The Minneapolis Sound: Sony Classical Boxes Eugene Ormandy's Early Recordings with Minneapolis Symphony.2022年05月05日 14時20分

ツイッターで何気なく eugene ormandy で検索したら、The Second Disc というアカウントのツイートで知りました、


オーマンディは、ミネアポリス交響楽団(現在はミネソタ交響楽団)の音楽監督を1931年から1936年の間務めてますが、この間、ミネアポリス交響楽団と短期に集中(1934年1月と1935年1月)して、RCA Red Seal に録音をしており、この11CD BOX はその録音の集大成になります。

なお、このオーマンディ と ミネアポリス交響楽団 の RCA Red Seal 録音は、オーマンディ・楽団員とオーケストラとの「契約上の不備」から生まれたという興味深いエピソードがあります。この「契約上の不備」を上手く利用して、RCA Red Seal はレコーディング費用を安く済ませたそうです。

まあ、それはさておき、昨年の The Columba Legacy に引き続き、今年はThe Minneapolis Sound と来た訳で、次回はどうなるか、期待が膨らみますね。 

ormandy RCA Minneapolis_1


ormandy RCA Minneapolis_2





Eugene Ormandy conducts the Sydney Symphony Orchestra in 19442022年01月30日 08時03分

オーマンディの戦時中オーストラリア・ツアーの実況録音。ツアー最終日のプログラム(ベートーヴェンの第9交響曲)のみ録音されたようで、ABC が保有する「もっとも古いフルライブのオーケストラコンサート録音」だそうです。

ABC技術者の ジョン・ウォーレンによる、本コンサート録音時の様子についてのトークあり。

ABC Classic の "Classic 90 for 90"という番組より。
90 great classical concerts from 90 years of Australian music-making on your ABC.

ABC Classic(Mon 24 Jan 2022)

Eugene Ormandy conducts the Sydney Symphony Orchestra in 1944(1:59:59)
https://www.abc.net.au/classic/classic-90-for-90/eugene-ormandy-conducts-sso-in-1944/13721984

Program
 Beethoven: Symphony No.9 (choral)

Artists
 Sydney Symphony Orchestra
 Eugene Ormandy (conductor)
 Thea Phillips (soprano)
 Evelyn Hall (contralto)
 William Herbert (tenor)
 Harold Williams (baritone)
 Hurlstone Choral Society

Extra Listening
ABC Technician John Warren talks to Edna Todd about the challenges of recording this concert.(4:45)

In August 1944 the great American conductor Eugene Ormandy made his morale-boosting tour of Australia, performing to audiences of Allied troops and the general public in Adelaide, Melbourne, Sydney and Brisbane. The tour culminated in this epic performance of Beethoven's life-affirming Ninth Symphony with the Sydney Symphony Orchestra and Hurlstone Choral Society in the Sydney Town Hall. This is the oldest full live orchestral concert recording in the ABC archives.

Ormandy's wartime tour of Australia was supported by both the ABC and the Australian Office of War Information, with troops being granted free entry to all the 18 concerts. General Macarthur himself authorised the conversion of an American bomber to fly the conductor and his wife and secretary across the war-ravaged Pacific Ocean. In those days it wasn't usual to record concerts. Instead the microphones would typically transmit the music directly from the hall to the transmitters and out to listeners' radios without ever being captured. But given the importance of the tour, and the enthusiastic response from audiences in all four cities, the ABC decided to record the final concert program for posterity, providing a copy to the conductor himself.

One of the many impacts of the Ormandy tour was on a 12-year-old Patrick Thomas. Already well on the way to becoming an accomplished flute player, Thomas saw one of the Brisbane concerts by Ormandy and was inspired there and then to pursue a career as a conductor.

Ormandy/Wiener Philharmoniker & R. Serkin at Theater an der Wien, June 9th,19632010年03月26日 01時25分

昨日?、HMV ジャパンから届いたので早速観てみました・・・このDVDについては以前書きましたな・・・

Dreamlife DLVC1212

観て気になったのは、映像が音声よりほんの僅か遅れている感じがすることだ・・・他のDVD(オーマンディ以外の)でもそういうことがあったから、こういうのは困るなあ。ごく僅かな遅れなのだけど、一旦気になり出すとどうも・・・

・・・DVDは複雑なデコードをしているからプレーヤー(ちなみにワシは マランツ DV7001 を使ってます)によってはそういうことがあるのかもしれない。DVDプレーヤーに映像と音声のタイミングを手動で微調整できる機能を付けて欲しいものだ。プレスされたディスクの修正プレスは難しいだろうが、プレーヤー側で補正すれば良いのだから。

今の技術なら難しいことはあるまい。CDプレーヤーにピッチ調整を付けて欲しいのと同様、DVDプレーヤーにも「ピッチ調整」と「映像と音声のタイミングの微調整機能」を付けて欲しいものだ・・・

閑話休題

パッケージには山崎浩太郎氏による簡素な解説が封入されているが、なかなか興味深い内容だ。解説には、ウィーン・フィルのオットー=シュトラッサーの回想(「栄光のウィーン・フィル』オットー=シュトラッサー/ユリア=セヴェラン訳 音楽之友社刊、amazon.co.jp )が引用されており、それによれば、オーマンディは「・・・多くの場合指揮棒なしで指揮をした。・・・」とある。この本を読んでいないので詳細は知らないが、今度図書館で借りて読んでみるか・・・(そういえば、以前図書館でウィーン・フィルに関する本を2冊借りたが、それとはまた別の本だな、これは・・・)

ちなみにこの映像では、マエストロはバトンを使って指揮をしている。

マエストロのバトンについては、Herbert Kupferberg(2001年2月に83歳で亡くなられていたのですね・・・合掌・・・)著 "Those Fabulous Philadelphians" (Charles Scribner's Sons, New York 1969年, amazon,co,jp , amazon.com ) に、著者とマエストロとの対話(1968年10月フィラデルフィアにて)が載っているので、少し長いが引用すると・・・

   I always used a baton when I conducted, until 1939, when I tore a ligament in my right shoulder and had to have an operation. The doctor recommended I stop using the baton then; the strain is much less without one. In 1950 when I was rehearsing "Fledermaus" at the Metropolitan Opera the singers on the stage told me they couldn't see my beat, so I borrowed a baton and the problem was solved. From then on I used the baton for operas, but not in concerts. In 1960, after talking it over with my doctor, I started to use the baton for concerts again and have been doing so ever since. It makes little difference to me, although I find that the member of the orchestras prefer to have me use the baton.
 - Ⅳ The Ormandy Era - A talk with Ormandy より

簡単に言えば・・・「1939年まで指揮棒を使っていたが、右肩の靱帯を痛めて手術した際に医者から指揮棒を使わないよう言われて止めた。1950年にメトロポリタン歌劇場で「蝙蝠」を指揮した際、歌手から指揮が見えないと言われたので、指揮棒を借りて振った。それからオペラでは指揮棒を使うようにしたが、コンサートでは使わなかった。1960年になって、医者が大丈夫と要ったので、それ以来指揮棒を使っている・・・」(間違ってたらごめんなさい、英語全然駄目なので・・・) この会話は、1972年来日時のパンフレットにも引用されている。(オルマンディは語る-伊奈一男氏)

DVDの解説によれば、マエストロがウィーンの定期に招かれたのが1956/7シーズンとのことで、以後(定期?)には1958/9、1966/7、1968/9、1969/70と合わせて5回招かれているとのこと。「会話」によれば、1958/9はバトン無しで、1966/7以後はバトン有りで指揮していることになるが・・・1963年のこのDVDの映像ではバトン有りである。

ま、マエストロ曰く「そんなことは私にとっては大したことじゃないのだが・・・」というところだが、きちんと何年に・・・などと律儀に答えているのはいかにもマエストロらしい・・・

またDVDの解説によれば、この演奏会では、DVDに収録されている2曲の後にR.シュトラウスの曲が演奏されたらしいのだが、どうもその映像は現存しているかどうかよく分からないようである・・・残念ですなあ・・・

ありゃ、もうこんな時間か・・・では、良い夢を・・・

Ormandy & Minneapolis : Bruckner Symphony no.72010年02月25日 10時45分

DANTE LYS 288
DANTE Productions/LYS 288 (P)1998 CD( amazon.com , amazon.co.jp or NML )
Early North American Orchestra Recordings - The American Recordings Library
Bruckner : Symphony no.7 (rec.1935)
Sibelius : Le Retour De Lemminkainen Op.27 (rec.1940)
Eugene Ormandy/Minneapolis Symphony Orchestra
& The Philadelphia Orchestra (Sibelius)

Oskar Fried による この ブルックナー7番シンフォニーの全曲世界初録音が1924年頃(平林直哉氏のクラシック名曲 初演&初録音事典 による)だそうで、それから11年後の録音ということになる。1928年の独Grammophone盤(ホーレンシュタイン指揮ベルリン・フィル)の後の3番目の録音となるが、野心的なレパートリーである。

当時、アメリカではこの曲は殆ど知られていなかったはずだから、マエストロミネアポリ ス交響楽団 が当時音楽家組合と交わしていた契約の「気まぐれ」がなければ生まれなかった録音であろう・・・さらにこの33年後の1968年、マエストロフィ ラデルフィア管弦楽団 と同曲をステレオすることになるだが・・・

原盤は RCA Victor Red Seal 。これも前回?と同様、DANTE LYS が市販SPから起こした復刻盤で、まあまあの音質といったところでしょうか。これまた残念ながら、現在は中古で入手するしかないようですが・・・ただ、ブルックナーは NML にて聴けるので、加入している方はお試しあれ。

75年前の録音ではあるが、ブルックナーのシンフォニーを鑑賞するのに特に支障はない。DANTE LYS の復刻はノイズを抑えて低音を増強しており、好みはあるが結構聴きやすい音質に仕上がっている。

では。

Ormandy & Minneapolis : Sibelius & Schönberg2010年02月11日 12時21分

ふと寄った中古屋さんで見つけたCDです。

DANTE-LYS 057
DANTE LYS 057 CD (P)1996 ( amazon.com , amazon.co.jp )
Early North American Orchestra Recordings - The American Recordings Library
Sibelius : Symphony no.1(rec 1935) , Schoenberg: Verklärte Nacht (rec 1935)
Eugene Ormandy/Minneapolis Symphony Orchestra

原盤は RCA Victor Red Seal 。DANTE LYS が市販SPから起こした復刻盤で、まあまあの音質といったところでしょうか。残念ながら現在は中古で入手するしかないようですが・・・

そういえば、最近 DANTE LYS の新譜をみかけませんね。一時期沈黙していた Biddulph は最近復刻盤を出し始めたようですが・・・そういえば、Nimbus も最近は復活したようで嬉しいですね。NMLで聴けますし。

さて、オーマンディミネアポリス交響楽団(現 ミネソタ管弦楽団)による75年前!の古~い録音ですが、これはオーマンディミネアポリス交響楽団 が当時音楽家組合と交わしていた契約の「気まぐれ」が生み出した・・・というエピソードがあります。

Arthur JudsonRCA Victor Red Seal のプロデューサー Charles O'Connell に 「彼らの『興味深い』契約を調べてみるといい・・・」とアドバイスしたのがその始まりだそうで・・・要は、楽員に特別な報酬を支払わなくてもセッションが組める(と解釈できる)・・・という、契約の穴?をうまく利用して、オーマンディミネアポリス交響楽団 と 1934年1月及び1935年1月に短期の集中的なセッションを組んで大量のレコーディングを行った・・・その結果の一部がこのレコーディングです。(もっとも、その後楽員にはこのセッションに関して某かの報酬が支払われたようですが、マエストロのポケットマネーからも・・・という後日談もあるようです。詳細は、「オーマンディ/フィラデルフィアのすべて」 や BMGジャパン/RCA Red Seal BVCC-38054 「シェエラザード」の解説をどうぞ)

なんにせよ、マエストロが当時音楽監督であった ミネアポリス交響楽団 に生命力を与えて、それをレコード上で(当時の他の)一流オーケストラに劣らぬものに仕上げたこの一連の録音は広く世界中に売れたそうです。マドンナの宝石 のようなセミクラから マーラーの復活(これはライブですが)、そしてブルックナーの7番(DANTE LYS 288 ( amazon.com , amazon.co.jpNML )があります)といった、当時としてはとんでもない大曲まで積極的に吹き込んだわけですから、結構冒険したんですなあ・・・このレコードの成功が、マエストロフィラデルフィア管弦楽団への大きなステップにもなったわけですが・・・

さて、このCDの収録曲も当時としては野心的なレコーディング・レパートリーだったと思います。シベリウス交響曲第1番シェーンベルクの「浄められた夜」(弦楽合奏版)ですから・・・どちらも1899年に完成・初演された曲で、まだまだバリバリの「現代曲」ですし、売れ筋・・・とは言えない曲ですからねえ。

ちなみに、シェーンベルクの「浄められた夜」(弦楽合奏版)について、平林直哉氏のクラシック名曲 初演&初録音事典 によれば、このRCA Victor Red Seal のSP盤が世界初録音とのことである。初演魔オーマンディ らしいレパートリー選定ではありませんか・・・世界初録音集ハイライト Ⅱ(Serenade SEDR-0002 (P)2009) にもこの演奏の一部が収録されており、一段と冴えた音で復刻されている。このCD-Rは他にも興味深い音源が収録されているので、興味のある方は如何?

オーマンディとウィーンフィル、そしてゼルキンが共演した映像のDVDが出るそうです2010年01月16日 11時00分

オーマンディ掲示板にも書きましたが、Dreamlife から 1963年のオーマンディウィーン・フィル、そしてルドルフ=ゼルキンの客演映像のDVDが出るそうです。

Dreamlife DLVC1212
Dreamlife DLVC1212 (HMVジャパン)
ベートーヴェン:交響曲第8番、モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番
オーマンディ&ウィーン・フィ ル、ゼルキン(1963)

Dreamlife のサイトには情報はまだ無いようですが・・・レコード屋さんの方が情報を流すのが速いですな・・・

これは、1996年に東芝EMIより発売されたLD「ウィーンフィルと名指揮者達」(TOLW-3741/44 悪税込\19,570←結構する)の中に含まれていたもので、時折クラシカ・ジャパンでも放送されていたと思います。

オーマンディ の他、このセットに含まれている ベームセルグルダ の映像もまとめてDVD化されるんですな・・・

ウィーン・フィルと名指揮者達がついにDVDで登場!
ORF(オーストリア放送協会)秘蔵の映像より歴史的なコレクションを一挙発売。
セル、ベーム、オーマンディら巨匠たちと、豪華なソリスト陣との夢の競演がここにDVDとして復活します。


・・・だそうで・・・14年ぶりか・・・他のLD3枚分がDVD2枚で出るようです。

HMVジャパン:R.シュトラウス:英雄の生涯、死と変容、モーツァルト:交響曲第40番、ベートーヴェン:交響曲第7番 ベーム&ウィーン・フィル(1964、64)

HMVジャパン:ブルックナー:交響曲第3番、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番『皇帝』、ウォルトン、モーツァルト セル&ウィーン・フィル、グルダ(1966、68)

さて、オーマンディゼルキン の 曲目は下記の通り。

Mozart : Piano Concerto No.21 (R.Serkin)
Beethoven : Symphony no.8

手元のLDを見ると・・・

Video Recorded : Theater an der Wien, June 9th,1963
(C)ORF 1963

とあります。オーマンディは、ウィーン・フィルに客演したり、ベルリン・フィルともフェスティヴァルに呼ばれて振っていることもあるので、他にそういうライヴが出てくると嬉しいですね・・・没後25周年の今年は再発売に期待出来るかも・・・

ということで、このLDを引っ張り出すことにしました・・・

東芝EMI/ORF TOLW-3741/44
東芝EMI/ORF TOLW-3741/44、 1996年4月(悪税込 \19,570)
ウィーン・フィル150周年記念 「ウィーンフィルと名指揮者達」
150th Vienna Philharmonic in Histrical Recordings

Mozart : Piano Concerto No.21 (R.Serkin)
Beethoven : Symphony no.8

Eugene Ormandy/Vienna Philharmonic Orchestra
Rudolf Serkin(piano)
Video Recorded : Theater an der Wien, June 9th,1963、(C)ORF 1963

4枚組のレーザーディスク・セットです。勿論、新品で買った訳じゃありません。昨年、ハイファイ堂レコード売り場 でみっけたものです。ここのお店とは相性が合うのか、何故か最近捜し物が良く見つかるのだ・・・

これは、ウィーン・フィル150周年を記念(1991年がそうなのかな?)して、オーストリア放送協会の秘蔵映像から未発表・未発売の映像をセレクトした物だそうな。ベームセルグルダオーマンディゼルキン による演奏が収録されている。

東芝EMI/ORF TOLW-3741/44 中身

結構豪華なセットである・・・

東芝EMI/ORF TOLW-3741/44 LDは4枚

カラフルなインナージャケット

東芝EMI TOLW-3742

マエストロ・ジーンのインナージャケットは青色。

絵が出るレコード・・・光り輝くレーザーディスク・・・

音と絵が出る、虹色のレコードだったんだよなあ・・・久々にディスクを引っ張り出そうとすると、ディスクの淵とインナースリーヴがくっついている。レーザーディスクの接着剤成分が出てきたのかなあ・・・アクリル樹脂が吸湿して反るのを防止する為、レーザーディスク は裏表のディスクを接着剤で貼り合わせると聞いたことがあるから。

片面CLV表

CLV 片面ディスクである。

絵が出るレコード・・・光り輝くレーザーディスク・・・の裏面も輝く・・・

裏面はブランク。信号が刻まれていないので輝き具合が違う。

片面CLV裏

片面ディスクの裏面レーベル表示。ちょっと無愛想?

オープニング画面

オープニング画面。画面上部に部屋の照明が写り込んでいるのはご勘弁。

オープニング画面
パワフルなマエストロ・ジーン

ベートーヴェンの8番をパワフルに振るマエストロ。

CLVの裏面はこういう案内画面が出る

裏面をプレイするとこういう画面が出る・・・

久々に稼働させた パイオニア CLD-R5

久々に稼働させた パイオニア CLD-R5 だが、もう生産中止になってしまった・・・

さて、オーマンディ の映像解説は 藤田由之氏によるもの。解説によると、1969年6月9日、アン・デア・ウィーン劇場における「ウィーン芸術週間」の特別演奏会を指揮した映像とのこと。モーツァルトでは標準的なオーケストラ編成が、ベートーヴェンでは2管編成を4管編成に増員して演奏していることに触れられており、短いが充実した解説である。

ゼルキンの伴奏では優雅なモーツァルトを奏でていたマエストロだが、ベートーヴェンでは一転、パワフル・スピード・ダイナミックな指揮ぶりでウィーン・フィルをグイグイ引っ張っていくが、そんな中でも ウィーン・フィルマエストロ に敬意を払いつつも自分たちの領域は守る・・・そんな、打打発止というか 両者の駆け引きが見物とも言える演奏であり、実に興味深い。

ベートーヴェン の1楽章の始め、タクトが振り下ろされてから音が出るまでの間の長いこと・・・指揮者の拍とずれて音を出す ウィーン・フィル と、トスカニーニを神の如く尊敬している マエストロ では水と油・・・というとそうでもないのが面白いところ。 フルトヴェングラー程極端ではないにしろ、 マエストロ にも 「ダウンビートの不明瞭さ」 という側面がある。フィラデルフィア管弦楽団のブラス・セクション にはタイミングを取るのが難しく不評?だったそうだが、同じくトスカニーニ派を辞任していたショルティが、指揮者の拍とずれて音を出すウィーン・フィル とウマが合わなかったのとは対照的なことにも思える。

ま、その辺りのことは3月に発売されるこの映像のディスク を見てもらうのがいいと思う。今から発売が楽しみだ。解説もきちんとしてくれると有り難いなあ・・・

んでは。

2009年 私的 マストロ・ジーン トピックス2009年12月26日 12時30分

もうすぐ大晦日・・・2009年ももうすぐ終わり・・・早いもんですなあ・・・ということで、今年のマエストロ・ジーン関係のワタクシ的トピックスを・・・

最初はやはりこれですなあ・・・

●ようやく初DVD化!オーマンディ&フィラデルフィア管によるライヴ映像、ストラヴィンスキーの『火の鳥』組曲、ラフマニノフの第2交響曲
Medici Arts 2072258, Ormandy conducts Stravinsky and Rachmaninov
もう出ないんじゃないかと、半ば諦めかけていた映像だったんですが(Classica Japan とかで時折放送されていると思いますが・・・)、年明け早々、マエストロ没後25周年記念? というタイミングで出てくるとは嬉しい限りですなあ・・・しかし、未DVD化の カバレフスキー「コラス・ブルニョン」序曲が置いてきぼりにされているのは残念です。これも入れれば、ユニテル収録映像はコンプリートとなるのですが・・・まあ、待望のラフマニノフとストラヴィンスキーがリリースされるのですから、些細なことですが・・・Euroarts, Medici Arts, Naxos には感謝あるのみですなあ・・・
xrcd24 JM-XR24058
ホント、「奇跡が起こった!!」と思わず叫んでしまうような音の修復作業には頭が下がるばかりです。このXRCD24のサウンドであれば、自信を持って、このコンビの代表的録音の一つとしてお薦め出来ます。RCA Red Seal 復帰直後のステレオ録音は音質が今ひとつ・・・というのが散見されるので、そういうのも是非・・・といいたいところだが、XRCDシリーズのRCA音源復刻は今年で終了してしまったので・・・

その次は・・・

●オーマンディ/フィラデルフィアのすべて (日本コロムビア 1967年3月)
オーマンディ/フィラデルフィアのすべて 上野一郎・訳 編(日本コロムビア洋楽部) 日本コロムビア 1967年3月
10年以上探していた本ですが、たまたまヤフーのオークションで出品されているのを見かけて入札・・・運良くそのまま最低価格(千円くらいだったかな?)で落札出来ました。

近所の図書館にありますよ~とある方に教えられて見てみると・・・これはなかなか力の入った内容の濃い本で、オーマンディ・ファン必携・・・と言いたいところですが、非売品なので中古やオークションを根気よく探すしかないようです。

どんどん行きましょう・・・

●John Hunt - American Classics: The Discographies of Leonard Bernstein and Eugene Ormandy. (と その2
それにしても、まさか我らがマエストロ・ジーンのディスコグラフィが出るとは思いませんでした・・・
John Hunt - American Classics: The Discographies of Leonard Bernstein and Eugene Ormandy-表紙
John Hunt といえば、フルトウェングラーとか色々な指揮者のディスコグラフィを出している・・・くらいは私も知っていましたが、まさかこの大御所が 我らが マエストロ・ジーンのディスコグラフィを出すとは・・・

ネットで調べると・・・Malcolm Fox (1946-1997) のDISCOGRAPHIES をクリックすると John Hunt Discographies というページで彼の製作したディスコグラフィを見ることが出来ます。

このディスコグラフィの introduction に "For my initial research on Ormandy I was greatful to an internet discography compiled by Kenji Yokota."とあり、このディスコグラフィ編纂にあたり 横田さんオーマンディ・ディスコグラフィを大いに参考にされたことでしょう。少なくとも、ネット上に存在するマエストロ・ジーンに関する情報は日本の方が圧倒的に多い・・・と思いますよ・・・アメリカにも熱心なファンはいらっしゃるでしょうが、面白い事ですねえ。

●オーマンディ&クリーヴランドの「復活」ライヴ 1972年11月その2その3
RARE MOTH RM-582/3-S
1972年、クリーヴランド管とのライブ録音CD-Rが出ている・・・というのは前々から聞いていて、ついに買って聴いてみました。音はかなり良好で、マエストロ印の「復活」でした。これは聴いてみて良かったなあ・・・と思いつつも、フィラデルフィア管弦楽団とのライブ録音が出ないかなあ・・・とついつい思ってしまうのであった。

●Marcel Tabuteau - How Do You Expect to Play the Oboe If You Can't Peel a Mushroom?
Marcel Tabuteau - How Do You Expect to Play the Oboe If You Can't Peel a Mushroom
2008年3月に出版された本ですから、つい最近出たばかりです。Marcel Tabuteau - Waldemar Wolsing Tapes. という CD が付いているのですが、Tabuteau と Wolsing の二人の会話や、Tabuteau のオーボエ演奏が収められています。1960年代前半に録音された物と思われますが、音質は良好です。フィラデルフィア管弦楽団の伝説ともなっている二人の奏者の一人を知るには格好の本では内でしょうか。こういう本がアマゾンで手軽に入手出来るのは有り難いことです。

●タワーレコード“Sony Classical”スペシャル・セレクション第3弾! - オーマンディによるチャイコフスキー交響曲第7番
米Columbia Masterworks MS6349 Tchaikovsky Symphony No.7 Ormandy&Philadlephia
まさかこんなのがまたCD化されるとは・・・タワーは 元気ですなあ・・・。1990年に 米CBS Masterworks Portrait MPK 46453 で1度CD化されたきりで、ずっと入手困難だったものです。時折オークションで見かけても競争が激しく価格も高く、結局未開封LPを格安で入手してようや く聴きましたが・・・

●タワレコ “RCA Precious Selection” 販売終了
オーマンディ・フィラデルフィア管弦楽団の未CD化音源を次から次へとCD化してファンを驚喜させたこのシリーズもいよいよ販売終了というアナウンスが4月にありました。これは、Sony Music が SONY BMGを完全子会社化 して組織再編したあおり を受けてなのでしょうが・・・RCA Red Seal とColumbia に遺された彼らの音源の行方が気になります・・・吉と出るか・・・あるいは・・・

●オーマンディ関係、ネットで見つけたあれこれ・・・
John Hunt のオーマンディ・ディスコグラフィ を入手する前、このディスコグラフィ発売元(本には、Travis & Emery Music Bookshop, London, U.K. と書いてありました)をネットで調べていた際、偶然見つけたものですが・・・

amazon.com でダウンロード販売 されている マエストロの注釈付きスコア (マエストロによるスコア改訂の一般的なパターンを論じた短い小論文のようなものでスコアそのものではない)の一件。日本からは geographical restrictions とかで、ダウンロード出来なくて、結局どんなモノか見ることは出来ないのか・・・と思いきや、意外なところから無料でダウンロード出来ることが分かりまし た。

BENET - CBS Interactive
Marking the way: the significance of Eugene Ormandy's score annotations - Notes, June, 2003 by John Bewley

まあ、音楽家が見てウンウン・・・という類のモノですから、私を含めた一般のリスナーが見て面白いモノかどうか何とも言えませんが、興味深い資料であることは間違いないでしょう。

・・・とまあ、こんなところでしょうか。では。

Ormandy & Oistrakh at Royal Festival Hall , 19672009年11月26日 23時30分

BBC Legends BBCL 4267-2.jpg
BBC Music/BBC Legends BBCL 4267-2 (C)2009

Arthur Bliss : Fangare
Dmitri Shostakovich : Violin Concerto no.2
David Oistrakh (violin)
Eugene Ormandy/London Symphony Orchestra
recorded at Royal Festival Hall,London, 19 Nov. 1967

P.I.Tchaikovsky : Violin Concerto
David Oistrakh (violin)
Maxim Shostakovich/London Philharmonic Orchestra
recorded at Royal Albert Hall,London,  26 Nov. 1972

BBC Radio 3medici arts による共同製作盤・・・なのかな?これは・・・それはともかく、久しぶりに オーマンディ が振ったライブCDが出たので聴いてみた。(HMVのオンラインで購入しました)

ロイヤル・フェスティヴァル・ホール 1967年のライブ録音。オーマンディ がLSOを振って、オイストラフがソロを弾いたショスタコのヴァイオリン協奏曲2番とブリスのファンファーレ。

チャイコはマキシム=ショスタコーヴィッチがLPOを振った演奏でこちらは1972年ロイヤル・アルバート・ホールの演奏。

音質はまあまあ。オーマンディの方はチリチリ・・・という小さなノイズが所々入るが、まあそう気にならない程度。ブリスのファンファーレなど音のドロップアウトが気になる箇所もあるが鑑賞に支障を来す程でもない。後年のチャイコの方が音は良い。

さて、演奏の方だけど、ブリスとショスタコの曲そのものが僕の好みじゃあないから、1回聴いただけでは何とも言えない。 強いて言えば、Barry Tuckwell  のホルンが印象に残った・・・というところか・・・ソロにぴったりくっつくマエストロサポートは見事だと思うが・・・最後は盛大な拍手で終わる。

僕としては後半のチャイコの方が(曲が)好きだな・・・というか、ショスタコが苦手なのだ・・・こればっかりはどうしようもないな・・・では。

オーマンディ&クリーヴランドの「復活」ライヴ 1972年11月 その32009年11月19日 07時04分

昨日はマエストロ・ジーンの生誕110年だったんですな・・・オーマンディ・ファンのくせにいつも翌日になって気が付くのだ・・・

自動車の運転免許証更新期間が誕生日前の一ヶ月間から誕生日前後一ヶ月(計2ヶ月・・・だったかな?)になったのも、誕生日を過ぎてから更新期間が過ぎたことに気が付く例が多いからと聞いている・・・が、それとマエストロ・ジーン生誕110年が何の関係もないことは言うまでもない・・・

さて、「オーマンディ&クリーヴランドの「復活」ライヴ 1972年11月 その3」といっても大したことはない。以前ここで書いたライブCD-R、所々トレースミスかデータ欠落でノイズが発生するトラブルがあり、購入元のアリアCD(http://www.aria-cd.com/) にトラブル状況を連絡して対応をお願いしたところ、ノイズの出る1枚目のCD-Rの代替品を送って頂いた。こちらから不良品の返送をする必要も無く、スマートに対応頂いた次第。それだけのことなのだが・・・

オーマンディ&クリーヴランドの「復活」ライヴ 1972年11月 その2
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/10/02/4609487

オーマンディ&クリーヴランドの「復活」ライヴ 1972年11月
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/09/02/4555823

んでは。

オーマンディ&オイストラフ 1967年ライヴ2009年10月11日 10時12分

BBC Legends BBCL4267
2ちゃんねるの 【いい意味の】オーマンディ【オケの錬金術師】
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/classical/1231778100/
で知りました。

BBC Music
http://www.bbc.co.uk/music/
BBC Legends BBCL4267

・ブリス:ファンファーレ(1’38)
・ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第2番嬰ハ短調Op.129(27’00)
 ダヴィド・オイストラフ(Vn)
 ロンドン交響楽団
 ユージン・オーマンディ(指揮)
 録音時期:1967年11月19日
 録音場所:ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35(33’00)
 ダヴィド・オイストラフ(Vn)
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 マキシム・ショスタコーヴィチ(指揮)
 録音時期:1972年11月26日
 録音場所:ロイヤル・アルバート・ホール
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

HMV
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3686478
タワレコ
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1994615&GOODS_SORT_CD=102

フィラデルフィア管弦楽団とのライヴもこんな感じで出てくれませんかねえ・・・