名フィル第430回定期演奏会「日本民謡の昇華」~「メタ」シリーズ~ 愛知県芸術劇場コンサートホール 2015年12月12日(土) ― 2015年12月17日 05時30分
第430回定期演奏会「日本民謡の昇華」~「メタ」シリーズ
・ホルスト: 日本組曲 作品33
・藤倉大(名フィル コンポーザー・イン・レジデンス):
フルート協奏曲*[委嘱新作・オーケストラ版 世界初演]
・ホルスト: 組曲『惑星』作品32**
マーティン・ブラビンズ(指揮/名フィル常任指揮者)
クレア・チェイス* (フルート)
愛知県立芸術大学女声合唱団** (女声合唱)
ホルストの「日本組曲」・・・ま、確かに「和風」の旋律が洋風の味付け(オーケストレーション)で聴けますなあ・・・という類の組曲。定期の解説(コラム)によると、伊藤道郎との邂逅から生まれた組曲だそうで、このコラムはなかなか読み応えがあった。前菜にはちょうどいいんじゃないかな・・・
フルート組曲・・・う~ん、どうなんでしょ。初っ端から尺八のような激しい息遣いの音を連発されて面食らってしまった。激しさと静けさのコントラストで聴かせる・・・のかねえ・・・クレア・チェイスの「奮闘」は賞賛に値する(十字架のような馬鹿でかいフルートにはタマゲタ・・・)が・・・ま、私の「好み」じゃあないねえ・・・しかし、これは「クラシック音楽」なのか「現代の音楽」なのか・・・というのは私にとってはどうでも良くて、聴いて「感動するか」「感動しないか」だけなのよねえ・・・そういう評価軸からすると・・・音楽と社会の関わりとは何ぞや・・・ですなあ・・・
後半はお待ちかねの「惑星」、ブラスにもっとパワーが欲しい所だが、名フィルは健闘してますなあ・・・やはり実演で聴くと面白い。パイプ・オルガンについてはいつも感じるが、オーケストラの音にかき消されて目立つべき部分が聴き取り難い箇所(土星のペダル・ノートとか、天王星のグリッサンドとか)がやはり・・・オーケストラを圧倒する音が欲しい箇所でも絶対的な「音量不足」は否めない。こればかりは容易に解決出来ないから難しいねえ。SRによるブーストや電子オルガンによる付加を考えたほうが良いのではないだろうか・・・この点は「録音」で聴くのが良いというケースでもある。
ちなみに、今回の席は3階席の中央より後ろ側のA席。メイン・コンソールで弾いているオルガンの様子は良く見えるが、音がオケに負けて聴き取り難い・・・ティンパニの音は良く飛んでくる・・・席によっては、オルガンの音が明瞭に聴こえるかもしれないが・・・難しいですなあ・・・
ま、細かいところを論うと切りが無いので・・・なんにせよ、惑星は久々にオーケストラの醍醐味を楽しめて、実に爽快。難しい評論は評論家にお任せして「音楽は楽しむに如かず」でいきたいものですな。
ちなみに、普通舞台に登場しない「女声合唱団」、今回は演奏後に舞台に登場していた。ブラヴィンズさん、気遣いの人ですなあ・・・
今回のコンサート、「プレ・コンサート」「ポストリュード」は時間の都合で聴けず、ちと残念・・・んでは。
2014年11月15日(土) 名フィル418回定期演奏会<"B "の1番> ― 2014年11月16日 08時20分
2014年11月15日(土)
名古屋フィルハーモニー交響楽団 第418回定期演奏会
ベートーヴェン: 『レオノーレ』序曲第1番 作品138
ブリテン: セレナード 作品31 *
ベルリオーズ: 序曲『ウェイヴァリー』 作品1
バーンスタイン: 交響曲第1番『エレミア』**
指揮:川瀬賢太郎、テノール:小原啓楼、ホルン:安土真弓*、メゾ・ソプラノ:**福原寿美枝**
今回のプログラムは全く知らない曲ばかり。曲名くらいは聞いたことがある程度、これまで録音・実演等一切聴いたことが無い。まさに私的「初演」なのだ・・・ズボラで予習しないから・・・
ベートーヴェンの序曲では突如強烈な眠気に襲われて、ほとんど夢現状態であったが、心地良い音響に身を浸した感じ・・・最近の名フィルコンサートでは、何故か最初の曲のときに眠気に襲われることが多い・・・謎だ・・・
お次のブリテン、最初のベートーヴェンで眠気スッキリさせた?お陰でしっかり聴けた。元「ホラ吹き」として、かの伝説的奏者である Dennis Brain が関係する曲・・・なのに今回が聴くのが初めてという、「ホラ吹き」の風上にも置けぬ所業・・・はさておき、実に美しい曲だった。マーラーの歌曲を思わせるような厭世的な雰囲気もなかなか良い。
何時も3階席中央あたりで聴いているが、この席のデメリットは発声が明瞭に聞こえないこと。今回のブリテンも、予め歌詞を知らないと、一体何を歌っているのか判別は難しい。
あと、終曲の静かな瞬間に、フォルテッシモの咳が乱入してきたのが残念であった。咳は生理現象で仕方が無いが、せめてハンカチやら手ぬぐいで口を覆ってピアニッシモにする努力くらいはして欲しいものだ・・・
ベルリオーズでは、名フィルの好調なブラス・セクションを楽しめた。ベルリオーズは「幻想交響曲」以外は訳も無く敬遠していたのだが、聴いてみて悪くないと思った。やはり食わず嫌いは良くありませんな。
最後のバーンスタイン、自作ミュージカルと異なり、肩に力が入りすぎ・・・な感じは否めないが、劇的表現はなかなかぐっと来るものがある。
声についてはブリテンの時と同じく、(たぶん)ヘブライ語なので、3階席中央あたりでは言葉の判別は難しいと再認識。まあ、これは仕方が無いかな・・・
<今回の残念>
無残に置き去りにされた袋入りチラシ。チラシ回収箱も設置されているのだし、要らないチラシは綺麗に回収箱に入れて欲しいものだ・・・
では。
2012年7月20日(金) コバケン・スペシャル ファイナル(Vol.24) ― 2012年07月21日 07時55分
<ベートーヴェン・セレクションIII >
ベートーヴェン: ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61*
ベートーヴェン: 交響曲第6番ヘ長調 作品68『田園』
小林研一郎 (指揮/桂冠指揮者)
有希 マヌエラ・ヤンケ* (ヴァイオリン)
ホントはキンカンの後に行くつもりだったのだが、結局ケッキンカンになってしまい、コンサートも前半のヴァイオリン協奏曲は聴き逃し、後半の「田園」のみを聴いた・・・
まず、真ん前にもかかわらず、ヴィオラの音が聴き取りにくい。ヴィオラのサウンド・ポートはP席側(舞台後ろ)を向いているからなのだろう・・・むしろ、指揮者の向こう側のヴァイオリン・セクションの音の方がよく聴き取れる程だ・・・
3階席では、コンサート・ホールという拡散音場で程良くブレンドされた音として聴いているが、舞台真ん前はブレンドされる前の音として(表現は悪いが)バラバラな音(分離された音と言うべきか?)として聴こえる。
各楽器からの距離差がタイミングのズレとして明確に認識出来るのだ・・・先週のマーラー8番、舞台と客席バンダの音のタイミング・ズレと同様、聴く場所によって「音のアタマのタイミング」がずれる・・・
音速360m/secという物理現象・・・36mの距離で0.1秒の差が生じるのだから無視出来ないファクターだ・・・舞台から距離を置く程に音の頭のタイミング差は小さくなる(無限遠ならゼロとなる)・・・ホールのどの客席で響く音を想定して音のバランスやタイミングを調整するのか、一度指揮者に聞いてみたいものだ・・・・
ま、それはさておき、やはりベートーヴェンの「田園」は名曲だなあ・・・リピート無しでほっとしたし、舞台近くで雄弁に語りかけるバスの音がよく聴き取れて、改めて田園という曲の凄さを認識した・・・今度スコア片手に聴こうかな・・・期待?したマエストロ・コバケンの唸り声は今回は何故か皆無であった・・・う~ん・・・
アンコールは「定番」のダニー・ボーイ(弦楽合奏版)・・・やはり、これを聴かないとね・・・
コバケン・スペシャルはこれでお終いだが、来年はマーラーの3番を振るそうな・・・期待しようじゃないか・・・んでは。
名フィル クリスマス・ポップスコンサート2011 愛知県芸術劇場コンサートホール 2011年12月15日(木) ― 2011年12月31日 10時40分
名フィル クリスマス・ポップス・コンサート 2011
愛知県芸術文化センター 芸術劇場 コンサートホール
2011年12月15日(木)
ボブ佐久間 指揮 名フィル・ポップスオーケストラ
アンダーソン: そりすべり
ボブ佐久間編: 神様がスイングしたら…
(神の御子は今宵しも/スイング版)
ボブ佐久間編: クリスマス・キャロル・メドレー
ボブ佐久間編: クリスマス! クリスマス!! クリスマス!!!
ボブ佐久間編: ラヴ・アット・ザ・ムーヴィーズVol.3
~映画音楽の巨匠~
名フィル第386回定期「愛の死」~「愛と死」シリーズ~ 愛知県芸術劇場コンサートホール 2011年12月3日(土) ― 2011年12月06日 06時20分
ヴァイオリンの両翼配置とコントラバス・セクションを舞台左側に配置しているのは指揮者の好みだそうな・・・普段の配置と異なるせいか、響きも違って聞こえたような・・・視覚の影響も大きいけどね・・・
なかなかいい演奏だった。特にブルックナーは時折オルガンのように響くブラスが心地よい・・・
残念だったのは少々フライング気味の拍手。こういう曲は指揮者の肩の力が抜けたのを見計らって拍手してくれると嬉しい。拍手のスタートを競ってもしょうがないので、こういう曲の拍手は落ち着いてゆっくりとやってほしいものだが・・・んでは。
名フィル第385回定期演奏会「愛の渇望」~「愛と死」シリーズ~ 愛知県芸術劇場コンサートホール 2011年11月18日(金) ― 2011年11月20日 11時05分
歌劇『ホヴァンシチナ』前奏曲(モスクワ河の夜明け)
ショスタコーヴィチ: ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 作品77*
コダーイ: 組曲『ハーリ・ヤーノシュ』 作品35a**
バルトーク:バレエ『中国の不思議な役人(不思議なマンダリン)』 作品19,Sz.73 組曲
ゴロー・ベルク(Golo Berg 指揮)
アリーナ・イブラギモヴァ*(Alina Ibragimova ヴァイオリン)
崎村潤子**(ツィンバロン)
金曜日は雨が降りそうだったけど、まあ持ちこたえた・・・かな。23時くらいに雨がパラパラと・・・昨日は土砂降り・・・土曜定期はお客さんどうだったろう・・・濃いプロだったからねえ。
今回のプロはレコードでは聴けるが実演では滅多に聴けない曲ばかり。ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲、ショスタコーヴィチは苦手(あのひねくれたメロディーがどうにも理解出来ん・・・)なんだけど、今回の演奏、Alina Ibragimova の熱演には圧倒された。彼女は明日月曜日、宗次ホールでバッハを弾くそうだ。行こうかな?ちなみに金曜日はアンコールにバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV.1004より第3曲「サラバンド」を弾いてくれた。
コダーイの『ハーリ・ヤーノシュ』組曲。ツィンバロンは音が小さいので、オケとのバランスを取るのに苦労したのではないだろうか?舞台から離れた3階席では聴き取りづらかった・・・まあ、でも実演で聴けて良かった。
バルトークの「中国の不思議な役人」も正直苦手な曲だが、こうして実演で聴くとなんとなく「凄い曲だ」ということは分かる。曲が終わってからの拍手がまばらだったのは、曲よく知らない観客が多いからかな?俺もよく知らなかったしね。
今回のプログラム冊子に来シーズンのプログラム発表が載っていた。来シーズンは期待出来るかな・・・
愛知県芸術文化センターの夜の風景・・・
愛知県美術館で開催される生誕100年 ジャクソン・ポロック展のPRのようだ・・・
・・・んでは。
グリーン・エコー 第54回演奏会 ブリテン「戦争レクイエム」 平成23年10月30日(日) 中京大学文化市民会館 ― 2011年11月05日 17時10分
グリーン・エコー 創立55周年記念 第54回演奏会
武満徹:3つの映画音楽
ブリテン:戦争レクイエム
ソプラノ:並河寿美、テノール:福井 敬、バリトン:三原 剛
合唱:グリーン・エコー
児童合唱:名古屋少年少女合唱団(OB会のサイト)
指揮/広上淳一、名古屋フィルハーモニー交響楽団
こんな重い曲をこんな時期に・・・いや、こんな時期だからこそ・・・か?電子オルガンのスピーカーと少年少女合唱団は4階席に陣取っていたようで、1階で聴いていたこちらにはホントに天からの合唱であった・・・
最後のリベラ・メ、不覚にも涙腺が・・・LPで数回聴いたけど、実演を聴いて初めてこの曲を理解出来たような気がする・・・
名フィル第384回定期演奏会「狂気の愛」~「愛と死」シリーズ~ 愛知県芸術劇場コンサートホール 2011年10月21日(金) ― 2011年11月05日 16時20分
名フィル第384回定期演奏会「死への抗い」
愛知県芸術文化センター 芸術劇場 コンサートホール
2011年10月21日(金)
指揮:Frédéric Chaslin(フレデリック=シャスラン)
ラヴェル:亡き女王のためのパヴァーヌ
シャスラン:歌劇「嵐が丘」抜粋(日本初演)
ビゼー: 歌劇「カルメン」組曲
名フィル 第28回市民会館名曲シリーズ 2011年11月3日(木) ― 2011年11月05日 16時10分
「ポーランド」は緩急自在というか・・・テンポを動かす動かす・・・なかなか良かった。「悲愴」はオーソドックスというか、まるでカラヤンのような解釈だがこれもなかなか良かった。
この日はステージ間近で聴いたが、2階席や3階席とは音の聞こえ方がかなり違う。ステージ上の奏者の音の時間差や、ステージからの音がホールの壁面に反響して拡散する様が聞き取れてしまう・・・。聞き慣れた「悲愴」も席を変えて聴くと新鮮・・・これはこれで面白い。
シルヴィ・ギエムのボレロのことをすっかり忘れて(我ながらアホ)名フィルを聴きに行ったが、これはこれで良かった。全2回のチクルスを聴かなかったのが惜しい・・・次回(最後)は聴きに行こうか・・・
名フィル第383回定期演奏会「死への抗い」~「愛と死」シリーズ~ 愛知県芸術劇場コンサートホール 2011年9月10日(土) ― 2011年09月14日 04時55分
名フィル第383回定期演奏会「死への抗い」
愛知県芸術文化センター 芸術劇場 コンサートホール
2011年9月10日(土)
指揮:川瀬賢太郎
コントラルト:Maria FORSSTRÖM(マリア・フォシュストローム )
伊藤康英: ぐるりよざ
マーラー: 亡き子をしのぶ歌
ニールセン: 交響曲第4番「不滅」
最初の「ぐるりよざ」・・・スイマセン、最初から半分くらいは夢の国にいました…昼にビール飲んだせいか?どうも最近、コンサート前半の最初の曲は寝てしまうクセ(?)がついてしまい困っている・・・がどうしようも無い・・・せめて、鼾などをかいてお隣さんに迷惑をかけていないことを祈るのみ・・・夢現で聴いてたけど、わりかし取っ付きやすい感じで悪くない。盛り上がるところは結構イケる。
お次のマーラー「亡き子をしのぶ歌」・・・これは素晴らしい。コントラルトの清々しい声に聴き惚れてしまった。アンコール「私はこの世に忘れ去られ」も良かった。マーラーの歌曲ってこんなにいい曲だったのね・・・
トリのニールセン「不滅」、実演では初めて聴く曲。オケの交通整理が大変な曲であることがよく解った・・・最初はヒヤリ、だがまあ健闘した・・・かな?頭をスコアに突っ込んだような?指揮ぶりにも見えたが、安全運転モード?で最後まで行ったというところ。もっともっと荒っぽくオケを引きずり回す演奏を期待したいな・・・若いんだからね。終楽章のティンパニの掛け合い、ステレオで聴いても効果は解るけど、実演で聴くとこれは迫力があって面白い。観て聴けて良かった。
<追記>
そういえば、前回の定期、聴いたのに書いてない・・・
名フィル第382回定期演奏会「愛の諦観」
愛知県芸術文化センター 芸術劇場 コンサートホール
2011年7月8日(金)
指揮:ティエリー・フィッシャー (Thierry FISCHER)
ハープ:吉野直子
ヒナステラ
バレエ『エスタンシア』より4つの舞曲 作品8a
ハープ協奏曲 作品25*
R.シュトラウス:楽劇『ばらの騎士』 作品59 演奏会用組曲
ラヴェル: ラ・ヴァルス
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