Tchaikovsky - The Sleeping Beauty & Nutcracker2009年09月12日 08時16分

米Columbia ML4729
米Columbia Masterworks ML4729(6eyes Label Monophonic LP)
Tchaikovsky The Sleeping Beauty & Nutcracker Suite
recorded December 21,1952,at the Academy of Music,Philadelphia,Pa.
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

白鳥の湖を聴いたので、ついでに「胡桃割り人形」組曲と「眠れる森の美女」抜粋を・・・

LP1枚、両曲を片面毎にカッティングしたお得盤・・・というところですかね。

LPの解説には、FACTS ABOUT THIS RECORD として、収録日時と会場についての詳細が記載されています。LPではこのような情報が記載される例は少ないのではないでしょうか。その他、作曲者・この演奏の音楽監督(マエストロ・ジーンですな)・曲目についても簡潔に記されていますが・・・

米Columbiaはステレオ前まで、オーマンディ&フィラデルフィアの録音の大半を彼らのホームであるアカデミーで収録しています。幾分ドライな音ですが、それなりに残響を伴った明瞭な音で収録されています。どのようなマイク配置で収録したかは不明ですが・・・

この当時の米Columbiaは、同じLPを番号そのままでジャケットデザインのみ変えて発売しているものも結構あり、これもその1枚です。昔は結構おおらかにやってたんですなあ・・・

Prokofiev, Weinberger & Bizet2009年09月12日 08時54分

米ColumbiaML-5289
米Columbia Masterworks ML5289(6eyes Label Monophonic LP)
Prokofiev : Classical Symphony
Weinberger : Schwanda - Polka & Fugue
Bizet : Symphony in C
recorded 1955
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

今日は、Columbia Masterwoks 6eyes Festival ・・・ なワケありませんが、何故かモノラルLPを続けて聴きたくなってしまいました。単に折角付けたモノラルカートリッジ(Ortofon OM D25M)を付け替えるのが面倒なだけだったりして・・・交換などものの1分足らずで済むんですが・・・

この当時のLPは盤がどっしりと厚みがあり、反りとかほとんど発生しないんですな・・・1960年代後半から1970年になると薄型高品質LPが出てきて、これが反りまくって困るんですな・・・再生不可能なのもある始末・・・

それにしても変わった組み合わせのLPですが、違和感はありませんな。ビゼーの4楽章はキンケイドのフルートが聴きものです。ワイベルガーの曲はマエストロが繰り返し録音した思い入れのある?曲です。

Jewels of the Madonna2009年09月13日 06時51分

日本VICTOR NF4017
日本VICTOR NF-4017 (78rpm, 10 inch)
Wolf-Ferrari:Intermezzo No.1 from "Jewels of the Madonna"Act2
Eugene Ormandy/Minnapolis Orchestra(recorded 1935.1.8)
※録音日時は横田さんのオーマンディ・ディスコグラフィより
http://www.geocities.jp/ormandy/ormandy_disk.html

これは、近所のリサイクルショップで平積みされてたSPの山に混ざっていたもの。オーマンディ・ミネアポリス響のSPは日本でも結構出てたんでしょうな。

10インチの電気録音両面盤。曲は両面に渡って入ってます。明瞭な音で収録されており、冒頭のフルートやハープなどは今聴いても鮮明な音ですな。

このSP、製造時期(戦前・戦後のどちらか)は不明。状態は良くありませんが、それほど支障なく聴けます。プレーヤーは現代版「電蓄」COLUMBIA 音聴箱 GP-17。

COLUMBIA 音聴箱
http://denon.jp/products/otogibako.html

COLUMBIA 音聴箱 GP-17
http://denon.jp/products/GP17.html

SP用のダイヤ針を付けて、結構気楽に聴いてますよ。

雨のコンダクター2009年09月14日 08時00分

CBS/SONY SOCO46
CBS/SONY SOCO46 SQ-Quadraphonic LP (P)1973
Leonard Bernstein's Concert for Peace
Haydn : Mass in time of WAR

Recorded January 20th, 1973 at the Washington National Cathedral
Patricia Wells, Gwendolyn Killebrew, Alan Titus, Michael Devlin
The Morman Scribner Choir
Orchestra Conducted by Leonard Bernstein

Producer : John McClure - His Master's Wheels Recording
Engeneer : Elliot Mazer
Quadraphonic Remix : Rally Keith

手塚治虫「雨のコンダクター」というマンガを読まなければ、このLPを聴くこともなかったですなあ・・・

ちくま文庫「手塚治虫マンガ音楽館」(2002年5月)に収録されていているので手軽に読めます。初出はFMレコパル1974年8月12日号と記載有り・・・当時のFM雑誌は硬派だったんですなあ・・・昔はFMfanをよく読んでたもんですが・・・今はFM雑誌なんて見かけませんな。

LPの解説によると・・・

1973年1月19日、首都ワシントンで2つのコンサートが行われた。一つはニクソン大統領就任式前夜の公式行事としての記念演奏会(オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団によるチャイコの「1812年序曲」他)。もう一つは、ワシントン大聖堂で行われた「平和のためのコンサート」(バーンスタイン指揮)

この2つのコンサートは、「二つに割れたワシントンの気分を反映する二つのコンサート」として、ニューヨーク・タイムズにも取り上げられたそうな・・・

大聖堂のコンサートはバーンスタインが企画し、演奏者はニューヨークから呼んだソリスト4人(無料出演)、オーケストラメンバーは地元でかき集めた50名、そしてノーマン=スクリブナーが短期間で訓練した125名編成の合唱団。演奏者は全員平服で演奏したそうな。

一方、ケネディ・センターの大統領就任記念コンサートでは、空席が目立ち、フィラデルフィア管弦楽団のメンバー16名は演奏を中止するよう求めたが受け入れられなかった・・・という重苦しい雰囲気だったそうな。中止を求めたメンバーの一人は「『序曲1812年』を演奏するなんて、私は映画「キャバレー」を思い出してしまう、雰囲気が1930年代のドイツに酷似している」と言ったというそうな・・・

以上、LP解説(木村英二「現代を生きるバーンスタイン」)より。米Columbiaの解説も読んでみたいものだが・・・

でも、よく考えると、『序曲1812年』って、ロシアを侵略したフランスが撃退されざま-見ろ・・・という曲だから、ベトナムを侵略したアメリカの末路を暗示しているのでは・・・という気もする・・・だとしたら「妥当な」選曲だったかも。

このLPは、その歴史的なコンサート翌日のセッション録音である。コンサート・ライブは収録されなかったのか、それともトラブルで商品化が出来なかったのか・・・こういうのはライブの方がドキュメントとしての価値があると思うが・・・

LPにわざわざ、Producer : John McClure - His Master's Wheels Recording と書いてあるので、CBSとして積極的に収録したワケでもなさそうな・・・

ちなみに、このLPによるバーンスタインの収益は平和のために基金に使われると記載されている。

肝心のハイドンの「戦時のミサ」、力強いが陰鬱な感じは無く、何も知らずに聴けば、結構明るくていい曲じゃん・・・という感じだ。始めはハイドンということで退屈するかな・・・と思ったが、結構イケル。

興味のある方は、手塚治虫のマンガとLPの解説を読みながらこの演奏を聴いてみるのも一興かと・・・

最後に、関係リンクを列記して・・・


手塚治虫(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%8B%E5%A1%9A%E6%B2%BB%E8%99%AB

FMレコパル(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/FM%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%91%E3%83%AB

Vietnam War(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Vietnam_War

Leonard Bernstein(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Leonard_Bernstein

Joseph Haydn(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Joseph_Haydn

Washington National Cathedral(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Washington_National_Cathedral

Elliot Mazer(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Elliot_Mazer

Richard Nixon(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Richard_Nixon

Spiro Agnew(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Spiro_Agnew

Quadraphonic sound(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Quadraphonic_sound

Matrix decoder(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Matrix_decoder

Columbia Broadcasting System(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Columbia_Broadcast_System

Columbia Records(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Columbia_records

んでは。

雨のコンダクター その22009年09月14日 20時50分

RCA Red Seal LSC-3349
米RCA Red Seal LSC-3349 No Dog Label Dynaflex LP (C)1973
Van Clibuen, Eugene Ormandy & The Philadelphia Orchestra
from their acclaimed recordings of music featured at the
1973 Inaugural Symphonic Concert

Copland : Fanfare for the Common Man
Tchaikovsky : 1812 Overture
Grieg : Piano Concerto in A Minor

「雨のコンダクター」といえば、オーマンディ・ファンには悪評高い?作品なのですが(そりゃそーだ)・・・

オーマンディ掲示板(http://06.teacup.com/qwh01700/bbs)でも話題になったことがあり、それが何時の事やらと過去の記憶を手繰っていくと・・・なんと9年前の2000年8月でしたワ・・・

現在のオーマンディ掲示板には2004年9月以後の書き込みしか残っていないのでそれを見ることは出来ませんが、1999年7月からの書き込みのデータを個人的に保存していたので、それを引っ張り出して、「ああ、こんな事を書いてたなあ・・・」などと感慨に耽っていました。

さらに記憶を辿っていくと、Fantastic Philadelphians の Ichikawa さんが、2000年8月27日の Memorandum でこの時の事情を詳しく説明されていたことを思い出しました・・・

Fantastic Philadelphians
http://www5a.biglobe.ne.jp/~philorch/
→Memorandum August 2000
http://www5a.biglobe.ne.jp/~philorch/Memorandum/0008.html

確かに、The Philadelphia Orchestra - Century of Music(Temple University Press (C)1999) の Ormandy Era 89p にその記述がありますねえ~

Temple University Press
http://www.temple.edu/tempress/

The Philadelphia Orchestra - A Century of Music
http://www.temple.edu/tempress/titles/1492_reg.html

我らがマエストロ・ジーンとオーケストラメンバーも、バーンスタインとはこれまた異なる苦悩に直面していたのです・・・な。誰か、もう一人の「雨のコンダクター」としてマンガ化してくれないかな・・・

ま、それはさておき、過去の記憶を辿ってこの時のプログラムを再確認していると・・・そういえば手元にあるあの訳の分からん1枚の盤・・・

"1973 Inaugural Symphonic Concert" と題したこのLP。一体何を記念したものかさっぱり分からず、数年間ほったらかしていた。何故かというと、 Inaugural という単語の意味を知らず、なんかの記念か?くらいの関心しかなかったのだが・・・

これが、そのニクソン大統領の1973年就任記念演奏会のプログラムを集めたLPだったと、今日初めて気が付いたんですな・・・

・・・ホント、おバカさんである。大体このアルバム、Nixon の 名前すら出てこないから、 まさかアメリカ大統領の就任記念演奏会プログラムLPだなんて想像すら出来なかったのだ。アメリカでは Inaugural と言えば大統領就任という意味になるのだろう・・・か?

就任記念演奏会プログラムの内、ベートーベンの「運命」はRCAに録音が無いので省かれているが、それ以外の3曲(勿論、セッション録音)を収録したこのLPと、バーンスタインのLP、一体どっちが売れたのだろうか・・・

それにしても、意図せずにこんな対照的なLPが揃ってしまうとは・・・なんか不思議な縁と言うヤツを実感せざるを得ませんなあ・・・では。

Greensleeves2009年09月15日 07時43分

日本ビクター音楽産業/RCA Red Seal SRA-2857
日本ビクター音楽産業/RCA Red Seal SRA-2857
No Dog Lable LP (P)1973

Greensleeves
V. Williams : Fantasia on "Greensleeves"
Debussy(Cailliet) : Clair de Lune
Borodin(Sergent) : Nocturne
Faure : Sicilienne
Debussy : Prelude to the Afternoon of a Faun
Debussy(Smith) : Reverie
Ravel : Pavane for a Dead Princess

Murray Panitz(flute solo), Mason Jones(horn solo)
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

雨のコンダクター2連発は少々重かったので、気楽に聴けるアルバムを・・・

これは、日本独自企画か、はたまたアメリカのオリジナルをそっくり持ってきたのかのかは不明。BMGジャパンのオーマンディ・フィラデルフィアの芸術I-vol.8(BVCC-38055)のラヴェル・ドビュッシー作品集解説には、パヴァーヌはこのアルバムで1972年に発売とあるから、米国オリジナルと同じ構成かもしれない。

ま、でもそれはどうでもいい。このLPは中古で見かけたけど、なかなか感じのいいデザインだったので購入したもの。LPの状態も非常に宜しい。雨の日に静かに聴くのに好適なアルバムだ・・・

Music from France for Oboe and Orchestra2009年09月16日 05時37分

日本ビクター/VICTOR SHP-2517
日本ビクター/VICTOR SHP-2517
Red Seal STEREO Dynagroove LP (C)1968
Françaix : L'Horloge de flore(The Flower Clock)
http://en.wikipedia.org/wiki/Jean_Fran%C3%A7aix
Satie(Debussy) : Gymnopedies Nos 1 & 3
http://en.wikipedia.org/wiki/Erik_Satie
Ibert : Symphonie Concertante
http://en.wikipedia.org/wiki/Jacques_Ibert

John de Lancie (solo oboe)
http://en.wikipedia.org/wiki/John_de_Lancie_%28oboist%29
André Previn/London Symphony Orchestra
http://en.wikipedia.org/wiki/Andr%C3%A9_Previn
http://lso.co.uk/home/

recorded August-September 1966

解説:日本フィルハーモニー・主席オーボエ奏者 鈴木 清三
※サティのジムノペディは番号・順番のに誤り有。LPは1番・2番の順に記載されているが、実際は3番・1番の順にカットされている。

also available on CDs

米BMG Music/RCA Victor Gold Seal 7989-2-RG (C)(P)1991
BMGファンハウス/RCA Red Seal Vintage Collection BVCC-37304(2001年)
※米BMG盤は、サティのジムノペディ1番が省かれている。(収録されているのは3番にもかかわらず1番と誤記)また、後年録音された R.Strauss の オーボエ協奏曲(Max Wilcox/室内管弦楽団)をカップリング。
※BMGファンハウス盤は、米BMG盤で省かれたジムノペディ1番及びR.Strauss の オーボエ協奏曲も含めたもの。今買うならこのCDがお薦め・・・と言いたいところだけど、もう市場にはないんじゃないかな・・・

ここ数日はこんなライト・ミュージックを聴いてます。特に気に入ってるのはフランセの「花時計」。お次はサティ、イベールはちょっと重苦しいなあ・・・

「花時計」はLancieの為に作曲され、Lancie と オーマンディ・フィラデルフィアにより初演されているが、この組み合わせのセッション録音は為されていない。セールスが期待出来なかったのかな?

このLPは大須のハイファイ堂レコードマートで見つけたもの。最近、オーマンディ・フィラデルフィア関係の日本ビクター盤(米RCA Red Sealの国内盤ですな)をここでよく見かけます。

この10年、RCA Red Seal関係の音源は日本で殆どCD化されているのでLPに手を出さなくても聴けますが、当時のLPにはその時の雰囲気が刻印されているので、ジャケットや解説が興味深いとつい手が出てしまいますな・・・これもその1枚。

当時(1968年)の日本フィルハーモニー主席オーボエ奏者である鈴木清三氏の解説(オーボエ奏者の苦悩(リード作り)や、国によるオーボエの音色の違い等)はなかなか興味深い。こういう解説はCDには記載されないで結構貴重なものだと思う。

LPの帯には、「お好きなレコードを進呈する ダイナグルーブ ソサイエティ 特典券付き」とあり、当時の日本ビクターは「ダイナグルーブ」を前面に出して売り出していたんですなあ・・・

帯裏にはダイナグルーブの特徴として・・・

-----ココカラ-----

 このダイナグルーブ方式のレコードは、録音するときからレコードになるまで、数々の新しい研究の成果を組合わせて、これまでにない明快な音を生み出しています。
 これは、最新の電子技術、音響心理学、品質管理技術により、新しい録音機器、電子頭脳、品質管理方式を開発して生み出したレコードです。

4つの特色

1.どんな音量でも輝くような音が聞けます。
プレーヤーの音量をどんなに小さくしぼっても、低音から高音まで鮮明に聞くことが出来ます。

2.完全なプレゼンス(臨場感)が得られます。
このレコードでは、いつも生々しい演奏を聞くことができ、コンサート・ホールにいるような印象を受けます。

3.歪がないこと
このダイナグルーブ方式のレコードでは盤面の内側でも音が歪みません。

4.そのまま皆様の機械にかけて完全な音が聞けます。
 ダイナグルーブのレコードは、どんなステレオ電蓄でも、これまでにない素晴らしい音が聞けます。

-----ココマデ-----

1.は、ダイナミックレンジを圧縮し、fレンジをいじって(ラウドネス効果かな・・・昔のアンプに「ラウドネス」というスイッチがあったがそれと同じかな?)音量をしぼっても良く聞こえるように細工しているということかな・・・Hi-Fiと逆行するところもあるけど、当時の再生機器を考えると、「音響心理学」に基づいた一つの割り切った考え方とも言える。

2.はいささか抽象的で具体性を欠く。

3.は、針再生につきまとうピンチ効果を「電子頭脳」(アナログ・コンピューターだろうなあ・・・)でシミュレートしてキャンセルするようカッティングしているということだろう。この歪みは内周で顕著に表れるから・・・

4.は互換性と、新しい装置でなくても効果がある・・・ということだな。今の新素材CDもこれまでのCDプレーヤーで再生出来音も向上・・・というのと変わらん。

まあ、当時のLPを今から眺めると、音楽以外にも色々面白い発見がありますよ。考古学に近かったりして・・・

それでは。

Music from France for Oboe and Orchestra その22009年09月16日 06時35分

RCA Gold Seal 7989-2-RG & RCA Red Seal Vintage Collection BVCC-37304
米BMG Music/RCA Victor Gold Seal 7989-2-RG (C)(P)1991
BMGファンハウス/RCA Red Seal Vintage Collection BVCC-37304(2001年)

R.Strauss : Oboe Concerto
Françaix : L'Horloge de flore(The Flower Clock)
Satie(Debussy) : Gymnopedies Nos 1 & 3
Ibert : Symphonie Concertante

John de Lancie (solo oboe)
André Previn/London Symphony Orchestra
Max Wilcox/Chamber Orchestra

1966年の「オーボエとオーケストラのためのフランス音楽集」の音源に、1987年に録音されたシュトラウスのオーボエ協奏曲をカップリングして発売されたのが米BMG盤。オーボエ協奏曲はこのCDが初出のはず。

但し、サティのジムノペディ1番は割愛されている。(CD表記は1番が記載されているが、3番の誤り)これでもトータル71分だから、このCDがカッティングされた1991年では収録が困難だったのかもしれない。

2001年に発売されたBMGファンハウス盤は米BMG盤で割愛されたジムノペディ1番も含めた「完全版」ということになるのかな・・・こちらは、Lancie よりも Previn の方の紹介に力が入ってて、彼の若かりし頃の写真も3枚掲載されている。(カッコイイ!)今買うならこのCDがお薦め・・・と言いたいところだけど、もう市場にはないんじゃないかな・・・

R.Strauss と Lancie の有名なエピソードについてはここで書くまでもありませんが、Fantastic Philadelphians の Ichikawa さんが興味深いことを書かれています。

Fantastic Philadelphians
http://www5a.biglobe.ne.jp/~philorch/
First Chair →John de Lancie
http://www5a.biglobe.ne.jp/~philorch/1stChair/deLancie.html

また、立風書房刊 「200CD管楽器の名曲・名盤」(1997年10月)に、このオーボエ協奏曲についての興味深いコメントがあります。(木幡一誠氏)この本によると、「・・・伴奏オケの実態はオルフェウス室内管だった、と聞く。・・・」とあります。契約の関係で実名が出せなかったのか・・・伝聞情報ですから真偽の程は定かではありませんが・・・

また、演奏についても2つの特色があるとのこと。一つは「・・・終楽章の最後を、現行譜とは異なる『オリジナル』稿でやっていること・・・」。もう一つは「・・・ソロに頻出する、息の『長すぎる』パッセージを、部分的に他の楽器へ受け持たせていること。・・・これは、デ・ランシ-が遺族と版元の承認を得て行った改編なのだ・・・」・・・詳細は「200CD管楽器の名曲・名盤」を読んで下さいな。

しかし、このアルバムをオーマンディ・フィラデルフィアのコンビで残せなかったのは残念なことですなあ・・・

では。

タワーレコード“Sony Classical”スペシャル・セレクション第3弾! - Vivaldi : Concertos for 2 Violins & Others2009年09月17日 00時33分

Isaac Stern Music in Life Vol.1
米SME/Sony Classical SM2K 66472 2CDs (P)(C)1995
Isaac Stern - A Life in Music Vol.1

Vivaldi
Cocerto for String Orchestra in A minor RV522+
Concertos for 2 Violins and Strings *
-RV514,RV517,RV509 & RV512
and Other pieces

Isaac Stern & David Oistrakh, Violins
Eugene Ormandy
The Philadelphia Orchestra+
Members of the Philadelphia Orchestra*
William Smith ,Harpsichord*
& other players

Concertos for 2 Violins and Strings *
also available on SACD
日Sony Music/Sony Classical SRGR-733
also available on CD
タワーレコード“Sony Classical”スペシャル・セレクション第3弾!
日Sony Music/Sony Classical SICC-1221(2009/11/04 発売予定)
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1983207&GOODS_SORT_CD=102

そういえば、タワーレコード“Sony Classical”スペシャル・セレクション第3弾!で、ヴィヴァルディの「2つのヴァイオリンの為の協奏曲集」もリストにあるのですが、チャイコの7番の影?に隠れて気が付きませんでした・・・この演奏はこれまでもCD及びSACDで出ているので、オーマンディ・ファンにとっては特に目新しくはないからかもしれませんが・・・

私が持っているのは、Isaac Stern - A Life in Music Vol.1という2枚組のCD。2枚のCDに詰め込めるだけ詰め込んだお買い得盤というところでしょうか。タワレコの今回のCDは詰め込んでいない分値段は安い・・・のかな?

なお、SACD収録の演奏(Concertos for 2 Violins and Strings *)は、平成の盤鬼、平林直哉氏が著書「盤鬼、クラシック100盤勝負!SACD50選付き」(青弓社 2006年1月)で褒めているものでもあります。

CDで聴くか、SACDで聴くか・・・ま、お好きな方をどうぞ。

オーマンディ 音の饗宴1300,セレナーデの夕べ2009年09月17日 07時18分

CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300 Vol.49 13AC284 LP
CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300 Vol.49 13AC 284
セレナーデの夕べ
アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク(モーツァルト)
セレナード(ハイドン)、弦楽セレナード(チャイコフスキー)
セレナード(シューベルト)

LPには「セレナーデの夕べ」というタイトルはありません。1978年の来日公演パンフに掲載されている「オーマンディ 音の饗宴1300」全50枚広告にそのようなタイトルが記載されているだけです・・・が・・・そういうコンセプトに基づいたアルバムであることは確かですな。

1967年初来日の翌年、オーマンディ・フィラデルフィアのコンビは米コロムビアの専属を離れ米RCA Red Sealの専属となります。また、日本コロムビアも1968年にCBS/SONYが設立され、その翌年に米CBSの原盤の販売が終了してしまいます。販売終了後、日本コロムビアが発売していた米CBS原盤のレコードは回収されて廃棄されたそうで・・・勿体ない話ですなあ・・・

1967年の初来日時、日本コロムビアは冊子(下記)まで作ってこのコンビのプロモーションに力を入れていたにもかかわらず、米国での変化に翻弄されてしまい、気の毒としか言いようがありませんねえ。

オーマンディ/フィラデルフィアのすべて (日本コロムビア 1967年3月)
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/08/12/4506270

その前の1962年には英EMIとの提携も解消してそちらの原盤も東芝EMIに販売権が移行しているので、英EMIに続いて米CBSを失うことで主要2レーベルを失ってしまい、ヨーロッパでの自主録音にシフトしていくわけですが・・・

一方、CBS/SONYも、既にこのコンビが米Columbiaから離れているわけですから、1972年2度目の来日の時はそう大々的に宣伝もできず、この時の来日パンフの広告は、移籍前の駆け込み録音と思われる「最新録音盤3枚」(グロフェ:大峡谷、レスピーギ:ローマの松と噴水、ショスタコの5番)と「栄光のフィラデルフィア・サウンド≪全41枚≫」というシリーズでRCAに対抗?しているようです。ちなみにこのシリーズは1500円の廉価盤で、「5:1プレゼント」と称して、5枚購入するとこのシリーズのLPを1枚もらえるというプレゼントが付いています。

で、CBS/SONYの1978年来日公演パンフ広告は「オーマンディ 音の饗宴1300」全50枚となり、1981年公演パンフは「オーマンディ・ポップス・プロムナード全5巻」という2枚組の広告のみでだんだん淋しくなってきます。

1978年来日時はムーティが音楽監督ですから、EMIの広告が目立ちますなあ。専属を離れたRCAの広告はレギュラー盤と1500円廉価盤が半々で、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」がディジタル最新録音として掲載されているくらいですか・・・

なんか「セレナードの夕べ」とは全然関係ない話になってしまいましたね。でも、日本の評論家の酷評にもかかわらず、CBS/CONYもRCAも辛抱強く?LPを出していたと思いますが如何でしょうか?移籍後のRCAのLPは日本ではセールスは芳しくなかったようですが・・・

最近、中古LP屋さんで、日本ビクターやCBS/SONYの昔のLPを見かけると「へ~こんなの出してたんだ・・・」と興味深く?観察していますよ・・・

ま、それはさておき、このコンセプトアルバム、なかなか良いと思いますよ・・・気楽にすっと聴けるのがいいですな・・・・

では。