オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の黄金期を支えたホルン奏者 その2 ― 2009年02月24日 07時59分
Mahler Symphony no.5 & no.10(Adagio)
James Levine conducting The Philadelphia Orchestra
solo: Frank Kaderabek(tp), Mason Jones(Hrn)
recorded at Scottish Rite Cathedral, Philadelphia, 17&18 Jan, 1977
Symphony no.5 also available on CDs
米RCA Red Seal RCD1-5453
BMGファンハウス/RCA BVCC-38136 (C)2001
BMGビクター/RCA Gold Seal BVCC-9346(RCA NEW BEST 100) 1994年
協奏曲や室内楽以外で Jones のソロが聴ける録音のひとつとして レヴァイン指揮フィラデルフィア管弦楽団演奏の マーラーの5番交響曲を。ジョーンズの引退1年前の録音です。
レヴァインがフィラデルフィアを振った録音は少ないですが、マーラーの5番、9番、10番、そしてシューマンの交響曲全集は、オーマンディ時代最後のフィラデルフィア管が鳴りきった名演奏揃いです。
James Levine & The Philadelphia Orchestra(マーラーの5番と9番)
http://www.ne.jp/asahi/tron/music/Levine.htm
RCA Red Seal に入れたマーラーの交響曲は、フィラデルフィア・シカゴ響・ロンドン響(LPOだったかな?)も含めて2001年にCDで再発売されましたが、まだ入手できるかな・・・
このマーラーの5番もその1枚。レコードラベル1面目には カデラベックの名前が、2面目にはジョーンズの名前がクレジットされています。
特に3楽章のホルンソロ、そして5楽章クライマックスのブラスの美音が実に心地良いです。勿論、フィラデルフィアの誇る弦セクションも聴きもの。
※以下、2009.9.19追記
なお、この演奏については吉田秀和氏が「なるほど」と思わせる批評をしているのでその一部を・・・ちょっと長いですが・・・
「・・・各部の響きの調和のよくとれたバランス、すべての声部が驚くべき明確さで聴こえてくるが、それは外面的、図式的に分離が良いというのと違って、それらの声部の一つ一つから、それぞれに与えられた音楽が聴こえてくるのである。・・・レヴァインは我慢できないほど込み入っていて、音の団子のような鈍い響きになりがちな箇所でさえ、辛抱強く、そのもつれた声部の糸の動きを一つ一つ拾いながら、それを切り捨てず再現しようとしている。・・・私はもしマーラーがこれを聴いたら『この男は私を理解した。私の一見複雑に絡み合ったスコアも、要するに自分の考えをできるだけ正確に伝えようとしたところから来たのであり、この指揮者は私のスコアに何かを付け加えようというのではなくて、それを正確に読み解すことに全力を尽くしたのだ』と言ったろうと思う。・・・」(音楽展望1979.7.19より)
あとはご自身の耳でご確認を・・・
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