長岡鉄男の外盤A級セレクション(1)-18 M&K REALTIME "The Power and the Glory" Vol.1 RT-1142009年08月06日 06時21分

M&K REALTIME RT-114
長岡鉄男の外盤A級セレクション(1)-18
Miller & Kreisel Sound Corporation - M&K REALTIME RT-114
Direct to Disc Volume 1
"The Power and the Glory" Vol.1
Lloyd Holzgraf
on the Organs of the first Congrational Church of Los Angels
- One of the greatest organs...11,848 pipes / 32 foot fundamental pipes...
and high pressure trumpets!

Bach:Toccata and Fuge in D minior
Vivaldi : Largo(D minor Concerto)
R.Wagner : Grand March from "Tannhauser"
A.Russell : The Bells of St. Anne de Beaupre

長岡鉄男の外盤A級セレクション(1)(共同通信社) が1984年に出版されてから早25年・・・(2)が1985年、最後の(3)が1989年・・・

CDが世に出てLP滅亡を見越して(5)まで出版を考えられていたそうだが、(3)が大幅に遅れて出版前にもう手遅れで止めよう・・・というところをファンの熱心なリクエストで、(3)を出して終わり・・・という経過だったと思う。これはこの三冊の本に著者が書いている。

本が出版された当時ですら既に廃盤(若しくは売り切れ)で手に入らなかったこれらの盤を、最近中古屋で見かけることがある。そんなときは懐かしさと共にすぐ捕獲してしまうのだが・・・これもその1枚。まさか実物にお目にかかるれるとは思わなかった。

M&K REALTIME による ダイレクト・カッティング・ディスクの1枚、 "The Power and the Glory" Vol.1である。M&K REALTIME にはもう一枚、"FLAMENCO FEVER" RT-107(長岡鉄男の外盤A級セレクション(1)-90)という名盤があるのだが、これも生きている内にお目にかかれるかどうか・・・

ダイレクト・カッティング・ディスク(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Direct_to_disc_recording
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0

当時は M&K REALTIME としか社名が分からなかったが、このダイレクト・ディスクを手にとってようやく詳細が分かった。でも、ホームページは現在作成中らしい。

Miller & Kreisel Sound Corporation(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Miller_%26_Kreisel_Sound_Corporation

ま、SACDやハイ・サンプリングが当たり前の現在ではそれほどのインパクトはないかもしれないが、マイク直結のダイレクト・カッティングの音はなかなかのもの。もうこんな馬鹿げたプロダクトは二度と作られることはないだろうから貴重なものである。

音は正にダイレクト。リアルさは比類がない。音楽も音も長岡鉄男氏が本に書いたとおりである。部屋を揺すぶるような超低音とオフマイクの穏やかな高音とのコントラストはなかなかのもの。4曲目の遠くのベルとの超低音とのコントラストも面白い。

ダイレクト・カッティングだから、まさに REALTIME 。教会の雰囲気・空気感が伝わってくる・・・1970年代後半にタイムスリップ・・・だな。

NHK-FMのラジオのニュースを聞いて、今日が8月6日、つまり広島に原爆が投下された日だと改めて知った。なんでも、原爆症訴訟で、国側が患者側を相手取って控訴(16回もやってるとか・・・誰のために税金使っとんじゃ!)していたのを止めて、救済の方向に動いているとのこと・・・ようやくまともな方向に動いたということかなあ・・・

広島市への原子爆弾投下(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E5%B3%B6%E5%B8%82%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%AD%90%E7%88%86%E5%BC%BE%E6%8A%95%E4%B8%8B

原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E7%88%86%E5%BC%BE%E8%A2%AB%E7%88%86%E8%80%85%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E6%8F%B4%E8%AD%B7%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B

・・・今日も暑うなるぞ・・・

Ormandy & Philadlphia plays Bizet Symphony in C & L'arlesienne suite no.12009年08月06日 07時30分

米RCA Red Seal ARL1-3640 & 日RVC/RCA Red Seal RCL-8005
米RCA Red Seal ARL1-3640
(Sided Dog Label LP, (C)1980)
日RVC/RCA Red Seal RCL-8005(No Dog Label LP , (P)1980)
Bizet : Symphony in C & L'arlesienne suite no.1
also available on CDs
- L'arlesienne suite no.1
→ 日BMGジャパン BVCC-38050
→ 日Tower Records/Tower Records RCA Precious 1000 No.11 TWCL-3012
- Symphony in C
→ 日Tower Records/Tower Records RCA Precious 1000 No.11 TWCL-3012
→ 日BMGファンハウス CTB-1003 (Not for Sale)

1974年と1975年に録音されたこの2曲が5年後の1980年になって「最新録音盤」として世に出た経緯は非売品CD CTB-1003 に触れられているが、LPのカップリング上うまくいかず「アイスボックス」になっていたそうな・・・RCA Red Seal のA&R もふらついていたのも一因だそうだが・・・

でも録音から25年後の現在ではどうでもいいことである。

CDもまだ入手可能であるが、そろそろ市場から姿を消しそうである・・・タワーレコードのCDが1000円廉価盤でお買い得だ。もう在庫が無くなり次第入手不可能になるから、興味のある方は早めにどうぞ。今在庫セール中だし・・・

タワレコ “RCA Precious Selection” 販売終了
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/04/27/4269013

タワーレコードオリジナル企画
BMG JAPAN x TOWER RECORDS “RCA Precious Selection”
~ALL 20%オフ!
http://www.towerrecords.co.jp/html/tower/re/rca_hqcd.html

●Tower Records RCA Precious Selection 1000 第3期
TWCL-3012(2006/2/10)
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=933536&GOODS_SORT_CD=102
Bizet
Symphony in C(recorded: Mar.1974)*
L'Arlesienne Suite Nos. 1&2(recorded: 1975-1976)
*first Commercial CD release

さて、米国盤LPと日本盤LP、当時のお国柄というか、クラシックファンへのアプローチの仕方が対照的で実に面白い。

米盤のジャケットはバレリーナの足をクローズアップしたジャケット・デザイン。これは、バレエ振り付け師の George Balanchine が Symphony in C に 振り付けをしたバレエを意識してのことだろう。

George Balanchine(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/George_Balanchine

Symphony in C (ballet)(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Symphony_in_C_%28ballet%29

New York City Ballet(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/New_York_City_Ballet

解説も曲目解説が中心で演奏者については記述なし。交響曲がパリ音楽院で危うく捨てられそうになったところを救出されたとか、なかなか面白い内容である。(このあたりのことは日本盤にも記載あり)1985年頃に作曲されて初演が1935年ということは、恐らく忘れられて倉庫にお蔵入りになっていたのだろう・・・また、バランシンのバレエについても言及している。

Georges Bizet(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Georges_Bizet

Symphony in C (wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Symphony_in_C_%28Bizet%29

かたや、日本盤はジャケット・デザインからして別物である。我らがマエストロの指揮姿のクローズアップ。そして、解説は宇野功芳氏である。こちらは楽曲解説と演奏論が半々で、バレエのことには一言も触れられていない。

つまり、日本ではクラシック・ファンとバレエ・ファンは完全に分離されている・・・ということだろう。確かに、シンフォニー・コンサートとバレエの会場の雰囲気は別物だ。バレエのお客は自分もダンサーとかそんな感じの人が多く、実に華やいだ雰囲気だが、シンフォニー・コンサートは・・・やめとこ。

ま、そういことを考えながら聴くのもまた楽しからずや・・・んでは。

Rubinstein & Ormandy plays Brahms Piano Concerto No.22009年08月06日 19時30分

RCA Red Seal LSC-3253
米RCA Red Seal LSC-3253 ( Stereo, No Dog Label, (C)1972 )
The Performance of a Lifetime! A Magnificent New Recordings!
Brahms : Piano Concerto No.2
Artur Rubinstein & Eugene Ormandy
The Philadelphia Orchestra
also available on CD 日BMG Victor BVCC-8837~38

「私の最も好きなブラームスのシンフォニーは第2ピアノ協奏曲だ」と宣ったのは、確か、Geroge Szell ではなかったかな?彼が Leon Fleisher と組んだ同曲の録音は名盤としてあげられることもしばしばだと思う。(CD: 米Sony Classical Masterworks Heritage MH2K63255)

確かに、高カロリーで威風堂々たるピアノ・コンチェルト・・・というか、ピアノ付きのシンフォニーと言ってもいいくらいの重厚さだ。

でも、ここで取り上げるのは、ルービンシュタインとオーマンディが組んだ同曲の録音である。これまた名演奏であるが、この盤を取り上げる人は多くないようだ・・・ヤレヤレ。

我らがマエストロがColumbia Masterworks から RCA Red Seal に移籍して、RCA専属のルービンシュタインと組んだこの録音、当時のRCA Red Seal の期待の大きさがそのままジャケットに現れている。これだけセッション写真をちりばめたアルバムは珍しいのではないだろうか。

ルービンシュタインは語る・・・

・・・"You must remember," continues Mr. Rubinstein, "that Brahms was alive until I was 10 years old, so far me he was a living composer, not an 'old master.' I still approach his music with this feeling, and in my own way I try to give the essence of the Brahms I grew to love in those early days."・・・

もはや、こんな組み合わせはあり得ないであろう贅沢なコンビ、いやトリオというべきか・・・

LPは dynaflex という新技術が売りだが、これ以前の Dynagroove や Living Stereo に較べると評価は落ちるようだ。ペナペナ・ヘナヘナの薄い盤で、両手で持つと中央が自重で凹むくらい薄いのだ。

これは、30年以上経過した未開封盤で、どうも熱にやられたりして所々変形している。まあ再生に支障はない・・・と言いたいところだが、2楽章の終わり付近で何故か針が跳ぶ。理由は良く分からない・・・困ったものだ。

ルービンシュタインと組んだステレオ録音は、このブラームスの他に、ショパンの2番と「ポーランド民謡による大幻想曲」、ラフマニノフの2番、サン=サーンスの2番、ファリャの「スペインの庭の夜」が遺されている。これらについては、ルービンシュタインという大御所がソリストなので、CD化については心配する必要はないだろう。

では。