The Complete Sergei Rachmaninoff その22008年10月30日 05時50分

RCA No Dog Label - RVC 7630
The Complete Sergei Rachmaninoff
RCA Red Seal/RVC RVC-7617~7631(15LPs, (P)1980)

RVC 7630
Rachmaninoff : Piano Concerto no.3
Sergei Rachmaninoff
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
(rec. 1939-1940)

さて、LPのもうひとつの楽しみはレコードラベルデザインを見ることなのだが、残念ながら日本のRCA Red Seal(RVC時代)レーベルは犬なし(No Dog と市場?では呼ばれている)の、当時としては現代的?な太文字"RCA"ロゴに Red Seal が白文字で書かれている。

LPを聴いていた当時、何故 この会社はこの Red Seal に拘るのかなあ・・・と不思議に思っていた。歴史的な古い録音は Gold Seal で出ていた(トスカニーニとか)ことを覚えている。 Red Seal がRCA(RCA Victor)の過去の栄光とは露知らず・・・

ちなみに1968年頃、RCA Victor から RCA Red Seal となり RCA ロゴも一新した米国RCAはその当初、この同じ No Dog ラベルを使っていた。(ただ、レコードジャケットには小さくニッパー君が印刷されていたが・・・)しかし、1970年代後半になると、ジャケットからニッパー君が消えた代わり(かどうか知らんけど)、レコードラベルにニッパー君が復活する。これはそのデザインから Sided Dog と呼ばれている。まあ、どうでもいいことなんだけねえ・・・

ちなみに、BMGに統合されてからはまたニッパー君が復活(日本では復活しなかったけど)して、 Red Seal, Silver Seal, Gold Seal の三つの価格区分でCDを売っていたが、最近は米国でもニッパー君は引っ込んでしまい、RCA Red Sealに統一しているようだ。

EMI の Recording Angel, His Masters Voice(ニッパー君)もローカル・リリース等でしか使われなくなり、レコード創世記を担ったロゴデザインも歴史に埋没していく運命のようだ・・・

・・・閑話休題・・・

ラフマニノフは自作のピアノ協奏曲を全曲RCAに録音しており、指揮者はストコフスキーと我らがマエストロ・オーマンディ、そしてオーケストラはフィラデルフィア管弦楽団である。どれも歴史的な録音であり、現在に至るまで売り上げを維持しているというツワモノ?だ。最近RCAが企画したクラシックのベスト100にもこの録音が入っている。

この演奏については特に何も言うことはありません。現在に至るまで一つの「基準」であり続けている演奏ですから・・・

The Complete Sergei Rachmaninoff その12008年10月30日 05時52分

RCA Red Seal - The Complete Sergei Rachmaninoff
The Complete Sergei Rachmaninoff
RCA Red Seal/RVC RVC-7617~7631(15LPs, (P)1980)

ある日、大須の中古LP屋(というより中古オーディオが本業、レコード売り場は2階にある)でLP漁りをしていて、ふと高い棚の上に鎮座していたこのアルバムを見つけた。綺麗な状態で値段も手ごろだったので、即レジに直行してしまった・・・またまた道楽散財を・・・

こういう昔のLP全集は興味深く読み応えある解説がついているのだ。残念ながら、CD全集として再発売されても、その貴重な解説は省かれることが多い。

ワルターとコロンビア響によるベートーヴェン全集(国内盤)もここで見かけた。当時の録音セッション状況の詳細な解説とセッション写真が掲載されている貴重な資料だった。しかし如何せん、かなりの高値で、結局購入を見合わせたのだった・・・あれ、買っておけば良かったなあ・・・

・・・閑話休題・・・

さてこの全集、ラフマニノフの自作自演を初めて集大成したものであると同時に、「ひとつのレコード会社が一人のクラシック・アーティストの全レコードを集めた初の試み」だそうである。

当時の Victor Talking Machine (後に RCA Victor -> RCA Records -> BMG に統合)のみならず、縦振動ディスクの Edison Record に吹き込まれたディスクも含まれている。この全集企画の為、現存していた音盤を可能な限り追跡調査した結果の集大成がこの全集ということだそうな。含まれていないのは、ピアノロールくらい・・・か?

詳細なディスコグラフィー(78rpm の Matrix, take)もついており、これは愛好家には貴重な資料だ。

こういう全集企画は、今年、生誕百年を迎えたカラヤンのボックスセットが最後・・・か?