レガシーOS&アプリを無料の仮想マシンで動かす その32(Virtual PC編その12) ― 2009年02月22日 07時36分
Virtual PC 2004 のDOS拡張機能を入れた Virtual PC 2007 の MS-DOS6.2/V仮想マシン(ややこしい説明やなあ・・・)に Windows 3.1 をインストールしました。
WFW3.11はうまくいきませんでしたが、こちらはまあまあスムーズに進みました。VMWare Player では Windows3.1もあまりうまく行かなかったのですが・・・
マシンで動かす その16(VMWare Player編その15)
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/01/04/4041561
Virtual PC 2007 上の Windows3.1 ですが、インストール直後はサウンドは設定されていませんでしたが、Windows の プログラムマネージャー → コントロールパネル → ドライバ から "Creative Labs Sound Blaster 1.5" を組み込んだら音が出ました。
S3 Graphics の SVGAドライバの組込みもうまくいきました。(入手先は下記) プログラムマネージャー → Windowsセットアップ より、 "S3 Trio64V 1.70.04 1024×768 64K C SF" を組み込んで再起動するとちゃんとその画素数の画面が出てきました。広いねえ。
Drivers Download - Legacy Software Archive
Trio64V+ (765) Drivers
http://www.s3graphics.com/en/resources/drivers/legacy/software_archive.jsp#id_765drv
の Windows 3.1 and 3.11 Drivers (w3117004.zip)
ま、Windows3.1 はこんなところですかね。参考にしたサイトをちょいと・・・
N-Log: a Log of Notes:Windows 3.1 on Virtual PC 2007
http://www.wellformed.org/2005/notes/2007/11/20/010320
ホント、先達はあらまほしきことなり・・・昔の人はいいこと言いますな・・・(続く)
レガシーOS&アプリを無料の仮想マシンで動かす その33(Virtual PC編その13) ― 2009年02月22日 18時23分
Windows95は、Virtual PC 2004 のDOS用バーチャルマシン追加機能を入れた Virtual PC 2007 の MS-DOS6.2/V仮想マシン(またまたややこしい説明やなあ・・・)に インストールしました。
インストール方法については VMWare Player でやったのとそう変わりません。Windows95をインストールした後にWindows95Plusをインストールまでは殆ど同じです。(下記参照)
レガシーOS&アプリを無料の仮想マシンで動かす その17~18
(VMWare Player編その16~17)
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/01/04/4041616
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/01/04/4041706
ただ、DOSに CPU Idle ソフトが導入されていると、インストール前のスキャンディスク の動きがもたつきます。ま、多少時間がかかる程度なのでほっといてもいいのですが、気になるようでしたら CPU Idle ソフトを外してから(Autoexec.bat で組み込んでいる場合はその行をrem 等でコメントアウトするといいでしょう)セットアップすると良いかと。
Windows 98SE セットアップのスキャンディスク部分で時間がかかる
http://support.microsoft.com/kb/185659/ja
で、一通りインストールが終わった後で、Virtual PC のWindows拡張機能をゲストOS(Windows95)に導入するわけですが、Virtual PC 2007 は ゲストOSとして Windows95 を公式にサポートしておらず、Virtual PC 2007 のバーチャルマシン追加機能も 残念ながら Windows95 に対応していません。ウィンドウメニューからバーチャルマシン追加機能をインストールしてもエラーが出て途中でストップしてしまいます。
ということで、Windows95 にも対応している Virtual PC 2004 のWindows用バーチャルマシン追加機能を仮想マシンのゲストOSに入れる必要があります。
Virtual PC 2004 のバーチャルマシン追加機能のインストールファイルの引っ張り出し方は下記に詳述しました。
レガシーOS&アプリを無料の仮想マシンで動かす その30
(Virtual PC編その10)
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/02/21/4133810
Virtual PC 2004 のWindows用バーチャルマシン追加機能が入った CD-ROMイメージ "VMAdditions.iso" を Windows95仮想マシンのウィンドウからマウント(ISOイメージのキャプチャ)すると、その追加機能が自動的にインストールされます。
バーチャルマシン追加機能インストールにより、仮想マシン用のCD-ROMドライバ・SVGA以上のフルカラー画面・ホストOSとのマウス移動が容易になる・・・等の機能が付加されます。(Autoexec.bat, Config.sys も書き換えられます)
ゲストOSがWindows95の場合、Virtual PC 2007 の方が VMWare Player よりも動きがきびきびしてます。VMWare Player では 音の途切れが耳につきますが、Virtual PC 2007 では殆ど感じられません。(これは私のマシン環境(エントリーモデルのノートPC)でのことで、他のマシンでは?ですが・・・)
あと、Virtual PC 2007 はCD-DA再生でちゃんと音が出ますが、VMWare Player は音が出ません。理由は良くわかりませんが、CD-DAを利用するエデュテイメントソフトを動かしたい私にとってこの差は大きいです。(続く)
レガシーOS&アプリを無料の仮想マシンで動かす その34(Virtual PC編その14) ― 2009年02月23日 06時36分
Windows98 Second Edition(以下 Windows98SE)は、Virtual PC 2007 が公式サポートするゲストOSであり、仮想マシン作成時のゲストOS選択メニューにもちゃんと登録されています。(下記参照)
レガシーOS&アプリを無料の仮想マシンで動かす その25
(Virtual PC編その5)
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/02/20/4130658
Win3.1とWin95は、インストールする際仮想マシンにゲストOSとして最低限 MS-DOS が入っている必要がありましたが、Windows98SE はその必要がありません。まっさらな仮想マシン上にインストールが出来るので楽です。
Windows98SEのインストールCD-ROMはブータブルなので、CD-ROM(物理、イメージのどちらでもO.K.)を入れてマシンを起動すればインストールが始まります。
インストール方法については VMWare Player でやったのとそう変わりませんのでここでは詳述しません。(下記参照)
レガシーOS&アプリを無料の仮想マシンで動かす その19-20
(VMWare Player編その18-19)
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/01/12/4054409
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/01/12/4054444
また、仮想マシンのウィンドウメニューからバーチャルマシン追加機能をインストールすれば、追加機能が素直にインストールされます。
バーチャルマシン追加機能インストールにより、仮想マシン用のCD-ROMドライバ・SVGA以上のフルカラー画面・ホストOSとのマウス移動が容易になる・・・等の機能が付加されるのはwin95の時と同じです。
ゲストOSの動きもWin95と同様、Virtual PC 2007 の方が VMWare Player よりも動きがきびきびしてます。VMWare Player では 音の途切れが耳につきますが、Virtual PC 2007 では殆ど感じられません。
CD-DA再生も同じです。Virtual PC 2007 はCD-DA再生でちゃんと音が出ますが、VMWare Player は残念ながら音が出ません。(ゲストOSがWindows2000,WindowsXPならまた話は別でしょうが・・・)
これで、WindowsXPでは動かせない、CD-DAを使う古のエデュテイメントソフトも Virtual PC 2007 上の Windows98SE で使えるようになりました。
Virtual PC 2007 の公式サポートゲストOSが Windows98SE 以上であることを考えると、Win3.1 や Win95 を使うより Win98SE を使うのが良さそうです。Win3.1 や Win95 で稼動するソフトはほとんどWin98SEで動きそうですし。
MS-DOS もとりあえず動きましたが、DOSのソフトはハード直叩きするのが殆どなので、DOS用のソフトが動くかどうかはなんとも・・・。ま、やってみるしかありませんな。DOSゲーム用に特化した DOSBoxというのもあるので、そちらを使うのも良いかも。(ちなみに、PC-9801系のDOSはまた別の世界なので・・・)
マイコミジャーナル
【コラム】OS X ハッキング!- 158 DOSBoxで古き良きメガデモを味わう
http://journal.mycom.co.jp/column/osx/158/index.html
DOSBox(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/DOSBox
DOSBox
http://www.dosbox.com/
Classic DOS Games
http://www.classicdosgames.com/index.html
Virtual PC と VMWare Player のどちらが良いか・・・はケース・バイ・ケースでなんともいえないでしょう。稼動させるプラットフォームの性能・ホストOS・ゲストOS・走らせたいアプリ・・・自分の目的と利用環境に合わせて選択するしかありませんね。やってみないとわかりませんが・・・。VMWare Player はそのバージョンにも依存しますから(下記ご参考に)
レガシーOS&アプリを無料の仮想マシンで動かす
その6-7(VMWare Player編その5-6)
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/01/02/4039099
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/01/02/4039122
私の場合は、
・Win3.1時代の古のエデュテイメントソフトを動かしたい
・上記ソフトにCD-DAの再生は必須
・ホストの環境はエントリーモデルのノートPC+WindowsXPProSP3
という条件で色々試した結果、 Virutual PC 2007 + Windows98SE に落ち着いた・・・ということです。他にも沢山のフリーソフトやネット上の情報(正誤色とりどりですが)にもお世話になりました。
Virtual PC と VMWare Player の比較についてはこちらのサイトが大変参考になりました。
Micco's HomePage
http://www2.nsknet.or.jp/~micco/micindex.html
「いろいろ」→「VMWare のページ」
VMWare と Virutual PC の比較検討が参考になります。
ネット上の情報は玉石混交で、有用な情報や誤った情報(勘違いが多い)が入り混じっているので、その情報の判断は自分の判断次第ということになりますが、大いに助けられました。
これで、XPで動かないソフトもかなり動かせそうな感じです。昔のエデュテイメントソフトを色々動かしてみますかね・・・
DOSのソフトも、Virutual PC と VMWare Player の両方で色々試してみるつもりです。
一応これで、仮想マシンにレガシーOSを入れるシリーズ?も一区切り。ゲストOSとして WinMe,WinNT4, Win2k を試すつもりはありません。持ってないし、今のところ私にはその必要性も無いので・・・
今使っているノートPCが使えなくなり、新しいOS(Windowsとは限らない)しか使えなくなったら、仮想マシンでWindowsXPを使ったりして・・・(PAUSE)
DOS用CPU Idle ソフトのまとめ ― 2009年02月23日 06時45分
レガシーOS&アプリを無料の仮想マシンで動かす その14
(VMWare Player編その13)
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/01/02/4039699
ゴルゴサーチでDOSIDLEを探してみました・・・
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/01/04/4041532
アサブロの編集画面で、カテゴリ検索が出来るといいんだけどな・・・要望出そうかしら・・・
では
Multimedia Strauss その6 ― 2009年02月23日 07時52分
右:Pocket Audio Guide - Detail View of Death and Transfiguration
Microsoft MULTIMEDIA STRAUSS
Three Tone Poems
An Illustrated, Interactive Musical Exploration
By Russell Steinberg with Voyager Company.
さて、古のエデュテイメントソフトを動かす仮想マシン環境も整ったので、Multimedia Strauss の探索を再開しましょうか・・・
Windows3.1(英語版)用のソフトですが、日本語版のWindows98SEでも問題なく動きます。ちなみに、動作環境は・・・
ハードウェアは下記2種ノートPC+ワイヤレスUSBオーディオ
lenovo 3000 C100
Celeron 1.5GHz, 主記憶2GB
80GBHDD,XGA(1024×768), Windows XP Home SP3
EPSON Endeavor NJ2100
Celeron 2GHz, 主記憶2GB
HDD160GB,WXGA+(1440×900), Windows XP Pro SP3
USBワイヤレスオーディオアダプタ REX-Link2
http://www.ratocsystems.com/products/subpage/rexlink2.html
これでPC音声をオーディオに飛ばします。
ソフトウェアは、Microsoft Virtual PC 2007 + Windows98 Second Edition + MagicISO Virtual CD/DVD-ROM
MagicISO Virtual CD/DVD-ROM
http://www.magiciso.com/tutorials/miso-magicdisc-overview.htm?=mdisc_hlp105
これは、マルチセッションのCD-ROM(プログラム+CD-DA)も一つのイメージファイルに出来て、しかもそのイメージファイルを仮想ドライブとして利用できる優れものです。こういうエデュテイメントソフトはCD-ROMの動作音が結構気になるのですが、イメージファイルにしてしまうことでそれも解消できます。
動作環境はこれくらいにしといて、とりあえず Multimedia Strauss のおさらいを・・・
Multimedia Strauss その1~その5
http://boukyaku.asablo.jp/blog/cat/multimedia/
今回は"Poket Audio Guide"を見てみましょう。Multimedia Strauss では R.Strauss の有名な交響詩を3曲取り上げています。
Don Juan「ドン=ファン」
Death and Transfiguration 「死と浄化」(「死と変容」が一般的ですが・・・)
Till Eurenspiegel「ティル=オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」
とりあえず、曲の全体構成を確認しながら曲を一通り聴きとおすのに良いかと。
あと、R.Strauss について・・・
R.Strauss(Wikipedia)
http://de.wikipedia.org/wiki/Richard_Strauss
R.Strauss Online
http://www.richardstrauss.at/html/index.html
R.Strauss Institute
http://www.richard-strauss-institut.de/
Voyager Company について・・・
Voyager Company
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Voyager_Company
Wired - The Teachings of Bob Stein By Amy Virshup
The cyberlord of Voyager is either the most far-out digital publishing visionary in the new world or the least effective businesman alive -- or both.
http://www.wired.com/wired/archive/4.07/stein_pr.html
(続く)
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の黄金期を支えたホルン奏者 ― 2009年02月23日 17時25分
ブラームス 交響曲第1番
also available on CD SME Essential Classics TAKE2 SB2K63287
オーマンディ(ストコフスキ時代も含めて)とフィラデルフィア管弦楽団の黄金期を支えたホルン奏者の Mason Jones 氏が逝去されたそうです。ご冥福をお祈り致します。
Curtis Mourns the Loss of Emeritus Faculty Member Mason Jones
http://www.curtis.edu/html/21157.shtml
オーマンディ掲示板(http://06.teacup.com/qwh01700/bbs)のIchikawa さんの投稿で訃報を知りました。フィラデルフィア管弦楽団を支えた First Chair がまた一人世を去ってしまいました。実演に接することが出来なかった世代としては、本当に「伝説」の存在となってしまいました。
国際ホルン協会の president を 1986~87年 の間務めており、そちらにも Honorary Member として紹介されています。
International Horn Society
http://www.hornsociety.org/
Mason Jones
http://www.hornsociety.org/content/view/80/186/lang,en/
オーマンディが望んだブラスの音・・・常に弦と調和し必要なときに適度に聴こえれば良い・・・プレイヤーにとって非常に過酷な要求を完璧に実行したホルンセクションを長い間首席として支えてきた氏の録音(ソリストとしては僅かしかありませんが、オーケストラプレイヤーとしてのものは膨大な数でしょう・・・)を改めて聴くことにしましょうか・・・
ホルンセクションが驚異的な冴えを聴かせるベートーヴェンの7番交響曲(Columbia)、レヴァイン指揮マーラー5番(RCA Red Seal)などすぐに名演奏が浮びますが、ここは私が最初に聴いた Philadelphia Sound を・・・
CBS/SONY が”オーマンディ「音」の饗宴1300”と題して共通ジャケットデザインとシンプルな青いレーベルデザインで売っていた ブラームスの交響曲第1番を久々に引っ張り出しました。CD は Sony Classical Essential Classics TAKE2 SB2K63287 がありますが、まだ入手できるかどうか・・・下記もご参考に・・・
Glorious Sounds of Music
Columbia Masterworks Recordings - 1
http://www.ne.jp/asahi/tron/music/ColumbiaRec-1.htm
クラシック聴き始めの最初にこんな強烈な「ブラ1」を聴いてしまったせいで、他の演奏を聴いても全く物足りなくなってしまった、非常に罪作りな演奏でもあります。
トスカニーニを神の如く尊敬していたマエストロが、トスカニーニの改定(4楽章のクライマックスのティンパニ追加とかホルンのハイトーンとか・・・)をそっくり踏襲していたことも知らずにこの演奏に打ちのめされてしまい、その後他の演奏を聴いて
「あれ、なんでここでティンパニが鳴らないんだ?」
「どうしてここで堂々と鳴るホルンが引っ込むんだ?」
と欲求不満にかられたことも今となっては笑い話の類ですが・・・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の音楽の世界にどっぷり身を浸すきっかけになったわけです・・・このこのLPが・・・
普段は目立たないのですが、ここぞというときに軽やかにオーケストラから突き抜けてくる切れの良いサウンド・・・力任せとか荒れた破裂音とは無縁の透明な音・・・残念ながら遺された録音でしか聴くことは出来ませんが、良好な録音でそれを聴けるのは幸いなことでしょう。
それでは。
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の黄金期を支えたホルン奏者 その2 ― 2009年02月24日 07時59分
Mahler Symphony no.5 & no.10(Adagio)
James Levine conducting The Philadelphia Orchestra
solo: Frank Kaderabek(tp), Mason Jones(Hrn)
recorded at Scottish Rite Cathedral, Philadelphia, 17&18 Jan, 1977
Symphony no.5 also available on CDs
米RCA Red Seal RCD1-5453
BMGファンハウス/RCA BVCC-38136 (C)2001
BMGビクター/RCA Gold Seal BVCC-9346(RCA NEW BEST 100) 1994年
協奏曲や室内楽以外で Jones のソロが聴ける録音のひとつとして レヴァイン指揮フィラデルフィア管弦楽団演奏の マーラーの5番交響曲を。ジョーンズの引退1年前の録音です。
レヴァインがフィラデルフィアを振った録音は少ないですが、マーラーの5番、9番、10番、そしてシューマンの交響曲全集は、オーマンディ時代最後のフィラデルフィア管が鳴りきった名演奏揃いです。
James Levine & The Philadelphia Orchestra(マーラーの5番と9番)
http://www.ne.jp/asahi/tron/music/Levine.htm
RCA Red Seal に入れたマーラーの交響曲は、フィラデルフィア・シカゴ響・ロンドン響(LPOだったかな?)も含めて2001年にCDで再発売されましたが、まだ入手できるかな・・・
このマーラーの5番もその1枚。レコードラベル1面目には カデラベックの名前が、2面目にはジョーンズの名前がクレジットされています。
特に3楽章のホルンソロ、そして5楽章クライマックスのブラスの美音が実に心地良いです。勿論、フィラデルフィアの誇る弦セクションも聴きもの。
※以下、2009.9.19追記
なお、この演奏については吉田秀和氏が「なるほど」と思わせる批評をしているのでその一部を・・・ちょっと長いですが・・・
「・・・各部の響きの調和のよくとれたバランス、すべての声部が驚くべき明確さで聴こえてくるが、それは外面的、図式的に分離が良いというのと違って、それらの声部の一つ一つから、それぞれに与えられた音楽が聴こえてくるのである。・・・レヴァインは我慢できないほど込み入っていて、音の団子のような鈍い響きになりがちな箇所でさえ、辛抱強く、そのもつれた声部の糸の動きを一つ一つ拾いながら、それを切り捨てず再現しようとしている。・・・私はもしマーラーがこれを聴いたら『この男は私を理解した。私の一見複雑に絡み合ったスコアも、要するに自分の考えをできるだけ正確に伝えようとしたところから来たのであり、この指揮者は私のスコアに何かを付け加えようというのではなくて、それを正確に読み解すことに全力を尽くしたのだ』と言ったろうと思う。・・・」(音楽展望1979.7.19より)
あとはご自身の耳でご確認を・・・
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の黄金期を支えたホルン奏者 その3 ― 2009年02月25日 07時30分
Rachmaninoff Symphony no.2
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra (recorded 1973)
also available on CD 日BMG Funhouse/RCA BVCC-38057(P)1999 coupled with Scriabin"Poem of Ecstasy (rec1971)"
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団による、ラフマニノフの交響曲第2番(ノーカット全曲版)です。米コロムビアのステレオ録音とユニテル収録の映像ではカット版で演奏していますので、これがこのコンビ唯一のノーカット全曲版演奏となります。
オーマンディの世代の指揮者は、自身の判断で冗長と思える部分をカットするのがあたりまえだったわけですが、レコード録音についてはカット無しで演奏するのが「流行(はやり)」というかセールスポイントになるので、このRCA Red Seal に遺した録音もそれに倣った(?)ものとなりました。
もっとも、作曲者が心血込めて書き上げた作品をカットされることを快く思うはずも無く、(冗長な部分を)カットして演奏したいというオーマンディの要望に対して駄々をこねる(?)ラフマニノフの様子を、マエストは晩年ユーモラスに回想しています。
・・・彼(ラフマニノフ)と友人になってからのことだが、ある時、2番交響曲のカットについて相談したところ、「カット!カット!カット!カット! 全く、なんと恐ろしいことだ。何で皆私の作品を切り取りたがるのか!まるで『ヴェニスの商人』のシャイロックだ!」と嘆いた。
楽譜を見せたところ、1~2か所の長いカットと、約10か所の短いカットについて『1か所だけ元に戻して、後はいいだろう。』との返事だった。今でも彼が望んだように演奏しているから(彼も)満足だろう・・・
確かに冗長と思える部分もあるのですが、こんな美味しい所を・・・という部分のカットは勿体無いとも思えますな。
この全曲版で嬉しいのは、3楽章の甘美な回想シーン(CDのタイミングでは 8:00-9:30 のあたり)がカットされずに演奏されていること。ここはテンポを落として p で演奏する例が多いのですが、オーマンディはそんなことはしません。 mf の速いテンポで歌い上げてしまいます。ここのエコーのように響くジョーンズのホルンが美しい。あっという間に終わってしまうので、思わず「時よ、止まれ」と思ってしまうほど甘美な瞬間なんですな、これが。
録音はベストとはいえないし(高域が荒れ気味)、フィラデルフィアの豊な響きを十分捉えているとも言えないのですが、それでもこの演奏が一番好きなんですよ。
ターンテーブルをくるくる回るニッパー君(RCA Red Seal LP 後期の "Sided Dog" と呼ばれるレーベル)を見ながらこの3楽章を聴くのが「至福の時」なんですな・・・
音楽CDに傷が付いたら・・・・ ― 2009年02月28日 10時45分
左下:CD信号面傷(CDその2)簡単な引っかき傷
右下:CD信号層面傷(CDその3)ジャンク品の傷だらけのCD
チャイコの「悲愴」(オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団、RCA Red Seal)のCDをうっかり落っことして傷をつけてしまいました(涙・・・)
両面に外周部より10mm程度引っかいたような傷をつけてしまい、「悲愴」にカップリングされている「フランチェスカ・ダ・リミニ」の最後の数分に周期的なノイズが発生するようになってしまいました。
さて、どうしようか・・・
ちょうど、ヤフーオークションに同じCDが出品されていたのですが、提示額が定価と同じで躊躇している間に値下げされ落札されてしまいました・・・後の祭り・・・ま、気長に待っていればまた出てくるか、中古屋さんで見かけることもあるでしょう。
となると、とりあえず今あるCDを何とか聴けるように・・・ということで、個人ユーザー用のCD傷修復キットやCD研磨サービスをネットで探してみました。「CD研磨」でぐぐると・・・出てくる出てくる。
どうも、ホームユーザー用の傷修復キットでは深い傷の修復は難しいようなので、CD研磨サービスに出すことにしました。他にも傷のあるCDがあったので、計3枚研磨サービスにお願いしました。
遠くても郵送で受け付けてくれるところもあるのですが、出来るだけ近場で・・・と思ってネットで探すとありました。
コンピュータ関係のデータ修復サービスが本業で、CD-ROM等の修復もやっている関係でCD研磨サービスもやっているところです。持ち込んで2~3時間後、出来ましたと連絡があり受取りに・・・料金は3枚で千円弱。枚数によっても異なりますが、大体どこでも料金はこんな感じみたいです。
さすがに業務用の研磨機による研磨で、信号面は奇麗になっていました。ホームユーザー用のキットではこうは行かないだろうなあ。
しかし、ラベル面(保護層面)の傷はどうしようもない。アルミニウム蒸着膜の保護層(ラベル面)は研磨できない。ラベルも剥がれるし、蒸着面からの厚さが10μmしかないので削ると蒸着膜が損傷してしまう・・・
CDは、信号読み取り面に傷をつけてもそう簡単に再生不能に陥ることは無いが、ラベル面に傷をつけるとアルミニウム蒸着膜がやられてしまい、これは致命的なダメージとなる。ラベル面も保護層ももっと厚くすれば良かったのにねえ。
だからラベル面にマジックペンでサインしたりとかはあまりやらない方がいい。まあ、印刷されているところならそうダメージは無いだろうけど。(CDの構造については下記参照)
コンパクトディスク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%AF
結局、チャイコの「悲愴」は修復は完全には出来なかった。ラベル面の傷がアルミ蒸着面までダメージを与えていたのだ。最後の数分はどうしても周期的なノイズが出る。しかし信号読み取り面の傷を奇麗に除去したせいか、ノイズは軽減しておりそれなりに効果はあったようだ。もう少し傷のダメージが少なかったらノイズは出なかったかもしれない。
ジャンク品の傷だらけのCDも完全修復とはいかなかった。ラベル面の傷がアルミ蒸着面にダメージを与えていた。(これは信号面を研磨してもらうと良くわかる)しかし、修復前より音とびは劇的に減ったので、これなら車中で気軽に聴くのに問題は無い。飛んだところは早送りすればいいのだから。100円で買ったCDだから上出来だろう。
簡単な引っかき傷のCDは傷が跡形も無くなり、再生に全く問題は無い。
結論、CDは大切に扱いましょう・・・トホホ・・・
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