丁寧な修復と新たなミックスダウンで蘇った オーマンディ&フィラデルフィアのシベリウス2番 ― 2009年09月05日 00時45分
JVC/RCA/VICTOR xrcd24 JM-XR24085 (2009.9.2)
Sibelius : Symphony No.2
Eugene Ormandy & The Philadelphia Orchestra
xrcd24
http://www.xrcd.com/
First LP Release:
米RCA Red Seal Quadradisc dynaflex LP ARD1-0018
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/08/16/4518976
奇跡が起こった!!
・・・としか言いようがない・・・驚いた!これ程劇的に音質が向上しているとは・・・!
正直、これまでのLP、そして何回か再発売されたCDはどれも音が濁っており、特にブラスのフォルテで音が割れているのがハッキリ聴こえるので、これまでこの演奏を他人に勧めることはなかったが・・・
8chオリジナルマスターまで遡り、丁寧な修復と新たなミックスダウンで姿を現したものは、長い年月を経てくすんだ名画が丁寧な洗浄と修復作業によりまるで別物のような鮮烈な姿を現したような・・・そんな錯覚すら覚えた。
不快なブラスの「割れ」は見事に解消している。ごく僅かの歪みっぽさはあるが、ヘッドホンで聴いて判別出来るかどうかだ・・・スピーカーでは分からないだろう・・・一体何が起こったのだ!
奏者の生々しい息づかい、リフレッシュされ磨き上げられた音、そしてセッション会場の空気感まで見事に再現されている。正に、
「無尽蔵の音響美で襲いかかる」
の文句に偽りなしの仕上がり。この録音・この音でこそ、オーマンディとフィラデルフィアの演奏の真価を問うことが出来る・・・
ようやく、この比類無い演奏を他の人にも安心して薦める事が出来る。xrcd24のスタッフには感謝あるのみだ。
オーマンディ・フィラデルフィアの他の演奏(ラフマニノフの2番・惑星・チャイコフスキーの初期交響曲・「死と浄化」「変容」等々)もこの音質で蘇ったらと思うと・・・そのような期待が膨らむ逸品である。
これが、xrsacdになったらどうなるのだ・・・今後の展開が楽しみだ・・・
ブックレットの解説は、BMGジャパン BVCC38056 (オーマンディの芸術I Vol.9) と同じものであり、これはこれでよいと思う。クロノロジーは年の記載に一部誤り(1984年のフィラデルフィア管弦楽団との最後の演奏会が1981年と誤記)があるがまあ大したことではない。
残念なのは、これだけの音の一大修復にも関わらず、オリジナルの8chから如何にこの音を引き出したかの記載が全く無いことだ・・・オリジナルの8chが、どのようなトラック分割(4chステレオをどう意識して・・・とか)で収録されていたとか、そういう情報を知りたかったが・・・
先行発売されているコープランドのxrcd24アルバム(JM-XR24049)では、オリジナルの4chマスターについて興味深い解説があったので余計残念に思える・・・画竜点睛を欠く・・・というヤツかな・・・。いささか欲が深い・・・かな?
久しぶりに身震いするような体験をさせてもらった。「待てば海路の日和あり」とはよく言ったものだ・・・次は何が出るかな・・・
では、Good Night!
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