オーマンディ関係、2ちゃんねる掲示板の書き込みから その2 - 録音会場の「タウン・ホール」について2009年11月08日 19時15分

お次は、フィラデルフィア管弦楽団の録音会場について。これもややこしい話ですなあ・・・

オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団は、コロムビアのモノラルLP期までは、ホームのアカデミー・オブ・ミュージック を主要な録音会場として使っていましたが、ステレオ録音の到来により、アカデミー・オブ・ミュージック から北に数百メートル離れた タウン・ホール(ウェットな音響効果を持つ舞踏場), 又はフィラデルフィア・アスレチック・クラブのボール・ルーム(ここも名前の通り舞踏場ですな)に録音会場を移しています。

で、1968年にこのコンビがRCAに移籍した祭、タウン・ホール が スコッティッシュ・ライト・カテドラル と名前を変えてしまったので、コロムビアとRCAが同じ録音会場を使っているのにもかかわらず、コロムビアは タウン・ホール、そしてRCA は スコッティッシュ・ライト・カテドラル と会場が記載されているわけです。

ですから、スコッティッシュ・ライト・カテドラル といっても単なる「舞踏場」なので、パイプオルガンを備えているような大聖堂を想像するととんでもない誤り・・・ということになります。

現在はその場所がどうなってるかは分かりませんが、既に1996年当時には取り壊されて駐車場になっていたようです。Abe Torchinsky が あの名盤 "The Antiphonal Music of Gabrieli"(米SC MHK62353,1996年 CD)に寄せたインタビュー(それとも寄稿文?)で語っています。

Together for the First Time!
The Virtuoso Brass of Three Great Orchestras.
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/08/26/4536967

Torchinsky は会場を "Masonic Temple"と言っています。所有者がコロコロ変わったのでしょうか?よく分かりませんが・・・

この録音会場のタウン・ホールについては文献にも殆ど記載が無く、日本BMGのCDのライナーノーツに記載された、当時のプロデューサーである、Jay David Saks や Max Wilcox のインタビューくらいでしか手がかりがありません

・・・まあ、知ってどうするという類の話ではあるのですが・・・写真もセッション時の会場内部の写真くらいしかなく、外観については全く?な、謎?の建物です・・・極東の日本のファンにとっては・・・ですが。

で、話は「オルガン」を使った曲のことになるわけです。

オルガンが使用された曲について・・・

レスピーギローマ三部作(ステレオ録音)
松(1958年,Broadwood Hotel)
泉(1957年,Broadwood Hotel)
祭(1960年,Academy of Music)
松(1968年,Town Hall)
泉(1968年,Town Hall)
教会のステンドグラス(1964年,Town Hall)
サン=サーンス オルガン交響曲
(1962年,Academy of Music,Aelian-Skinner Organ at the Academy of Music)

「教会のステンドグラス」と「オルガン交響曲」以外は、オルガンの音が聞こえず、どう考えてもオルガンは使用されていないようで、オケだけでカバーしているようです。まあ、ローマ三部作はオルガンは補助的な役割で、無くても音楽にはなるのでしょう。

ちなみに、1960-1961シーズンには Academy of Music にパイプオルガンが寄贈されており、サン=サーンスはそのオルガンを使用して録音されています。ステレオ時代にわざわざ残響の少ないアカデミーを選定したのはこのオルガンの存在が大きいのでしょう。後年のテラーク録音はオルガン備え付けの本当の教会で録音してますが。

RCA録音のローマ三部作(1973~74年,Scottish Rite Cathedral)はオルガンが使用されているようですが、Scottish Rite Cathedral は単なる大きな舞踏会場なので、RCAは オルガンはだけ別録りしてオケに重ねた・・・と考えるのが自然でしょう。

重ね録りと思える根拠は、オケとの音のズレです。「松」の2曲目 4:00~4:10あたりでオケとオルガンが大きくずれているのです。会場での同時演奏であれば、指揮者とプロデューサーがストップをかけるであろう盛大なズレですから。当時の技術では、ぴったりシンクロさせるのが難しかったのでしょうか?出来れば今からでも修正して欲しい「不具合」ですが。

1964年CBS録音の「教会のステンドグラス」もオルガンが使用されていますが、これもオケとのズレが目立つ部分があります。これも修正して欲しいのですが・・・

1973年RCA録音の「オルガン交響曲」はScottish Rite CathedralにFoxが 電子オルガンを持ち込んで同時録音しているのでそのようなズレはありません。ストップの使い方も一聴してFoxの特徴があらわれたユニークな録音でもあります。

もし、Town Hallについて記載されている文献をご存じなら、どなたか教えて下さいな・・・ホント、謎めいてますな・・・

コメント

_ リベラ33 ― 2009年11月08日 20時58分

ご無沙汰しております。アカデミーにオルガンが設置されたのは60年だったのですね。しかし後にあのオルガンは撤去されているようですが、何か不具合でもあったのでしょうか。私の知る限り70年代後半には無いようですが。

_ りん ― 2009年11月09日 08時14分

どうも。撤去はされていないと思いますよ。もともと、ポータブルのコンソール(操作卓・鍵盤)と5つの可動ユニットで構成されているので、舞台のオルガン・ユニットは動かせるのです。ここではオペラも上演してますから、オルガンに居座られたら具合が悪いですよね。オーケストラが演奏する際の音を響かせる為の舞台上の「シェル」も動かせますし。

ペダルパイプのみ舞台左右の最上部のプロセニウム・ボックスの中に固定されていますが。

設置場所の制約でこのような構成のオルガンになったようですが、見た目は華やかでも音響的にはあまり宜しくないようで、色々と問題もあったと思われます・・・

ちなみにこのオルガンは、Academy of Music に納入された2台目のオルガンだそうです。

1977-78年のユニテルの映像でも舞台後ろのオルガンを確認出来ますよね。

_ リベラ33 ― 2009年11月09日 22時11分

あのオルガンは可動式なんですか。驚きました。
ところでヴェリゾンH完成の現在、アカデミーはどうなっているのでしょうね。
そういえば話しは違いますが横田さんのHPは何か不具合でも発生したのでしょうか?見れない状態が続いてますね。

_ りん ― 2009年11月10日 08時01分

オーケストラが入って演奏している「シェル」(ステージ上に設置された音を響かせる箱)も1時間で設置・撤去が可能なものだそうですよ。舞台左右の円柱もこのシェルの装飾だそうです。

あと、アカデミーはもともとオペラ・ハウスなので、地元のオペラ・カンパニーが上演に使っていますよ。詳細は下記をどうぞ。

academy of music
http://www.academyofmusic.org/

来年1月には153回目のConcert and Ball で、フィラデルフィア管弦楽団が演奏するそうですよ。

The Philadelphia Orchestra returns once again for a performance in the magnificent Academy of Music. The 153rd Anniversary Concert and Ball will be held the evening of Saturday, January 30, 2010.
http://www.philorch.org/anniversaryconcertandball.html

最近、ホールのシャンデリアの更新も終わったようですね。
http://www.philorch.org/academyrenovation/

一度は行ってみたいものです。

あと、横田さんのホームページは移動してますよ。
http://www.geocities.jp/ormandy/

掲示板にもお知らせがありましたから。
http://06.teacup.com/qwh01700/bbs

では。

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