DVD:Great American Orchestras2016年11月18日 06時00分

EuroArtsから面白いDVDボックスが発売されます。

--------------輸入元情報 ココカラ---------------
アメリカの5大オーケストラ、ボストン交響楽団、シカゴ交響楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、クリーヴランド管弦楽団、フィラデルフィア管弦楽団の演奏をまとめたDVDボックスが発売となります。指揮者も、オーマンディ、バーンスタイン、ショルティ、ブーレーズ、マゼール、バレンボイム、ヴェルザー=メストといった錚々たる顔ぶれが登場します。さらにソリスト陣も豪華で、ポルトガルの歌姫エリザベート・マトス、アメリカの名テノール、ケネス・リーゲル、20世紀を代表するヴァイオリニストの一人、イツァーク・パールマン、そして多彩な声で魅了するドイツのソプラノ、クリスティーネ・シェーファーの名が連なります。
 オーケストラを聴く醍醐味ここに極まれりといった黄金のアメリカン・サウンドを堪能することができる内容です。
----------------輸入元情報 ココマデ------------

オーマンディ&フィラデルフィアのホーム(音楽アカデミー:Academy of Music,Philadelphia)に於ける収録(1977年~1979年)のDVDが4枚含まれております。これは、2006年~2009年にかけてEuroArtsから発売されたDVD全4枚であり、他の演奏とも合わせて全11枚という、お買い得盤。

Euro Arts
Great American Orchestra
HMVタワレコ

なお、ここに収録されているコンサートは、この映像収録の為に、音楽アカデミーに聴衆を入れて、演奏・収録されたものであり、所謂「ライブ収録」とは異なるものです・・・

この Unitel Concert については、Coming to the Small Screen: Ormandy on Television をご覧下さい。では。

【備忘録】タワレコ Definition Series第5弾!~マルケヴィチ&オーマンディ(SACDハイブリッド)2016年11月10日 06時33分

2016年4月6日 オーマンディ掲示板投稿より。
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タワレコが Definition Series で面白いアルバムを出すようですね。

〈タワレコ限定・高音質〉Definition Series第5弾!
~マルケヴィチ&オーマンディ(SACDハイブリッド)


Eugene Ormandy/ユージン・オーマンディ In Memoriam

上記サイトより引用

「・・・曲目は、旧EMIレーベル初録音となったシベリウスの「四つの伝説曲」から、カツァリスとの共演盤である1981年12月までの5枚分のアルバムを3枚に集成しました(もうひとつ、パールマンのとの2曲が旧EMIレーベルにありますが、権利上、今回のセットからは除外しました)。今回の商品の形態は、1985年にオーマンディの追悼盤としてアメリカで発売されたLP、「In Memoriam」という盤をジャケット・デザインに採用し、旧EMI音源を集成しました。まさに、「InMemoriam」を拡大した形となっており、彼らの最後期を伝える、貴重なセットとなりました・・・」

パールマンとの2曲が権利上の都合で除外・・・というのは興味深い話ですが、それはさておき、1985年の「In Memoriam」アルバムの拡大版というのは面白いアイディアですね。同年、同じデザインのCDが出ており、「In Memoriam」という文字こそありませんが、ブックレットにNYTimesによる訃報が掲載されており、基本的にはLPと同じアルバムと看做せますから、それ以来のCD(SACD)アルバムでもあります。

RCA Red Sealの追悼アルバムはご存知、「死と変容」「変容」が収録されたLPとCDで、これはアナログ録音のディジタル・マスタリングで発売されましたが、この音源も現在流通している1985年のAAD音源では無く、元のオリジナル・セッション・テープに遡ってのリマスタリングで出してもらえると面白いかもしれません。

解説は市川幹人さんとのことで、これまた内容の充実が期待できますね。
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【備忘録】Ken Russell's View of the Planets - Music by Holst2016年11月10日 06時32分

2016年4月3日 オーマンディ掲示板投稿より。
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ケン・ラッセルが1983年に製作した奇妙?なドキュメンタリーのコラージュ・・・ですが、バックの音源はオーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の演奏・・・なのですが、不思議なことに、RCA Red Sealのセッション録音ではなく、Unitelが収録したAcademy of Musicでのビデオ収録音源が使われています。曲間の会場ノイズもそのまま入っています。

ケン・ラッセルが何故この音源を選択したのか、その意図は良く解りませんが・・・

以前、レーザーディスクで出てましたが、DVD と Blu-ray Disc のフォーマットで近日発売予定とのこと。興味のある方は如何でしょうか?
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【備忘録】Eugene Ormandy - Orchestral Works(Artis 32CDs)2016年11月10日 06時31分

2016年3月20日 オーマンディ掲示板投稿より。
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オーマンディ&フィラデルフィアの32枚組CDが出るそうです。
タワレコHMV)
韓国Artis(Classical)というレーベルからのリリースとのこと。音源は米Columbia Masterworks時代のもの。Sony Classical からの正式ライセンスかどうかは不明。

曲目データを見る限り、著作隣接権切れの音源(1966年以前)のみですね。米RCA Red Seal時代(1968年~)のステレオ録音は含まれていないようですから。

面白いのは、ブラームスの2番(1953年)とかのモノラル録音が含まれていること。ステレオ録音は録音場所の記載がありますが、モノラル録音には記載無し。

なんとなく、音源の出所が想像できますが・・・まあ、興味のある方は如何でしょうか?
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タワレコ Sony Classical スペシャル・セレクション第10期2016年10月22日 12時30分

 今年のタワレコの「オーマンディ降臨」は無いのかな・・・なんて思っていましたが、どうしてどうして、興味深い企画・音源を引っ張り出してきましたね。

 ここ毎年のタワレコ"Sony Classical" スペシャル・セレクションによる、オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団の名盤リイッシューに、フィラデルフィア管弦楽団側も称賛を惜しまず「自分たちの歴史を現在に蘇らせる重要なプロジェクト」と認識しているそうです。今後も期待しましょう。

タワー・レコード "Sony Classical"
スペシャル・セレクション第10期 第2回 10タイトル
2016年11月14日発売


●SICC-2127(SMSOタワレコ)※世界初CD化曲有(8曲)
HORA STACCATO
ホラ・スタッカート~超絶のフィラデルフィア・ストリングス
「・・・1969年発売の「ホラ・スタッカート」は1966年と67年に録音された(当時の)新録音を中心として構成された日本未発売の1枚。「オーマンディ・サウンド」の根幹を担った弦楽セクションの魅力に焦点を当てたアルバム・・・」

●SICC-2128(SMSOタワレコ)
The Strings of The Philadelphia Orchestra.
G線上のアリア~超絶のフィラデルフィア・ストリングスVOL.2
「・・・P初期の1959年に発売されたオリジナルの小品集「フィラデルフィア管弦楽団の弦」。コレッリやモーツァルトなど、オーマンディとしては比較的珍しいレパートリーを収録・・・」

●SICC-2129(SMSOタワレコ) ※世界初CD化曲有
The Age of Elegance
ジ・エイジ・オブ・エレガンス~バロック名曲集
「・・・1971年発売の「ジ・エイジ・オブ・エレガンス~エアと舞曲の名曲集」は、ヘンデルからベートーヴェンにいたるバロック~古典派の美しい舞曲を集めたアルバムで、大半が1968年に録音されたもの。オーマンディらしくバロックの演奏様式にはこだわらず、格調高く優雅に描き出された音楽の表情が魅力的です。ハーティ版の「王宮」、オーマンディ版の「水上」をカップリング・・・」

※王宮の花火の音楽(ハーティ編)が漸くCD化。嬉しいことに、水上の音楽(オーマンディ編)も収録され、LP当時のカップリングが実現しました。

●SICC-2130(SMSOタワレコ) 2CDs ※世界初CD化曲有
The Glorious Sound of Christmas & The Christmas Festivals
きよしこの夜~グローリアス・サウンド・オブ・クリスマス
「・・・1962年に発売された「グローリアス・サウンド・オブ・クリスマス」は、オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のコロンビア録音の中で最も売れたアルバムの一つ。楽団専属の編曲者アーサー・ハリスによって、フィラ管の豊麗なサウンドを最大限に生かした、豪華絢爛のクリスマス音楽を堪能することができます。この成功を受けて、2年後に珍しくニューヨークで録音された「クリスマス・フェスティヴァル」をカップリングし、さらにボーナス・トラックとして、極めて珍しいジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団のクリスマス曲2曲を追加・・・」

※長年CD化を待ち望んでいたクリスマス・アルバム(The Christmas Festivals)が、The Glorious Sound of Christma とのCD2枚組で登場とは嬉しいですねえ。こうなったら、RCA Red Sealのクリスマス・アルバム2枚もこういう形で是非CD化してもらいたいものです。

●SICC-2132(SMSOタワレコ) 2CDs
The Fantastic Philadelphians - 20 Stereo Spectaculars
ファンタスティック・フィラデルフィア・サウンド~史上最大の名曲集
「・・・「ファンタシティック・フィラデルフィアンズ」は、オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団がRCAに再移籍後、1970年代発売された3つの3枚組ボックス・セットの一つ。1970年代前半に録音された、19世紀後半から20世紀にかけてのショウピースを20曲集めたコンピレーションで、この3枚組の形では日本では未発売・・・」

※当時のシングルジャケットにLP3枚突っ込んだお得盤仕様のCD化。アメリカのバジェット盤はこういうのが多いんですなあ・・・

●SICC-2134(SMSOタワレコ) 2CDs
エルガー:エニグマ変奏曲
ヴォーン・ウィリアムス
タリス幻想曲/ディーリアス:夏の庭で、他
「・・・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のコロンビア録音の中で、極めて傑出した演奏でありながら、これまで日本で発売されなかったのが、エルガーとディーリアスのアルバムです(後者は作曲者生誕100年を記念して発売)。当2枚組は、その2人の作曲家のアルバムを軸に、フランチェスカッティとのウォルトンのヴァイオリン協奏曲、そして十八番だったヴォーン・ウィリアムズの2曲をカップリングしたもの・・・」

●SICC-2136(SMSOタワレコ)
A Johann Strauss Festival
J.シュトラウス2世:ウィンナ・ワルツ&ポルカ集
「・・・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のベストセラーの一つがJ.シュトラウスのワルツとポルカ集でした。当アルバムは、彼らがコロンビアに録音したウィンナ・ワルツとポルカのエッセンスを手軽に味わえる1枚・・・」

●SICC-2137(SMSOタワレコ)
Vivaldi:The Seasons & 4 Double Concertos
ヴィヴァルディ:四季&2つのヴァイオリンのための協奏曲
1959年と1960年に録音されたオーマンディのヴィヴァルディ録音2枚をカップリング。マリピエロの編曲によった「四季」は、バロック音楽のオーセンティシティよりも、フィラ管の充実したストリング・サウンドの魅力と凄さを伝えるアルバムで、名コンサートマスター、アンシェル・ブルシロウの非の打ちどころのないソロも聴きもの。オイストラフとスターンという名人2人を揃えた協奏曲4曲もまさに豪華そのもので、LP時代から名盤の誉れ高いアルバム

●SICC-2138(SMSOタワレコ)
TWO Favorite Guitar Concertos
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲/カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター協奏曲 ほか
「・・・20世紀最大のギタリスト、ジョン・ウィリアムスがオーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団とコラボレーションしたロドリーゴとカステルヌオーヴォ=テデスコは、ジョンにとってRCAからの3枚目のアルバムで、初の協奏曲録音。"フィラデルフィア管弦楽団のメンバー"とクジレットされている通り、通常よりは刈り込んだメンバーによっているが、オーケストラの巧さは驚くほど。・・・」

●SICC-2139(SMSOタワレコ)
Verdi:Requiem
ヴェルディ:レクイエム
ロッシーニ:スターバト・マーテル
「・・・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団によるヴェルディ「レクイエム」は、1965年に珍しくニューヨークのマンハッタン・センターで収録されました。アマーラ、フォレスター、タッカー、ロンドンなど、当時の北米を代表する名歌手を揃え、ニュージャージー州のプリンストンにあるライダー大学の学生で構成されるウェストミンスター合唱団を起用して、ヴェルディが作品に託した熱いドラマを見事に描き出しています。オーマンディ唯一の録音としても貴重です。
 1965年録音のロッシーニ「スターバト・マーテル」は、1977年に47歳で早世したアメリカの名指揮者トーマス・シッパーズがコロンビアに残した最大の録音遺産の一つ。大編成のオケと合唱団を起用したスケールの大きなアンサンブルを見事に統御する手腕が聴きものです。・・・」

ま、とりあえずこんなところで・・・

オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の海外ツアーニュースフィルム2015年11月20日 06時00分

オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の、1949年イギリス・ツアーと、1958年ソ連ツアーのニュース・フィルムです。

Eugene Ormandy & Philadelphia Symphony Orchestra at Birmingham Concert Hall (1949 Fox Movietone Newsreel)
Youtube

 この1949年イギリス・ツアーについては、「オーマンディ/フィラデルフィアのすべて」(日本コロムビア 1967年3月、非売品) に興味深い記事が掲載されています。興味のある方は図書館等で読んでみてください。

British Pathé
Philadelphia Symphony Orchestra  1958
British Pathé 本家のサイトYoutube

 1958年のソ連ツアーはライブ録音遺されていてLP・CDも結構発売されていますが、映像は今のところこれだけしか観られないようです・・・

では。

カツァリスとオーマンディ 1981年のEMIへのセッション録音と1982年のライブ映像2015年11月19日 06時00分

  1981年、カツァリスとオーマンディ&フィラデルフィア管はEMIにセッション録音をしてます。2006年にようやくオリジナル・アルバムの形でCD化されて、2006年5月にホームページに書きましたが・・・あれから結構な年月が経ってしまいました・・・

first recording of a "lost" concerto by Liszt, Katsaris & Ormandy
first recording of a "lost" concerto by Liszt
Cyprien Katsuaris
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
1981年 EMI録音(当時EMI所有のOld Metにて収録会場)
※オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のセッション録音会場については「オーマンディ&フィラデルフィアの名録音を生み出した会場 フィラデルフィアのTown Hallについて」に書いたので、興味のある方はそちらをご覧ください。

 "first recording of a "lost" concerto by Liszt"と銘打ったこのアルバム、「リストの失われた協奏曲の初録音」(Liszt orch. Tchaikovsky : Concerto in the Hungarian Style)と「ピアノ職人マーク=アレンの第1号カスタムメイドピアノによる演奏」というのが目玉。さらに、当時新進気鋭ピアニストのカツァリスとオー マンディとフィラデルフィア管弦楽団のバックアップという、当時の米Angel/Capitolがかなり力を入れた企画だと思います。カップリングはリス トのハンガリー幻想曲(Hungarian Fantasia)でした。

 「マーク=アレン製」の特製ピアノ、第2作はチック=コリアが使っているとLPジャケットに記載されていますが、その後の展開はどうなっているんでしょうねえ・・・

 さて、カツァリスは以前、自身の演奏をリリースするPiano21というレーベルを持っていましたが(以前ブログに書きました)、最近そちらはやってないようで、今はPiano21Label(Youtube)で自身の演奏を公開しているようです。

その映像の中に、オーマンディ&フィラデルフィア管と共演した1982年のライブ映像がアップされていました。

Cyprien Katsaris, Philadelphia Orchestra/Ormandy
Legendary Liszt Concert


Liszt, Fantasia on Hungarian Folk Themes • Fantasie über ungarische Volksmelodien, S. 123.
Liszt / Tchaikovsky (Orch.), Concerto in the Hungarian Style • Konzert im ungarischen Stil, S. 714.
The Philadelphia Orchestra, Eugene Ormandy.
Live at the Mann Music Center, Philadelphia, on 17 June 1982; this concert was attended by more than 10,000 people.

会場は、フィラデルフィア管のかつてのホーム(Academy of Music,Philadelphia)ではなく、同じフィラデルフィアのthe Mann Music Centerです。

若かりしカツァリスと円熟したオーマンディ&フィラデルフィアの演奏を観る事が出来る貴重な映像ですね。では。

オーマンディとラフマニノフ「交響曲第1番」の謎?2015年11月18日 03時40分

 ツイッターでたまたま知り、オーマンディ掲示板投稿した記事の備忘録として・・・


オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団は1948年3月19日にラフマニノフの交響曲第1番を米国初演しており、その翌日に同曲の演奏が「史上初のオーケストラ演奏のテレビ放送」としてCBSにより放送されています。(ご参考→Coming to the Small Screen: Ormandy and Television

1966年には同曲最初のステレオ録音をColumbia Masterworksと行っています。
1967 recording of the Rachmaninoff Symphony no. 1 by the Philadelphia Orchestra, cond. Eugene Ormandy
1967 recording of the Rachmaninoff Symphony no. 1 by the Philadelphia Orchestra, cond. Eugene Ormandy

また、ラフマニノフ生誕100年記念に際してのラジオ・インタビュー(1973年5月)に於いて、ラフマニノフの交響曲第1番に関してこんな事を話しています(以下はその抜粋)

「・・・彼が破棄したとされていたその交響曲の手稿譜の一つが残っていた。 ・・・彼の死後、その楽譜が私のところへ送られてきた。私はラフマニノフの 娘であるヴォルコンスキ公爵夫人から、この作品に手を入れてほしいと頼まれた。・・・私たちはこれを演奏し、録音した。・・・」

そのときのインタビューの一部は下記で聴く事が出来ますが、残念ながらこのエピソードの部分は含まれていません。

Eugene Ormandy A Centennial Celebration
→Interview with Eugene Ormandy conducted by Morris Henken, ca. 1973
 Ormandy discusses an early experience with Sergei Rachmaninoff

この話が、1945年のモスクワ再演(オーマンディでは当然ありません)・1948年の米国初演・1966年のステレオ録音と具体的にどう関係しているのかは定かではありませんが、興味深い話ではあります。

さて、本題はここからですが、今年10月下旬にフィラデルフィア管弦楽団に客演したVladimir Jurowski氏が、フィラデルフィア管のライブラリアンに「オーマンディが使用したラフマニノフのスコア(交響曲第1番)はないか?彼の録音には、どうも重要な追加があるようなのだが・・・」と尋ねてきたのが事の発端のようです。

詳細はブログを読んで頂くとして、PENN LibraryのEugene Ormandy Music and Media Centerに保管されている、当時オーマンディが使用したパート譜の一部の写真や、それを見たVladimir Jurowski氏のコメントなど、なかなか興味深い内容です。

 そういえばオーマンディ掲示板投稿でこんな話も知りました・・・今年6月15日、アンドリュー・リットンが都響でラフマニノフ「交響曲第2番」を指揮したそうですが、リットンは15歳当時、学校の先生に勧められて同曲をオーマンディのLPで初めて聴いてすっかり魅了されたそうです。1974,5年のことのようですので、多分RCAの録音でしょうか・・・
 ワシントン・ナショナル・オケのアシスタント時代、オーマンディが客演してこの曲を演奏、その時オーマンディが持ち込んだ楽譜を見てボーイング等を書き写したりしたそうで、都響に持ち込んだ楽譜のボウイングのオリジナルはオーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のもの・・・とのこと。
 残念ながら私はこの演奏を聴いておりませんが、実に興味深い話ですね。

では。

若かりしマエストロ・ジーンのファミリー・ホーム・ムービー ~Penn Library Mediaspace のアーカイヴより~2015年11月15日 08時50分

ひょんなことから面白い映像を見つけました。

Penn Library Mediascape

オーマンディ・ファンであれば、ご存知、1999年にオーマンディの生誕100周年記念展覧会(Eugene Ormandy A Centennial Celebration)を開催したペンシルバニア大学図書館のサイトです。

オーマンディが所有していた品はペンシルバニア大学図書館Eugene Ormandy Music and Media Centerに所蔵されており、興味深い資料があります。

オーマンディとテレビとの関わりに焦点を当てた Coming to the Small Screen: Ormandy and Television(Curated by Richard Griscom)もそうですが・・・

さて、Penn Library Mediascape のサイトで"ormandy"で検索すると、1930年代~1950年代にフィルム撮影された"Eugene Ormandy Family Home Movies"なんてのが多数引っかかります。既に40以上のフィルム映像がアップされてますが、NYPOを指揮している若かりしマエストロ(Film16)の無声映像とか、初めて観る映像がゴロゴロ・・・

興味のある方は如何ですか?


※補足 2016年3月20日

下記を見て頂くのが一番解りやすいようです。
Eugene Ormandy family home movies
http://dla.library.upenn.edu/dla/ead/detail.html?id=EAD_upenn_rbml_PUSpMsColl1051

下記に収蔵されているのですね。

Kislak Center for Special Collections, Rare Books, and Manuscripts: Rare Book & Manuscript Library

では。

"The Fabulous Philadelphians:From Ormandy to Muti" 1981年2015年11月15日 08時00分

 オーマンディは自らディスカヴァー したムーティ にフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督をバトン・タッチ、1979-80年シーズンを以って勇退し同楽団の桂冠指揮者(Conductor Laureate)になった後も亡くなる前年の1984年まで同楽団に客演しました。

 しかし、オーケストラ音楽監督交代劇?に於いて音楽監督が円満に勇退、しかも任期中に後継候補者を見つけて、音楽監督自らが後継者として指名する・・・というのは実に稀なケースと言えるでしょう。

 オーマンディは1971年のヨーロッパ・ツアーでムーティを「ディスカヴァー」し1972年にフィラデルフィア管弦楽団に初登場させ、1976年に主席客演指揮者(Guest Principal Guest Conductor)に指名、1979年に楽団から音楽監督の指名を受け、1980-81年シーズンから就任・・・という、音楽監督就任までに実に慎重な「試用期間」を置いています。

 オーマンディは1960年代後半くらいから自身の後継者(フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督)を探していたと思います。候補者として、ジェイムズ・レヴァイン(メトロポリタン歌劇場の音楽監督が忙しすぎて断念)、小澤 征爾、ウォルフガンク・サヴァリッシュ・・・等々、あらゆる機会に何らかの働きかけをしていたようですね。

 アメリカのオーケストラの音楽監督は重責であり、ムーティも自伝の中で「・・・この役職の仕事はまるでピラミッドの頂点を作り上げるようで、様々な決断を下さなければならないし、絶対的な責任を負う立場であり、一度マネージメントと検討したことはオーケストラの命を左右するほどのものだった。プログラム、町との関係、演奏旅行、レコード録音と何から何まで決めなければならなかった。・・・」と記しています。

 音楽監督交代劇?は、楽団からの「解雇」(集客力・楽団理事会やオーケストラ楽団員との関係・・・等々)、「喧嘩別れ(音楽監督の方から三行半を突きつける)」「任期中に死去」・・・いずれも、そうなると楽団側は後任の音楽監督探しに奔走するわけですし、最近は音楽監督が空席であるオーケストラも珍しくありません。何故なら、音楽監督は重責であり、そんな重責を担いたくない・・・という指揮者の方が多数・・・なのかもしれません。

 ベルリン・フィルの「終身指揮者」を自ら辞任したカラヤンの場合はこれまた特殊な事例(「終身指揮者」という契約も他に例がないでしょうが・・・)と言えるでしょうが、カラヤン時代のベルリン・フィルでは「音楽監督」的な仕事は楽団のインテンダント(「総支配人」「事務局長」)が殆どしていたようで、そういう意味でカラヤンはベルリン・フィルの「終身指揮者」ではあっても事実上「音楽監督」ではなかったとも言えるようです。まあ、ベルリン以外のポストも多数得て、様々なプロジェクトを立ち上げていたカラヤンですから、オケの「音楽監督」的な仕事は物理的に出来なかったでしょうし、本人もベルリンに「縛られる」つもりはなかったようです。詳しくは 中川右介著「カラヤン帝国興亡史」(幻冬舎新書 2008年3月)をどうぞ。同著者の「カラヤンとフルトウェングラー」(幻冬舎新書 2007年1月)も興味深いですな。

 そういう意味で、「オーマンディ=フィラデルフィア」「カラヤン=ベルリン・フィル」と並び称されることもあったこのコンビですが、「フィラデルフィア管弦楽団に生涯の大部分を費やして後任の音楽監督まで探した上で円満勇退」という、正に「オーケストラ・マン」として生涯を終えたオーマンディと、「ベルリンを拠点としつつも、それに専念・縛られることを望まず、様々なプロジェクトを立ち上げ自身の夢を追いかけ、最後は自らベルリンの『終身指揮者』を喧嘩別れのような形で手放しつつ、亡くなるまで新しいプロジェクトに邁進しようとした」カラヤンとは、実に対照的と言わざるを得ませんねえ・・・

 両コンビはともに多くの録音を遺しておりますが、「オーマンディ=フィラデルフィア」の場合は定期演奏会等のコンサートの後で録音(アメリカのオーケストラ録音は「レコード会社経費節減」の為、このような手法が多かったようです)するのに対して、「カラヤン=ベルリン・フィル」(ベルリン以外もでしょうが)の場合はレコーディング・セッションがコンサートの「リハーサル」を兼ねており、こちらは逆に「楽団の経費節減」(「リハーサル」経費はレコード会社が負担)をも目的としていたようです。

 どちらが「録音」という成果物に対して良いのかは単純に比較も評価も出来ませんが、ジョン・カルショーが自伝(「レコードはまっすぐに」(原題:Putting the Record Straight) 山崎 浩太郎 (翻訳)  学習研究社 2005年4月)で興味深いことを語っています。当時、アーティストのレコード会社との「専属契約」が強固なもので、「理想的な」配役のオペラ録音が出来ない状況を憂い、こんな提案をしてます。

 ・・・複数のレコード会社が「専属契約」しているアーティストを持ち寄り、歌劇場と協力して出資(リハーサル費用等)した上でオペラを上演し、その上演終了後、そのキャストでレコーディングし、その録音はアーティストを持ち寄った各社が発売する。理想的な配役でのオペラ・レコーディングが可能であり、セッション参加のキャストは舞台の経験も録音に活かせる・・・

 そういう意味では、コンサートの「リハーサル」の結果としてのレコードより、コンサート後のレコーディング・セッションによる録音の方が良さそうな感じがしますね・・・

 閑話休題

 オーマンディがフィラデルフィア管弦楽団音楽監督を勇退しムーティにバトンタッチしたその翌年の1981年、"The Fabulous Philadelphians:From Ormandy to Muti, five consecutive monthly television specials"という番組が制作され、フィラデルフィアのWHYY-TV(アメリカのPBS)とWUHY-91FMで放送されています。

"The Fabulous Philadelphians:From Ormandy to Muti,"
five consecutive monthly television specials

放送日  番組タイトル
2/25  "Transition"
3/25  "Recording Session"
4/22  "Requiem"
5/27  "Ormandy and Dylana Jenson"
6/17  "Muti and Alicia de Larrocha"

 番組の存在は知っていましたが、これまで観る事が出来ずに悶々としていました・・・が、ひょんなことからこのプログラムの一部 4回目の"Ormandy and Dylana Jenson" を観る事が出来ました。しかも、フィラデルフィア名所案内のようなオープニングには当時の楽団員まで出演していて、びっくりしました。

 ヴァイオリニストの Dylana Jenson さんが Youtube にアップされてました。彼女は、1980年12月9日のフィラデルフィア管弦楽団カーネギー・ホール演奏会でオーマンディに起用されシベリウスのヴァイオリン協奏曲を演奏しているので、このフィラデルフィアの音楽アカデミーのライブはその前後の演奏と思われますが・・・ちなみに、翌1981年に同じ顔ぶれでスコッティッシュ・ライト教会(旧タウン・ホール)にてレコーディングしております。

 彼女とオーマンディのリハーサルの映像、アカデミーでの演奏会、演奏後のアカデミー舞台袖・・・実に興味深い映像です。これだけでなく、是非他の4回分も観てみたいものですが・・・

 ちなみに、オーマンディ時代のフィラデルフィア管弦楽団の定期演奏会は当時WFLN(現在はWRTIに引き継がれてます)で放送され、テープ収録もされて全米各地の放送局で放送されたそうです。そういうテープから彼らの演奏が復刻されると良いのですが・・・(たぶん、フィラデルフィア管弦楽団のアーカイヴにあると思いますが・・・)

以下、ご参考・・・

オーマンディとテレビと言えば、こんなサイトもありますね。
Coming to the Small Screen: Ormandy and Television
Curated by Richard Griscom
Correspondence and photographs related to Eugene Ormandy's television appearances and his efforts in the 1950's and 1960's to gain more exposure on the "small screen."
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のホーム(Academy of Music, Philadelphia)に於けるテレビ収録もかなり行われていたと思われるので、ビデオテープが再生不能にならないうちにディジタル・メディアへのアーカイヴ化を行って欲しいものですが・・・

こちらはオーマンディ生誕100年記念サイトですが、まだまだ健在なのは嬉しいことです。
Eugene Ormandy A Centennial Celebration

最近面白いサイトを見つけました
Penn Library Mediascape
"Ormandy"で検索してみて下さい。興味深いフィルムを閲覧できる・・・かも

ここも、一度は行って見たいですね。
Eugene Ormandy Music and Media Center

※フィラデルフィアのラジオ局WFLNについて・・・
 1949年にクラシック音楽専門FM局(95.7MHz)として開局し、1956年に同じプログラムを流すAM局(900kHz)も始めましたが、1985(1988年?)年に売却されてWDVTと変わり、1995年~1997年は少なくとも5回以上売却が繰り返されて、放送内容もよりコマーシャル向き(クラシック音楽は減っていったと思われる)に変わっていったそうです。
 そして1997年に現在のオーナーに売却され、クラシック音楽のアーカイヴはWRTIに売却され現在はWBEN-FM となっている。(以上、Wikipedia WFLNWDVTWBEN-FMWRTI の記載より引用)
 ファンとしては、WRTIに売却されたクラシック音楽のアーカイヴ・テープが気になるところである。恐らく、フィラデルフィア管弦楽団の放送録音がここにあるはずなので、ちゃんとデジタル化して後世にその遺産を継承して欲しいものですね。

では。