

(1)はEssential SBK63060 (C)1997,(3)と(4)はEssential SBK53509 (C)1994,(5)~(9)はEssential SBK48271 (C)1992
(10)合唱入りのフィンランディア、以前にも輸入盤でCD化されているようですが、私の手元にはCDがありません・・・

RCAステレオ録音でも合唱有り(BMGジャパン/RCA Red Seal BVCC-38056 1999年)と無し(BMG Music/RCA Victor Basic100 09026-61856-2 (C)1994)があったりしますが・・・

タワーとソニーに今後も期待しましょう!・・・長くなりましたがこの辺で・・・

2011年 私的 マストロ・ジーン トピックス2011年12月31日 13時45分

2009年2010年 に引き続き、今年も「私的 マエストロ・ジーン トピックス」を振り返る・・・

●祝!オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団による
 ベートーヴェン交響曲全集CD化 (その1その2


Columbia D7S 745 Box

いやはや、一昨年のブラームス交響曲全集に引き続き、こんな超弩級の大物復刻が出るとは全く以て驚きである。タワーには感謝あるのみだなあ・・・

クラシック・ジャーナル クラシック音盤白書2012 の「レコード会社が語る」-「タワーレコード・オリジナル」ではこの盤の話題で1P割かれている。まさか、クラシック・ジャーナルでオーマンディ盤が取り上げられるとは思わなかったなあ・・・ちなみに、今回のこのベートーヴェン全集は凄い売れ行きらしい・・・



●Ormandy/Philadelphia テレマン:協奏曲集&ヘンデル:水上の音楽

Sony Music SICC-1494
2003年に発売された BMG FUNHOUSE ユージン・オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団の芸術 Vol.Ⅲ特典盤2枚 の内の1枚の一般発売化。

タワーレコード“RCA Red Seal”スペシャル・セレクション
http://tower.jp/article/feature_item/80725
テレマン:協奏曲集&ヘンデル:水上の音楽
Sony Classical SICC-1494

クラシック・ジャーナル クラシック音盤白書2012 の「レコード会社が語る」-「タワーレコード・オリジナル」でもこの盤の事がちらりと・・・


レコード芸術 連2011年6月号~2012年2月号
  「欧米批評家によるレポート」アメリカTheodore W. Libbey Jr.氏
  「高音質CDリイシュー盤の音質」
①~⑨

 久しぶりにレコ芸を読むきっかけになった記事である。アメリカTheodore W. Libbey Jr.氏による連載は以前から続いているが、2011年6月号からこの「高音質CDリイシュー盤の音質」というテーマで執筆、来月の2月号でこのテーマはおしまいにするそうだが・・・10月号~1月号迄の⑤~⑧はオーマンディとフィラデルフィア管弦楽団に関する興味深い話となっている。

⑤から・・・「・・・僕にとってフィラデルフィア管は、定期的に演奏会に通い、生身で”知る”ようになった初めての一流オーケストラでした。・・・あの頃、フィラデルフィア管が定期的にボルティモアに来ていたことも、幸いでした。彼らはリリック・シアターで年間6公演を行っており、午後の汽車で来て、演奏会をして、夜のうちにフィラデルフィアに帰っていきました。・・・のちに知ったのですが、彼らの本拠地フィラデルフィア音楽アカデミーは音響がひどかったので、リリック・シアターで聴く方がずっと良かった-名高い”フィラデルフィア・サウンド”まさに全開の演奏が聴けたのです。・・・」

なんという羨ましい話であろうか・・・

氏によると、「・・・オーマンディとフィラデルフィアがともにあった44年間のうち、後半の23年間(1968年にRCA専属に戻ってからですな・・・)に作られたステレオ録音は、控えめに言っても、音響的に一貫性がありません。」

これは当たっているな・・・

さらに氏曰く「・・・日本製のリイシュー盤CDについては、リイシューを手がけるレコード会社(ソニーとBMG/JVC)のアプローチも一貫性を欠いてきたようなので、整理が更に難しい。・・・」

1999年から2003年の間に3回に分けて発売された日本BMGによる「オーマンディ&フィラデルフィアの芸術」シリーズを除けば、当たっているな・・・私のホームページでも結局整理しきれなかったしね・・・

⑥から・・・米Columbia専属時代、1957年から60年頃迄はブロードウッド・ホテルのダンスホールを録音会場に使用。アカデミーとは対照的に低音が響きすぎて、鮮やかな音色が聴き取りづらいものになった・・・とのこと。1960年代初頭にはまたアカデミーへ戻っての録音を試み、さらにフィラデルフィア・アスレチック・クラブのダンスホールも試みたが出来は今ひとつ。次に試したタウン・ホール(RCA時代はスコッティッシュ・ライト・大聖堂と名前が変わる)でようやくまずまずの音質が得られたとのこと。

フィラデルフィアのダウンタウンにあるこのタウン・ホールは、1926年築の窓のほとんどない大きな建物で、1926席のオーディトリアムがあり、コロンビア時代は1962年~68年にここが録音会場となった。(このタウン・ホールについては色々資料を当たったが関連する記述が殆ど見つからなかったので、この連載の記述は興味深い。ちなみに、1996年当時には取り壊されて駐車場になっていたそうな。)


⑦は、録音会場を音楽アカデミーに戻した事による失敗談。1968年、RCAに復帰したオーマンディとフィラデルフィアは音楽アカデミーに戻って録音するが、これは悲劇的な失敗に終わったそうな・・・

この時のRCA Red Seal のプロデューサーは名高い J.ファイファー、アカデミーの残響の少なさを補うため、一端収録した音を舞踏室で再生しエコーを付加した音を収録し、それを直接音にミックスするとい う・・2シーズン続けたが、評価はさんざんで、結局収録場所をタウン・ホールに戻したという・・・

この失敗談、後任プロデューサーのM.ウィルコックスやJ.D.サックスも同じくインタビューで語っている。RCAが収録会場を戻したとき、ブロード・ ウッドホテルはオフィスビルに変わっており、タウン・ホール(この時、宗教団体かどこかの団体が所有者となり、スコッティッシュ・ライト大聖堂と名前が変わっていた)に行くしかなかったという・・・

1978年頃、RCAの専属を離れて、EMI、Telarc、DELOS等に録音するようになると、当時EMIが所有していた Old Met 等も収録会場として使われる・・・

⑧は、日本BMGのCDリイシュー盤の音質・リマスタリングについて疑問を呈している。これも興味深い話だ・・・家にあるCDの音を確認してみようか・・・筆者に全面的に同意しかねる部分もあるが、日本盤・輸入盤を問わず、リマスタリングはオリジナル・セッション・テープに戻ってやって欲しいが・・・これは手間と費用がかかるから、LP用のマスターからCD化というのが多いと思う。それでも、オリジナルからマスタリングをやり直すと素晴らしい結果になるという例(シベリウスの2番)もあるし、こういう実例を見せつけられるとやはり・・・う~ん・・・

さて、来年は何かトピックがあるだろうか・・・

祝!オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団によるベートーヴェン交響曲全集CD化 その22011年11月13日 12時00分

 さて、タワーから発売されたオーマンディ&フィラデルフィア ベートーヴェン交響曲全集タワー・レコード “Sony Classical” スペシャル・セレクション Vol.5)について、折角なので旧版CDと聴き較べ?をしてみました。(その1はこちら

今回発売の全集も含めて、手持ちのCDは下記の通り。

1985年頃発売の国内盤(3番、5番、6番)と今回のベートーヴェン交響曲全集CD
1985年頃発売の国内盤(3番、5番、6番):CBS/SONY 52DC371~2(2CDs)
今回のベートーヴェン交響曲全集CD:SMJ/Sony Classical SICC-1510~4(5CDs)

CBS/SONY 盤はまだまだCDが高価だった頃のもの。2枚組5200円(と思われる)は今からするとずいぶん高いが、当時はこんなものだった・・・

このCDは「・・・今回特に米CBSに依頼して、当時の3~4チャネル・オリジナル・テープからデジタル2チャンネルに新たにトラックダウン(ニュー・リミックス)し直したものである。・・・」と解説に記載があり、当時としては結構力を入れた企画と思われる。リマスタリングは1984年と明記されている。

オーマンディ&フィラデルフィアのこのシリーズは全10組発売された。ワルター&コロンビア響のニュー・リミックスCDが出たのとほぼ同時期のCD・・・かな?

ちなみに、ほぼ同時期に発売された30組のLPシリーズ、CBS/SONY 「オーマンディ名曲ベスト30」 も同じ時期に作られたニュー・リミックス・デジタルマスターを使っている。

Essential Classics Take2 - 左:5番~8番、右:9番
SME/Sony Classical Essential Classics Take2
 左:SB2K 63266 5番~8番、右:SB2K 63240 9番、他 (1997年頃発売)

この2組は Sony Classical Essential Classics Take2 という2枚組のもの。特に7番と8番のCDはこのシリーズでしか出てなかった。

ソニークラシカルの1000円盤 上:5番と6番、下左:3番、下右:9番
SME/Sony Classical 上:SRCR1502 3番、下左:SRCR1503 3番、下右:SRCR1504 9番
1995年頃発売の国内盤

この3枚はSony Classical の千円廉価盤。3番のCDは2枚組のCBS/SONY以外はこれしかなかった。


さて、今回の全集盤と過去のCDを聴き較べしてみた。過去のCDは下記の通り。

3番 CBS/SONY盤、SC国内盤
5番 CBS/SONY盤、SC国内盤、Essential盤
6番 CBS/SONY盤、SC国内盤、Essential盤
7番 Essential盤
8番 Essential盤
9番 SC国内盤、Essential盤

その結果・・・

3番 CBS/SONY盤、SC国内盤
全集盤と全く同じ音。3種類とも同一マスターと思われる。

5番と6番 CBS/SONY盤、SC国内盤、Essential盤
 → CBS/SONY盤=SC国内盤、Essential盤=全集盤
こちらは明らかに音が違う。CBS/SONY盤・SC国内盤は1984年リマスタリングの同一マスターと思われる。Essential盤・全集盤はCBS/SONY盤・SC国内盤よりもテープ・ヒスがやや目立つ。低音の量感は同等。

7番と8番 Essential盤 → 全集盤との差異は感じず。
全集盤と全く同じ音。2種類とも同一マスターと思われる。

9番 SC国内盤、Essential盤
最も音の違いが顕著。Essential盤と全集盤は同一マスターと思われる。SC国内盤は高域のノイズカットを殆どしていないようで、テープ・ヒスや劣化と思われるドロップ・アウトと音の荒れが目立つがその分高域は伸びている。Essential盤と全集盤は高域をカットしてテープ・ヒスを抑えており、その分高域の抜けは国内盤に劣るが音の荒れは目立たない。低音もSC国内盤より量感がある。

1980年代後半に発売されたLPシリーズ、CBS/SONY 「オーマンディ名曲ベスト30」 では、3,4,5,6,9番が1984年製作のニュー・リミックス・デジタルマスターを使っており、9番のSC国内盤のマスターもそれではないかと思うが・・・

ちなみに、今回初CD化の1番、2番、4番について・・・2番が最もテープの劣化が目立つような気がする。ローカットを入れて低域ノイズをカットしている感もある。(9番のSC国内盤も同傾向の音)

1番は2番より状態が良く、4番はこの3曲の中で最も状態が良い。(他の2曲に較べると低音の量感がある。残響は幾分過多。)

ま、リマスタリングの違いはハマルと泥沼の世界なのでこれくらいで切りにしますが・・・ま、興味のある方は聴き較べてみて下さい。では。

祝!オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団によるベートーヴェン交響曲全集CD化2011年09月03日 08時30分

タワーならやってくれると思ってました・・・

タワー・レコード “Sony Classical” スペシャル・セレクション Vol.5

オーマンディ&フィラデルフィア ベートーヴェン交響曲全集
Sony Classical SICC-1510 (5CDs)
発売予定日:2011年11月09日

---------- 下記はタワーのサイトから・・・ ----------

※世界初CD化(第1番・第2番・第4番)、日本初CD化(第7番・第8番)
★20世紀のオーケストラ美学の粋を結晶させた入魂の全集、ついに執念の全曲CD化が実現。
ユージン・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団は、カラヤン&ベルリン・フィルと並び、20世紀オーケストラ美学を極めつくした存在でした。1961 年の第2番から1966年の第5番まで7年をかけて録音され、オーマンディのフィラデルフィア管在任30年を記念して、1968年にセット化されたこの 「ベートーヴェン:交響曲全集」もその特徴を最大限に刻印した演奏です。厚みのある強靭な弦楽合奏を土台にして、名技を誇る木管・金管奏者を配した、豊麗 極まりない響きを作り出しています。このコンビ唯一のベートーヴェン全集で、第1番・第2番・第4番は世界初CD化。日本で全集として発売されるのもLP 時代以来ほぼ40年ぶりのことです。
2011年08月29日(発売・販売元 提供資料)

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オーマンディ・ファンからリクエストが多かった(と思うけど)ベートーヴェン全集もついにCD化とは・・・・ジャケットデザインは米Columbia のボックス全集を採用するようだ。(オリジナルのジャケットデザインは下記)

Columbia D7S 745 Box
米Columbia Masterworks D7S745(stereo、2eyes Label 7 LPs)
Regular D7L345(mono)
Beethoven The Nine Symphonies
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
Lucine Amara(s), Lili Chookasian(ms)
John Alexander(t),John Macrdy(b)
The Mormon Tebernacle Choir(dir: Richard P. Condie)

面白みの無い文字だけのデザイン。オーマンディ音楽監督就任30周年記念企画か、そのシーズンに発売されたLPに全てそのロゴが付いただけなのかはよく分からないが・・・

Ormandy 30th Anniversary Season Logo
Eugene Ormandy 30th Anniversary Season Logo

この盤については過去のブログ(その1その2)にも書いたので、宜しかったらご覧下あれ。

オーマンディ/フィラデルフィアのすべて (日本コロムビア 1967年3月) によると、このボックスセット以外で発売されたLPは下記の通り。

    米Columbia  日本Columbia
1番  MS-6901     OS-841
2番  MS-6901     OS-841
3番  MS-6266,6918  OS-842
4番  MS-6902     OS-843
5番  MS-6902     OS-801,843
6番  MS-6903     OS-801,844
7番  MS-6904     OS-845
8盤  MS-6836,6905  OS-846
9番  MS-6905/6    OS-846/7

そういえば、以前手元に1番と4番をカップルしたLP(日本Columbia OS-896-C)がありました。日本ColumbiaからCBS/SONYに移行した後も何らかの形で発売はされているでしょうが、交響曲全集という形では出ていない(※)と思われます。(今まで見た事ないし) LP時代、CBS/SONY 「オーマンディ 音の饗宴1300」全50巻 CBS/SONY 「オーマンディ名曲ベスト30」(ディジタル・リマスタリング)では3,4,5,6,9番が発売されていますが・・・

何はともあれ、久しぶりの朗報ですな・・・んでは。

<追記修正>
オーマンディ掲示板の横田さんより、CBS/SONYから全集として出ていたという情報を頂きました。ついでにググってみると、CBS/SONYより ダブルシリーズ(1968年秋より発売)という廉価盤企画で発売されたという情報があった。

matsumo's Home Page III
CBSソニーの廉価盤(2)[2枚組・3枚組]

番号は、SONW20075/80 でLP6枚組。それにしても、オーマンディ&フィラデルフィアのベートーヴェン交響曲のLPって、なかなか見かけないのですよ。あまり売れてなかったのかな?んでは。

Ormandy/Philadelphia - Berlioz "Symphonie Fantastique", 1960年2011年01月10日 07時00分

サン=サーンスのオルガン交響曲を取り上げた時、比較用にとりあげたこのアルバム・・・今回は1960年Columbia Masterworks 録音によるベルリオーズ幻想交響曲を・・・

CBS/SONY 52DC363/4
CBS/SONY 52DC363/34 2CDs (C)1985
Hector Berlioz : Symphony Fantastique
Charles Camille Saint-Saëns:
 Symphony No. 3 in C minor ('Organ'), Op. 78
 Danse macabre, symphonic poem in G minor, Op. 40

ベルリオーズ幻想交響曲、そしてサン=サーンスオルガン交響曲死の舞踏のカップリングによる2枚組のCD。52DCという番号が示すとおり、当時5200円の高価なCDである。とはいえ、この頃は1枚3200~3800円が相場(違ったかな?)の時代だったから、この当時としては割安な方かもしれないが・・・

このCDはマエストロ・ジーンフィラデルフィア管弦楽団の演奏を2枚組CD 10セットに纏めて、1985年に発売されたものの一つ。図らずも同年死去したマエストロの追悼盤みたいな形になってしまったような・・・Bruno Walter/Columbia SO のCD化に刺激を受けて、このコンビの昔の録音をオリジナルの3チャンネルマスターテープから新たにリミックス・ダウンした・・・というのがウリの企画と思われる。全10組のラインナップは下記の通り。

 52DC361/2  チャイコフスキー 3大バレエ
 52DC363/4  幻想交響曲、サンサーンス オルガン、死の舞踏
 52DC365/6  グランドキャニオン、ラプソディーインブルー、パリのアメリカ人
         ポーギーとベス
 52DC367/8  展覧会の絵、禿げ山の一夜、シェエラザード、スペイン奇想曲
 52DC369/70 チャイコフスキー交響曲4,5,6
 52DC371/2  ベートーヴェン交響曲3,5,6
 52DC373/4  トッカータとフーガ、パッサカリアとフーガ、主よ・・、アイネ・クライネ、四季
 52DC375/6  レ・シルフィード、シルヴィア、コッペリア、パリの喜び、三角帽子、
         ファウストのバレエ(グノー)
 52DC377/8  イタリア奇想曲、オネーギンのワルツ、1812年、ルスランとリュドミラ
         フィンランディア、亡き王女の為のパヴァーヌ、ラヴァルス、ボレロ、
         狂詩曲スペイン(シャブリエ)、ローエングリン3幕への前奏曲
         マイスタージンガー前奏曲
         ハーリーヤーノシュ~戦争とナポレオンの敗北
 52DC379/80 マーチ集

CBS SONY 52DC363-4
ブックレットの裏もお馴染みの写真・・・

ブックレットの解説について少々・・・

まず、志鳥栄八郎氏による「オーマンディと天下の銘記フィラデルフィア管弦楽団」で1ページ。これはCBS/SONY 「オーマンディ 音の饗宴1300」全50巻の解説と全く同じものである。

お次は、和田則彦氏による「CDで聴く華麗なるフィラデルフィア・サウンド」も1ページ。こちらは、当時新しいメディアであるCDに懐疑的な「スーパー・アナログ党」に対する、「CDへのお誘い」である。ちょっと引用しますが、

「・・・このシリーズに使われているマスター・テープは、今回特に米CBSに依頼して、当時の3~4チャンネル・オリジナル・テープからデジタル2チャンネルに新たにトラックダウン(ニュー・リミックス)し直したものである。
 従ってAD(アナロ・グディスク)の限界を考慮してのリミッターやフィルターの類は全く使われておらず、マスター・テープさながらの新鮮で迫力に溢れた『フィラデルフィア・サウンド』が生々しく眼前に展開し、20年の歳月の経過や『レコード再生音であること』を忘れさせてくれる。・・・」

といった具合。CDがデジタル録音だけではなく過去のアナログ録音にも有効なメディアであるということが認知され始めた頃・・・かな?確かに、CDケースの裏には"New Remix Master" 太字のロゴが入っているし、ブックレットにも "Remixing for CD supervised by Laula Harth, Producer,1984."とか記載されている。

以上二つの解説はこのシリーズに共通して使われているもの。あと、各CD毎に和田則彦氏によるオーディオ面から見た「このCDの魅力について」が2ページ程。これは収録されている演奏の聴き所をオーディオ面からアプローチしたもの。これに曲目解説(各CD毎で執筆者は異なる)が加わる。

このCDシリーズとほぼ同時期に、同じニュー・リミックス・マスターでカッティングされたCBS/SONY 「オーマンディ名曲ベスト30」も発売されていたようである。

さて、この1960年録音の ベルリオーズ幻想交響曲 を聴く気になったのは、オーディオチェックレコードのすべて 誠文堂新光社 1976年 の和田則彦氏の記事を読んで教務をそそられたからである。

和田則彦氏による「チェック/デモ・ディスクの紹介」の「クラシック・ディスク(2ch/モノーラル)」に、マエストロ・ジーンフィラデルフィア管弦楽団 のディスクが2枚取り上げられている。Columbia Masterworks録音の「幻想交響曲」(CBS/SONY SOCT-8)と「オルガン交響曲」(CBS/SONY SOCT-21)である。これは、CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300 のディスクである。

和田氏によれば、このCBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300 盤も「他の追随を許さぬ」優秀録音盤ではあるが、これら2枚の旧盤(「幻想交響曲」はCBS/SONY SONW-20095~6、又は SOCF-22003、「オルガン交響曲」はCBS/SONY SONW-20095~6、又は SOCF-220014)の方が、より低音がハイレベルでカットされている・・・とのこと。その理由は・・・

「・・・SX- 68 導入の頃から CBSソニー静岡工場に”悪乗りカッティングの巨匠”がいて、米CBSからのマスター・テープに低域を減衰させてカッティングするよう補正カーヴの指定があったのを、あえてそのまま切ってのけたという神話がある。・・・(これらの盤は当時の)大賀社長も自邸装置のデモ盤に採用しておられるほどの木目状重低音音溝だ。
 勿論現役SOCT(CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300)も”直った”とはいえ、他録音の追随を許さぬが・・・。」

CDブックレットの「このCDの魅力について」にも、この「ローカットを忘れた強烈カッティングによる・・・」とあるから、和田氏にとってこの2枚はよほど強い印象を残していたらしい。

・・・ということで、どんな音が入っているのかとエッセンシャル盤( SME/Sony Classical Essential Classics SBK46329 )を聴いてみたのだが、重低音どころかとっても軽い音なので首をかしげてしまった。

不思議に思い、普通に”直った”CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300 LP盤(SOCT-8 )を聴くと、こちらはCDの軽い音とは比較にならぬほどの重低音が鳴り響く。どうやら、エッセンシャル盤はリマスタリング時に大胆に低音をカットしてしまったようだ・・・

・・・ということで、(恐らく)最初のCD化であるこの2枚組CDを運良く入手して聴いたところ、エッセンシャル盤でカットされた重低音がハイレベルで鳴り響いた。やっぱりそうだったか・・・と合点した次第。

以前取り上げたサン=サーンスのオルガン交響曲についてはこの2枚組CDよりもエッセンシャル盤の方が良かったが、幻想交響曲 はこの初期のCDの方が圧倒的に音が良い。エッセンシャル盤は大胆な低音カットによりグランカッサやコントラバスの音に厚みや迫力がないし、セッションの緊張感も消し飛んでいる。米LP盤や国内LP盤(どちらかというと国内盤の方が重低音がハイレベルで刻まれている)の方がエッセンシャル盤より楽しめる。

それにしても、この当時のColumbia MasterworksRCA Living Stereo(参考:Twice Told Records Gallery) や Mercury Living Presence(参考:Mercury Records Collection) よりオーディオ的には地味というイメージがあるのだが、なかなかどうして、結構冒険もしていたのだなあ・・・こうして重低音をきちんと再生して聴くと、この演奏の良さが一段と引き立つ。

エッセンシャル盤は比較的素直なリマスタリングのものが多く、極端なノイズカットのものは少ないと思っているが、この幻想交響曲については残念ながら・・・音はリマスタリング担当者のセンスによるところが大きいし、実際聴いてみないと分からないから悩ましいところだ。ソニーミュージックには、この初期のCDのリマスタリング以上の音質でこの幻想交響曲を出し直して欲しいものだ。

それでは。

2010年 私的 マストロ・ジーン トピックス2010年12月30日 08時37分

今年も残りあと二日・・・ということで、今年もマエストロ・ジーンフィラデルフィア管弦楽団関係のワタクシ的トピックスを・・・

最初はやはりコレですな・・・

CD Reissue - Ormandy & Philadelphia - Brahms Four Symphonies 1966-68年 
SONY CLASSICAL/SICC-1421 3CDs
この企画を実現してくれたタワーレコードには感謝あるのみ。次はベートーヴェン交響曲全集、クリスマス・アルバム4LP分(Columbiaのコレコレ、そしてRCAのコレコレ)全録音のCD化等々・・・まだまだあるけどお願いしますワ~

お次は・・・

オーマンディとウィーンフィル、そしてゼルキンが共演した映像のDVD
Dreamlife DLVC1212
1996年に東芝EMIより発売されたLD「ウィーンフィルと名指揮者達」(TOLW-3741/44)のDVD化ですな。時折クラシカ・ジャパンでも放送されていたと思いますが、こうしてDVDで入手しやすくなったことは歓迎すべきことでしょう。

これはマエストロ・ジーンとは直接関係ありませんが・・・

Joseph Jongen - Symphonie Concertante その5 - A Grand Celebration - The Philadelphia Orchestra live with The Wanamaker Organ at Macy’s Center City , September 27, 2008.
Gothec G-49270-2
守口フィラデルフィア管弦楽団研究会のレビューを読まなければ危うく見逃すところでした・・・Joseph Jongen協奏交響曲 ・・・一度実演に接してみたいと思いつつ未だに果たせない曲なのだが・・・ こんな嬉しいディスクが出ているとは・・・

Melodiya MOHO 33 M10-38727-8 Liner notes
今年10月にヤフオクで見かけて存在を知った音源。録音が今ひとつなのが実に惜しい・・・

これもマエストロ・ジーンとは直接関係ありませんが・・・

Bridging the Silence - Live Performance by the members of The Philadelphia Orchestra conducted by Luis Biava, 1996年
Indre Classics IND9012 Booklet
当時リアルタイムで In Tune誌の広告で存在は目に入っていたCDなのだが・・・その広告によると、

「・・・EMIにレコーディング契約の解消を言い渡され、将来レコーディング収入やそれに伴うプレステージがなくなることに対する不満・不安などを原因 に、同オケが(1996年?)9月15日から11月18日まで、実に2ヶ月に渡ってストライキを決行していたことは、当レコ芸(レコ芸の広告をそのまま 持ってきたのかな?)'96年11月号、'97年1月号に詳しいが、オケ維持の資金稼ぎの目的で開いたライブ録音が発売される。・・・」
 ※()by りん

とある。この録音からほぼ15年経った現在、オケの状況は好転するどころか危機的状況にあるのは残念だが、なんとか持ち直してまた栄光のフィラデルフィア・サウンドを聴かせて欲しいものだが・・・大丈夫かなあ・・・

2010年10月6日 日経新聞 文化欄 Philadelphia Orchestra首席ピッコロ奏者、時任和夫氏の手記

オーマンディ掲示板書き込みで知ったんですな。10月6日の日経新聞朝刊の文化欄(最終)面に掲載された、Philadelphia Orchestra首席ピッコロ奏者、時任和夫氏の手記です。勤め先の古新聞から切り抜いて保存しちゃいました。

最後は・・・

オーディオチェックレコードのすべて 誠文堂新光社 1976年
無線と実験別冊 オーディオチェックレコードのすべて 誠文堂新光社 1976年
もう30年以上前の本ですが、和田則彦氏がオーマンディフィラデルフィア管弦楽団のLPをオーディオ・ファイルの観点から採り上げているのが懐かしいですな。

ま、こんなところですか。んでは。

Ormandy/Philadlephia : Saint-Saëns "Organ" Symphony ,1962年2010年12月04日 18時00分

先月29日の演奏会で聴いたので・・・

SME/Sony Classical Essential Classics SBK47655
SME/Sony Classical Essential Classics SBK47655
Charles Camille Saint-Saëns:
 1. Symphony No. 3 in C minor ('Organ'), Op. 78
 2. Bacchanale from Samson et Dalila, Op. 47
 3. Marche Militaire Francaise from Suite algérienne,Op. 60
 4. Danse macabre, symphonic poem in G minor, Op. 40
 5. Carnival of the Animals
  (室内楽版。Ormandy/Philadelphia の演奏ではありません)
 Power Biggs(Organ)
 Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

サン=サーンスオルガン交響曲は1962年の録音。場所はAcademy of Music、オルガンもホール備え付けのAeolian-Skinner Organ(参考:Ernest M. Skinner) が使われている。

オーマンディ/フィラデルフィアのすべて(日本コロムビア 1967年3月)によると、 このオルガンはエフレム=ジンバリスト夫人が亡父サイラス・H・K・カーティスカーティス音楽院の創立者)を偲んで1959年に Academy of Music に寄贈されたものだそうな。

Within These Walls - A History of the Academy of Music in Philadelphia by John Francis Marion(1984年)にも同様の記載があり(というかオリジナルはこっちかな?)、同書によると、フィラデルフィア管弦楽団の1960-61年シーズン最初のコンサートはサン=サーンスオルガン交響だったそうな。

この時の指揮は勿論マエストロ・ジーン、オルガン演奏はPaul CallawayPaul Callawayは同シーズンの9月、このオルガンの為に作曲された Barber "Toccata Festiva" の世界初演を行い、その後間もなくAlexander McCurdyWestminster Choirと共にこのオルガンの最初のリサイタルを行っている。その後直ぐに Virgil Fox もリサイタルを行ったそうな・・・

ちなみに、Barber の "Toccata Festiva" は Ormandy/Philadelphia による演奏のLP(Music for Organ and Orchestra (米Columbia Masterworks MS6398, ML5798))がある。このLPには同コンビによるプーランクオルガン協奏曲(未CD化)、そしてバーンスタインNYPによるR.シュトラウスの「オルガンとオーケストラのための祝典前奏曲(Festival Prelude for Organ and Orchestra)」が組み合わされている。

なお、Barber "Toccata Festiva"は 2005年に CD化されている。(Sony Classical - Masterworks Classic Library SK 94739, Tower, amazon.com

オルガン交響 の初出は1963年発売の米Columbia Masterworks MS6469 。手元にLPは無いけど、とりあえずジャケット写真を・・・オルガンのパイプユニットの一部が「シェル」の後方に陣取ってますな・・・

Columbia MS6469
Columbia Masterworks MS6469

この演奏、日本ではオーディオ方面でそれなりに話題になっていたようだ。「オーディオチェックレコードのすべて」( 誠文堂新光社 1976年 ) の和田則彦氏のレビューによれば、

「・・・セパレーションの優れた直接音主体のチェック向きに鮮鋭なマルチ録音の傑作であると共に、重低音再生の試金石として前記『幻想』(注:幻想交響曲のことですな)と双璧をなす。・・・」

とある。「直接音主体」なのはドライな音響を持つ Academy of Music の収録だからだろう。

CBS/SONY 「オーマンディ 音の饗宴1300」 のSOCT-21 より前にカッティング・プレスされた SOCF-22014 と SONW-20095~6 はローカットを忘れた?強烈カッティングで結構ハイレベルな低音が刻まれていたそうな・・・。「音の饗宴1300」の SOCT-21は「普通」に戻っているそうだが、それでも結構なハイレベルカッティングではあるようだ。

恐らく初CD化であろう 国内盤2枚組CD CBS/SONY 52DC363/34 はこのオルガン交響曲 (と死の舞踏)と 幻想交響曲 のカップリング。リミックスとディジタル・リマスタリング は1984年。Essential Classics盤は1991年頃にリミックスとディジタル・リマスタリングが行われたようだ・・・。国内盤 Sony Classical SRCR1627(「動物の謝肉祭」は含まれていない)もEssential Classics盤と同じマスターのようだ。

確かに、「直接音主体」であり、オルガンの音も綺麗に入っているし低音は相当のハイレベルで収録されている。当時の録音機材やカッティング・プレスの技術レベルを考えると相当な冒険をした録音ではないだろうか。

CDの音について、CBS/SONY盤より Essential Classics盤の方が良いと思う。CBS/SONY盤はテープヒス除去の為か高域をかなりカットしており、Essential Classics盤よりも鮮明さに欠ける。低音はどちらも同等レベルで収録されているが・・・Essential Classics盤 と国内 Sony Classical 盤は違いが判別出来なかったので、ほぼ同一のマスターと思われる。「動物の謝肉祭」が収録されている分、Essential Classics盤の方がお買い得。

オルガン交響曲死の舞踏 については Essential Classics盤 の方に軍配が上がったが、幻想交響曲については全く逆の結果なのが面白いところ。これはまた後日書くつもり。なお、音源比較は2台のCDプレイヤーにて同時再生して、インプット・セレクターで音源を瞬時切り替えてヘッドホンで聴いて行った。

ここで取り上げたEssential Classics盤は中古で入手可能だし、番号とデザインを変えて再発売されてもいるので入手は容易かと・・・。興味のある方は如何?

昨日届きました : CD Reissue - Ormandy & Philadelphia - Brahms Four Symphonies 1966-68年2010年11月24日 08時20分

昨日タワーから届いてました。

SONY CLASSICAL/SICC-1421 3CDs

気になっていた初CD化の3番ですが、LPの音のイメージとそう大きな違いもなく、荒れ気味の音もかなり改善され低域も豊かになってますし、ノイズ除去も控えめなようで安心しました。

CDが来て気が付いたのですが、ハンガリー舞曲第17番~21番 も収録されていたんですな。この5曲、フランスのソニー・マスターワクス "L'ESSENTIAL Brahms" SMK53099 (C)1994 というアルバムでCD化されて以来見かけなかったような・・・こういう形で収録されるのは有難いことですな。(あとで、Sony Classical Essential Classics SBK46534 (C)(P)1991 に収録されていることに気が付きました。セル/クリーヴランド管ブラ1とのカップリングだったので見落としてました・・・)

残念ながら上記2種のCDに収録されていた5番と、ハリス編曲による弦楽合奏版の5番(LP:米Columbia Masterworks MS7146、HORA STACCARTO,CD:米CBS Records Masterworks MLK45736 Classical Jukebox Vol.1※)は入ってませんが・・・

※ちなみに、Classical Jukebox2Andre Kostelanetz 指揮の演奏が納められてるんですな・・・今調べて気が付きました・・・

LP共々末永く愛聴していくことになるでしょう。んでは。

補足:CD Reissue - Ormandy & Philadelphia - Brahms Four Symphonies 1966-682010年10月16日 07時40分

SONY CLASSICAL/SICC-1421 3CDs
SONY CLASSICAL/SICC-1421 3CDs
ブラームス交響曲全集 (2010年11月24日発売予定)

ジャケットデザインはタワーのサイトにも出ているとおり、Columbia Masterworks D3M31636 (3枚組LP)を採用してくれるようです。

今日、タワーレコード の CLASSICAL 予約ランキング(2010/10/09 - 2010/10/15 )を見たら、このブラームスの交響曲全集CD が1番なんですな・・・びっくりしましたワ。

そういえば、HMVのランキングでは、レヴァインによるマーラー交響曲選集CDもトップになってましたな。今も入っているからかなりのモンでしょう。熱望していた人は多いんですな。

最近のタワーは検索結果が整理されて見やすくなったと思いますが・・・

Eugene Ormandy
Philadelphia Orchestra
ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

この調子で、タワーにはベートーヴェン交響曲全集CDを企画して欲しいもんです。期待してまっせ。んでは。

<追記>
この件はオーマンディ掲示板にも書き込みました。

Ormandy/Philadelphia -"I wonder as I wander"2010年10月14日 06時40分

チリの落盤事故(既にwikipediaに記事がある・・・)、救助が順調に進んでるそうで、良かったですなあ・・・

オペラ歌手のジョーン=サザーランドが亡くなったというニュースを聞きました・・・といっても、知ってはいるけど彼女が歌ったオペラのレコードは一枚も無いのだけど・・・

今度の土日は、大須大道町人祭だ・・・久しぶりにブラブラするかな・・・

SME から 7枚組のCDで発売されたヴァン=クライバーンのピアノ協奏曲集は既に売り切れだそうな・・・完全限定盤とはいえ、早いなあ・・・

・・・では、こちらも久しぶりに、オーマンディフィラデルフィア管弦楽団 に関する事を書きましょうか・・・?

オーマンディ掲示板書き込み(9月14日)より・・・

オーマンディフィラデルフィア管弦楽団の来日公演を聴かれた方の書き込みを読むと、ホント羨ましくなります。

その方が、フィラデルフィア管弦楽団のコントラバス・セクションの凄さの一端を示すというLPを聴いてみました。

CBS/SONY の国内盤、SONW-20063-64 収録の "I wonder as I wander"(トラディショナルですな)です。米Columbia盤より、この国内盤の方が低音が良く聴こえるとのことなので・・・

実はこの曲、米Columbia MS-6639"A Christmas Festival", MS7103"Green Sleeves"でも何回か聴いていて、聴く度にこのオーケストラの弦セクションの音は凄いと感じ入っておりました。

確かに、CBS/SONY盤の方がよりコントラバスの音が大きく入っていますね。たぶん理由はこのあたりでしょう。

この2つのアルバムは4trackのオープンリールでも発売されていたようで、ebayで見かけます。LPよりもいい音がするでしょうから、一度そのテープを聴いてみたいものですが、その為にかさばるデッキを用意するのは難儀ですな・・・

「タイースの瞑想曲」(これも、ここここ に書きましたが)もそうですが、この演奏がCD化されていないのが残念・・・(オーマンディ掲示板当方の書き込みはこちら