最近読んだ本2冊:「証言・フルトウェングラーかカラヤン」と「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」 ― 2010年01月31日 13時15分
それはさておき、最近図書館で借りて読んだ本です。

ウィーン・フィル 音と響きの秘密 中野 雄(文藝春秋 2002年10月)
なんだかんだ言って、カラヤンとウィーン・フィルは日本では高い人気があるんですなあ・・・
「証言・フルトウェングラーかカラヤンか」は、著者がベルリン・フィルの元団員11人にインタビューしたものだが、カラヤン に対するそれぞれの見解の違いが興味深い。著者の他の著作「フセイン独裁下のイラクで暮らして」(草思社)、「母親に向かない人の子育て術」(文春新書)も読んでみたくなった。
「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」もなかなか興味深い本ではあるが、アメリカのオケと指揮者に対する偏見・・・というより情報不足による決めつけの表記はちょっと・・・という感じだが、それを除けばなかなか読み応えがある本だと思う。クラシック音楽業界の今後・・・というか、既に本が書かれてから7年以上経過しているが、良くなる兆しがあるのかどうか・・・
ま、それにしても、ウィーン・フィルやカラヤンを持ち上げるのに、アメリカのオケや指揮者を対置させるという手法は珍しくも何ともないけど・・・例えばカラヤンに関する記述の一部で、
「・・・ほぼ同じ時期にアメリカで成功を収めていたセル(クリーヴランド管)、ライナー(シカゴ響)、オーマンディ(フィラデルフィア管)などハンガリー系の名指揮者達が、楽員達から「殺しても飽き足らない」というほど憎まれ、怨嗟と恐怖の対象となっていたことを思うと、・・・」
なんて書かれると、ちょっとなあ・・・と思いますがねえ。
ま、フ ルトヴェングラーもウィーン・フィルの100年祝典記念講演で
「・・・しかし、ヴィーン・フィルハーモニーが代表するこの種のタイプのオーケストラに対して、最大の対立をなすのはあのインターナショナルな『名手をとり揃えたオーケストラ』です。たとえば、それはアメリカにおいて、最近50年間に発生したものであり、その成員は丹念にあらゆる国々からあらゆる学手を集めて構成されたものです。・・・」
「音と言葉」 フルトヴェングラー、芳賀 檀訳(新潮文庫 1981年)
ヴィーン・フィルハーモニーについて~100年祝典記念講演~
なんて言ってるくらいですから、当時からそういう目で見られたんでしょうなあ・・・ま、その評価が妥当かどうかは、聴き手が判断すべき事なんでしょうな・・・んでは。
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