ウラディミール=スピヴァコフ指揮、ロシア・ナショナル・フィルハーモニー交響楽団 名古屋公演 ― 2009年06月18日 07時35分
Vladimir Spivakov
http://www.spivakov.ru/
National Philharmonic of Russia
http://www.nfor.ru/
辻井伸行(ラフ2のピアノ)
http://www.nobupiano1988.com/
曲目は、チャイコの「ロミ&ジュリ」、ラフ2(P協の方)、チャイ5・・・。音楽評論家のU氏が絶賛していたので、んじゃ聴いてみようと2週間前にチケットを取った。
んで、昨日は満員御礼であった。最近のコンサートで満員御礼なんて実に珍しい。数年前のコバケン・スペシャル以来である。いったいどうしたのかしらん。
ロビーでは、盛んに今日のソリストの本やCDの売り込みをしている。これも珍しい光景だ。
ま、ここらはスルーしてホールに入る。今日は県芸の3階席一列目。この席は手すりが視界の邪魔をして不愉快である。体を少し起こさないと舞台が手すりに隠れてしまう。ちょうど指揮者がいる辺りだ。これをS席というのは納得がイカン。後ろの席の人には申し訳ないが必要最低限視界を確保できるよう体を起こす・・・ゴメン。
オケも指揮者も初めて聴くけど、これは凄い。
長~い指揮棒を優雅に振りこなす貴族指揮者(名前からして貴族の家系のような感じだ)というイメージがしっくり来る。往年のストコフスキーに勝るとも劣らない舞台姿である。まるでバレリーナのようだ・・・どうしてロシアの指揮者はこう舞台映えするのだろうか・・・曲の終わりのポーズもビシッと決めて格好いいのだ。
オケも凄い。一糸乱れぬ、打てば響くような、筋肉質だが肉汁も十分・・・という感じ。特にチェロとコントラバスの音の量感にはたまげた。ヴァイオリンとヴィオラも・・・要はとてつもない弦楽セクションだということ。ウィンドセクションもそれに相応しいレベルでこれまたたまげた。
チャイコの「ロミ&ジュリ」は小手調べ。
ラフ2(P協の方)は、ピアニストは目が見えないようで、指揮者がくっ付いてサポートしつつ登場。実に堂々たる演奏であった。見えないのにアレだけ弾けるのにはたまげた。ただオケの音量感に対して若干力不足(というか、3階席までオケを圧倒する音を出すピアニストはごくまれだと思うが・・・)という感じは否めなかったが、まだまだこれからだろう。音がオケに隠れ気味だが、耳を澄ませばちゃんと聞こえるし、実に綺麗な音を出す。こりゃ大したもんだ。
ちなみに、オケのサポートも凄かった。ぐっと音量を控えて、しかも寄り添うような絶妙な付き方である。
しかし、圧巻はチャイ5だった。素晴らしい!指揮もツボにはまり、もっと歌って欲しいなあと思うところもあるが、さっさと進めるところと、ぐっと歌わせるところのコントラストが絶妙である。ニクイわ~
アンコールがこれまた猛烈なものだった。これだけでもモトが取れるといっても言いすぎではない。チャイコのバレエから2曲、そしてトリはハチャトーリャンの舞曲・・・凄すぎる・・・オケの連中が嬉々としてノリまくって演っていた・・・オケの機能全開のショーピース・・・こんな凄いものが聴けるとは・・・(彼らの日本公演が終わったら詳細を書きます)
満腹状態でホールを後にすると、テレビ局が観客相手にインタビューしてた。これまた珍しい光景である。いったいどうしたのかしらん?ま、それはどうでもいいことだ。ひたすら指揮者とオケの凄さに圧倒されてしまったコンサートであった。
いいものを聴いた。今年の私的コンサート体験のベストである・・・というか、これまでのコンサートでもトップクラスの体験だ。仕事ほっぽり出しても行ってよかった。さあ、今日も元気に仕事すべー。(ほっぽり出した仕事を片付けねば・・・)
んでは。
最近のコメント