昨年の タワー・レコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第8期Ⅱ について・・・2015年11月07日 09時50分

昨年度のタワー・レコード "Sony Classical"スペシャル・セレクション第8期 第II回について・・・

今年のタワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第9期 第II回も好企画でしたが、昨年度のも、シューベルト「グレイト」・R.シュトラウス管弦楽曲集(ホルン協奏曲含む)という大物の初CD化及び久々再発売がありました。

さらに興味深いのは、Columbia Masterworks にてオーマンディ&フィラデルフィアのレコードの大半をプロデュースしたThomas Frost氏 による解説が付されるということ。

トーマス・フロスト
「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」
その1~その4迄(4枚に分割されて掲載)

ワタシは、BMGファンハウス(BMGジャパン)による「オーマンディ&フィラデルフィアの芸術」シリーズのような「最近」のインタビュー(RCA Red Sealのプロデューサー、C.O'connell氏, M.Willcox氏, J.D.Sax氏 等のような・・・)を期待していたのですが、蓋を開けてみたら、1969年にリリースされたLp「Thet Philadelphia Sound」(Columbia Masterworks M2X786)の解説でした。

そういう意味では期待外れでしたが、これはこれで貴重な読み物であり、当時、オーマンディ&フィラデルフィアの録音がどのようなプロセスを経て生み出されていたかを確認できる、実に奥深い内容でした。

当時のLp解説、CD化の際に採録されることはあまり無いのですが、今読み返すと貴重な資料やら、当時の風潮やらが読み取れて、実に面白いのです。

ご参考
bach cantatas website:Thomas Frost (Arranger)
youtube:Thomas Frost & David Dubal, 12/18/81

そういえば、クラリネット奏者でもあり、Columbia Masterworks でオーマンディ&フィラデルフィアの録音も担当していた David Oppenheim氏は2007年に逝去され、同じく数多くの録音を行ったJohn McClure氏も昨年6月に逝去されたようで・・・

ご参考
John McClure Dies at 84; Produced Classic Records
By WILLIAM YARDLEYJUNE 24, 2014


Interview with John McClure on making records, Bruno Walter, Stravinsky, Bernstein, and others....
From: Rich S. <schiebel*nospam@xxxxxxxxxxxxx>
Date: Fri, 16 Nov 2007

※インタビューの中に、オーマンディに関する記述もちょっとあります。

改めて、オーマンディ時代を担ったプロデューサーであるThomas Frost氏のインタビューも期待したいですなあ・・・

以下、発売された盤の簡単な確認・・・

SONY CLASSICAL/SICC-1736タワレコ
シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」(1966年)&第4番「悲劇的」(1962年)
※「ザ・グレイト」は初CD化
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その1掲載

SONY CLASSICAL/SICC-1737(2CDs)タワレコ
ベルリオーズ:幻想交響曲(1960年)&イタリアのハロルド(1965年)、イベール:寄港地他
※幻想交響曲はソニー初期CDと同じ「ローカット無し」を期待したが、残念ながら「低音カット」のエッセンシャル盤と同じリマスタリング音源のようで・・・残念ながら、まだまだ、ローカット無しの1985年のCD(52DC363/4  幻想交響曲、サンサーンス オルガン、死の舞踏)は手放せないなあ・・・

SONY CLASSICAL/SICC-1739タワレコ
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」(1966年LSO)&メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」(1963年)
※「新世界より」はマエストロ・ジーンには珍しくLSOを起用した録音。その理由についてはブックレットに詳述されているのでご覧下さいな・・・

SONY CLASSICAL/SICC-1740タワレコ
フランク:交響曲&交響的変奏曲(1961年)、ダンディ:フランス山人の歌による交響曲(1958年)
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その2掲載
※ダンディは Mason Jones(IHSの紹介文Philly.com追悼記事) の切れの良いホルン・ソロが聴きモノ。

SONY CLASSICAL/SICC-1741タワレコ
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」(1962年)&動物の謝肉祭他(1966年)
※「オルガン付き」はソニー初期CD((52DC363/4  幻想交響曲、サンサーンス オルガン、死の舞踏)よりエッセンシャル盤の音が良かったです。初期CDはテープのサーフェイスノイズカットでエッセンシャル盤よりも音に精細を欠いていました。今回の音源はエッセンシャル盤と同一のようで一安心。

SONY CLASSICAL/SICC-1742タワレコ
ビゼー:カルメン(1958年)&アルルの女(1963年)、ポンキエルリ:時の踊り(1964年)
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その3掲載
※カルメンは William Kincaid のフルート・ソロが聴きモノですな・・・

SONY CLASSICAL/SICC-1743(2CDs)タワレコ
R.シュトラウス:ツァラトストラはかく語りき、ドン・キホーテ&ドン・ファン他(「死と浄化」含む)
※「ドン・ファン」「ティル」「死と浄化」は1990年にCD化されて以来、久しぶりのCD再発売。

SONY CLASSICAL/SICC-1745(2CDs)タワレコ
R.シュトラウス:英雄の生涯、町人貴族&ばらの騎士組曲、ブルレスケ、ホルン協奏曲第1番
※「ホルン協奏曲第1番」は1980年代後半にCD化されて以来、久しぶりのCD再発売。Mason Jones(IHSの紹介文Philly.com追悼記事) のソロ。リヒャルトの2番の録音が無いのが悔やまれますなあ・・・ホント。

SONY CLASSICAL/SICC-1747タワレコ
はげ山の一夜~ロシア管弦楽曲名演集
※トーマス・フロスト「あの素晴らしいフィアrデルフィア・サウンド」その4掲載
※R=コルサコフ「クリスマス・イヴ」組曲の「ポロネーズ」なんて、うっとり聴き惚れてしまう名演ですなあ・・・かつて、こんなアンサンブルが存在したんですなあ・・・

SONY CLASSICAL/SICC-1748タワレコ
オルフ:カルミナ・ブラーナ&カトゥーリ・カルミナ
※「カルミナ・ブラーナ」と「カトゥーリ・カルミナ」が纏めてCD化されたのは今回が初めて。「カトゥーリ・カルミナ」は「カルミナ・ブラーナ」程知名度が無いから出しづらいので、これは絶妙なカップリングですな。

んでは。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
スパムコメント対策です。
nospam
と入力して下さい。お手数ですが宜しくお願いします。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://boukyaku.asablo.jp/blog/2015/11/06/7887887/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。