Ormandy & Philadelphia - A Night to Remember... ...Live from the Historic Academy of Music, Saturday, January 24, 1970 ― 2010年04月17日 11時25分

A Night to Remember...
...Live from the Historic Academy of Music
Saturday, January 24, 1970 at 8:30 P.M.
A special, limited edition set of two records issued for the WFLN/Philadelphia Orchestra Association Marathon IV by The Philadelphia Orchestra Association.
未開封品ということで少々心配しました。なんといっても30年前のLPなので、内袋が塩化ビニルでビニル焼けして酷いノイズで聴けたものじゃない・・・とか、熱変形のソリが酷くて再生不能・・・等々、オークションで入手した未開封LPでそういう目に何回も遭ってますからねえ・・・出品者もシュリンクを空けて中身を確認する訳ではないので、昔の未開封LPをオークションで買うのは博奕の一種でもあったりするのだ・・・
このLPは紙製の内袋(セピア色になってる・・・)だったので良かったです。まあ、アメリカ産LPの常で、未開封にもかかわらずゴミだらけで、LP自体も擦り傷とかチラホラついているのだけど、まあそういうのは音にはほとんど出ないからいいのだけど。
プレスされてから30年は経過しているので、レコード材料に添加された物質がじわっとにじみ出て染みみたいになっているのも仕方がないが、今回のLPは割と状態が良かった・・・
ナガオカの ローリング152 でゴミ掃除をする。ゴミだらけの中古LPの掃除にはコレが手軽で助かる。ゴムラバーは何度でも洗って使えるタフなやつである。
お次は レイカ バランスウオッシャー33 でクリーニング。コイツは新品LPでも安心して使えるし、レコードに悪影響がないのがいい。LPも綺麗になるし、ノイズも低減してくれるようだ・・・何回トレースしても針がゴミを掻き出す頑固な汚れのLPがあったが、この レイカ バランスウオッシャー33 でクリーニングしたら一発で解消してしまった。初めは半信半疑で使っていたが、今はLPを聴くのに欠かせないアイテムになってしまった・・・
おっと、レコードクリーニングの話を長々としてしまった・・・

このLPが製作された経緯は最初よく分からなかった。"Marathon IV" というのが?で、ルパン三世 ならぬ 「マラソン4世」 っちゅー人を称える為のアルバムかいな?なんて真剣?に悩んでしまったが、何のことはない、フィラデルフィアのラジオ局 WFLN がオーケストラと共同して行っているイベントらしい・・・ということは分かった。最近日本でも良くやっているベートーヴェン・マラソンとかそういう類・・・だと思うが・・・
ネットで調べてみると、WFLN の Harry Haas(Pennsylvania Association of Broadcasters) とゆー人がこのイベントの立ち上げに尽力したらしい。
このLPは フィラデルフィア管弦楽団 の 1980-1981年のシーズンに開催された WFLN/Philadelphia Orchestra Marathon IV というイベントの際に製作されて関係者に配布されたもの・・・なのだろう。限定配布ということでLPジャケットの内側にナンバーがスタンプされている。このLPセットは No.0139 とスタンプされている。セットの製作数は不明。
1980-1981年のシーズンといえば、われらがマエストロ・ジーンの音楽監督最後のシーズンでもあり、また80歳の誕生日を迎えた年でもある。そういう区切りの年ということでこのLPが製作されたのだろう。

当時のアメリカ大統領(リチャード=ニクソンですな)もこのコンサートに来ており Academy's Proscenium Box No.1というボックス席で聴いていたそうな。コンサートの前に Presidential Medal of Freedom (大統領自由勲章)の授与も行われたそうで・・・演奏に参加している Valley Forge Military Academy Band(wikipedia) にそのあたりの記述がある。
で、出演者も豪華・・・ですなあ。当時の Philadelphians が羨ましいぜ・・・

John Browning(Piano)
Valley Forge Military Academy Band directed by Col. D. Keith Feltham
曲目は下記の通り・・・
Side One
Kabelevsky: Overture to "Colas Breugnon"
Halevy: "Rachel, quand du Seigneur" from "La Juive",
Placido Domingo
Meyerbeer: "O beau pays" from "Les Huguenots"
Joan Sutherland
Side Two
Ricci : "Io non sono piu Annetta" from "Crispino e la Comare"
Joan Sutherland
Donizetti : "Fra poco a me ricovero" and "Tombe degl'avi miei" from "Lucia di Lammermoor"
Placido Domingo
Donizetti : "Verranno a te sull'aure" from "Lucia di Lammermoor"
Joan Sutherland and Placido Domingo
Side Three
Rachmaninoff : Rhapsody on a Theme of Paganini for Piano and Orchestra
John Browning
Side Four
Tchaikovsky : Festival Overture, "1812"
Valley Forge Military Academy Band, directed by Colonel D. Keith Feltham
※「雨のコンダクター 」(その1 その2)の曲だな・・・
このLPは Automatic Sequence の面割り(1枚目が Side1,Side4、2枚目が Side2,Side3)になっている。当時の流行だから仕方ないけど面倒なこって・・・

サウンドはデッドな Academy of Music の特徴がもろに出ている。残響が少ないのでテンポも幾分速めに感じられる。会場のざわざわした雰囲気も生々しく収録されており、40年前の1970年にタイムスリップ・・・だなあ。これこそ正に RECORD(記録)である。
ちなみに、この WFLN/Philadelphia Orchestra Marathon では、そのイベントにちなんだコーヒーカップが製作されていたり、他にもライブLPを出しているようである。ネットで探して見つかったものを・・・
大切なアナログLP(南イタリアの申し子 ~ リッカルド・ムーティ)
ムーティ/フィラデルフィア管弦楽団 の 1982年 ルツェルン音楽祭 のライヴLP(WFLN/Philadelphia Orchestra Marathon Ⅶ)とのこと。
フィラデルフィア管とのヴェルディ《レクイエム》 (南イタリアの申し子 ~ リッカルド・ムーティ)
ムーティ/フィラデルフィア管弦楽団の1980年 the Basilica of Sts. Peter and Paul, Philadelphia に於けるライブ収録。曲目はヴェルディのレクイエム。(WFLN/Philadelphia Orchestra Marathon V)
The Mystery of Leopold Stokowski by William Ander Smith(
Fairleigh Dickinson University Press (August 1990) )
amazon.co.jp , amazon.com にもこんな記載が・・・

*1927-37:Centennial Celebration:Leopold Stokowski-Igor Stravinsky, including Stravinsky, Firebird Suite(1927), Le Sacre du Printemps(1929), and Petrushka(1937), Philadelphia Orchestra limited edition record set. RCA Special Products DPM 2 0534(two records), from WFLN/Philadelphia Orchestra Marathon VI,1982(同書 P170より)
※ちなみにこれ、Google ブックス で引っかかったもので、私はこの本は持ってません。(今回初めてこの本を知りましたワ・・・)こういうサービスは有り難いと思う一方で、著作権はどうなってるの?と思わざるを得ませんなあ・・・
さらっと書くつもりがえらい事になってしまった。何事も程々が宜しいようで・・・お粗末様でした。では。
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