備忘録・・・1960年代、ストコフスキのフィラデルフィア管弦楽団 復帰演奏会ライブ録音2015年11月11日 06時40分

 備忘録として・・・ストコフスキフィラデルフィア管弦楽団復帰演奏会ライブ録音を纏めてみました・・・

 最初にこのPristine Classicalの音源を知ったのは、レコード芸術2013年6月号 特集「黄金のアメリカン・サウンド」の記事からです。相場ひろ氏による「レオポルド・ストコフスキー -黄金時代の音楽シーンに重要な足跡を残す」で紹介されていたものです。これを知ったときは驚きました。この記事では、Pristine Classicalの「ストコフスキのフィラデルフィア管弦団復帰演奏会」ライブアルバムが 2枚紹介(ブログ記事:その1その2)されていましたが、その後また1枚増え計3枚のアルバムがリリースされ、現在Pristine Classicalからダウンロード購入出来ます。

※ご参考:Pristine Classical からリリースされている オーマンディストコフスキーフィラデルフィア管弦楽団 アルバム(リンクをクリックして下さいな)

 また、同時に相場ひろ氏から、同じく復帰演奏会ライブがGuildストコフキのアルバム一覧)からCDリリースされていることも教えて頂きました。こちらも現在、計4枚がリリースされています。音源何れもEnno Riekena(The Leopold Stokowski Site)氏によるもの。

  かつて、「フィラデルフィア管弦楽団という天下の銘器は、ストコフスキーによってつくられ、オーマンディによってかき鳴らされる」と言われたらしいが、こ のアルバムでは「ストコフスキーからオーマンディにバトンタッチされ維持されてきたフィラデルフィア管弦楽団をストコフスキーがかき鳴らす」のを鮮明なステレオ録音で楽しむ事の出来る、歴史的且つ面白いアルバムと言えるでしょう。実に興味深い音源です。


Pristine Classical

STOKOWSKI in Philadelphia, 16 March 1962 - PASC372(ブログ)
Pristine Classical PASC372
 WEBERN Passacaglia, Op. 1
 SIBELIUS Symphony No. 4 in A minor, Op. 63
 DEBUSSY (arr. Stokowski) La Soirée dans Grenade
 MUSSORGSKY (arr. Stokowski) Pictures at an Exhibition

 Stokowski's Return to Philadelphia, 1960 - Pristine Classical PASC264 よりも更に音のふくよかさ、特に低音が増しているし、エコーも多めだ。マイク・セッティングが異なるのか、エコー用のマイクを増設したのか、或いは収録後にエコーを付加したのか・・・

 それはさておき、ストコフスキーが所有していた「放送録音を編集したコピーテープ」が音源とのことで、これまた実に鮮明なステレオ録音であり、多少のエコー付加があるとはいえ、Academy of Musicのデッドな音響の特徴が良く出ている。

 ストコフスキー編曲「展覧会の絵」を、ストコフスキーAcademy of Musicフィラデルフィア管弦楽団を指揮した明瞭なステレオ録音・・・これが貴重な歴史的な遺産でなくて何であろうか・・・全く、こんな超弩級の録音が出てくるとは夢のような話である。もっともっと、こういう埋もれている財宝を掘り起こしてもらわねば・・・


STOKOWSKI in Philadelphia, 17 December 1962 - PASC379(ブログ)
Pristine Classical PASC379
 WAGNER Prelude to Act 3 of Lohengrin
 BEETHOVEN Symphony No. 5 in C minor, Op. 67
 RAVEL (arr. Ravel) Alborada del Gracioso (from Miroirs)
 STRAVINSKY Petrushka Suite
<ENCORES>
 CLARKE (arr. Stokowski) Trumpet Prelude (Prince of Denmark's March) [notes/score]
 GOULD Guaracha
 RACHMANINOV (arr. Stokowski) Prelude in C sharp minor
 HAYDN Symphony No. 45 in F sharp minor, "Farewell": Finale from 4th mvt
<BONUS TRACK>
 REVUELTAS Sensemaya

 Stokowski's Return to Philadelphia, 1960 - Pristine Classical PASC264 はデッドなAcademy of Musicの雰囲気そのまま・・・という感じだが、前回のSTOKOWSKI in Philadelphia, 1962年3月16日 - Pristine Classicalと このアルバムは低音をブーストしてエコーも付加している感じだ。エコー用のマイクを増設したのか、或いは収録後にエコーを付加したのか・・・後者のような気がするが、嫌味は無い。テープの経年劣化と思われる音の崩れも多少あるが、明瞭なステレオ録音であり、リマスタリングに際して、「ノイズ除去のやりすぎ」で生気の無い音にしてしまう愚を犯していないのは有難い。

 それにしても、なんと愉快なコンサートだろうか・・・まったく、こんなコンサートを聴けたフィラデルフィアンが羨ましい・・・

Stokowski's Return to Philadelphia, 1960 - PASC264(ブログ)
Pristine Classical PASC264
 MOZART Marriage of Figaro - Overture
 DE FALLA El Amor Brujo
  Shirley Verrett-Carter, mezzo-soprano
 RESPIGHI The Pines of Rome
 SHOSTAKOVICH Symphony No. 5 in C minor, Op. 47

 1941年以来絶縁状態であったストコフスキーフィラデルフィア管弦楽団に客演指揮者として復帰したのが1960年、正に歴史的な復帰(Historical Return)演奏会ライブの1枚がこのアルバム。

 Wikipediaによると、1969年まで何回かフィラデルフィア管弦楽団を指揮したそうな・・・恐らく、その貴重な演奏は全てテープに録音されているハズ・・・WRTIフィラデルフィア管弦楽団 の倉庫からの蔵出しを期待したい・・・

 このアルバムは、ストコフスキー所有「放送録音テープのコピーテープ」とのことで、実に鮮明なステレオ録音であり、Academy of Musicのデッドな音響の特徴が良く出ている。

 コンサート後のストコフスキーのスピーチは会場の鮮明なステレオ録音と共に楽しめるおまけ付きである。50年以上前の歴史的な演奏会がこんな鮮明な音で聴けるとは驚きである。

  リマスタリングも実に旨くいっており、多少テープヒスを残しつつ、過度なノイズ除去を控えて、鮮明な音を蘇らせている。多少音が荒れっぽいが、これは年代 を考えれば仕方が無いと思うし、実に生々しい音が楽しめる。一部、テープ損傷と思われる音の崩れ(レスピーギの3曲目)が数秒あるが、鑑賞に支障は無い。

 放送局の解説より、フィラデルフィア管弦楽団の定期演奏会ライブであることは解るが、具体的な日時は不明。まあ、フィラデルフィア管弦楽団の演奏会記録を調べれば解るはずだが・・・



Guild

Leopold Stokowski - Gala Night at the Opera, 1962
Guild Histrical GHCD 2410

Guild GHCD2410 Leopold Stokowski - Gala Night at the Opera, 1962
Wagner : Rienzi Overture
Comments by Leopold Stokowski
Mozart : Le Nozze di Figaro: Non più andrai (George London)
Borodin : Prince Igor: No rest, no peace (George London)
Gounod : Faust: Vous qui faites l’endormie (George London)
Puccini : Tosca: Vissi d’arte (Birgit Nilsson)
Verdi : Aida, Act III: Ciel, mio padre (George London)
Wagner : Lohengrin, Act 1: Prelude
Wagner : Götterdämmerung, Final Scene: Brunnhilde’s Immolation (Birgit Nilsson)

Leopold Stokowski/The Philadelphia Orchestra
Academy of Music, Philadelphia, 20 January 1962, Stereo Broadcast
Master source : Recordings from the collection of Enno Riekena

 今年の夏にリリースされたアルバム。1962年、フィラデルフィア音楽アカデミーのガラ・コンサート ライブ録音です。ビルギッと・ニルソンとジョージ・ロンドンをソリストに迎えて、オペラの序曲や聴き所をストコフスキのアレンジ(当然、スコアにもストコフスキの手が入ってます)で楽しめるというもの。
 会場でのストコフスキのコメントも収録されています。マスタリングも、今回はノイズ除去控えめでまあまあの出来。
 オーマンディ時代のフィラデルフィアをストコフスキがかき鳴らす、歴史的な名演ではないでしょうか?


Stokowski - Mozart 1949-1969
Guild Historical GHCD 2405
ブログ
Guild GHCD2405
Leopold Stokowski/The Philadelphia Orchestra
Academy of Music, Philadelphia, 12 Feburuary 1960
Master source : Recordings from the collection of Enno Riekena

 モーツァルト「フィガロの結婚序曲」1曲のみであり、他は別のオーケストラの演奏。フィラデルフィアのファンにとってはちと残念?なリリースでもある。


Stokowski - Rimsky-Korsakov, Tchaikovsky 1962ブログ
Guild Historical GHCD 2403
Guild Historical GHCD2403 booklet
 Rimsky-Korsakov: Scheherazade
 Tchaikovsky: Romeo and Juliet
Leopold Stokowski/The Philadelphia Orchestra
Academy of Music, Philadelphia, 6 Feburuary 1962
Master source : Recordings from the collection of Enno Riekena

 音について、Scheherazadeはノイズ除去しすぎの弊害が出ているが、鑑賞に支障が出る程では無い。ノイズ込みよりこちらの方が良いという人もいるだろう・・・感性の問題でもあり難しいところ。Romeo and Juliet は私にとっては好ましい結果だ。Scheherazadeもこういう仕上がりであって欲しかった。

 肝心の演奏だが、両曲ともストコフスキが楽譜に手を加えており、所々で思わぬ音が飛び出したり、緩急自在、一瞬「え!」とビックリさせられたりしてなかなか面白い。


Stokowski - Brahms, Wagner 1960ブログ
Guild GHCD 2402
Guild GHCD2402
 Brahms:Symphony No.1
 Wagner:Symphonic Synthesis from ‘Tristan und Isolde’ - Love Music from Acts II and III (arr. Leopold Stokowski)
Leopold Stokowski/The Philadelphia Orchestra
Academy of Music, Philadelphia, 23 Feburuary 1960
Master source : Recordings from the collection of Enno Riekena

 ストコフスキの個性が明確に刻印された演奏。残念なのは、ヘッドホンで聴くと解るが、妙な周期的「シュワシュワ音」が付帯したり、弦セクションの音が妙にざらついたりしていて、音から精気が失われている所が散見?されること。りマスタリング時のノイズリダクション処理に於いて、ノイズ除去し過ぎた音源はこういった残念な結果になることが多い・・・まあ、テープの状態があまりよくなかったのだろうか・・・Pristine Classicalと比較してGuildはちとノイズ除去をやりすぎている感じがある。テープ雑音を敵視するあまり、完全に除去するのはちと考え物と思いますが如何でしょうか?

とりあえず、こんなところで・・・んでは。