Ormandy conducts Rachmaninoff Symphony no.2 ― 2010年02月08日 01時27分

Ormandy conducts Stravinsky and Rachmaninov
Igor Stravinsky
The Firebird – Concert Suite for orchestra No. 2 (1919)
Sergei Rachmaninov: Symphony No.2 in E minor, op.27
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
昨日HMVから届きました。深夜になってしまったのでちょいと見るつもりが、結局、マエストロのインタビューとラフマニノフのシンフォニーをまるっと聴いてしまいました・・・
インタビューは期待通り収録されていてホット一息。しかし、残念ながら日本語字幕はありません。クラシカ・ジャパンの放送ではあったんですがねえ・・・(あたりまえか)
それはさておき、やはりこの演奏は素晴らしい。コレを観ずして、ラフマニノフの2番交響曲を語って欲しくない・・・なんて、ガラにもなく思ってしまったのであった・・・
Ormandy & Minneapolis : Sibelius & Schönberg ― 2010年02月11日 12時21分

Early North American Orchestra Recordings - The American Recordings Library
Sibelius : Symphony no.1(rec 1935) , Schoenberg: Verklärte Nacht (rec 1935)
Eugene Ormandy/Minneapolis Symphony Orchestra
原盤は RCA Victor Red Seal 。DANTE LYS が市販SPから起こした復刻盤で、まあまあの音質といったところでしょうか。残念ながら現在は中古で入手するしかないようですが・・・
そういえば、最近 DANTE LYS の新譜をみかけませんね。一時期沈黙していた Biddulph は最近復刻盤を出し始めたようですが・・・そういえば、Nimbus も最近は復活したようで嬉しいですね。NMLで聴けますし。
さて、オーマンディとミネアポリス交響楽団(現 ミネソタ管弦楽団)による75年前!の古~い録音ですが、これはオーマンディ と ミネアポリス交響楽団 が当時音楽家組合と交わしていた契約の「気まぐれ」が生み出した・・・というエピソードがあります。
Arthur Judson が RCA Victor Red Seal のプロデューサー Charles O'Connell に 「彼らの『興味深い』契約を調べてみるといい・・・」とアドバイスしたのがその始まりだそうで・・・要は、楽員に特別な報酬を支払わなくてもセッションが組める(と解釈できる)・・・という、契約の穴?をうまく利用して、オーマンディとミネアポリス交響楽団 と 1934年1月及び1935年1月に短期の集中的なセッションを組んで大量のレコーディングを行った・・・その結果の一部がこのレコーディングです。(もっとも、その後楽員にはこのセッションに関して某かの報酬が支払われたようですが、マエストロのポケットマネーからも・・・という後日談もあるようです。詳細は、「オーマンディ/フィラデルフィアのすべて」 や BMGジャパン/RCA Red Seal BVCC-38054 「シェエラザード」の解説をどうぞ)
なんにせよ、マエストロが当時音楽監督であった ミネアポリス交響楽団 に生命力を与えて、それをレコード上で(当時の他の)一流オーケストラに劣らぬものに仕上げたこの一連の録音は広く世界中に売れたそうです。マドンナの宝石 のようなセミクラから マーラーの復活(これはライブですが)、そしてブルックナーの7番(DANTE LYS 288 ( amazon.com , amazon.co.jp か NML )があります)といった、当時としてはとんでもない大曲まで積極的に吹き込んだわけですから、結構冒険したんですなあ・・・このレコードの成功が、マエストロ のフィラデルフィア管弦楽団への大きなステップにもなったわけですが・・・
さて、このCDの収録曲も当時としては野心的なレコーディング・レパートリーだったと思います。シベリウスの交響曲第1番とシェーンベルクの「浄められた夜」(弦楽合奏版)ですから・・・どちらも1899年に完成・初演された曲で、まだまだバリバリの「現代曲」ですし、売れ筋・・・とは言えない曲ですからねえ。
ちなみに、シェーンベルクの「浄められた夜」(弦楽合奏版)について、平林直哉氏のクラシック名曲 初演&初録音事典 によれば、このRCA Victor Red Seal のSP盤が世界初録音とのことである。初演魔オーマンディ らしいレパートリー選定ではありませんか・・・世界初録音集ハイライト Ⅱ(Serenade SEDR-0002 (P)2009) にもこの演奏の一部が収録されており、一段と冴えた音で復刻されている。このCD-Rは他にも興味深い音源が収録されているので、興味のある方は如何?
ふと、擬似ステレオについて考えた・・・ ― 2010年02月13日 11時39分
俺自身、リアルタイムで体験した訳ではない。実家にあった、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団演奏のベートーヴェン5番・6番シンフォニーがそれぞれ片面にカットされたLP(東芝EMI/SERAPHIM盤)がその初体験?なのだ。
それは "STEREO" と表記されているが、ジャケット後ろの解説の下に小さく
「このレコードは最新の技術によりモノーラル録音をステレオ化したものです」
とあり、それが何故か印象に残っているのだが・・・後に、これは西独エレクトローラ(Electrola)社が開発した ブライトクランク(Breitklang)という擬似ステレオ化技術によるものと知る。この間取り上げた フルトウェングラーのバイロイトの第9LP もその類だし・・・
この擬似ステレオ化技術は1960年代後半頃開発・実用化され、今でも中古LPにその名残を見ることが出来る・・・どころか、EMI Classics は ブライトクランク技術によりステレオ化したモノーラル録音を堂々と銘打ってCD化すらしている。擬似ステレオは批判する人も多いが支持する人も少なからずいるということか・・・
このブライトクランクによりステレオ化されたフルトウェングラーのLPは時折中古で見かける。そのLPのジャケット表に BREITKLANG STEREO と書いてあった・・・と記憶しているが、買わなかったので手元に無いからあんまり自信がない。1枚くらい買っとけば良かったかな?ダブルジャケットの内側にはブライトクランク技術の解説があったような・・・ 。
当時はこの技術をウリにしていたものと思われるが、後年発売されたLPは 表向きは通常のステレオLPを装い、解説裏に小さくその旨記したものが多いように思える・・・ま、色々事情があったんでしょうな。
擬似ステレオについてネットで調べてみたが、英語とドイツ語の wikipedia に参考になりそうな資料があった。
Stereophonic Sound - Pseudo-stereo(wikipedia)
Duophonic(wikipedia)
Pseudostereofonie(wikipedia)
Pseudostereofonie – Problematik unterschiedlicher Bearbeitungsarten und wie das Monosignal trotzdem unversehrt erhalten bleiben kann
ドイツ語はちんぷんかんぷんだが、まあ、何となく意味は分かる。当時 米Capitol は既にEMI系だったわけだし、まあ、あり得る話ではある。
手元に ブライトクランク と銘打ったLPは無いが、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団によるベートーヴェン交響曲全集(東芝EMI/EMI Classics TOCE-11045~49)が、8番を除いて全てモノーラル録音をブライトクランクによりステレオ化した音源である。1951年~1955年の録音で、8番と9番は1955年録音である。昔聴いたLP(東芝EMI/SERAPHIM盤) が懐かしくて買ったCDである。ちなみに当のLPは行方不明なのである。探しているけど見つからない・・・外に持ち出した訳ではないのに・・・何処へ行ったのやら・・・
それはさておき、この全集のブックレットの最後の2ページ、当時の独エレクトローラ社ブライトクランクLP初出時ジャケットに記載されていた ブライトクランク技術の解説<エレクトローラ・ブライトクランクとは何か>があり、これを読んで、初めて、当時聴いたLPの擬似ステレオの正体を知ったのであった。
ブライトクランク(英語で ワイド ステレオ のことだそうな)とは、端的に言えば、「多数の人に好まれるのは、音の深さと拡がりであり、音の方向性に興味を持つ人は極めて少数派である」という独エレクトローラ社の研究結果を基に開発された方式で、同社曰く、「各社が非常に手をかけてやっているモノーラルをステレオ化したものより、色々な面で我々の趣向に合うことが証明された」とのこと。
具体的に ブライトクランク技術 がモノーラル音源をどうステレオ化するかは、 Duophonic(wikipedia) と Pseudostereofonie – Problematik unterschiedlicher Bearbeitungsarten und wie das Monosignal trotzdem unversehrt erhalten bleiben kann に簡単に記載されているのでそちらを読まれると良いだろう。
ブライトクランク技術 が目指した、「はっきりとした方向性はもたないが幅の広い音質」とは、「コンサートホールで聴く実演のイメージ」なのだろう。実際、コンサートホールではそれ程音の来る方向が明確な訳ではないから、これはなかなかの慧眼であると言える。
今はパソコンですら簡単にステレオ効果を作り出すことが出来るが、当時の技術者の苦労に思いを馳ながら、擬似ステレオを聴くのもまた良きことかな・・・
Coco Chanel & Igor Stravinsky ― 2010年02月21日 14時32分
1913年5月29日の初演、場所はパリのシャンゼリゼ劇場、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)興行主のセルゲイ=ディアギレフ、ストラヴィンスキーの音楽、ニジンスキーの振付、ピエール=モントゥーの指揮・・・そして、あの初演の舞台・衣装・とニジンスキー振付のダンスシーン・・・このシーンだけでも観る価値があるだろう。
ココ=シャネルとストラヴィンスキー、二人の関係のフィクションはともかく、当時の雰囲気やファッション、そして初演会場の シャンゼリゼ劇場 の天井照明も見物である。
2005年11月12日、兵庫県立芸術文化センターのオープニングセレモニーとして、ニジンスキー振付版「春の祭典」が日本初演されたが、その舞台で観た舞台・衣装・振付を彷彿とさせるシーンだったが、あれはベジャール版の洗練されたモダン・バレエを観た目にはショッキングな代物であった・・・復活初演については DDD dancedancedance 2005年11月号(Vol.2) に詳しい。
シャネルといえば、香水の No.5 がマリリン=モンロー伝説として有名だが、あれは当時の映画会社20世紀FOX の女優売り出し作戦の一環だったそうな・・・現在でも、No.5(ベートーヴェンの運命といい、ペレス=プラードのマンボNo.5といい、この5番というのは特別な意味があるのだろうか・・・)のボトルは世界中で30秒に1本は売れているロングセラー&ベストセラー商品だそうな・・・この香水の調合は エルンスト=ボー ・・・映画パンフレットによれば、かつてロシア皇帝に仕えていた宮廷調香師だそうで、ここにはロマノフ家の残照が・・・そして ココ=シャネル には赤い盾一族 が・・・広瀬隆著「ハリウッド大家族 ~華麗なる黄金時代~」(ダイヤモンド社1996年3月) の系付図を思い浮かべながら映画を楽しむのもまた一興・・・。 ココ=シャネル の恋人、 Boy Capel もそのハリウッド人脈にしっかり登場するが・・・それにしても、なんてマメな人たちだ・・・
映画「シャネル&ストラヴィンスキー」は、本家のサイト の方が面白い。 Wikipediaも既にあるが・・・んでは。
東江尚樹with桃原あい子 at A-KOZA, 2010年2月20日 ― 2010年02月25日 10時15分
Ormandy & Minneapolis : Bruckner Symphony no.7 ― 2010年02月25日 10時45分

Early North American Orchestra Recordings - The American Recordings Library
Bruckner : Symphony no.7 (rec.1935)
Sibelius : Le Retour De Lemminkainen Op.27 (rec.1940)
Eugene Ormandy/Minneapolis Symphony Orchestra
& The Philadelphia Orchestra (Sibelius)
当時、アメリカではこの曲は殆ど知られていなかったはずだから、マエストロ と ミネアポリ ス交響楽団 が当時音楽家組合と交わしていた契約の「気まぐれ」がなければ生まれなかった録音であろう・・・さらにこの33年後の1968年、マエストロ は フィ ラデルフィア管弦楽団 と同曲をステレオすることになるだが・・・
原盤は RCA Victor Red Seal 。これも前回?と同様、DANTE LYS が市販SPから起こした復刻盤で、まあまあの音質といったところでしょうか。これまた残念ながら、現在は中古で入手するしかないようですが・・・ただ、ブルックナーは NML にて聴けるので、加入している方はお試しあれ。
75年前の録音ではあるが、ブルックナーのシンフォニーを鑑賞するのに特に支障はない。DANTE LYS の復刻はノイズを抑えて低音を増強しており、好みはあるが結構聴きやすい音質に仕上がっている。
では。
オーマンディ・フィラデルフィア管弦楽団の初来日「舞踏への勧誘」LP 1967年 ― 2010年02月25日 14時30分
さて、その移転前の2階のレコードコーナーで見つけたのがこのLP・・・
オーマンディ=フィ ラデルフィア・デラックス・アルバム 10 「舞踏への勧誘」
1967年の初来日(5月3日~5月19日)に合わせたシリーズ。番号は OS-801-C ~ OS-820-C の全20タイトル、これはその10番目のアルバム。
帯は茶色っぽく色あせているが、発売当時は金色だったと思われる。日本コロムビアの「超ステレオ360サウンド」の文字が時代を感じさせる・・・
帯の文句を抜き出すと・・・
来日記念特別セール(3月10日~6月20日)
四大特典
●オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団日本公演に御招待
●特製本「オーマンディ/フィラデルフィアのすべて」贈呈
●「オーマンディからのメッセージ及び録音風景」贈呈
●30cmステレオ 1枚 贈呈
※当然のことながら、1967年(昭和42年)のことですのでとっくの昔に特典は終了してます・・・念のため。(まあ、勘違いする人がいるとは思わんけど・・・)
帯裏は特典券が付いており、これを切り取って7枚「お近くのコロムビア特約店」へ持っていくと、このシリーズのLPが1枚もらえたのである。
同封のハガキ(このLPには同じハガキが2枚同封されており、上の写真はその表裏を並べたもの)は特典抽選カードとなっており、抽選により1967年の日本公演に300名を御招待・・・いいなあ~
さらに、3月から6月までの4ヶ月間、抽選により毎月千名(計四千名)に 特製本「オーマンディ/フィラデルフィアのすべて」 が贈呈・・・
さらに、オーマンディ /フィ ラデルフィア管弦楽団 の演奏(レコード、公演、ラジオ等)を聴いた感想文を送ると、下記の賞品が・・・
・特賞(1名) コロムビアステレオ・FMマルチ・セパレーツ 5S30F≪マニア・ハニー≫
・優秀賞(3名) コロムビアステレオ・FMマルチ・卓上セパレーツ 2S30F≪マニア・ジェミナス≫
・佳作(20名) おすきなオーマンディのレコード1枚(30cmステレオ)
・参加賞(先着二千名) オーマンディ来日記念特製メッセージ入りシート・レコード。
※くどい太めの納豆売りではありませんが、当然のことながら、1967年(昭和42年)のことですのでとっくの昔に特典は終了してます・・・ホント、念のため。(ああ、いやな世の中になったなあ・・・)
この当時のコロムビア・ステレオは「マニア」という名前を付けたラインナップだったようで、これはオーディオ・マニアも満足する性能・・・というところをアピールしたのだろうか。今だったら「オタク」・・・か?それにしても「マニア・ハニー」とは・・・時代が違うとこうもネーミング・センスが変わるものだろうか・・・ねえ、ハニー?
感想文応募の締め切りは1967年5月31日、審査は、応募者を「一般」「学生」「主婦」の三分野に分けて行ったそうで、審査員は音楽評論家の村 田武雄氏、志鳥栄八郎氏、指揮者の大 町陽一郎氏の3名。
発表は1967年7月上旬、「新聞広告、コロムビア・レコード月報、レコード芸術、音楽之友、ステレオ紙上」にて行われたそうな。
その当時のレコ芸(何月号か忘れたけど、恐らく1967年の7月に刊行されたもの)の広告に掲載されたその感想文(なんと43年前!)を読むと、何と純粋に感動を綴っているのだろうと感心すると同時に、ひねた音楽評論家や我が身の音楽の聴き方について思わず反省させられてしまった次第・・一読の価値あり。図書館なりで探して読んで下さいな。
このLPは解説もしっかりしている。曲目解説はジャケット裏面に記載されており、加えて"THE ART OF EUGENE ORMANDY"というLPジャケットとほぼ同じ大きさの解説書がジャケット内に封入されている。Emily Coleman による "Eugene Ormandy : Top Man of the Top Orchestra"と多くの貴重な写真、そしてそれまで初演した主要な曲目リスト等・・・カラーではないが、内容が充実した解説である読んで楽しめるものになっている。最近のCDアルバムに一番欠けているものは、このような手間暇かけた解説だと思う。手間と時間を惜しんで製品を早く出すことだけを考えていると、某国某自動車製造会社のような羽目に陥ることを肝に銘じておく必要がある・・・ナンチャッテ。
Message from Mr.Eugene Ormandy
Interview (Town Hall, Philadelphia 1966.12.28)
Side 2
Recording Session(1966.12.15)
さて、1面の最初はマエストロからのメッセージです。短いので全文を記載します。
Message from Mr. Eugene Ormandy
Hello people of Japan. My name is Eugene Ormandy. The Philadelphia Orchestra and I are looking forward with happy anticipation to a visit of your great county and make music for your great audiences.
I'm happy to tell you that I have just learned that a Nipponese Columbia Record is
going to release in Feburyary and March, thirty or forty of the Philadelphia Orchestra's latest records. I hope you will be acquainting yourselves with our music making and with our records even before we arrive in your wonderful country.
マエストロ本人が考えたか日本コロムビアが考えたかどうかは定かではありませんが、直英訳調のぎこちない?英語が、ファン・サービスを怠らないマエストロの様子を伝えておりますなあ・・・
1面のトラック2はインタビュー、これは興味い内容です。例えば「私は、契約によってヨーロッパの3つのオーケストラを指揮することが許されています。・・・」というのは どういう契約なのかはよく分かりませんが・・・。また、ロンドン響と入れた「新世界」の件や、初演間もないクック版のマーラーの10番交響曲についてのロンドン響との公演や音楽研究会(Workshop)についても・・・
その他、日本公演のプログラムを決める過程などを事細かに話しており、招聘者の立場に配慮したプログラム作りなど、これまたマエストロの気遣いのを垣間見ることが出来ます。なんにせよ、この録音のマスターテープが残っているとは到底思えないので、貴重な1枚と言えるでしょう。
2面は、リムスキー=コルサコフのオペラ「ムラーダ」から「貴族たちの行列」の録音風景を収録したものです。Thomas Frost とのやり取りが聞けてこれもなかなか面白いものです。どんな感じかというと、
maestro(以下、E.O.):えー、Tom、どんな具合だい?
Thomas Frost(以下、T.F.):結構です。バディに頼みたいんだけど、右のトランペットのマイクを低くしてくれないか?
E.O.:トランペットの3番って、どの?
T.F.:ええ、ギル・ジョンソンです、3番の。
E.O.:ギル・ジョンソン?
T.F.:マイクロフォンを低くしてくれませんか?
E.O.:気に入るようにしてくれないか?静かに。それでは、トランペット3本だけ。始めから・・・・
という具合で録音が進んでいきます。ちなみに「貴族たちの行列」はこのCDで聴けます。Essential Classics SBK62647 "Russian Orchestra Works"にも収録されていますが、こちらのMasterworks Expanded Edition 盤の方が鮮明な音になっているようですが・・・
中古屋でこの日本コロムビア/CBS オーマンディ=フィ ラデルフィア・デラックス・アルバム シリーズを見かけたら、ゲットするのも悪くないかも・・・んでは。
Debut! - Henry Mancini Conducting the Philadelphia Orchestra Pops ・・・ の国内盤LP ― 2010年02月25日 17時10分
日本ビクター/RCA Red Seal SRA-2626 Dynagroove No Dog Label LP 定価2千円
Debut! - Henry Mancini conducting the first recording of The Philadelphia Orchestra Pops
見つけた場所は、これまた ハイファイ堂 レコード店 店先のエサ箱・・・段ボール箱の中に何も仕分けられておらずコンディションもまちまちの1枚100円投売状態の中にコレがぽつん・・・と・・・
レコードもジャケットも多少汚れていましたけど、1枚100円ですからねえ・・・ジャケットを掃除して、レコードもクリーニングしたら綺麗になりました。レコードは多少キズがあるものの、音には殆ど影響はなく、本家の盤よりもプレスが良いようでノイズは極めて少ないです。
ちなみに本家の盤とはデザインが違います。
Debut! - Henry Mancini conducting the first recording of The Philadelphia Orchestra Pops
米RCA Red Seal LSC-3106 (C)1969 (LP, No Dog Label)
国内盤はちょっとジャケットデザインが地味かな・・・LP解説は宮本啓氏。この解説によると、
「・・・今年(69年)春こんな新聞記事が出ていた。『ヘンリー・マンシーニは6月7日からのサマー・シーズンにかぎり、名門フィラデルフィア・オーケストラのポップ・コンサート指揮者になった。プログラムは彼の得意とする映画音楽からビートルズ・ナンバーまでズラリと並んでいる』・・・」
だそうで、この時のライヴ録音が遺っていたらなあ・・・なんて思ったりもする。
レコードラベルは日本盤お馴染みの No Dog Label ・・・ま、こんなのもあるということで・・・んでは。
Ormandy & Philadelphia - Haydn's Miracle & Clock Symphonies ― 2010年02月27日 12時50分
さて、これは以前取り上げた、CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300 の国内盤(Vol.36 13AC271 ハイドン:交響曲96番「奇蹟」、第101番「時計」 )の米オリジナル盤。

Haydn Miracle Symphony(No.96) & Clock Symphony(No.101)
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
ジャケットセンスが今二つの米Columbiaにしては洒落た写真を使った珍しいジャケットでもある。

盤はColumbia 2eyesラベル。残念ながら、この盤は 1面1楽章の数分あたりで針飛びを起こす深い傷(ちょっと目には見えない)があり、そのトラックはざらざらしたノイズも混入する状態であった。
まあ、音は状態の良い国内盤で聴くと割り切って、ジャケットを楽しむことにしましょう・・・LPにはこういうことが付きものだし、仕方ないねえ・・・では。
名フィル第366回定期演奏会「早春」 ― 2010年02月28日 09時20分
ラヴェル:スペイン狂詩曲
ルトスワフスキ:オーボエとハープのための二重協奏曲*
ホリガー:クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩による6つの歌**〈日本初演〉
シューマン:交響曲第1番変ロ長調 作品38『春』
指揮・オーボエ:ハインツ=ホリガー*
ハープ:ウルスラ=ホリガー*
ソプラノ:秦茂子**
開演間際に会場に到着した時には、既に指定席の周りに多くの人が座っていたので、他の空いている席で聴きました。
出来不出来の波が結構大きい名フィルですが、今回はなかなか良かったです・・・しかし、客席の咳が目立ちました・・・(私ものどの調子が悪くて咳込んでしまいましたが、ちゃんとハンカチで口を押さえて出来るだけ音を出さないよう配慮しているのですが・・・)、咳を盛大にホールを響かせる客が多い多い・・・教育と啓蒙?が必要ですな・・・
今回は前半最初の スペイン狂詩曲 が客席ノイズの最大の被害曲となってしまいました。1曲目の終わりに咳と変な?ノイズで終止符を打たれてしまったし・・・特に酷かったのが同じ列にいた小学生(と思うけど)二人・・・兄弟かな?一人はポータブル・ゲームに熱中し、もう一人はスペイン狂詩曲 に咳で伴奏を付けてしまいそれが段々クレッシェンドするのでどうなることやらと演奏そっちのけでハラハラしてしまったが、我慢しきれずロビーに出て行ったのでホット一息・・・したころには終曲近くなってしまった・・・ヤレヤレ・・・小学生をコンサート・ホールに入れてはイカンよ・・・年齢制限をつけるべきだろう・・・ホント・・・
スペイン狂詩曲 の演奏はなんというか謹厳実直というか、もっと洒落っ気が欲しいな・・・と思いつつも、なかなか充実した音を聴かせてくれたので残念であった・・・
ルトスワフスキの「オーボエとハープのための二重協奏曲」は典型的なゲンダイオンガクで、弦セクションのうごめくようなトーンクラスター(というべきか?)と、音のコントラスト(衝撃音の後の静寂さとか・・・)が主で、あんまりメロディーがなくて・・・18分程度の短い曲だけど、集中力が続かず数分で寝入ってしまった。会場にいた知り合いも同様であったそうな・・・どうもこういう類の音楽は音楽家にはウケルけど一般聴衆には?・・・という気がする。まあ、これは僕の好みによるところが大きいし、全ての聴衆を満足させるのは不可能だから、名フィルには今後もこういう新しい曲を取り上げて欲しいとは思う。
ホリガーの「クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩による6つの歌」、これは日本初演(正確には一昨日の定期が初演ですな)だそうで、後期ロマン派から現代への過渡期のような音楽で、これはなかなか良い曲だと思った。ソプラノも良かったし・・・
後半のシューマンの交響曲第1番も良かった。アンサンブルも安定してたし。2管編成で弦セクションも少なめだけど、シューマン独特のくすんだオーケストレーションを堪能したし・・・んでは。
最近のコメント