Rubinstein & Ormandy plays Saint=Saens & Falla その1 ― 2009年08月07日 05時45分
Saint=Saens : Piano Concerto No.2
Falla : Nights in the Gardens of SPAIN
Artur Rubinstein & Eugene Ormandy
The Philadelphia Orchestra
also available on CD 日BMG Victor BVCC-8837~38 (Saint=Saens)
ルービンシュタイン&オーマンディ/フィラデルフィアによる、サン=サーンスのピアノ協奏曲2番とファリャ「スペインの庭の夜」のアルバムである。各曲がそれぞれ片面にカットされている。
ジャケット・デザインはファリャの曲のイメージであろうか? Frederic Marvin による絵である。
サン=サーンスというと、「動物の謝肉祭」とか交響曲第3番「オルガン付き」くらいしか知らなかったが、他の曲も聴いてみると唸らされるものが多い。このピアノ協奏曲もそうだ。
長いピアノソロで始まるこの曲、渋い・・・と思ってると軽妙になったりと、一筋縄ではいかぬ・・・もっと聴きこむと良さが解るかな・・・
多作で90歳近くまで長生きしたから、「薄幸」とか「夭折」の天才・・・というイメージではない。世俗的には R.Strauss に近いイメージで、有名になった「動物の謝肉祭」(これはほんの余興で作ったらしい)とか、交響曲第3番「オルガン付き」ばかりが有名になって損をしているように思える。近年、サン=サーンスの再評価が進んでいるようだし、もっといろいろな曲を聴いてみようと思うが・・・
サン=サーンス(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%A6%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B9
ファリャの「スペインの庭の夜」は、まさにタイトル通りのイメージだ。これは夜静かに聴くのがいい・・・
ファリャ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8C%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AA%E3%83%A3
この曲も恐らくCD化されていると思うが手元にない。サン=サーンスのCDはあるのだけど・・・。ルービンシュタイン全集かなにかでCD化されているはず。オーマンディ・フィラデルフィアで探すよりそっちで探した方が見つけやすいと思う。
ちなみにこの Dynagroove盤、昨日取り上げた Dynaflex盤と同様、ヘナヘナのペナペナの薄っぺら盤で、両手で縁を持つと真ん中のラベルが凹む情けない仕様である。一応、
DYNAGROOVE(R) is the product of research and development assuring that RCA Records are as modern as the latest advances in engineering and science.
とあるんだけど・・・ホントかなあ・・・では。
Rubinstein & Ormandy plays Saint=Saens & Falla その2 ― 2009年08月07日 06時10分
(No Dog Label, Dicreat 4channel LP (C)1970)
Saint=Saens : Piano Concerto No.2
Falla : Nights in the Gardens of SPAIN
Artur Rubinstein & Eugene Ormandy
The Philadelphia Orchestra
also available on CD 日BMG Victor BVCC-8837~38 (Saint=Saens)
先ほど取り上げた米盤と同じ構成のアルバムだが、ビクターの4チャンネルステレオ盤である。何故この盤を入手したかというと、豪華なダブルジャケット仕様で、当時の4チャンネルステレオの解説が面白かったからである。まあ、上の写真を見て下さいな。
4チャンネルステレオ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/4%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%AA
結局、LP時代の4チャンネルステレオはポシャってしまい、CD・LD時代も鳴かず飛ばずだったけど、SACD・DVDになってようやく市民権を得た・・・というところかな。
演奏者紹介と曲目紹介がLPサイズのペラ1枚の裏表に記載されたものが封入されている。
演奏者紹介は、オーマンディ・フィラデルフィアファンの間で悪名?名高い野村光一氏の手になるもの。流石に、ルービンシュタインについては絶賛だが、オーマンディとフィラデルフィアについては一言も触れていない。ま、そりゃ、「音楽喪失のフィラデルフィア・オーケストラ」とまで言った御仁では書けんでしょう。ビクターは選定を誤った・・・といいたいところだが、図らずとも当時の雰囲気を今に伝える資料?となってしまった。
野村光一(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E6%9D%91%E5%85%89%E4%B8%80
曲目解説は藁科雅美氏。これはなかなか充実している。サン=サーンスが当時若干18歳の青少年であったルービンシュタインを「この子は将来必ず名を上げるだろう」と語ったエピソードから始まる筆致はなかなかのものである。最近こういう解説書ける人がいなくなってしまったように思うが・・・
では。
Rubinstein & Ormandy plays Chopin ― 2009年08月07日 06時50分
(No Dog Label, DYNAGROOVE STEREO LP (C)1970)
Chopin:Piano Concerto No.2 & Grand Fantasy on a Polish Airs, Op.13
Artur Rubinstein & Eugene Ormandy
The Philadelphia Orchestra
also available on CDs
- 日BMG Victor BVCC-8837~38 (Piano Concerto)
- 米RCA Gold Seal 60404-2-RG(Piano Concerto & Grand Fantasy)
朝5時から蝉が鳴き始めたけど、雨で中断したようだ・・・雨にはショパンが似合う・・・ということで、ショパンを2曲。
ショパン(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%91%E3%83%B3
LPのオビには、ルービンシュタインとオーマンディとの「夢の競演」とか、「並ぶものなき世界最高のオーケストラ!」とかレコード会社の期待の大きさが見て取れる。
豪華なダブルジャケットで、ビニールコーティングされている。ジャケット裏は両巨匠の写真・・・力が入ってますなあ・・・
解説は、小林利之氏。「遂に実現した夢の名コンビ」とあり、オーマンディとフィラデルフィアがRCAに移籍したことでこの企画が実現した・・・等々・・・アーティストがレコード会社の専属であることがまだ当たり前だった時代を物語っているが、オーマンディの移籍によりいろいろな協奏曲の企画が実現したことを素直に喜んでいる。
やはり解説はこういう人に書いてもらわなければイカン。
協奏曲は1楽章と2楽章が1面に、3楽章が2面に、そして2面の余白に大幻想曲がカットされている。
こちらの国内盤は、前述の米盤よりずっしりとして重量感がある。アメリカのペナペナ盤よりこちらの方がいいなあ。でも音はあのペナペナ盤の方がいいみたい・・・だから面白いのだ、LPは。
ショパンの曲は曲の成熟度という点ではサン=サーンスに遠く及ばないようだが、甘美なメロディーで聴かせてくれる。まあ、これは好きずきだろう。
2面が終わってトーンアームが戻ってターンテーブルが止まったらまた蝉が鳴き始めたけ・・・出来すぎ・・・では。
Rubinstein & Ormandy plays Rachmaninoff ― 2009年08月07日 07時30分
(2CDs, (C)1995, (P)1974)
Rachmaninoff : Piano Concerto No.2
Artur Rubinstein & Eugene Ormandy
The Philadelphia Orchestra
当時のレコード会社は、いかに「売れる」アーティストを「専属」という形で囲い込むか・・・ということに腐心していたようだ。好悪両面という奴で、「この組み合わせが最高!」というのがコンサートでは聴けても、所属する契約レコード会社が異なるためその組み合わせで録音できない・・・という悲喜劇が多々あったようである。
さて、我が家にも専属アーティストがいる。しかも凄腕のヴィルトゥオーゾなんである。朝5時から演奏開始、お昼に休憩を挟んで、夕方までぶっ続けで演奏継続するスタミナの持ち主・・・その名は・・・「蝉」
蝉(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Cicada
対抗するにはこちらも凄腕を引っ張り出すしかないだろう・・・
Sergei Rachmaninoff(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Rachmaninoff
Artur Rubinstein(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Artur_Rubinstein
ま、くだらない前口上はさておき、いよいよ本命・・・と言いたいところであるが、残念ながらこのコンビ(ルービンシュタイン&オーマンディ)のラフ2のLPは持ってないので、CDに登場してもらう。
1995年の発売。 CDが世に普及し始めて多少落ち着いた頃であろうか・・・RCA 2 for 1 Series の一組。ルービンシュタイン&オーマンディ による協奏曲4曲が収まって悪税込み 2,400円のお買い得盤である。
このシリーズ、オーマンディ・フィラデルフィアによる音源が結構あって、
・ドヴォルザークの後期交響曲集(7-9番)
・アックスとのショパンピアノ協奏曲集
・チャイコフスキーの後期交響曲集
・シベリウスの交響曲と管弦楽曲集
・華麗なるフィラデルフィア・サウンド
・レヴァイン・フィラデルフィアによるシューマンの交響曲全集
等々、今はそうでもないが、当時はこのシリーズでなければ聴けないラインナップで、オーマンディ・フィラデルフィア ファンにとっては有り難い音源であった。ルービンシュタイン&オーマンディによるこのCDは今でも貴重で手放せないのだ。
まあ、デザインはいかにも「お買い得感」演出のため、輝くCDを左側に配したもので、まだまだCDは割高感があった頃のものかな・・・
それにしても、やはりこのコンビのラフマニノフは素晴らしい。正に「超弩級」の演奏である。
では。
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