Ormandy & Philadelphia - Brahms : Symphony No.3, 1946 ― 2010年03月31日 07時50分
さて、オーマンディ と フィラデルフィア管弦楽団 によるブラームスの交響曲にはステレオ録音の他にモノラル録音もある。
横田さんのオーマンディ・ディスコグラフィ によると・・・
Brahms
Sym. No.1 [M]50/11/05 (C)
Sym. No.1 [M] LIVE in Moscow 58/05/29
→ (Melodiya) LP M10-47161
Sym. No.1 [S]59/02/08 (C)
Sym. No.1 [S]68/05/19 (C) ● → available on CD
Sym. No.2 [M]40/02/26 (R)
Sym. No.2 [M]53/02/15 (C)
Sym. No.2 [S]66/04/06 (C) ● → available on CD
Sym. No.3 [M]46/04/19 (C) ←今回はコレ
Sym. No.3 [S]67/01/31 + 67/03/13 (C) ●
Sym. No.4 [M]44/11/19 (C)
Sym. No.4 [S]67/10/25 (C) ● → available on CD
[M]ono,[S]tereo, [Label]:(C)BS, (R)CA
1958年(昭和33年)のモスクワ・ライヴはソビエト連邦時代のメロディア から発売されていたこともあるが・・・(詳細は"Live in Moscow, 1958"をご覧あれ)
RCA Victor Red Seal には第2番を1940年に録音しているのみだが、Columbia Masterworks には 1番(ML4477, 1950年)・2番(ML4827, 1953年)・3番(M642,ML4088, 1946年)・4番(M567, ML4017, 1944年)と、モノラル時代に全曲を録音している。
78回転盤の番号はJohn Hunt のディスコグラフィ 記載のもの。なお、2番 は1976年・4番は1971年のAcademy of Music のライブがDisco Archiviaから出ていたようですが、ここは例の金融危機以後閉鎖されて入手不可能なようで・・・聴いた方によるとこの2番は素晴らしい演奏だったそうですが・・・おっと、また脱線してしまいました・・・
さて、この3番(M642,ML4088, 1946年)は、78回転盤でも発売されている。米コロムビアは1948年6月からLPを発売しているから、最初は78回転盤で出して、その後LPでも出したのだろう。この時期はまだ磁気テープ録音が商用ベースに乗っていないから、この録音のマスターは米Columbia が1940年代初めから独自に使っていた40cmのラッカーディスク(33・1/3回転、一面に15分連続録音可能)ということになるのかな・・・磁気テープ録音にしては高音の冴えが無いし、78回転盤のトランスファーにしては雑音が少なくクリアだから・・・このラッカーマスターから、78回転盤とLPにトランスファーしたのだろう。
おっとっと、話が最初っから逸れっぱなしだ・・・本題?に戻ろう。
also released as M642(78rpm)
BRAHMS : Symphony No.3
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
日本のコレクター?の間では通称「墓石ジャケット」として割と?知られたデザインだそうな。LP発売初期に共通して使われたデザインだそうで、色は赤・青・黄色のものを見たことはある。
この録音、John Hunt のディスコグラフィ によれば 録音会場は Town Hall となっているが、オーマンディ/フィラデルフィアのすべて (日本コロムビア 1967年3月) によれば、1926年から1957年迄Academy of Music で録音を続けたとあるからこれは誤りだろう。残響の少ないデッドな音からして、Town Hall とは思えないが・・・
このディスク、熱変成したのか、プレイするとカートリッジが回転周期より倍速い周期で左右に揺れ動く。オフセンターの揺れなら回転周期と同じ周期で揺れるのだが・・・盤はずっしりと重くしっかりしているのでソリは殆どない。この時期のLPとしてはノイズは少ない方かな・・・この Blue Label のLPで状態の良いものは殆どお目にかからない。材質も後年のLPに較べると硬めで、それがサーフェイス・ノイズを多くしているかもしれない・・・
演奏は、後年(1967年)のスケールの大きさには及ばない。整った演奏ではあるのだが、ちょっとサッパリしすぎかなあ・・・という気がする。ま、マエストロ も最初から マエストロ だったわけではないということですな。オーケストラと共に芸に深みを増していったマエストロ の40歳代の貴重な記録ということで・・・この盤の聴き所は、当時在籍していたオーケストラのプリマドンナ、 Marcel Tabuteau や William Kincaid の音色を聴ける・・・ということかな。お二人については以前ブログで書いたので、宜しかったらどうぞ・・・
Marcel Tabuteau & William Kincaid その1
Marcel Tabuteau & William Kincaid その2
Marcel Tabuteau & William Kincaid その3
Marcel Tabuteau & William Kincaid その4
Marcel Tabuteau - How Do You Expect to Play the Oboe If You Can't Peel a Mushroom?
Boston Records BR1058 CD - Legendary Flutist William Kincaid Vol.1
Boston Records - Legendary Flutist William Kincaid Vol.2
あとは、Leopold Stokowski がフィラデルフィア管弦楽団 を振った録音を聴くのも良いでしょうねえ・・・
それにしても、マスターが40cmのラッカーディスク(33・1/3回転、一面に15分連続録音可能)となると、各楽章は一発録りということで、ミスは許されないし(ラッカーディスクが一枚パーになる)編集も不可能だから、この当時の録音は緊張を強いられたのではないだろうか?まずは正確で整った演奏が最優先であり、あまり思い切った表情付けや冒険はしたくても出来なかったのでは?と想像する・・・そういう制約が演奏にも反映されているかもしれない。78回転のワックスマスターなら12インチ盤でも片面最長 4分半が精々だから、緊張の度合いが違うだろうしなあ・・・
コメント
_ リベラ33 ― 2010年03月31日 21時20分
_ りん ― 2010年04月01日 23時19分
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